「……僕らの贖罪の話は、どうなったのでしょうか?」
「復讐者の人等、私達が上げたあのリストの奴ら全員を、貴方達に捕まえさせろって無茶言ってきて。なら私達で捕まえる。もう彼らに手を出すな。もし手を出すのなら、本気で貴方達を潰しに行くから。って感じの事を言ってやった」
「……そうですか」
彼は何故か目を見開いて数秒固り、その後そう一言絞り出した。こうしてひとまず骸達の今後の方針?はすんなりと決まった。
「三人ともさ、名前で呼んでもいい?これから長い付き合いになるだろうし、とりあえず呼び方も決めとかないと不便だと思うから」
「僕は構いませんよ。それなら、こちらも貴方を名前で呼ばせてもらいますが」
「うん。いいよ」
「……ああいった割に、迷わないんですね」
「骸はこう言われるの嫌かもしれないけど、前に感じてた嫌な感じが消えて、なんか……そう、近くなった感じがするから」
「……」
「心当たりあるんだ」
「……まあ、貴方がマフィアだから、恨み嫌悪すると言うのはありませんね」
「あ、あのさ。いや、貴方達に聞くのもあれかもしれないけど」
「……なんですか?」
「マフィアのボスって何するんだろ?」
「「「え?」」」
「ほら、今日復讐者達と交渉するために引き受けたは良いけど、マフィアのボスって、何をしてるかイマイチ想像付かないんだよね。そういういかにもな事情って、関わった事全く無いし」
「「「……」」」
「……そもそも、普通のマフィアでない彼らのボスの役割が、普通のマフィアの枠に収まるとも思えませんが」
「……それもそっか。で、結局2人は名前で呼んで良いの?」
「……好きにすれば」
「柿ピー!?」
「有り難う千種君。そっちは?」
「……変な風に呼ぶのは絶対ゆるさねーびょん!」
「犬君で良い?」
「……まあそれならいい」
それから三日後に、私はランチアさんを引き取るため沢田君の家を訪れた。そして話をするため、ランチアさんを公園へ誘い『人払い』と『防音』をする。
「改めまして、私が
「……知っているようだが、ランチアだ。大まかな事はアルコバレーノに聞いた。復讐者の件は感謝している。そのおかげでこうして外に居られるのだからな」
「元々ランチアさんは骸の被害者です。なのに私達の監視下に置くと言う条件付きになったんですよ?」
たしか『原作』でリング編でランチアさんが登場していた。その時は普通に釈放されていたはずだ。……あの『物語』の視点で描かれていなかっただけで、隠れて監視されていた可能性も無いとは言えないが。
「それでも、今まで多くを手にかけた事実は変わらん」
ランチアさんは両手のひらを悲しい顔で見た。
「ランチアさん。監視の他にも、制限が一つだけあります。ランチアさんはこれから、いかなる状況下に置かれたとしても、人を殺すことが出来ません。そう……例えそれで死にそうになったとしても。そういった呪いがかかっていると思ってください」
「そうか……だが俺はもう、人を殺したいとは思わない」
ランチアさんは最初は悲しそうな顔をしてそう言って私を見た。
「だから気にするな」
最後の時は優しく笑って私の頭を優しくなでてくれた。
「……はい、分かりました。やっぱりランチアさんは優しいですね」
「っ!!か……監視の方はどうなるんだ?」
「腕を出してもらえますか?これを付けます」
「……これは?」
私がミサンガを取り出すと少し不思議そうな顔をしてから、危険が無い事を感じるとスッと左腕を私に差し出した。私はミサンガを付けて答える。
「これは特殊なミサンガです。監視をするための目印になりますから、絶対似外さないでください。それがあったら勝手に監視してくれますから」
「?」
「……ランチアさんには言っておいたほうがいいですね」
それから私は骸達も既に知っている『
「一応、六道君達はこの事知ってますが沢田君達には内緒ですよ?話す程彼らと仲良く無いですしね。正体隠すために避けまくってましたから」
「俺はいいのか?」
「私は貴方を知っているのに、ランチアさんだけ私を知らないのもおかしい気がしたから」
そう言ってから私は
「いや、違うかな……」
と小さく言い首をかしげる
「ランチアさんには知る権利があると思ったんです。自信を縛ることになる『私達』が一体何なのかを。まだ私も理解しきれてない所が多いので、中途半端になってしまった気もしますけど……まぁコレでこの話はおしまいです」
それから、一つ頼み事と私からの個人的な仕事を依頼してランチアさんと別れた。沢田君に世話になった礼を行った後、日本を発つと言っていた。彼と次に会うのはきっとリング戦の時だろう。
ランチアさんへの頼み事と個人的な仕事は次回分かります。
ランチアさん視点の予定です。