タッグマッチトーナメント第1試合は『織斑一夏&シャルル・デュノア』VS『ラウラ・ボーデヴィッヒ&篠ノ之箒』と発表された。私は屑男の出場を許可した教員の判断を疑ってしまうな。母上やチフユ殿、マヤ殿のような聡明な考えの方は居るだろうが。アホな奴らも居るようだな。
そんな事を考えながらアリーナ・ピット『B』に入ると姉上やタバネ博士が待っていた。母上はドイツ軍の方々と話し合っているそうだ。おのれ、祖国とは言えど母上との語らいを邪魔するとは許さん。
「ラウラ、織斑一夏の機体は『打鉄』ですけど。シャルル・デュノアの行動には警戒してくださいね?」
「はい!」
「箒ちゃん、優勝したら一緒に『専用機』作ろうね?」
「えぇ、姉さんとの約束を守ります!」
箒に抱えられながらアリーナの中央へと向かう。…そう言えば全校生徒の前で変身するのは二回目だな。それに世界各国の有力者達も見ている。母上の『
制服の懐から『マッハドライバー』を取り出し、腰に装着するとスロットを押し上げる。シグナルホルダーから引き抜いた『シグナルバイク』をスロットに装填して押し込む。
『
『
私の身体はパワースーツに覆い隠され、アリーナ・ピットから『シンゴウアックス』が飛んでくる。ザワザワと騒がしくなる会場を切り裂くように「スタート」の音声と文字が投射された。
「ダアアァア!!」
「フッ、ハァッ!!」
『打鉄』を纏った屑男は箒の前を横切ると、一直線に襲い掛かってきたが篠ノ之流『霧襖』を使用して背後から『打鉄』を斬り付けると『ブレイクガンナー』を屑男の土手っ腹に叩き付け、近接用ブレードだけでシャルル・デュノアを追い詰めている箒を見上げる。うむ、私の相棒は強いな。
「こんのおぉおおっ!!」
屑男は近接用ブレードを振り回して近付いてくるが、握り方も振り方も箒とは比べ物にならないほど、ヘタクソのため避け易い。そのまま後退と同時に振り上げるように放った『シンゴウアックス』で近接用ブレードを弾き飛ばし、屑男の腹を思いっきり蹴り潰す。アリーナの端まで吹き飛んだしまったが、待っていれば起き上がるだろうな。
『シンゴウアックス』のスロットに『シグナルバイク』を装填してから信号ボタンを押し込む。
『
両手で『シンゴウアックス』を持ち上げて構える。
『マッテローヨ!!!!』
「なに?待つのか?」
「「「えええぇええ!?」」」
ピッポー、ピッポー、と信号の点滅する音が聞こえてくる。待っている間に屑男は起き上がり、近接用ブレードを回収せずに瞬時加速を発動させて襲い掛かってきた。ふむ、見様見真似の領域だな。
『イッテイーヨ!!!』
擦れ違い様に『シンゴウアックス』を屑男の腹に叩き付け、背後からも斬り付ける。
『
屑男は軽く爆発しながらアリーナに倒れ伏してしまい。シャルル・デュノアは箒によって討ち取られていた。箒の活躍の場を奪ってしまったか?