ただの人間やってました   作:書人

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語られなかった二年間にも、やっぱり色々あったんです。


問23私はお見舞いする

ディーノさんと遭遇した次の日。

 

他人の不幸は蜜の味、とまでは言わないが。森夫さん家で出されたばかりのこたつに入って、鞭を持たされる沢田君達を傍観していた。ちなみに雛ちゃんも一緒。千沙も今は外に出ているが、幸せそうに寝ていた。

 

ちなみに、リボーンの盗聴器はここにも仕掛けられていたが、ジョンが一見ただの置物(まねきねこ)な盗聴盗撮妨害機を置く事で対処した。『子供達』は開発好きでもあるらしい。リボーンに灸を据えたとも言ってたけど……。

 

「……これさ」

 

「どうかしましたか?」

 

そういう私たちの脳裏には、破壊される並盛山。

 

「ここの担当の子、大丈夫?」

 

「ここの担当だと山ちゃんだね。彼は結構元気だし、ちょっと痛いだけで大丈夫じゃない?」

 

「痛い?」

 

本体(たんとう)が壊れるのって、生きたまま内臓をえぐられる様な感じだから」

 

「それって大丈夫じゃないでしょ!」

 

「あ、えっと、けどほら、あれだよ、私たちって人間模しているだけで、内臓とかあっても基本機能してないから。だから内臓なくなっても、本体(たんとう)完全消滅してなかったら修復早いし大丈夫!」

 

あわあわとしている雛を、複雑な感情で見つめていた。

 

……あれ?何か忘れている様な。

 

 

 

 

それは次の日の朝早く。森夫さんを訪れた草壁さんが、風邪をこじらせて入院する事になった為、自治会の会議に雲雀先輩が参加できなくなった。と伝えに来た事で思い出すことになった。

 

 

 

 

「……雲雀先輩が入院?」

 

あ、こんな話が『原作』にあった!

 

先輩は風邪をこじらせて入院する事になったらしいけど、もうそこまでひどくは無いらしいので入院はおそらく今日までらしい。草壁さんが昨日仕事を届けに家に行った、書斎に居ない事を訝しみ、自室の布団で具合いが悪そうに唸っている所を発見して、そのまま入院の流れになったらしい。

 

「草壁さんはお見舞いに行ったんですか?」

 

「その事なんですが、風紀委員の代表として和田さんに言って頂けたらと思うのですが……」

 

「え?私が……ですか?」

 

「本当は私が伺いたいのですが……。委員長の代理として、この後自治会の会議に出なければなりません。あと委員長の承認の必要の無い書類だけでも進めておかないと、委員長が復帰された時に負担が増えますから」

 

並盛の風紀を守る皆さんに休日は無いのですか……。

 

「分かった。何か持って行いかなければならない物は?」

 

『いいの?あの話って沢田君が雲雀さんの病室訪ねなかったっけ?』

 

「いえ、特には。ただ入院中は暇になりますから、何か暇をつぶせる物があったら良いかもしれません。昨日持って行った本も、昼になれば読み終わっているかもしれないので」

 

うん。だから千沙、避難誘導お願い。

 

私が透視できる視点は一つだけだし、沢田君一人を避けても他のちびっ子達に会えば、会わざるおえない状態に陥るかもしれない。沢田君一人なら別にましなのかもしれないけど、沢田君に会った後、一人きりになった所を狙ってリボーンが接触してきそうで怖いしな……。うん。そういうのは専門家(ちさ)に任せよう。千沙のおかげで学校で放課後に、誰にも接触せずに式を書いて回れた訳だし。

 

冬休み明けのリボーンが教師として学校に来る時は仕方ないとして。だけど、あれは授業中だし周りの目もあるから一定の度を越えた事はしてこないと思う。私が特に避けるべきなのは、体育祭の時みたいに2人きりなる事。更に千沙が居ない時に来られたら、うまく言いくるめられる自信がなかったり……。

 

「本か……雲雀先輩ってどんな本を読むの?」

 

『了解。にしても本だけ?食べ物持って行かないの?』

 

食べ物は人の好き嫌いがあるし、食べさせて良いか確認してからじゃないと。本人が欲しいって言ったら買いに行くつもり。

 

『と言いつつそれを理由に沢田君を避けるんだよね』

 

分かってるなら言わないの。

 

千沙が内で小さく笑っていた。

 

 

 

 

 

こうして私はいくつかの本を抱えて、雲雀先輩のお見舞いに行く事になった。

 

 

 

 

所変わって『並森中央病院』。土地神・ツクモ神なだけあって『子供達(あのこら)』はたいてい何所にでもいたりするのだけど、ここにも居たりする。私は元が丈夫なのだからか、それともそういうチートをつけられたのかここにはお世話になっていない。まあ、とにかく産まれて(?)このかたずっと健康体なので、ここに来るのは実に二年ぶりになるんだけど……。

 

そういえば、千沙が子供達と共謀(わるノリ)して謎の研究所作ってたな……。

 

『あ、あれか。まだあるんじゃない?』

 

千沙が思い出し笑いをして、笑いが止まりそうになかったのか途中で声が途切れた。(さすがにずっと笑い声が頭?に響くと五月蝿(うるさ)いから)

 

二年前には既にこの病院は雲雀先輩の支配下(?)にあり、新薬の研究とかをしていて、それに子供達も便乗して、こっそりテクノロジー的に表に出せない(決して、法的もしくは人道的にではない)研究を、普通の研究の片手間に雲雀先輩にすら隠してしていた。

 

ちょうど私たちが訪れた時、地下に研究施設を増築しようってなっていて、さらにそれ用(・・・)の研究施設も作っておこうってなって、『それなら私がやろうか?』って千沙が立候補して、カモフラージュ用として手前にも部屋を作ろうってなって、そこから悪のりして元素的に同一のリアル白骨を作ったり、それを浮かべたり、動く白骨標本作ったり……。そういえば、何処かに万能薬(made in 異世界)をかくしてたりもしていた。

 

まあそんな千沙の黒歴史(・・・)が詰まってたりな病院に着いたんけど……。

 

ドォォォオ

 

爆発し終えたイーピンが落下していた。(普通の人にはこれは見えない)とりあえず風で気休め程度だが、落下の衝撃は緩和しておいた。沢田君は早速やらかしていた……と言うかすでにほぼやらかした後だったらしい。……だからと言って病院での油断は禁物だけど。

 

 

 

 

コンコン

 

「誰?」

 

「和田幸です」

 

「……いいよ」

 

「失礼します」

 

「……なんで、君が?」

 

「風紀委員の代表として見舞いに行ってほしい、とたまたま会った草壁さんに頼まれましたので」

 

 

 

「草壁は?」

 

「今の時間だと自治会の会議に先輩の代理として出ているはずです。昨日持ち込んだ分は、読み終わっているかもしれない。ということで本を持ってきたのですが……」

 

「あぁ、読み終わって暇だったからゲームをしていたんだけどね。五月蝿(うるさ)くて起きたからちょうど良かったよ」

 

……どうやら本は間に合わなかったらしい。ちょうど今、透視した先で沢田君があの研究室に収容されていた。……ドンマイ。

 

「何か食べたい物とかありますか?」

 

「特にないね」

 

「そうですか、それではこれで失礼します。お大事に」

 

「うん。有り難う」

 

え?

 

あっさりお礼を言われ、思わず顔を上げて固まってしまった。とは言ってもすぐに持ち直したけど。なんとなく気まずくてもう一度頭を下げた後雲雀先輩の病室を後にした。

 

……沢田君が白骨標本に襲われかけてる。

 

この15分後、静かになっていた千沙が声をかけてきた。ずっと爆笑していたとか。いったん収まりかけていたけど、沢田君が白骨標本に襲われている所で再発してしまったらしい。

 

とりあえず無事、『並森中央病院』を後にし家へ帰った。

 




申し訳ありませんが今日はこの一話のみの投稿です。ひょっとしたらこのまま一話投稿に切り替えるかもしれません。このお話は転載前には無かった完全追加エピソードになります。

……骸さんは何時出てくるのでしょうか?自分にももうわかりません。

昨日見れなかった人に↓
設定に『和田幸』の挿絵入れました。
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