ただの人間やってました   作:書人

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最初は女の子視点。


問5私は初めて『人』と会話する

 

「いらっしゃいま…どうされましたか?」

 

「さっきこの子とぶつかって、服泥んこにしちゃたからなんか見繕ってくれないかな」

 

さっき私とぶつかった人は、私を引っ張ってここにつれて来た。

…別に気にしなくてもいいのに。

けど嬉しかった。誰かに心配されることなんて無かったから。

 

あ、店員さんがこっちに来た。

私は何となく恥ずかしくて彼女の後ろに隠れた。

 

「ほんとに泥んこですね。すぐに可愛いの見繕ってきます」

店員さんはそう言って去ろうとして

 

「っとその前に、手とかすりむいていませんか?」

そう聞いてきた。

 

特に大丈夫なので私は首を振った。

店員さんは「良かった」と言って服を探しに行った。

 

 

 

 

「……いいの?」

 

女の子は服を渡されたもののためらっているようだ。

 

「全然いいよ?ささ入って入って」

 

そう言って試着室に入れると諦めたのか中から着替える音がした。

 

『あの子クロームだね』

 

え!!?本当!?

 

『まだ『凪』だろうけどね』

 

全然気が付かなかった……。

きっと髪型が違った所為だろう。

確かに言われて見ると目がそっくりだ。

 

「良くお似合いです」

 

どうやら出てきたようだ。

 

「すっごい似合ってる!!」

 

『かわいいね』

 

胸元にリボンが付いた可愛いスカートを着ているのだが

これがまた良く似合ってる。さすがお嬢様。

 

「お金……」

 

「私が払うからいいよ。にしてもいいの見繕ったね」

 

「素材がいいのでどれ合わせようか迷ったんですけどね」

 

そう言って店員さんは親指を立てる。

 

「……ありがとう」

 

顔が赤くなってる。やっぱり可愛いな。

 

でも髪はくくった方がもっと可愛い気がする。

私はレジの横からシュシュを一個取り

 

「付けてみていい?」

 

と聞いてみた。

 

「え?…うん。」

 

髪サラサラだな……。よし、出来た。長い髪を横で軽くくくって前にたらしてみました。

 

『おー』

 

やっぱりこっちの方がいい!

 

「このシュシュも買うね!」

私は実はまだ名前も知らない店員さん(こどもたち)に言う。

 

「えっ…でも……」

 

「凄く似合ってますよ。シュシュはその可愛さに免じておまけにしておきます」

 

すごいな営業スマイル。あの子何もいえなくなっちゃったよ。

 

「……」

 

あ。照れてる。

 

「そういえば、あなたは今日は何で商店街に来たの?私は暇つぶしと買い物」

 

とりあえず話を変えることにした。

 

「私も暇つぶし……」

 

袋に入れてもらった泥んこの服を受け取りながら答えてくれた。

 

「ねぇ?良かったら私と一緒にブラブラしない?」

 

 

 

 

「そっか、凪ちゃんか」

 

私は凪ちゃんと二人ラ・ナミモリーヌで自己紹介をしていた。

 

「幸ちゃんは近くに住んでいるの?」

 

「うん。結構近いかな。凪ちゃんは?」

 

「私は黒曜の方」

 

「えっと…確か隣町だったよね?」

 

犬達が隣町ボーイズを名乗っていたはず。

 

『あってるよ』

 

「うん」

 

「ゴメンね。引っ越してきたばかりであんまり地理にくわしくなかったりするんだ」

 

「そうなの?」

 

「うん」

 

 

 

 

その後は二人で他愛の無い話をして、買い物が終わったところで別れた。

 

「またね」

 

別れる時は寂しそうにしていたけども

またねって行ったら。

 

「…うん。また!」

 

嬉しそうに笑ってくれた。

笑った顔がものすごく可愛かった。

 

 

 

 

そういえばさ。

 

『ん?』

 

初めて私この世界の『人』と話したよね。

 

『そういえばそうだよね』

 

今日は本当に楽しかったな。

 

 

 

 

人は一人では生きていけないのだから。

人は独りでは生きていけないのだから。

だから……

 




幸は基本苗字+さん付けです。
そして自分も和田さんって呼ばれるほうがいいと思ってます。
何で凪は名前?ってなるかも知れませんが
コレは純粋に苗字が分からないと言う作者の都合も入っております。

子供達は『母様』『幸さん』呼び。森夫さんが名字同じなので。
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