唐突に始まったのは、あまりにも現実味の無い話だった。
「……ランチアさんには言っておいたほうがいいですね」
「これから私が話す内容は他言無用でお願いします」
そういって彼女は真剣で真直ぐな目を俺に向けてきた。それに頷く。
「Bambiniファミリーに私以外の人間は居ません」
「……?」
「Bambiniファミリーは私を『母』と呼び自らを『子供達』と名乗る、土地神・ツクモ神の内の何人かが作ったんです」
「!?」
「ランチアさんの監視も、そのミサンガの居場所を『子供達』が感知して、その場所の担当の子から連絡が来る様になっています。あ、さすがに皆プライバシーは守ってくれますから、24時間全部筒抜けって事はありません。そこは安心してください」
俺に向けられた苦笑いは優しさを含んでいて、それは『
「神……か」
信じられないような話だが、此方を見続ける目が嘘を付いているように見えない。
「私も最初は信じられなかったんです。けど、死んだ私がこうして生きているから、信じるしかないんですよ」
「…死んだ、だと?」
「私、元は違う世界の人間なんです。私の体感時間で三年前。バイクにひかれて死にました。その時は十六歳だったんです」
彼女はそもそも違う世界の人間?
「その後、いきなり私が実は『神様』だったんですとか言われて。転生してもらうとか言われて。目が覚めたらこの世界にいて小5になってました」
遠くを見て、乾いた笑いをしていた。
それからもう一度ボンゴレ達にこの事を言わない様に、と念を押された。
「それで……これからどうするつもりなんですか?」
「………死んだファミリーの家族を回ろうと思う。それぐらいしか償えそうに無いからな」
「そうですか、費用はこちらで出します」
「いや、良い、自分で稼ぐ。これ以上お前に世話になるわけには……」
「駄目です。一体どうして稼ぐつもりなんですか?うちのファミリーで保護するからには、戦う前提の仕事なんてさせませんよ?そう言うマフィアなんです。決して人を殺してはならない、必要も無く人を傷つけてはならない。そんな事、私の目の黒いうちはさせませんから」
「しかし…」
「と言うことで、ランチアさん」
自分が一般人に戻るのは無理だ、そう言おうとして遮られた。
「?」
「まずはイタリアに行ったら『ジッリョネロファミリー』を訪ねて、コレをアリアさんに渡してきてもらえませんか?」
そう言って一枚の手紙を差し出した。
「それくらいなら、喜んでやらせて貰おう」
俺はそれを受け取り、懐へしまった。
「後、ランチアさんに頼みたい仕事があるんです」
「……なんだ」
「『
「……」
あっけにとられた俺に、カメラを渡して握らせた。おい、どこから出したんだ今の。
「あと、美味しいお土産と風景写真もお願いします」
この言葉で完全に気が抜けた。
「必要経費ということで、移動、宿泊費、食費は全てこっちで負担します。後は、お土産の美味しさと風景写真の綺麗さで追加のお給料を別に出しますから。これは私の自腹で」
さり気無く引き受けることが決定されていた。いや、別に嫌と言うわけではないのだが……。
「美味しいお土産待ってます」
「それって仕事になるのか?」
「なりますよ?ちゃんと自分で食べて美味しいと思ったのを送ってくださいね」
その子供らしい無邪気な笑みに、俺は押し負けた。
次回は投稿が来週になる可能性があります。
そろそろ本気で子供達の設定書きたいな……。