◆けものフレンズ2×ニンジャスレイヤー◆   作:ネオイ

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◆カラテとサンドスターの高まりを感じる……!◆


【ブライトネス・オブ・ア・ニンジャ・アンド・フレンズ】#5

◆の◆の◆の◆

 

(これまでのあらすじ)

 

キュルル一行と共にバスに乗り、かばんの研究所へとやって来たフジキドは博士達とアイサツを交わした後、かばんから様々な情報を聞き出していた。人類の絶滅、獣をヒトへと変えるサンドスター、そしてセルリアン……。

 

このようなカートゥーンめいた話、普段ならばくだらぬと一蹴したであろう。しかし、実際起こっている以上信じる他に無い。フジキドはかばんに問うた。「かばん=サン。オヌシはニンジャだな」

 

「ニンジャ…」かばんは暫し沈黙し、「…貴方もそうですよね。モリタ=サン」「そうだ」「場所を変えましょう」「あれ、かばんちゃんどこ行くの?」サーバルが問うた。「少し、モリタ=サンと話をしてくるから待ってて」かばんはフジキドを連れ研究所2階の自室へフジキドを招き入れる。

 

ネコのデザインが施されたフートン、伏せられた写真立て、部屋の隅には布の被せられた木人、机には修復途中のラッキービースト、工具、何らかの資料、……部屋の中には様々なものが乱雑に置かれている。かばんとフジキドはチャブに向かい合わせになるように座った。かばんはチャを煎れた。

 

「……私がニンジャになったのは今から十年前でした……」彼女は写真立てを手に取り、マグロめいた瞳で、ぽつり、ぽつりと、自信の過去を話し始めた。キョウシュウエリアのフレンズ八割が犠牲になった、キョウシュウスゴイオオキイユウエンチの惨劇を……。 6

 

ーーーーーーーー 7

 

「フリーパスが便利」「カワイイなフレンズがいっぱい」「ミンミ」「前後はダメ」などのショドーが書かれたノボリがイナセに踊っている。電飾のカラフルなボンボリ・ライト、ゴコクから帰還したかばん達を迎えるパーティーが行われているのだ。島のフレンズ達も大勢集まっている。

 

「色々あったけど無事に帰れて、よかったよね」と、じゃぱりまんを頬張りながら笑う、サーバル。「ヒトは見つからなかったけど、色んな物があったよね」かばんはアルパカの淹れたチャを飲み、微笑む。「がおー!たべちゃうぞー!」「たべないでくださーい!」かばんはサーバルに応じ、大袈裟に怯える真似をして見せる。すると『サーバル、タベチャダメダヨ』かばんの腕に巻かれたLB端末が電子音声が喋り出す。

 

「ザッケンナコラー!」不意に、遠くから剣呑な声が聞こえた。「セルリアンかな……」。「遠くからだし、大丈夫だよ」とサーバル。辺りを見回すと、フレンズ達は何事もなくりょうりを食べたり遊具で遊んでいる。皆幸せそうな顔をしていた。何も問題ない。

 

ジャパリパークは過酷な環境だ。セルリアンはとても恐ろしい。あの夜を思い出すと今でも震えが止まらなくなる。だが、皆で助け合い、力を合わせれば……こうして幸せに暮らせる。願わくば、この幸福がずっと続いてほしい……。じゃぱりまんを頬張るサーバルを見ながら、かばんはそう考えた。

 

「ねぇ、かばんちゃん、次は何処にいこうか?」「うーん、しばらくは旅はいいかな」「大丈夫?かばんちゃん、顔色、良くないよ。疲れてる?」「ううん、大丈夫だよサーバルちゃん」

 

かばんはこれからの生活を考えていた。ゴコクにはヒトはいなかった、その先、セントラルまで行けば或いは……。しかし、合わないちほーでの暮らしはフレンズの寿命を縮める。それならばいっそ、サーバルの故郷、サバンナに小さな小屋でも建てて三人で暮らそう。「ねぇ、サーバルちゃん、一緒にサバンナで……」何を言おうとしたのだろう、もう覚えていない。

 

ALAS!まさに、その時だった。かばんの運命が、完全に変わってしまったのは。

 

KABOOOOOOOM……!後方で凄まじい爆発音が上がった。全てがスローモーションに見えた。かばんはサーバルの瞳を覗きこんでいた。黄色の濁りなき瞳が映画スクリーンめいて拡大され、そこに背後から迫る猛烈な爆風と、接近するセルリアンのシルエットが映った。

 

そして……おお、ナムアミダブツ!……ナムアミダブツ!……ナムアミダブツ……

 

◆の◆の◆の◆の◆

 

「あの日から、何もかも変わってしまった。記憶を無くさず、ニンジャとなった私は、生き残った僅なフレンズを連れてに島を出てこのセントラルに移り住んだんです」「……」「……すみません、こんな話」

 

「情けないですよね、こんな……」かばんの瞳は全てに絶望した虚無めいた瞳をしていた。「……パークを守るため」フジキドが言った。「そうだろう。かばん=サン。貴方はよくやっている」

 

「情けないですよね、こんな……」かばんの瞳は全てに絶望した虚無めいた瞳をしていた。「……パークを守るため」フジキドが言った。「そうだろう。かばん=サン。貴方はよくやっている」

 

かばんは驚き、まばたきしてフジキドを見返した。その鮮血めいた赤い目はじっと、かばんを見つめている。かばんの瞳にうっすらと涙が浮かぶ。「……ありがとうございます。モリタ=サン」

 

「モリタ=サンは元の世界に帰りたいんですよね」「ああ」「私も色々と調べてみるので暫くはここにいるといいですよ」「しかし」「私がそうしたいんです」かばんはフジキドに握手の手を差し出した。フジキドは握手に応じた。「ドーモ」「こちらこそ、ドーモ」

 

……翌日、明朝。「今日はお昼頃にイエイヌ=サンが来るので留守番お願いしてもいいですか?」「ハイヨロコンデー」かばんは早朝、日の出と共にはバスに乗り、エンジンをかける。日課のパーク巡回だ。フレンズがトラブルに見回れていないか、セルリアンの調査など過酷な仕事を彼女は休まず、勤勉にこなしている。

 

「……」フジキドはかばんの姿にかつての己を重ねていた……。「モリタ=サン?」キュルルが声を掛ける。「いや、問題ない。所でイエイヌ=サンとは?」「ああ、イエイヌ=サンはね……」

 

◆の◆の◆の◆

 

……イエイヌは、かばんから借りていた料理のレシピ本を返すため、研究所へ続く道を歩いていた。留守番はセンザンコウ達に任せてあるから問題はない。久しぶりにキュルルにも会える。何をして遊ぼうか。 27

 

彼女はふと、遠目から、道の真ん中に何者かが立っているのに気がついた。あの姿は……!「ヒト……!」イエイヌは走りだし、抱きつこうとし、立ち止まった。

 

「……!」イエイヌは絶句した。そこに立つヒト?は、身体から染み出す黒いタールめいた液体を手足のように操り、フレンズを掴み上げていたからだ。

 

「アババーッ!」「……こいつもハズレだな」そのヒト?は目から、鼻から、口から、黒い液体を吹き出し失神したフレンズを空中へ放り投げると液体がワニの口めいて変化し丸飲みにした。サツバツ!

 

名状しがたき何かはイエイヌの方に振り向きアイサツをし、ツカツカとイエイヌに向かってくる。「ドーモ、デュプリケイターです。私はある子供を探している。知っているかい?」

 

「GRRRR……!」イエイヌは本能的に感じ取った。こいつはヒト等でもセルリアンでもない。何かもっと恐ろしい何かだと。「こないでください!」イエイヌは声を荒げ、相手を睨み付ける。

 

ニンジャは止まらない。「フム……」「来るなッ!」イエイヌは反射的に攻撃を仕掛けた。だが当たらなかった。次の瞬間、ニンジャは彼女の後ろに立っていたからだ。気づいた時にはもう、全てが遅かった。「なッ……!」

 

「話さずとも良い、直接聞くからな」「アイエエエ!」イエイヌは悲鳴を上げた。デュプリケイターは振り向いたイエイヌの襟を掴み、持ち上げた。「ンアーッ!」

 

そして、ナムサン。ニンジャの指先が細長い触手へと変わり、彼女の耳から柔らかい脳髄へと無慈悲に、容赦なく侵入していった。

 

「ア……アッ……!」イエイヌの身体は痙攣し、何も喋れない。叫ぼうにも、くぐもった呻き声と、よだれが漏れてくるのみである。「フム、これはアタリだな」デュプリケイターはセルリウムを直接脳髄へ流し込み、イエイヌの記憶を覗いてゆく。触手はさらに奥へと進む。

 

「そうだ、こいつだ、ようやく見つけた……!もっとよく見せてくれ、このガキはどこに居る……!」「ヤメテ……くだ…さい……!」デュプリケイターが引き出した記憶はキュルルとの思い出……かばんと言うニンジャの存在。「なるほど、使えるな、これは」デュプリケイターはイエイヌのニューロンを掻き回しながらニヤニヤと嗤った。

 

「……ありがとう、お礼に君は生かしておいてあげよう」デュプリケイターはイエイヌの耳からゆっくりと触手を引き抜くと、その身体は黒い液に溶けて姿を消した……。そして液体は……ナムアミダブツ!イエイヌの口から体内へと入ってゆく!「アッ……ア……」糸の切れたジョルリ人形めいてイエイヌは痙攣しその場に倒れた。

 

……数分後、イエイヌはムクリと体を起こした。軽く眩暈がしたがそれだけだった。「私は……一体何を……?」思い出そうとすると酷い吐き気がする。何も考えられない。

 

「……そうだ、かばん=サンに……会いに…行かなきゃ……」イエイヌは研究所の方角へ歩き出した。その瞳からは涙が溢れていた……。彼女にはどうすることも出来なかった……。ナムアミダブツ。ああ、ナムアミダブツ……。

 

【エヴァーラスティング・レイディアンス・ニンジャ・ア・アンド・フレンズ】5おわり6

につづく

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