私はフランツェスカ・ボーデヴィッヒです。   作:SUN'S

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第20話『学園はどこへ正義を導くのか』

 

 

準決勝戦『クロエ・ボーデヴィッヒ&更識簪』VS『ラウラ・ボーデヴィッヒ&篠ノ之箒』と文字が投射された。四人は正面に立つ者を見詰めている。クロエとラウラは既に仮面ライダーとなっており、専用装備を構えていた。「スタート」の音声と文字が投射された。

 

次の瞬間、観客席との隔てになっていたシールドバリアが粉々に砕け散っていき、見知らぬ『IS』を纏った者がアリーナの端に立っていた。余興か?と思っている観客席の人々は身体を前に突き出した瞬間、観客席に座っていた人達の中から『機械人間』が現れた。

 

「まさか、父上の作った『ゼアヒルド』か!?」

 

ラウラの驚愕したような声色に不信感を覚えたのか。

 

観客席に座っていた一人が女子生徒が「ヤバくない?」等と発言した事を切っ掛けとして、生徒達は暴動のように逃げ惑い始めた。最早、他者を労るような事などせずに我先にと逃げようとしている。

 

「貴様等、狼狽えるなァ!!『タイムレンジャー』は観客席の機械共を倒せッ!私達はアリーナ内部に停止している『IS』を相手する!」

 

「「「「「ラジャーッ!」」」」」

 

簪の怒鳴り声で生徒達は動きを止める。一人一人で『ゼアヒルド』と対峙するように構えて立ち、五色の戦士は長剣短剣を構えていた。

 

「クロエ、ラウラ、篠ノ之さん。学園の平和を守るために手伝ってくる?」

 

「当然だ。私達の学舎を壊すことは許さん!!」

 

「姉上の友人の頼み。引き受けよう!」

 

「簪さん、聞かれるまでもありません。一緒に行きますよ?」

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

RUPIN(ルパーン)!!!

 

千冬は有力者の集まっているVIP席へと侵入してきた『ゼアヒルド』を『ルパンガンナー』で殴り飛ばしながら変身すると、有力者達は『ゼアヒルド』に向かって拳銃や小型機関銃を発砲する。

 

「諸君、我々も手伝おう」

 

「良いだろう。イタリア、手を貸せよ?」

 

「フン、貴様こそ足を引っ張るなよ?」

 

「お前達、口論は後にしてくれ」

 

有力者達は話し合いながら弾倉を取り換える。

 

「(流石、歴戦の猛者は頼もしいな…)」

 

数十年前の戦場を生きてきた兵士や軍人としての威厳は衰えておらず、むしろ渋みを増している。

 

「チフユ君、君は客席の子供達を助けてあげなさい」

 

「しかし、轡木理事長!?」

 

千冬は老年の男性に抗議しようとしたが肩に手を置かれ、そのまま観客席の方へと続いている廊下に押し出された。

 

「我々は、あのような傀儡人形には負けませんよ」

 

「クツワギ殿。私のサーベルだが貸そう」

 

「おぉ、それは助かります」

 

ハハハッと笑い合う男達の表情は玩具を貰った子供のようであり、戦場を楽しむ野獣のように歪んでいた。

 

 

 

 


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