第1話『自由博士と白兎博士』
今現在、原作前です───。
ドイツ軍で働いていたら遺伝子摂取されて『クロエ・クロニクル』と『ラウラ・ボーデヴィッヒ』なる少女が産まれました。名実共に娘として迎え入れつつ、軍人としての基礎的訓練を教え込んでいます。
私は科学班として『インフィニット・ストラトス』を研究しています。とりあえず前世の記憶を引っ張り出しながら『
ドイツ軍からも除籍される人々が続出していく最中、私達はテレビ越しに『モンド・グロッソ』を観戦しています。ラウラは『織斑千冬』の戦闘技術に感心しており、クロエは発砲音が聴こえる度にラウラを抱き締める。何とも言えない姉妹関係だね。コマーシャルの間にトイレを済ませてリビングに帰ったら機械的なウサギ耳を生やした少女が娘達に抱き着いていました。
「「ギャアァァアァッ!!」」
「やーん、可愛い~ッ!!」
「……タバネ・シノノノ、娘達から離れてください」
呼び掛けた瞬間、ピタッとタバネの動きが止まった。先程とは打って代わり、玩具を見付けた子供のような眼差しを向けてくる。ビビりつつ試作段階の『ドライバー』を装着しようとした瞬間、床に組み倒されていた。
「お前が『フランツェスカ・ボーデヴィッヒ』だねっ!私の作った『IS』と同系統にして異質な物を作った。その頭脳を調べたァ~い!ねぇねぇ!束さんと一緒に凄いの作ろ~!」
「はなっ、離して!?」
それから「作ろう」「離して」の言い合い合戦へと現状は変わり、平常心を取り戻したタバネ・シノノノの言っている『凄いの』なるモノを聞いてみました。……まあ、ハッキリと言えば『男性用疑似IS』よりも高性能な『男性専用IS』の話を聞かされ、色々と困惑しながらも『ドイツ』と『日本』の共同で行う事を提案したら許可してくれた。
「束さんってば天才だからね!それよりもお前の作った『RIDERSYSTEM』を教えてよ!」
「……分かりました」
開発途中だった『
「そして、この『試作型マッハドライバー』は別系統のバイクを利用したモノです」
「成る程、同系統だと思ってたけど。全くの別物だったわけだね!」
「……タバネ博士、嫌でなければ貴女専用のモノを作らせて貰えませんか?」
「束さんだけの『ドライバー』?うん、それは格好良くていいね!あ、それとウサギは必需だからね!」
窓を開けて外へと飛び出しながら出ていったタバネ・シノノノを見送りながら振り返るとムスッとした娘達が立っていた。
◆◆◆◆
私、篠ノ之束は天才である。
そんな束さんと同じ様なモノを作り上げたドイツ人の女──『フランツェスカ・ボーデヴィッヒ』に、私は興味を持っている。自分と同じように異質な存在なのに娘に囲まれている。
あの女の作った『
何よりも私と話している時に『嘘を付かなかった』事が嬉しい。私のためだけに『専用ドライバー』を作りたいと言ってくれた。プレゼントなんて子供の頃以来だなと思いながらラボで『ボーデヴィッヒ一家』を眺める。彼処に束さんも入れるかな?なんて考えたりする。
フランツェスカ・ボーデヴィッヒ───。
お前とは対等に話せるような関係で居たいよ。
◆◆◆◆
翌年、完成したばかりの『タバネ博士専用マッハドライバー』を本人に手渡すと「試運転だぜ!」等と言いながら海岸線をバックにしながらスロットを押し上げて淡いピンク色のシグナルバイク『スピーディーラビット』をスロットへと装填した。
『
『
正常に動いたことに歓喜しつつ、タバネ博士の変身を録画する。
「変~ッ身!!」
仮面ライダーマッハと同質の電子音が鳴り響かせながら真っ白なウサギに酷似したフォルムとピンク色のマフラーを靡かせる。新たな仮面ライダーがスーツの感触を確めていた。
「どうですか?キツくありませんか?」
「うん、凄いね!束さんの『IS』とも戦えるんじゃないかな?」
「そ、そうですか?勝てるような光景が見えないですけど」
苦笑いを浮かべながら手に持っていたボタンを押し込むと『おねがいマイメロディ』に登場した『ウサミミカー』が砂浜から飛び出してきた。
「タバネ博士の為に作ったモノです。安直なんですけど…『ラビットカー』という名前です」
「やぁーん!キュートだよ!可愛いよー!」
意外と趣味嗜好は共感できる物が有ったようだ。