最初だけジョイル視点。
<どうかしましたか?>
母様から脳内通信がいきなり来たかと思えば、ファミリーのボスの話を受けると言った。私達からすれば嬉しいことではあるが……母様の様子がおかしい……?
<ごめん、やりたい事がある。だから貴方達の力と名を利用させてもらうから>
その一見冷たく、強い言葉は明らかな強がりで。
<『母様』>
出来るだけ優しくそう呼びかけた。
<気になさらなくていいんです。私達『子供達』は貴方の願いを叶える為に創られたのですから。何なりとご命令ください>
本当はそう創られたからじゃないんです。私達は貴方だからそう思えるんです。そう言いたかった。だがこの言葉では、きっと母様の罪悪感を減らす事が出来ないだろう。だからわざと、自分たちそういう
母様、どうか笑っていてください。
<……ありがとう>
<復讐者に交渉を持ちかけたい。骸達を復讐者たちに連れて行かせない為に>
確か白蘭さんが交渉して『GOST』を外に出していたからいけるはずだ。
<たしかにそれは『和田幸』にはきついものがありますね>
そう、『和田幸』というだけの、
……きっと彼らはマフィアに助けられたくなんて無いだろうけど。
そうして私は初めて子供達に命令をした。
<だから、交渉のためのカードを用意しなさい>
<我らが『母』の望むままに>
彼が騎士の様にひざまづくのが
そして、彼との脳内通信が一度切れた。
……ちょっと今の恥ずかしく無かった?
『ほら、イタリア人だから?気障なんだよきっと』
「マフィア界の掟の番人で法で裁けない奴らを裁くんだ」
リボーンがそういい、骸達の首に鎖が掛かった所だった。
「待ちなさい」
私は力で少し威圧を掛けながら声をかけた。
「和田…さん?」
沢田君がこちらを振り返り、呆然と呟いている。
「どうして……来たのですか」
その後に小さく呟く骸の声が聞こえた。
私は復讐者が現れた出入り口の反対側、沢田君達の後ろに出現した。
「オマエハダレダ」
「和田幸、呼ぶなら名字で」
これが復讐者……直接対面するのと透視で見ているのとでは違う。彼らの纏った冷たい空気が私にも押し寄せる。
けど。
「さきほど、
「「!?」」
精一杯背伸びして、悟られる事無く気丈に振る舞う。私はあの子達の上に立つのだから、怯えなど見せてはいけない。
「バンビーニファミリー……」
「え…和田さんが、マフィアの、ボス?」
沢田君は私の言葉に驚き、私の言葉にリボーンが動揺していることに更に驚いて絞り出す様に言った。
「さっき受けたから、新米ほやほやだけど」
それに私は苦笑いでそう返した。そして復讐者へと視線を戻す。
「復讐者。早速だけど、貴方達に交渉を持ちかけたい」
「……内容ヲキコウ」
「私達は六道骸、城島犬、柿本千種、M・M、ランチア五名に対し、条件付きの開放及び贖罪方法の変更を求める」
そもそもランチアさんに関しては、全くの無罪なのだが。
「条件トハナンダ」
「一つ『人を殺さないと約束させる』こと。二つ、五名は私達
「マフィアの助けなんか要らないビョン!!!」
城島犬がそう叫んだ。骸はただ黙って、私の方をじっと見ていた。
……この城島犬反応は、まぁ想像できたんだけどね。
「ねぇ、城島犬」
私は彼のほうを向く。
「助けを受けたくないのなら私を『利用』しなさい」
有無を言わせない命令を。それで、少しでもためらう事が少なくなるのなら。
「私が貴方達に向ける同情を、思いを、全てを。貴方自身と、貴方が大切に思う人の幸せのために」
そう言って少し骸を見て優しく笑う。そして視線を犬に戻し、はっきり言い切った。
「その為なら、いらない物は捨ててしまえばいい」
「……」
突然現れ自分たちに堂々『利用しろ』と言い切った私を、城島犬は目を見開いて見ていた。
「……さっき、と言いましたね」
そこで骸が口を開いた。
<それは……僕らのためにマフィアになったと言うことですか?>
「そう。先に言っておくけど、貴方がこの話を断ったからって私はもう戻れないよ?どういう形であれ『裏の人間』に『私』の存在を知られてしまったのだから」
<だって彼らと交渉するにはそれくらい必要でしょ?>
そう言ってリボーンと沢田君と復讐者を見る。
「貴方が踏み入れた世界は『非日常』しかありませんよ」
「かもしれない。でも貴方達を見捨てるより後悔しないと思ったから」
どうしてなんだろう。さっきから骸は、まるで私をこっちに巻き込みたくなかったような、そんな反応を返しているのに気が付いているのだろうか?
……あれ?私を兵器として使おうとしてなかった?
城島犬や、柿本千種も、骸がいつもと違う態度に戸惑っている。
<まぁ、どうせ私が『
「で……どうする?」
抜いたり足したり大変でした。
次話を投稿した後、毎日更新を、週(月・水・土)か(月・木)に変えたいと思います。
アットノベルズから書き溜めしていた分が、尽きそうなので。
以前活動報告に書いた転載の話をまた出しておきます。