ただの人間やってました   作:書人

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……千沙?


問37私は罠をはる

 

幸は『世界創造方程式』を入れた無意識領域に気が付いた。

 

……いつか…。

 

いつか幸が式の全てを、本当の意味で理解する日が来たら。私のとの事も思い出すの思い出すのかな。

 

 

 

 

六道骸の目的は、分からないでも無い。子供達(あのこたち)に『母』の事を知らされているのだとしたら、その『力』でマフィアに復讐しようと言うのだろう。世界の理を使い、『過去』を書き換えてマフィアの存在を無かった事にしたりして、自分を救おうと思わないのはある意味彼らしいのかも知れない。

 

六道骸が骸が幸を『母』だと知っている時点で、あの子の『力』を利用しようとしている可能性を考え、私は『罠』を張っていた。一応『神様』として彼の境遇に対して何も思わない訳でもないし、私も積極的に骸と戦いたい訳でもない。ただ、幸を傷付けるのは許さないから。

 

だから、幸を傷つけたく無いと思わせれれば良い。

 

 

 

 

弾ききれなかった?

 

「!?」

 

幸が倒れると同時に姿を消し、精神世界の全てが暗闇に埋め尽くされた。さらに私の目の前にいる骸が膝をつく。

 

「一体何をしたんです?」

 

骸は目の前にいる私を睨んだ。

 

私も世界に検索を掛ける為、少し意識を沈めてみた。……なるほど。

 

「忘れたの?ここは幸の中。つまり世界の中、もちろんここにも貴方の記憶は存在している。同じものが引かれ合うのは当然でしょう?」

 

私はとっさにそういったけど、あれ?これ……彼の質問に答えれて無い?

 

六道骸の目の焦点が段々合わなくなっている。記憶が流れ出したかな?

 

「それに悪いけど、幸の記憶はあげない。あれは(あのこ)のものだから。貴方が見るのは私の記憶……思いだよ」

 

六道骸が幸の記憶を覗こうとしたのを弾いた反動で、本人の記憶が、幸の中の『世界』から逆に引かれて、幸の意識にまで上がってきてしまったらしい。さらにその引っ張られた記憶に彼自身も引っ張られて居たらしく、すぐに私の方へ落としきれなかったということだった。

 

「くっ……」

 

とうとう骸も倒れてこの場から姿を消した。

 

「気をつけてね?自分の心を完全に見失わないように」

 

もしも六道骸が私の思いを理解してしまえば、絶対に幸に手を出せなくなるだろう。アレを理解した上で切り離すというのは中々に難しいはず。いや、完全に受け入れた心を切り離すこと自体がすごい難しいわけだけど。

 

それが悪いものでなく『愛しみ』ならなおさらに。

 

さらに私の思いは純粋な分圧倒的に重い。

 

まぁ、それは六道骸の怨念に関しても同じだったりするかな?

 

六道骸が私の記憶を見ている間、幸は六道骸の記憶を見ている。

 

幸は元々、世界の全ての記憶を受け入れても大丈夫だから選ばれた。だから自分の心を見失ったりしないし、思考面で彼に飲まれる事も無いから大丈夫。

 

けど、絶対に傷つく。幸はあれだけ、人の記憶を覗かないようにしてきたのだから。

 

それに六道骸の記憶は結構惨い。余計だろう。

 

早く助けないと。私は幸を助けに向かった。

 

 

 

貴方が幸と相性がいいなら、同じ私とも(・・・・・)相性がいいと思うの。貴方ならきっと、私を理解できるんじゃないかな。

 

……それが貴方にとって幸せかは保証しかねるけど。

 

 

 

 

守りたい人が一緒なら、傷つけ合わずに済むと思うから。

 

 





ここには千沙のセリフの『世界の中』に『わたし』のルビが入っていませんが、ミスではありません。世界が千沙自身を表していると言うのは骸の完全深読みで、ここでは千沙は純粋に『世界』もしくは『幸』の中だという意味でつかっています。

骸→世界(千沙)の中だから幸と間違えて千沙の記憶を引っ張った。
千沙→幸(世界)の中だから骸の記憶が引っ張られてしまった。
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