ただの人間やってました   作:書人

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切り貼り編集していたら、長くなりすぎた上に投稿が遅くなりました。
最初だけジョイル視点。


問39私は命令をする

<どうかしましたか?>

 

母様から脳内通信がいきなり来たかと思えば、ファミリーのボスの話を受けると言った。私達からすれば嬉しいことではあるが……母様の様子がおかしい……?

 

<ごめん、やりたい事がある。だから貴方達の力と名を利用させてもらうから>

 

その一見冷たく、強い言葉は明らかな強がりで。

 

<『母様』>

 

出来るだけ優しくそう呼びかけた。

 

<気になさらなくていいんです。私達『子供達』は貴方の願いを叶える為に創られたのですから。何なりとご命令ください>

 

本当はそう創られたからじゃないんです。私達は貴方だからそう思えるんです。そう言いたかった。だがこの言葉では、きっと母様の罪悪感を減らす事が出来ないだろう。だからわざと、自分たちそういう(モノ)だから使えと言った。

 

母様、どうか笑っていてください。

 

<……ありがとう>

 

子供達(わたしたち)は貴方の陽だまりのような笑顔を見た日から、それを守る事が生き甲斐なんです。そのためには多少の無理だとしても。創造主(ちさ)の作ったプログラムに書かれていない事もしてみせますから。

 

 

 

 

<復讐者に交渉を持ちかけたい。骸達を復讐者たちに連れて行かせない為に>

 

確か白蘭さんが交渉して『GOST』を外に出していたからいけるはずだ。

 

<たしかにそれは『和田幸』にはきついものがありますね>

 

そう、『和田幸』というだけの、ただの少女(・・・・・)じゃダメなのだ。『母』に関しては相手が知っているかも解らないからダメ。彼らを交渉の場に引き上げようと思うと、Bambini(バンビーニ)という『謎のファミリーのボス』と言う肩書きが必要なのだ。

 

……きっと彼らはマフィアに助けられたくなんて無いだろうけど。

 

そうして私は初めて子供達に命令をした。

 

<だから、交渉のためのカードを用意しなさい>

 

<我らが『母』の望むままに>

 

彼が騎士の様にひざまづくのが幻視し(みえ)た。

 

そして、彼との脳内通信が一度切れた。

 

 

 

 

……ちょっと今の恥ずかしく無かった?

 

『ほら、イタリア人だから?気障なんだよきっと』

 

 

 

 

「マフィア界の掟の番人で法で裁けない奴らを裁くんだ」

 

リボーンがそういい、骸達の首に鎖が掛かった所だった。

 

「待ちなさい」

 

私は力で少し威圧を掛けながら声をかけた。

 

「和田…さん?」

 

沢田君がこちらを振り返り、呆然と呟いている。

 

「どうして……来たのですか」

 

その後に小さく呟く骸の声が聞こえた。

 

私は復讐者が現れた出入り口の反対側、沢田君達の後ろに出現した。

 

「オマエハダレダ」

 

「和田幸、呼ぶなら名字で」

 

これが復讐者……直接対面するのと透視で見ているのとでは違う。彼らの纏った冷たい空気が私にも押し寄せる。

 

けど。

 

「さきほど、Bambini(バンビーニ)ファミリーのボスを正式に襲名する事になりました。以後、お見知り置きを。

 

「「!?」」

 

精一杯背伸びして、悟られる事無く気丈に振る舞う。私はあの子達の上に立つのだから、怯えなど見せてはいけない。

 

 

「バンビーニファミリー……」

 

「え…和田さんが、マフィアの、ボス?」

 

沢田君は私の言葉に驚き、私の言葉にリボーンが動揺していることに更に驚いて絞り出す様に言った。

 

「さっき受けたから、新米ほやほやだけど」

 

それに私は苦笑いでそう返した。そして復讐者へと視線を戻す。

 

「復讐者。早速だけど、貴方達に交渉を持ちかけたい」

 

「……内容ヲキコウ」

 

「私達は六道骸、城島犬、柿本千種、M・M、ランチア五名に対し、条件付きの開放及び贖罪方法の変更を求める」

 

そもそもランチアさんに関しては、全くの無罪なのだが。

 

「条件トハナンダ」

 

「一つ『人を殺さないと約束させる』こと。二つ、五名は私達Bambini(バンビーニ)ファミリーの監視下に入ること。三つ主核犯である六道骸、城島犬、柿本千種は私達の完全保護下に入ること。要するに後の面倒はこっちで見る」

 

「マフィアの助けなんか要らないビョン!!!」

 

城島犬がそう叫んだ。骸はただ黙って、私の方をじっと見ていた。

 

……この城島犬反応は、まぁ想像できたんだけどね。

 

「ねぇ、城島犬」

 

私は彼のほうを向く。

 

「助けを受けたくないのなら私を『利用』しなさい」

 

有無を言わせない命令を。それで、少しでもためらう事が少なくなるのなら。

 

「私が貴方達に向ける同情を、思いを、全てを。貴方自身と、貴方が大切に思う人の幸せのために」

 

そう言って少し骸を見て優しく笑う。そして視線を犬に戻し、はっきり言い切った。

 

「その為なら、いらない物は捨ててしまえばいい」

 

「……」

 

突然現れ自分たちに堂々『利用しろ』と言い切った私を、城島犬は目を見開いて見ていた。

 

「……さっき、と言いましたね」

 

そこで骸が口を開いた。

 

<それは……僕らのためにマフィアになったと言うことですか?>

 

「そう。先に言っておくけど、貴方がこの話を断ったからって私はもう戻れないよ?どういう形であれ『裏の人間』に『私』の存在を知られてしまったのだから」

 

<だって彼らと交渉するにはそれくらい必要でしょ?>

 

そう言ってリボーンと沢田君と復讐者を見る。

 

「貴方が踏み入れた世界は『非日常』しかありませんよ」

 

「かもしれない。でも貴方達を見捨てるより後悔しないと思ったから」

 

どうしてなんだろう。さっきから骸は、まるで私をこっちに巻き込みたくなかったような、そんな反応を返しているのに気が付いているのだろうか?

 

……あれ?私を兵器として使おうとしてなかった?

 

城島犬や、柿本千種も、骸がいつもと違う態度に戸惑っている。

 

<まぁ、どうせ私が『(わたし)』である限り。いつか裏の連中(マフィア)に狙われるのは、確定してた様なものだろうし。貴方が私を狙ったように>

 

「で……どうする?」

 




抜いたり足したり大変でした。
次話を投稿した後、毎日更新を、週(月・水・土)か(月・木)に変えたいと思います。
アットノベルズから書き溜めしていた分が、尽きそうなので。
以前活動報告に書いた転載の話をまた出しておきます。
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