ただの人間やってました   作:書人

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千沙視点。


問29私は問いかける

私が透視している(いしきをむける)先ではリボーンと雲雀さんが話していた。こっそりと、雲雀さんに読心術を使われてもいい様に細工をしておく。

 

やっぱり……実力があるって事は、もう雲雀さんには気が付かれてるか。まぁ、リボーンにそれらしき発言をされなくて良かった。

 

そんな事を考えていると、リボーンと話終えたらしい雲雀さんが、何故か私が透視している視点辺り(こっち)に向かって来ていた。

 

何所か寄ってから、応接室に戻るんだろうか……。

 

「出てきなよ」

 

……まさか気が付かれてる?いや、そんな事……。

 

「そこに居るんでしょう?和田幸」

 

気が付いてる!?しかも私を幸だと思ってる!!

 

まあそれ自体は何もおかしく無い。あくまでも私達は『同じ』なのだから。いや、それよりどうして雲雀さんは幸の気配が分かる?そこまでの技術はまだ無いはず。じっと雲雀さんはこっちを見て待っている。見えないはずの私と視線が合う。

 

「あくまでも無視する気?」

 

あぁ、雲雀さんは絶対に確信を持ってしまっている。

 

「……それならいい」

 

雲雀さんがここから去ろうとする。

 

ヤバイ!

 

コレは雲雀さん、絶対に戻ってから幸を問い詰める気だ!!まだ……っ!!

 

「初めまして」

 

私はそう言って、雲雀さんの前に姿を現した。

 

 

 

 

目の前に現れたのは、僕の知る彼女と少しだけ違った。身長が少し高くて、初めて会った時より髪が長かった。彼女は雪より白いワンピースを揺らして、ほのかに白く光っていた。

 

そして浮かんでいた。

 

「何その格好、ふざけてるの?」

 

そんなしょうもない変装で僕を騙せるとでも?

 

「どうして私が居るって分かったんですか?貴方には分からないほど気配を薄くしていた筈なのに」

 

「君だったから」

 

君が居る時、良く分からないけどずっと感じる温かさ。それを僕が間違える訳が無い。

 

 

 

 

私の雲雀さんに対する、気配探知能力の見立てが外れた?いや、もしも『私』で無かったら分からないと認めてる。

 

「私は幸じゃ無いですよ」

 

「見た目で騙せるとでも?気配も、その光りも。僕の知る和田幸のものだ」

 

!!

 

「やっぱり、(あのこ)の光を見たことがあるんですね」

 

私があの子である事を認めないからか、雲雀さんは明らかに機嫌が悪くなり始めた。

 

「私は『千沙』です。貴方が間違えるのも無理はありません。私と幸は一応、同一人物(ほぼいっしょ)ですから」

 

「……どういう事?」

 

「幸に私の事とか、この光りの事とかを聞くのはまだ待ってもらえませんか?今貴方から問い詰められたら、きっと幸は『独り』になろうとする。何も無かったことにしようとする……」

 

「………」

 

「おそらく、その時はそう遠く無いはずです」

 

願うのなら、願い続けるのなら。まぁ……幸が願うのを辞める訳無いだろうけど。

 

「……わかったよ」

 

「ありがとうございます」

 

私は精一杯の笑みを返した。雲雀さんは、私を一瞥すると応接室に向かおうとする。

 

「待ってください」

 

それを私は止める。

 

「一つだけ聞きたいんです」

 

「何?」

 

そういいながら、振り向いた。

 

「雲雀さんは幸を『強い』と思ってるんですか?それとも『弱い』と思ってるんですか?」

 

私が感じた限りの雲雀さんの認識は『弱くは無い』だった。

 

「さぁ。『強い』とも思うし『弱い』とも思う」

 

そう言う雲雀さんの表情を見て……。

 

あぁ……。本当に、本当にこの人は『幸』を見ている。

 

「合ってますよ。貴方はあの子を良く見てるんですね。もし、その時が来たらあの子をお願いします」

 

今度こそ、振り向く事無く去っていく背中に頭を下げる。この人になら任せられると思った。

 

 

 

 

誰でも良い

本当のあの子を見てくれる

そんな人が居たら

……きっと

 

『独り』にならずに済むはずだから




千沙と雲雀さんがなぜか邂逅。一番最初に考えていた時は当分先でした。雲雀さんの勘が思いの外すごかったんです。そして、やっぱり雲雀さんは重要キャラになりそうです。恋愛方面は……分かりません。

メッセージ貰いました。ありがとうございます。
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