女子専用トイレ
今中にいるのは、男と女
入り口から複数人の話し声が聞こえてくる。
一般市民にバレる訳にはいかない
折出の口を抑え、個室内に入る
扉を閉めて少しすると、トイレ内は明るい笑い声で包まれた
「声が大きな人は嫌いです……」
そう言うと彼は、全長30cm程のナイフを取り出す
喋らない人が好きと言う事だろう
「通常、首を切り開くんですが……空気でバレちゃうかもです……」
耳元で、ネットリした声で言葉を吐く。
それは堪らなく不快で、
恐ろしい。
(薬を……!!)
だが身体を動かすことが出来ない
ナイフが、目前まで迫る。
ナイフがゆっくりと身体に侵入して来る。
「と、その前に…盗ったデータは何処ですか…?」
「……」
口を抑えている手は離さない。
動作で答えろと言うことだ
だが、動かない
応答拒否。
私はそこまで簡単には折れない。
「面倒ですね…あなたが持ってるんでしょうけど……」
「それでは……」
刃先を折出に走らせようとした、その時
「っっ!?」
頭の中に嫌な音が充満する。
普段、普通に暮らしていては余り聞かない音
それは、警告音
鳴り響く鐘の音。
ワザと人間の不安感を煽る様に作られた音。
そして店内アナウンスで店員が伝える
『念のため避難して下さい』
と
女子トイレに居た人間も、慌てて入り口に向かう
二人を除いて。
「火事……なのか?イタズラか?」
(……!!)
足音がした
警報が鳴っている中で、トイレまで
この状況で来る可能性があるのは
店員か
イタズラの張本人か
個室の扉の前で足音が消える
「火事…らしいですよ」
扉の向こうから声を掛けられる
「……」
声は、出せない
彼は男性だから
人を一人押さえつけているから
「…扉壊れてんのか?」
沈黙
警報もいつの間にか止まっていた
だが、直ぐに音が響きだす
その音は、"砕く"音だった
「くっ…!」
扉を突き出して来た腕が、ベンノの胸ぐらを掴む。
そして、個室から勢い良く投げ出される
「東下ちゃん!」
「おう、無事だったか。折出」
「全く…あの馬鹿。東下さんは任せたと言ったのに…」
壁に叩きつけられたベンノが、服に付いた埃をはたきながら、立ち上がる。
「頑丈だな、変態さん」
「"変態"しているのは貴方ですよ。なんてね……」
ナイフを構え直す。
戦闘態勢だ。
「余裕ぶっこいてるけどいいのかよ?勝算あんのか?」
手足を含めた七本の触腕を露わにする。
「薬…使わないのか?手術受けてんだろ?」
「このナイフと自身の身体で十分です。よ」
質問は終了
場の空気がガラリと変わる
「折出…お前は先に…」
「うん……」
出口に向かい駆け出す
「行かせない!」
当然、ベンノは阻止しようとする
「お前の相手は私だろうが!!」
それを阻止しようと、三本の触腕を向かわせる
それを腕で払い落とす。
そして、一本の触腕が宙を舞う
「…!」
「ドイツ製のナイフは優秀なんですよ」
「…なるほどね」
特に遅くならなかった
暑くなってきましたね。
今朝起きたら、枕元を紙魚虫とシバンムシが仲良く散歩してました。
こいつらバルサン焚いてもすぐに湧くし、何処から来てるかも分かんないで怖いです
マジで泣きたい
誤字修正
まだ誤字あった。起訴