私はフランツェスカ・ボーデヴィッヒです。   作:SUN'S

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第11話『織斑千冬はなぜ苦労するのか』

 

 

まずは結果だけ話しておこう。『ルパンガンナー』を起動させたイチカ・オリムラは「タイムレンジャー」に襲い掛かり、あっさりと返り討ちにあった。

 

尤も『ルパンガンナー』は試作段階のモノであり、クロノスーツは部隊での戦闘を得意としている。ボルユニットで吹き飛ばされたイチカ・オリムラは失神していたため、そのまま懲罰房に連れて行かれた。

 

…それとチフユ先生に『ルパンガンナー』を渡しておいた。私よりも使いこなせる気がするし、タバネ博士と一緒に『ラビットカー』に乗りながら正義の味方として活躍して貰おうと思っている。

 

タバネ博士は「タイムレンジャー」の事を教えていなかったことを怒られたけど。マスコットキャラクターの音声を担当したいと言ってくれた。ちょっと張り切ろうと思う。チフユ先生は「タイムレンジャー」を『学園防衛組織』として許可する事を発表してくれました。

 

ファンさんにも説明しつつ、イチカ・オリムラの仕出かしてきた事を話すと顔を真っ青に染めていた。まあ、そんな相手を好きになっていた事に恐怖しているんだろうね。

 

クロエとラウラはオルコットさんやホウキさんと仲良くしているので不安はありませんけど。イチカ・オリムラのストーキング行為には気持ち悪がっていましたので。良い機会だと思うことにしましょう。

 

「束…。私は、どうすればいい?」

 

「さ、流石の束さんでもアホにつける薬は作れないよ」

 

「私も以下同文です。もう、徹底的に間違いを指摘するしか無いですね」

 

「やはり、そうなるのか?」

 

腹部に手を添えながら壁に手をつけるチフユ先生を憐れみながら肩に手を置くとホロリと涙を溢していた。唯一の肉親はアホでプライドの高いヤツだったと分かった時の苦しみは分からないけど。ドンマイです。

 

「真耶、自主退職と強制退職…どちらだと思う?」

 

「先輩!?しっかりしてください!!まだ、まだ大丈夫です!ちゃんと教えれば!!」

 

「フフフッ…。無職になるのか。出来れば普通の生活を送りたいものだな…」

 

「先輩!?カムバックです!そっちは駄目なんです!」

 

チフユ先生の前に立ち、顔を押さえつける。

 

「チフユ先生、結婚すれば理想の退職ですよ」

 

「「「結婚」」」

 

タバネ博士やマーヤ先生も結婚というワードに反応した。そりゃあ、三人とも未婚ですよね。私の立ち位置はバツイチですからね。夫は「科学」です。

 

「ドイツに居る友人を紹介します」

 

「「「「ぜひ!!」」」」

 

なぜかサカキバラ先生も乱入してきたが。向こうの科学班はイケメン揃いのエリート組織だ。女性軍人にも人気が高いのだ。先々月、報告された日本観光計画でも『ゴーコン』を試したいと言っていた。問題ないと思うね。

 

サカキバラ先生は「ドイツのイケメン!」と妄想を膨らませており、タバネ博士とチフユ先生は「オシャレ…どうしよう」と悩んでいる。女尊男卑の御時世ですからね。1年間の結婚回数も二桁から上になることは無くなりましたからね。結婚することを諦めた女性は数知れないですしね。

 

メールを送ると向こうは「レストランを予約しておきます!」と返信してきた。あいつら、意外と楽しんでるわね。

 

 

 

 


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