ただの人間やってました   作:書人

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途中傍観視点?が入ります。


問32私は理解する

最後のピースがはまった。こんなタイミングで私は理解した。いや、未だに理屈というよりは感覚を掴んだ感じだから、『馴染んだ』と言った方が良いかもしれない。

 

『世界創造方程式』が一体何なのか。

 

今まで分からなかったのが嘘みたいに頭の中の霧が晴れた。私は自分を転移させ、崩れ落ちる寸前の先輩を抱きとめた。

 

「先輩」

 

そういうと先輩は驚いた顔をした。

 

「後は私がどうにかします。だから安心して眠ってください」

 

そう言って精一杯笑った。そして同時に安心する能力を持たせた力をそっと流す。先輩の力が抜けていくのを感じ、気を失ったのを確認した。

 

 

 

 

それは誰から見ても、異常だったと言う他無かっただろう。それは到底一般人に理解できない超常現象である。故に、雲雀恭弥に手を出していた不良達(かれら)は考える事を放棄し、死の恐怖を味わう事になった。

 

そして、幸は『世界の器(かみさま)』として必要な力を習得した。世界を維持し、(ことわり)を書き換える力を。

 

 

 

 

「!?」

 

いきなり現れた私に不良たちは驚いたようだ。

 

「……まぁいい。アイツはもう落ちちまったんだ!!女一人で何が出来る!?」

 

一番最初に立ち直ったのは、先輩を蹴ろうとしたあの不良だった。

 

「そうだ!お前もコイツと一緒にボコボコにして!!?」

 

トッ

 

その不良の声に答えようと、声を上げたのを私は無理矢理止めた。

 

「黙れ」

 

もう、最後まで言わせない。

 

80人は居たであろう全ての不良達を、『物質創造』で具現化した数多(あまた)の刀によって完全に()いとめた。

 

「命が惜しかったら動くな」

 

そして、リーダーらしき不良の首に突きつける様に浮かんでいた一本のナイフを掴み私はそう言った。

 

『幸、幸……』

 

千沙は私の中から心配そうに声を掛けていた。……やっぱり私は弱い。強く握っていないとナイフが震えそうだ。

 

 

 

 

草壁さんを呼んでほしいと雛に頼んで家へと戻った。あの場所には沢田君達が居た。

 

 

 

 

先輩の治療はほぼ終わったかな……。

 

『お疲れ様』

 

千沙は以前は治療するときも一つ一つ指示を出していたが、今はもう出さなかった。

 

アバラが折れてなくてよかった……。

 

先輩にあったケガは、全身の打撲。地面にこすれて出来たであろうかすり傷。口の中も切れていた。そして、左腕の骨折と右足の複雑骨折。『式』を使って最初の三つは直したが、骨折は定着もさせないといけないから時間がかかる。

 

全治三日。

 

コレが『式』を使う医者としての私の診断だった。普通の人ならものすごく早いと思うだろう。

 

ただ『子供達』と模擬戦をして、その治療をこなしてきた時に比べれば。明らかに時間がかかりすぎだ。子供達は酷くても3時間ほどで治る……治せる。いや、今ならいちいち指示を仰ぐ必要も無くなったので、その半分もいらないかもしれない。

 

『人』と『子供達』でずれる自分の、実力不足に歯痒さを感じた。

 

 

 

それ以上に感じたのは、私はもう……。

 

千沙(かみさま)が管理していた『世界(すべて)』のいくらかが私の元へと戻っている(・・・・・・)のを感覚で感じ取っていた。

 

私はもう、転生して力を与えられた『ただの人間(・・・・・)』とは言えないのかもしれない。

 




ここでこの小説のタイトル『ただの人間やってました』が出ました。
……なんで出てきたのかは正直自分にも不明です。
改稿していたらそうなりました。
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