M.A .R.S100   作:玉魂

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もともと目立たない生物を活躍させたくて書いたんですよね


第三十話「太陽の虫」

 

 

 

 

 

『アワノメイガ』

 

和名シンクイムシ

 

 

幼虫の生態は非常に農家から嫌われている

 

その理由は作物を食すため。害虫である

 

 

この虫は人間達の食料を駄目にすることから、こう呼ばれている

 

 

 

 

 

 

 

『人類の敵』と

 

 

 

 

 

 

 

そして、特筆すべきこの虫の特性

 

 

 

 

 

『反響定位』

 

鱗粉を反響させ、音波を反射させる事が可能。

 

 

 

 

 

 

しかし、それだけで物を切断できる筈がない

 

 

 

 

もともとはオスがメスに行う求愛行動だからだ

 

 

 

 

なら、何故か。人間台にまで巨大化したからか、それとも…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当にM.O手術か?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「じ、ぎぎ。ぎ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁいい…か。そのうち分かる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は足元に埋まっている大きめの石を掘り出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずは定石…距離感イマイチだが…」

 

 

 

 

 

そう遠くは無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…じょう、じ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何より当てるつもりは無い

 

 

 

 

西上は相手がどういった行動を取るか知りたかった

 

 

 

 

 

 

 

"避けるか"

 

 

 

 

 

 

 

"切るか"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシュッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボトッ

 

 

 

ボトッ

 

 

 

 

 

 

 

 

先ほどまで一つだった石が落ちる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(切るんじゃなく、削るのかと思ってたが…分厚いのまで切れるのか)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これにより一つ分かった事がある

 

 

 

 

 

 

 

 

最初、TFの攻撃を受けた時はどれも擦り傷程度。場所もバラバラだった

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、TFに近寄った石は的確に、綺麗に切る事ができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"距離による精度、威力の減退"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(俺には関係ないか)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近寄らないと、攻撃できない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(鱗粉をどう回避するか…だな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メシッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピキピキ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「簡単だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッッッ‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地面を剥がし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"持ち上げた"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは切れるかよ!?害虫!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!!!じっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バッ‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

回避。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「––––やはり」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じっ––––

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大きすぎると切れないみたいだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前

 

 

 

 

 

上空

 

 

 

 

 

 

 

羽を持たない物が何故自分と同じ高さにいるのか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"脚力"。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(飛蝗ほど高く跳べないし…"着地"できるか怪しいが)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前をクッションにすればいい…‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じょうじ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽を西上に向ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…!高周波…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西上の左手が羽に触れたと同時に、左手の小指が跳ぶ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(刃物に変えたってのか…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スカラベは空中では行動できない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じょう『じ』!」

 

 

 

 

 

 

"左"からTFの足が向かってくる。が

 

 

 

 

 

 

 

 

見えない。気づけない。

 

 

 

 

防御できない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴッッッ‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グッ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地面に叩きつけられる西上

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高さは20m以上はあるだろう

 

 

 

 

薬を使っていなければ100%死んでいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(そもそも相性悪すぎだろう…が)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでも、ダメージは大きい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(こちとら胸に穴空いてんだ…いや目も無いか…指も…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パラ

 

 

 

 

 

パラ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光る粉

 

 

 

 

 

 

 

奴の鱗粉だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……)

 

 

 

 

 

 

 

 

彼がここまで生きて来れた理由

 

 

 

 

 

いや、死ぬ気なのに何故今まで生きていたのか

 

 

 

 

 

 

 

 

それはベースのおかげだけでは無い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は、頭にいくら血が上っても

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『考える事を辞めない』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鱗粉が身体に到達する直前。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…フゥ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弱点が、幾つか分かった。

 

 

 

 

 

いや、思い出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死ねない理由を『もうひとつ』

 

 

 

 

 

彼は、約束してしまっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

必ず追いつく。と

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『生きていないと歩けない』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「追いつけない…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「約束は守るぞ、みんな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この火星に来て一度も使用したことがない。

 

 

 

 

『本気の拳』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

必要ないから、半分程度の力で砕けていたから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、今、使う時だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッッッッ

 

 

 

 

 

 

ゴォッッッッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

倒れたまま、地面に拳を打ち付ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブワァッッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砂煙

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TFの高さまで来るほどだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

石つぶて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

避ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じぎっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

避ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メキッ

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぎっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腹部に石が刺さる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

切らないのか

 

 

 

 

 

 

 

 

どうして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「反響で捜索しない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「出来ないんだな?反響定位」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西上が一度、砂煙をあげて岩陰に隠れた時。

 

 

 

 

 

 

TFは西上の事を"探していた"

 

 

 

 

 

足元にいくらでも鱗粉が落ちていたのに

 

 

 

 

使わなかった

 

 

 

 

否、使えなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「空中にゴミがあれば使えないほどの"デリケート"」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じぎぎっ!ぎ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TFが慌てだす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砂煙が晴れ出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時に、TFは"逃げようと"する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、遅い

 

 

 

 

 

 

 

 

必死に羽を動かすが上手く飛べていない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「蛾にとって…鱗粉は"生命線"なんだぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蛾は、鱗粉によって水や空気抵抗から羽を守る役割がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

使いすぎた

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今度こそ地面に張り付かせてやる!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブチィブチィ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽を毟り取る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「害虫がァ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴキン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腕をへし折り、動けなくする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今度こそ、着地は安全に済ませた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じ……ぎ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい、まだ息あんのかよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『捕獲』するか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このTFには謎が多い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何処かの国が手を加えたのは明らかだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『追い詰める』ための証拠になるはずだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「息は長く無いだろうけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「痛たた…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たまにはいいか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






忙しいから修正より先に更新してしまった



当分修正、加筆に力をいれます











どうでもいいけど当初の予定では祥哉も西上も既に死んでる予定でした
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