バルバレに戻ったハンターとお嬢は真っ先にギルドへ向かって素材ツアーにてリオレウスとリオレイアが乱入したこと。ハンターがリオレウスを討伐したことを報告した。ギルドマスターはハンター達に不手際があった事を詫び、ハンターからの情報を纏め、遺跡平原でのリオレイア討伐を緊急クエストとしてハンターを募集した。
「取りあえず報告も終わりましたし、私達は団長の元に戻りましょうか」
少し疲れた表情でお嬢は言った。
「ああ、そうしよう」
2人はキャラバンに戻って団長に回復薬Gとこんがり肉を渡した。
「うむ、お疲れさん!はっは!楽勝だったろう!」
「それがですね」
お嬢は遺跡平原での出来事を話した。
「そうか、リオレウスが。だがお嬢、俺は言ったろう?『ハンターさんがいるならリオレウスが襲っても大丈夫』と」
「はい!安心して戦いを見ていました」
団長の言葉に笑顔で応えた。
「はっは!だろ?さてハンターさん。テスト合格だ!ようこそ、我らの団へ!お前さんの冒険を歓迎しよう!」
「改めて宜しくお願いします。自分はこれから乱入してきたリオレイアを討伐しに行きたいと思います」
「お? なんだなんだ?さっそくクエストへ行きたいって?はっは! お前さんも言うねェ~。だったら、ネコ太郎を連れて行ってくれ!お前さんの狩りをサポートしてくれる《オトモアイルー》だ!」
「オトモですか?自分一人でも大丈夫ですが」
「まあ、そうだろうが。色々あってな、前使えていたハンターが俺の知人でね。任務で出てて、我らの団に置いて行かれたんだ。アイツ、ここん所イジケていたからな。きっと喜んで、狩りをサポートしてくれるだろう。マイハウスでお前さんを待っているぞ!行ってやってくれ!」
「マイハウスですね、分かりました」
「お前さんのマイハウスもクエスト行っている間に我らの団の敷地に移動してあるからな、引っ越しの心配は無い」
「そうですか、では連れて行くとします」
ハンターはマイハウスに行く前に加工場へと向かった。
「……来たか。任された武器は研ぎ直しておいたぞ」
「ありがとうございます」
「礼を言うのはこっちさ。G級1発生産の武器。非常に面白い作りだった。勉強になった」
「そうですか、これからリオレイアを討伐に向かいます」
「……そうか。気を付けて行ってこい」
ハンターは太刀を数本預かりマイハウスへと向かう。中には一匹のドングリメイルを装備したアイルが何やら呟いていた。
「1匹でいるのがサビシくて…、バルバレに到着してから今の今まで、泣きながら遺跡平原を走り回っていたというのは仮の姿…。フ…ッ!我らの団へようこそニャ!新しいハンター君!ボクは、かのユウメイな筆頭オトモ!」
なんだこいつ?そう思いながらもハンターは入り口でハンターに気づかないで口上を述べるアイルーをじっと見る。ハンターは今まで独りで狩りをしてきた。オトモアイルーは雇ったことはない。そもそも大回転斬りを多用するので仲間もろとも斬ってしまう恐れがあるので、他のハンターと狩りに行ったことは無かったし、オトモも同様な理由で雇わなかった。
「一流ハンターのみを認め、一流ハンターのみにオトモする、コ…えーっと、ココ、コウ…、」
難しい言葉を使おうとして出てこないのだろう。ハンターが助け船を出した。
「孤高一星か?」
「そう。それニャ!【孤高一星】のオトモアイルーニャ!」
口上が決まり胸を張るアイルー。ハンターは取りあえず拍手をした。
「ニャー、決まったニャ!これでハンターさんが来てもかっこよく自己紹介が出来る……ニャ?」
ハンターにようやっと気づいたのだろう。アイルーの顔が朱に染まっていく。
「…………もしかして、我らの団のハンターさんかニャ?」
「そうだ」
「もしかして聞いていたかニャ?」
「そうだ」
「いつから……」
「『一匹でいるのが~』の所から」
「ニャー!!最初からニャ!」
羞恥心でドッタンバッタン暴れ始めるアイルー。それをなだめるのに暫く時間がかかったのは言うまでもまい。
「んで、君が団長殿の言っていたアイルーか」
「ニャ」
「俺のオトモをしてくれるのか?」
「むしろお願いしますニャ」
「おいおい。さっきまでの威勢はどうした?」
「すいません調子に乗りました」
ハンターはベットに腰掛けアイルーと話をしていた。アイルーは先程の威勢は地平の彼方へ墜ちたのか、正座をして萎れている。
「ではかの有名な『孤高一星』の筆頭オトモ様、これから一緒にクエストに行くぞ」
「ニャガハッ!……それを弄るのは辞めて欲しいニャ~」
もう僕のライフはゼロニャ……。そう言って力なくアイルーは横になる。その様子に溜息を吐くハンター。これからリオレイアの討伐なのだ。やる気が無いなら帰って欲しい。
「ほら、シャキッとしろ。それとも俺じゃ不服か?」
「ニャ~。そんなことはにゃいけど、ジャギィ5頭の討伐とかだったら行きたくにゃいニャ」
この言葉にカチンと来た。ジャギィ5頭で苦しめられている人だっているのだ。戦い忘れた誰がために戦うのが仕事であり誇りのはず。仕事を舐めた態度に腹が立った。
「なんだてめぇ……!燃やすぞ」
「ピッ……!!」
つい、本心を晒してしまった。
アイルーは顔を真っ青にして震えている。ハンターはやってしまったことは仕方が無いと、開き直って言葉を続ける。
「ワレェ、舐めたこと言ってんなよ。世の中にはジャギィ5頭でも困ってる人がいるんだよ。そんな弱者のために戦うのが俺らやろ。それにこれから俺はリオレイアを討伐しに行くんだよ。俺の舎弟なるならさっさと準備して付いて来やがれ」
「んにゃぴ!かしこまりましたニャ!」
「次仕事を舐めたこと言ったら大砂漠のミイラにしてやるからな」
「ニャっす!」
ブルブルと震えながら準備するアイルーを見て、こいつ本当に使えるのか?不安に思いながらもベットから立ち上がり、マイハウスを出た。
筆頭アイルーは、新しいご主人。我らの団ハンターに付いて集会所に来ていた。受付で手続きをする中、自分のメンタルを立て直すのに精一杯だった。
『燃やすぞ』の一言とリオレイア討伐。これ狩りの最中、不幸な事故に見せかけ自分を殺しに来ている(確信)。そう思えて仕方が無かった。
しかし遺跡平原まで来るとメンタルもある程度回復し、さっきの情けない姿はここで晴らすしか無いと、腹をくくった。
「ボスはどういった立ち回りをなさいますかニャ?」
「ボス?なんだそれ。ヤクザじゃないんだからそんな言い方しなくて良いよ」
いやさっきのキレ方は人の道踏み外してましたニャ、と思うアイルー。
「まず、頭を潰していくから、君は足下とか攻撃すれば良いんじゃないか?俺の攻撃に巻きこまれないように気を付けてくれれば良いよ」
つまり、巻きこんで殺しに来るのですね。分かりニャす。
なんだかアイルーは物騒な考え方をしているが、ハンターは気付くことは無い。
「命懸けて戦って見せますニャ」
「えっ?うん。まあ、気を付けて」
こうしてアイルーの命がけの戦いは始まった。
ハンターより先に進んで行くアイルー。先にリオレイアをみつけ、一番槍を頂こうと張り切っていた。
エリア3に入ると、リオレウスの真新しい死体を見つけた。戻ってハンターに報告する。
「ボス!リオレウスがあっちで死んでいるのニャ!」
これは異常事態である。クエストが始まってすぐ空の王者が何者かに倒されている。尻尾は切られ、頭も翼もボロボロ。何かヤバい奴がこの遺跡平原にいる証拠だと思った。
「ん?ああ、それ俺がさっき殺した」
【悲報】ヤバい奴がいた。
絶句しているアイルーにハンターは説明した。
「さっきお嬢と素材ツアー行ってさ、リオス夫婦に出くわして逃げたんだけど、レウスは怒って俺たちを逃がす気は無かったらしく、仕方なく……ね」
「ニャ、にゃるほど」
何でお嬢と素材ツアー行っているのか?何で素材ツアーでリオス夫婦と出会うのか、なんで山菜採りのついでと言わんばかりにサクッと討伐しているのか、聞きたいことが山ほどあったがオトモは怖くて聞きだせない。ミイラにされるのは嫌だった。
「んで、残ったレイアが暴れたり、怒りで上位個体の強さになる前に潰そうと思ったわけ。レイアは復讐相手見つけて怒り狂って来るだろうから気張って行けよ」
「ニャ!」
取りあえず何もかもレイアにぶつけてしまおう。そう思いエリア3へ着く。
すると、大きな影がハンターとアイルーを包む。
一人と一匹はその場を離れ大きく間合いを取る。
レイアが大地に降り立つ。目は血走り、口元からだらだらと火焔が漏れる。
「ウニャニャニャァァアア!!」
「おい!」
アイルーは駆け出しレイアに肉薄するが、
「ガアアァァァアアア!!!」
怒りの咆吼でハンターの元へ吹き飛ばされてしまう。
「おい、大丈夫か?慌てんなよ」
「にゃ、全身が痺れたニャ」
「そりゃそうだろ。うるせぇ声で鳴くからな。さて仕切り直しだ、行くぞ!」
ハンターの声と同時にレイアは突進してきた。アイルーは敵の左側に回り込むように回避行動をとる。ハンターは抜刀。構えてスゥと息を吸い込むと、下腹に力を込め闘志と殺意を剥き出しに吠えた。
「か か っ て こ い や ぁ !!」
(ニ゜ァ゛ーー!!レイアより怖いのニャ!!!)
白銀の鬼が後ろにいた。前門のレイア、後門の
しかし狩りが始まるとハンターからの指示は的確で、防具にかすり傷すら付かない。
ハンターがレイアの前方に立ち引きつけ、アイルーが足下を攻撃し。突進の動きを見せればハンターは知らせアイルーが回避する。
「ニャニャニャ!」
連撃がレイアの左足を襲う。
「やるな!!」
バランスを崩し転倒した隙にハンターが頭部の甲殻を破壊する。
アイルーは更に背中を追撃、ダメージを確実に与えていく。
レイアは立ち上がりハンターに向けてブレスを放つ。業火はハンターに真っ直ぐ向かう。何故か回避もしないで突っ立っている。間に合わない。
「ボスゥ!!」
アイルーは叫んだ。このままだと直撃だ。しかしハンターは避けなかった。
練気を解放、横に構えガードの型を取る。太刀に纏わせた練気は業火を瞬間受け止め、それに合わせて手首を返し一閃。火球は2つに裂かれ彼方へと吹き飛んだ。
練気が煌々と輝く刀身。その太刀を更に踏み込み横一門になぎ払い、続いて大上段からたたき落とし返す刀でダメ押しにと下段から振り上げた。
レイアは大きく仰け反り。数歩下がると上空へ逃げた。風に乗りエリア移動をする。
「ボス、今のは何なのニャ?」
レイアがエリア移動したので、アイルーは聞いた。
ガード不能の太刀で攻撃を防ぐのは聞いたことが無い。下手に防げば刀身は折れてしまう。
「太刀は攻撃が当たると練気が溜まる。その特性を活かして相手の攻撃を受け強力なカウンターが出来ないか最近試していたんだが、どうやら上手くいったな」
「にゃ、にゃんて方ニャ」
そもそも太刀は鬼刃斬りが出来るようになるのに時間がかかる。太刀の奥義、鬼刃大回転斬りを使えないハンターも多い。それなのにハンターはガード不可を逆にカウンターという形で克服し更に火力を引き出した。
「しかし、まだ改良の余地はありそうだな。今のままだと、練気が強すぎて腕にダメージが少しある。ある程度練気をセーブできるようにならないと実践では余り使えないな」
太刀を納め、兜の口元を開け回復薬を一口飲む。
「さて、もう大分弱っているだろう。終わらせよう」
「ニャ!」
気か付くとアイルーが持っていたハンターへの恐怖心は無くなっていた。
変わりに畏敬の念を持っていた。
実践で戦い方を修正して、どんどん更新していく姿に心を打たれた。
今まで自分の力に満足して誇示しようとしていた。アイルーの前使えていたハンターは。筆頭ランサーと言ってギルドでも名の通ったハンターだった。実力もトップクラスなのだが、新しいご主人はそれの更に上をいっている。しかしこの人は満足せず更に上を求めている。仕事に、勝ち残って生きることに一再の妥協は無い。だからボスはさっき生意気な事を言ったことに対して怒ったのだろう。
この人から学ぶべきは多い。
「ボス、僕勘張るニャ」
「だからボスって何だよ」
ハンターは苦笑する。
「ボスはボスにゃ。僕の慕うべき人にゃ」
「そうかい、勝手にしな。……行くぞ」
月明かり照らす道をハンターとオトモは戦いを終わらせるべく歩いて行く。
エリア2。二重床の特徴のあるエリアで、レイアと再戦する。
蔦が燃やされる前にハンターはカウンター主体の猛攻を仕掛ける。カウンターで噛み付きや尻尾の毒を用いたサマーソルトなど全てはじき返した。練気はハンターの龍刀に呼応し黒の瘴気と赤の雷電を纏い甲殻を弾き飛ばし切りつける。アイルーは小柄な体を活かして背中に飛び乗り棘を破壊する。怯んだレイアは蔦に絡まり動けない。鬼刃大回転斬りをお見舞いするとアイルーが尻尾に向かって跳躍。武器を振り下ろすと、ブツリと鈍い手応えとともに尻尾が斬り落ちた。
「尻尾切り落としたニャー!」
「いいセンスだ!」
蔦から解放されたレイアは死力を尽くして突進する。ハンターの太刀の輝きが紅蓮から深い蒼に変わる。そして太刀を身を守る様に構え渾身のカウンターを放つ。
「ぜえああああ!!!」
ハンターがレイアの首元を狙い踏み込み横一門に斬りつけ、上下に切り落とし、切り上げる。鮮血が飛び散りハンターを赤く濡らす。レイアは小さく唸ると事切れた。
「終わったな」
太刀を納刀し、レイアを見下ろす。アイルーには何処か寂しそうに聞こえた。
「ボス、……後は帰るだけですニャ」
アイルーがそう言うとハンターは遺跡平原の頂上にある竜の巣を見つめ言った。
「いや、まだやるべき事が残っている」
ハンターは頂上に登り飛竜の巣へとたどり着いた。アイルーは先にベースキャンプに行かせた。一緒に付いてきて貰うのには抵抗があった。ハンターは産まれたばかりの子供が気になり向かったのだった。
(気にしてどうする?育てるとでも思っているのか?)
そう自分に問いかけるも、体は進む。そして兜の下で悲しく嗤うだけ。
(分かっているだろうに、残酷な結末しか無いことを)
そこには無残にも食い殺された飛竜の子供の亡骸があった。エリアの端に何か気配がある。伺うとジャギィ3頭がこちらを狙っている。
すぐさま太刀を引き抜き、一閃。悲鳴を出すこと無く胴と首が離れた。殺したジャキィをよく見ると新しい傷がある。
「そうか、……昼間殴り飛ばしたやつらか」
全ては繋がっていた。ハンターはお嬢に言った。『全ては巡る。因果応報』と。
その言葉を改めてハンターに突きつけたのは大自然だった。
兜を脱いで、天を仰ぐ。満天の星空が輝き月がこちらを見下ろしている。白い髪と肌が月光を浴び薄く輝いていた。
冷えた風がハンターの火照った体を冷やしていく。
紅蓮の瞳から一筋の涙が溢れた。
ジャギィのやったことは間違いでは無い。生きるために正しいことだ。分かっていた、分かっていたとも。しかしハンターはジャギィを切り捨てることでそれを否定した。食い殺したことは悪だと断じて殺してしまった。
そもそもリオ夫婦を殺したのは紛れもない自分。あの2頭を殺さなければ子供も喰われることは無かったはずだ。気にしても仕方が無いと自分に言い聞かせても、やはり悔しかった。
ハンターの脳裏にとある言葉が蘇った。
『人間が、この世界を自然をましてや命をコントロールしようなどとおこがましいとは思わないかい?』
かつて一緒に暮らした白いドレスの少女は幼い頃のハンターに語った言葉。
「全くその通りだよ」
ハンターはそう呟くと再び返り血に濡れた兜を装着する。泣いてはいられない。泣く権利など無いのだ。
飛竜の巣に支給品の松明を投げ込み、燃やす。夜が明ける頃には死骸は骨と化しているだろう。せめて弔いになればと焼くことにした。後ろを振り返りベースキャンプに向かうハンター。途中で花を採取してレウスとレイヤに供える。
昼間は生命が満ちあふれた平地も、月明かりに照らされる遺跡平原は死の荒野に見えた。
ベースキャンプに戻りアイルーと合流する。アイルーはハンターの異変を勘づいたのか、何も聞かなかった。
帰りは意外にも集会所の上位の受付嬢が迎えに来た。
「何で君がここにいるんだ?」
「ハンター様、お迎えにあがりました。」
ふふふ、と笑うのに対しハンターは戸惑い気味だ。
「頼んでないのだけれど」
「まあ、つれないお方。ギルドマスターの要望で私がハンター様の送迎に参りました。こう見えても撃龍船から飛行船、暴走ポポ車まで何でも乗りこなせますよ。ギルドクエストの際、ちゃーんと私が送り迎えしてあげますからね、ふふふ」
「そうかい、なら頼む」
荷台に載って暫くすると、アイルーは疲れからか寝てしまっている。
「お疲れさん、ありがとう」
そう言って、ハンターは操縦する受付嬢の横へ座る。
「何かギルドから俺に用でもあるのか?」
「まずは感謝を。リオレイアの討伐ありがとうございました」
「礼を言われる事はしていない」
恨まれることしかやってない。心の中で自傷する。
「それだけか?」
「ハンター様にお願いが」
「何だ」
少し困ったような顔をする受付嬢。何だろう言いにくい事なのか。
「集会所のクエストも受けて頂けると有り難いです」
「そんなことか?勿論構わないがハンターはそこそこいるだろう?」
「そうなのですが、G級ハンターはハンター様独りのみです」
「そうなのか?!他にいないのか」
「腕の立つハンター様は大老殿へ向かわれてバルバレの所属では無いのです」
「ドンドルマは馬鹿しかいないのか」
ハンターは呆れた。どうして戦力をそこまで集めてしまうのか。まあ、古龍が街を襲うからという理由はあるが、いつもハンターが呼ばれて対処していたように思う。何度ポッケ村とドンドルマを往復したことか。それだけG級ハンターがいたならもう少し楽ができたはずだが。
「分かったやれるだけやるから、任せてくれ」
「ありがとうございます。心強いです」
(やっぱりニャ!だだものでは無いと思っていたけどG級ハンターだったとは驚きだニャ)
アイルーは寝ていなかった。狸寝入りもとい、猫寝入りをしてハンターの様子をうかがっていた。
(これは面白くニャってきたにゃ。僕の野望も叶えられるニャー)
内心ほくそ笑む。まずはハンターの元で修行あるのみ。
そうして野望に向かって計画を立てる。
そうこうしてるうちに集会所に着いた。
「おい。寝たふりしてないでさっさと降りろ」
「ヌッ!!」
「あら、寝てなかったのですか?」
ハンターはひらりと荷台から降りる。アイルーは心臓が止まるかと思った。なぜバレた、やはりただ者ではない。これで何度も大型モンスターをやり過ごしてきたと言うのに。ハンターはアイルーに顔をズズイと近づけて低い声で言った。
「俺を騙せると思うなよ?」
「
怖くて変な声が出た。
「なんてな、冗談だ。さて帰ってしっかり寝よう。じゃあなジョーイちゃん」
「ジョーイちゃん?」
「上位の受付嬢じゃ呼ぶのも書くのも面倒だからな。ジョーイちゃんと呼ばせて貰うわ」
「はあ、若干メタな発言があったかと思いますが、おやすみなさいませ、ハンター様アイルー様」
「おやすみなのにゃ」
「ああ。おっ、そうだ。送迎乗り心地良かったぜ。また頼む」
「はい。ハンター様お任せ下さい」
東の空も微かに明るくなってきた。夜が明けるまでもう少し、ハンター達は我らの団へ戻っていった。