段落ごとに入れ替えたりしたので、アットノベルズの方とはだいぶ変わっています。
その都合で時系列が前後する事があるのでご注意ください。
平穏はそう長く続かない。
一学年が終わり、今日から春休みに入ります。今日は先輩は見回りに出るので私は普通に帰宅です。千沙と話しながら商店街をブラブラしています。
『あっ。あのケーキ美味しそう』
ん? 本当だ。あのショート美味しそう。
かの有名(?)なラ・ナミモリーヌで、新しいフルーツショートケーキが出ていた。
『食べてく?』
いや、今日は良いや。
この後は特に予定も無いが、何となく行こうと言う気にならなかった。
『あ、笹川さん』
ラ・ナミモリーヌの店内に笹川さんと三浦さんが一緒にケーキを食べていた。なるほど、私の『勘』は中に入ると三浦さんと接触すると予感していたらしい。笹川さんは、黒川さんがきっと何か言ってくれたからか大丈夫なのだが、三浦さんは私に会うとずいずいとこっちによってくる。悪気が無いのは分かっているけど正直苦手だったり。2人が頼んでいたのは、丁度ショートケーキだった。
そういえば、あの2人は、甘い物好きで仲良くなったんだっけ?にしても……。
すごく美味しそうに食べている。
『そんなにこっそり物欲しそうに……買って帰ったら?』
……
『後、5個しか無いよ』
「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりでしょうか?」
「このショートケーキ二つ、持ち帰りでお願い」
「ありがとうございます」
誘惑に負けてを終え、商店街を抜けて家に帰ろうと思っていた。主婦はまだ家にいる時間で、今日は春休みだったからどちらかと言うと大人より子供の方が多く見られる。それでも人は少ないけど。
「おい」
後ろから声が聞こえる。いや、気配で後ろに居たのにはかなり前から気が付いていたけど、面倒事の気配がしたから振り向きたく無かった。
「おいっつってんだよ!!」
仕方なく振り向くと二十人ほどの不良が居た。
「私ですか?」
『不良だね、弱そう』
その不良達はそれぞれ髪を染めていた。雲雀先輩があれだけの事をしているにも関わらず『並盛』には結構こういう人が居たりする。制服が『並盛』の物では無かったから、先輩の噂を聞きつけてやってきた近くの町の人だろう。黒曜では無かった。
「おぅよ。姉ちゃんがあの『特別風紀委員』っつーコトでいいんだよな」
「……何の用ですか?」
『幸、逃げて!!』
「ちょっと人質になってもらおう」
そう言って気味悪く不良たちは
「安心しな。てめーの『先輩』も今頃、仲間にぼこぼこにされているだろうからよ!」
!?
私は翻って走り出した。不良から逃れるため、先輩を探すために。
「……なっ!!…待ちやがれ!!」
『誰が待つかアホ!!』
先輩の気配……あった。
凄く近いわけでもないが、近道をすると路地裏をくねくね曲がるので、先輩にたどり着くまでに私がつかまることは無いだろう。
先輩のことだからきっと今頃、不良達を咬み殺しているだろうけど……。
嫌な予感がさっきから頭を離れない。どうしてさっきから先輩の周りの気配が弱まらない?それどころか先輩の気配がどんどん……。
最後の角を曲がりきった。
嘘……どうして?
「先輩っ!!」
私の目の前に居たのは
服が破けていて、腕章が汚れていて、顔がはれていて、所々血がにじみ出ている雲雀先輩だった。
先輩…どうして……!?
「何やってやがんだお前ら!!」
一人の不良が私に気が付くと、私の後ろの不良達にそう罵声を浴びせかけた。
「まぁ良い。もうコイツはボロボロだしなっ!!愛しのねぇちゃんも来たし、仲良く一緒にねんねしてぐあっ!!?」
不良はそう言って先輩を蹴ろうとして、その足を掴まれた。先輩がふらりと立ち上がる。いや、立ち上がろうとしていた。
「あれ……嘘だったんだ」
先輩の言葉を聞いて分かった。
私だ。……私のせいだ、私のせいで先輩は無抵抗で……っ!!
やはり怪我が
カチッ
私の中で何かがはまった音がした。
私達ですら変えることの出来ない『運命』に、貴方はどうしようもなく引き寄せられる。貴方にしか変えられないから。貴方の願いをかなえるために『世界』はそう導く。
そのままコピペで行けるかと思ったら、短すぎたので文を追加。
笹川さんと、久しく出ていなかったハルの出番が増えました。