ただの人間やってました   作:書人

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リアルなお正月はずいぶん前に終わってしまっていますが、こっちは今お正月です。



問24私は逃走する

「いやぁああ!!来ないで!!!」

 

『幸!叫んだらこっちに集まって来るって!』

 

「母様こっちいたぞー!」

 

現在私は逃走しています。

 

 

 

 

冬休みに入りました。風紀委員の仕事も学校が無いのでお休みです。

 

他の人たちは休み中、学校の委員会活動としてではなく個人的な『風紀委員』という名前の団体として活動し、基本休み中は強制参加では無いとの事。彼らも一中学生である以上、休みを取る権利はあるのだとか。ちなみに学校外活動の『風紀委員』には中学生以外のメンバーも居るらしい。(情報提供:草壁哲也)

 

で、私の正月はめちゃくちゃ忙しい。

 

何と言っても『子供達』はこの世界中に約1億8000万人ほど居るのだ。さすがに全員に挨拶をしろとは言われないが、現在少しずつ顔合わせは進んでいて20万人は突破した。そして、この為だけに一番最初に覚えた『式』を応用した技術は完全記憶能力となった。……何時になったら全員と顔合わせが終わるんだろう。とりあえず休みもあるけども、私の正月5日間の地獄のパーティーづくしが待っていたりする。

 

日本から動かなくていいのが救いだったなーとか、パーティーって疲れるだろうなー。と、初めて聞いた時は完全にそれだけだとなめていた。

 

『子供達』はある意味穏やかな『戦闘狂(バトルジャンキー)』でやっぱり子供(・・)だったのだ。

 

 

 

 

毎年年初め恒例『正月合戦』

 

『裏』の『正月合戦』専用会場に日本各地から集まった総勢約一万人で行われる。ある意味『大運動会』的な行事があった。……これ、世界中のいくつかの会場で行われているらしい。そして実行委員の当番じゃない限り強制参加らしい。ちなみに頑張った人には豪華な景品がもらえる。

 

で、今年の種目は『増え鬼』。会場は森林区画と施設区画に分かれていて、直径1.5kmほどの広さだそうだ。

 

 

 

と言う事で、私は増える鬼から逃走してる。

 

『鬼が8千人突破したって』

 

残りあと何時間!?

 

『4時間!』

 

まだ半分越したばっかじゃん!

 

 

 

 

今回の隠れ鬼のルールは、鬼は、最低手の平の一部分が、服越しでも体の一部に触れた時のみ、捕まえた事になる。また、『身体加速・強化系無し』『幻術系無し』『武器無し』『罠無し』『霊接ハッキング無し』『脳内通信無し』『透化・物質透化無し』という制限がある。いや、それだけしか無い。

 

これだけでは、その恐ろしさが少し分かりにくいかもしれない。それではこう言い直せばどうだろうか?

 

当たり前に車と並走し、軽く屋根に飛び乗るスペックを持った鬼が、細菌感染並みに増えつつ追いかけてき来る。巻いたと思ったら、何所からか鬼が湧いて来て追いかけられるのエンドレス。を、延々10時間(・・・・)

 

実際の所『電子ハッキング』と『透視』を駆使し、隅々まで見張りつつそれを『通信機』で仲間に伝え、逃走者を追い込むのだ。ちなみに録画の為、視覚無く監視カメラが会場に置かれている。

 

手を抜いてわざと捕まったら、来年一人で敵役にされて大変な目に遭うらしいので手を抜く訳にも行かない。しかも始まる前に皆、すごい期待した目で見つめて来るから余計に手を抜けない。

 

血が出る様な危険は無いが、もはや地獄としか思えない。

 

 

 

 

 

『見つかった!そこ右に曲がって!10秒後に5人来るよ!』

 

ちなみに私たちの会話は脳内通信とは原理的に違うのでOK。と言うより、これをダメにすると長時間外に出られない千沙が参加できないから、その事に対する配慮でもあったり。

 

「母様が居たぞ!」

 

前から来た子供達の懐に低く潜り込み、捕まえようとする手をぎりぎりでしゃがんで避ける。だが油断してはいけない。彼らは行動の方向変換を速度を変えずに出来るのだから。私は背後から横から挟み撃ちで迫る手と背後から迫る手を上に避けた。

 

「っ!?」

 

 

 

 

逃走者は『身体加速・強化系無し』『幻術系無し』『武器無し』『罠無し』『霊接ハッキング無し』『脳内通信無し』『物質透化無し』という制限ルールになっている。

 

今回、唯一逃走者に許された『透化』が鍵になる。視界から消えるのと同時に気配も消して、補足が完全に外れた瞬間、補足され直す前にに包囲網を突破する。たとえ、相手人数が多くても突破出来る様に一応ルールが組んである。相手の方が実力が上だと気配を消しても意味が無いが。

 

 

 

 

私は避ける前に『消えて』動揺しているうちに、もう一段階速度を上げ、抜けた先の分かれ道を曲がる事等を繰り返す事で追っ手を巻いた。

 

 

 

 

『子供達』が皆強いから、こんな正月行事(ストレス発散法)が出来たのか、それともこんな正月行事(強制戦争)があるから『子供達』は皆強いのか。

 

 

 

 

今年の景品は『テーマパーク一日貸し切り券』でした。私達の他にも2人逃げ切った様です。

 

 

 

 

今まではほんの序章

これから本当に波乱の一年が始まる

貴方はまだ気が付いてないけど

もう関わらない事なんて無理なのだから

 




さっき書き下ろし終わったので、投稿が遅くなってしまいました。
リアルが忙しいので予定より早く一話投稿に切り替えます。申し訳ありません。

名前だけ見ると可愛いのに、皆ハイスペックなので恐ろしくなる『正月行事』。
子供達から逃げ切れている主人公もすでに廃スペック。

次を書いた後、設定をもう一度差し込めたら良いな……と思ってます。

1月20日の活動報告に、自分の他作品の今後の転載の話を載せています。
この作品を気に入って頂いている方は良かったら覗いて下さい。
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