最初は単に面白そうだからだった。次にどれだけ探しても見つからないから、余計に興味が湧いた。何も知らずにまたあったときは『ただの弱い草食動物』だと思った。あの面白そうな草食動物が来て噛み殺していた時、部屋の隅で縮こまっていたから。あの時は、その姿を見てイライラした。だがそれはすぐに書き換えられた。
あの状況に対応できるだけのすばやい動きでも、彼女の身に起きた現象でも無く。
以前は見る事の出来なかった『光』
白く、淡く、儚い。
けど、いかなるものもその光りを侵す事は許されない。
それはある種の聖域のようにすら感じた。
そして何所か納得した。さらに興味が湧いた。
1-A
僕は彼女を調べ始めた。同時に入って来たときのそれとあの時の姿のずれから彼女が自らを覆う『仮面』がある事にも気が付いた。調べても本質に迫っている気がしなかった。そして応接室に来るように彼女を見る度、調査書類上と『仮面』の彼女と『あの時』の彼女の違和感が増加していった。そしてそれを面白いと思った。
今考えると、僕が彼女を自分の下に置こうと思ったのは結構遅かったのかもしれない。
ある日、僕は気付いた。
ふと彼女の方を見ると、時々『仮面』が剥がれかけて『彼女自身』が見え隠れしているということに。それが日がたてば立つほど増えていると言う事に。
……なら、『接触』が増えればより早く『彼女自身』にたどり着くのだろうか?
僕は動く事にした。そしてそれによって予定よりも速く願いは叶う事になる。
「お断りさせて頂きます」
そう言って彼女は僕の話を断った。
こっちを見る目に、怯えも、仮面をかぶった様な違和感も一切無かった。
「私は誰の下にもつきません。私を誇ってくれる人が沢山居ますから。だから私は、私自身を誇ってくれる人達のために誰の下にもつかないって決めたんです」
コレだけは譲れない。
語る事無く強い目線に隠されたその言葉は、彼女自身の強い『決意』だった。それだけは僕が何を言っても、変えることは出来ないだろうと思った。思わされた。
その時彼女の意思の『強さ』を確かに見た。その時、これが『彼女自信』なのだと確信した。見つけた。そう思った。
「それに」
けど、彼女の言葉はそこで終わらなかった。
「私は皆さんみたいに強くありません」
僕から彼女は目線をずらすそう言う姿は、打って変わってものすごく『儚く弱い』姿だった。けど、そこに仮面をかぶった様な違和感は存在しなかった。
「私は皆さんみたいに強くありません。朝はあまり得意ではありませんし、放課後や休日は大概用事があります。ろくに仕事にも出られない人間に『委員』が務まるとも思えませんから。お話がこれだけでしたら、これで失礼します」
そう、後に言い訳のようなものを付け加えると、彼女は応接室を後にした。この時、僕の中で彼女は『面白い興味の対象』だけはでなくなった。
この抉られる様な感じは一体何だろうか?
「委員長?具合が悪いのですか?」
帰ってきた草壁に心配されるまで、胸を押さえていたことに気が付かなかった。
君は断ったつもりなんだろうけど、このまま
それが何かは分からなかったとしても、僕はただそれだけだ。
雲雀さん視点でした。
やっぱり草食動物が部屋の端で震えている姿は、雲雀さんにとってイラつきの種でしか無いはずです。
Q主人公は未来編で出て来る財団はどうするつもりなの?
A中学の風紀委員が母体となっているとはあるが、全員参加とは明記されていないので中学卒業時点、もしくは進級時点で『役は果たした』と抜けて関わらないつもり。
活動報告書きました。投稿予定など書かれているので良かったら覗いて下さい。
感想等も絶賛お待ちしております。