私はフランツェスカ・ボーデヴィッヒです。   作:SUN'S

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第26話『究極の味覚音痴はだれなのか』

 

 

 

今日の授業は穏やかだった───。

 

問題を間違えても山田先生も織斑先生も怒ったり出席簿で叩いてこなかった。

 

昼食休憩ではスマホを眺めてニヤニヤとする四人の教員に生徒達はザワザワとしており、それとなく母さんに尋ねたら「デートが待ち遠しくて仕方無いんだよ」と教えてくれた。

 

成る程、織斑先生達はデートの日が待ち遠しいんですね。母さんやお父さんも海岸でデートしていますからね。

 

…そう言えば報告しておくことがあります。『シャルル・デュノア』は『シャルロット・デュノア』でした。まあ、クラスの半数以上は知った上で騒いでいた様ですけど。

 

シャルロット・デュノアは真面目に授業を受けており、強制送還などにはならなかった。

 

理由は社長婦人の横領を暴くための緊急的な処置と婦人の雇っていた殺し屋を欺くための偽装だったらしい。

 

ちなみに死んだと思っていた実の母親は生きていたらしい。なんとも言えない展開について行けずに職員室の真ん中で叫んだらしい。

 

「デュノアさん、よかったですわね」

 

「うん。みんな、ありがと!」

 

「いや、私は関わっていぞ?」

 

「ラウラ、こういう時は受け取っておくべきなのだ」

 

その後、シャルロットさんの安全を祝うためにセシリアさんの作ってきたサンドウィッチを食べたら仲良く腹痛で放課後まで保健室で寝ていました。

 

タバネ博士は「なんで洗剤や除菌剤が混じってるの!?」と驚いていた。セシリアさんは「汚いと思いまして…」とお腹を押さえながらベッドに寝ています。その隣で私も寝ています。

 

少食だったことが幸いして、他の人よりも軽い腹痛で済んでいるそうです。

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

クロエ達のお見舞いに行こうとしたら整備室のドアを抉じ開けようとする、イチカ・オリムラを見つけてしまった。『チフユベル』を鳴らすと廊下の奥から全力疾走で走ってくるチフユ先生が見えた。

 

次の瞬間、イチカ・オリムラと共に消えていた。ついに音の壁の更に向こう側へと行ってしまったのですね。

 

「……保健室、行ってこよ」

 

一応、胃薬を持っていく……。タバネ博士は劇物だって言ってたけど。市販のモノで効くのかな?等と考えていると保健室の前を通り過ぎていた。

 

ノックしてからドアを開けると呻き声が聞こえてきた。よく聴くとクロエやラウラの声も混じっている。そんなにヤバい代物を食べたんですか?

 

「タバネ博士、胃薬を持ってきましたけど。効きますかね?」

 

「無理だね。束さんが作った特製胃薬でも効かなかったしさ。自己治癒能力に任せよう」

 

明日は土曜日のため、学校はお休みですけど。クロエ達は腹痛と戦うことになりそうですね。馬鹿にしている訳じゃありませんよ?

 

 

 

 


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