学園Aランクでイケメンで武術習ってて財閥の息子ですよ?なにか文句がおありですか?【お試し版】 作:翠晶 秋
とある噂が流れた。
この前のヒロト君が、俺の机に落書きをしたそうな。
「なんておこがましい!アスカ様、無視したほうがいいです!」
「今、お拭きします!」
俺の従者がテキパキと掃除する。
彼女たちは家のメイド。年が同じメイドを父上が雇ってくれた。
学園ではメイド兼友人として接してもらっているのだが、テンパると彼女たちは敬語が出てしまうから難儀なものだ。
ところで。
落書きは『ブス』とか『ムカつく』とか小学生レベルの悪口で、なんか……怒るよりも先に呆れが来てしまう。
そして翌日。血眼になってみんなが犯人を探した結果、『妥当アスカ』を口にするFランクの生徒を捕まえたという。
「これ。君がやったのかい?」
「てめぇっ……ハメやがったな!」
「ハメたわけじゃない。ただ疑っているだけだ」
「やるわけがない!やって何になるんだ!」
「君は俺を敵視しているみたいだし、メリットはあるんじゃないか?」
とはいえ、俺も完全に信じきっているわけじゃない。
あとで調べないと……。
「はははっ、犯人はAランクにいるんじゃないのか?」
「なにをバカなことを……Aランクに犯人がいるわけないだろう」
だってみんな良い子だよ?
でもFランクって不良多いじゃん。先生に喧嘩売って退学になった学生もいると聞いた。
状況的に…ね。
そして、Fランクの知り合いといえば。
「君しかいない。疑うのは当然だろう?」
「……なんで俺なんだ。何もわかってないくせに!」
あったその日に殴りかかってくるような人を信用しろと言うのだろうか。
「もう一度聞く。君がやったのか?」
「…………」
「……?おい?」
「……どうせ信用しないなら意味がない」
ええ……。
ううむ、一度調べるべきかな。
でも……。
「疑われるってことは、それなりの事をしたってことなんだよ。反省しな」
出会い頭に殴ったことを反省して、成績を上げて欲しい。
ミサキは……Cランクだったはず。あれ、結構上のランクだ。これ本当にいけるのか?
「まあ頑張んなよ。俺はもう行くから」
押さえつけられたヒロトから視線を外すと、ヒロトの方からダンと音が聞こえた。
振り替えると、アスファルトを殴りつけてこっちをにらんでいた。
え……怖。
今日は関わらんようにしとこ……。
◇
俺は何もやってない。
やってないのに、誰も信じてくれない。
なぜだ。Fランクの何が悪いんだ。
クソ。どれだけ嘆いても、誰も理解してくれない。
神すらも。
血の滲んだ手に痛みが走る。
この血も、あいつのせいだ。
チート。
チートが、欲しい。
あいつを、ぶち殺せるような力が。
「…………」
なんでもいい。
あいつを見返せれば、それで。
だから。
俺に、チートを、よこせ。
自分の力ではなんとかしようとしない成り上がり主人公の鏡
今後の方向性
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ストーリーが繋がっている
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短編集のようにストーリーが繋がっていない