急遽、度重なる『IS学園』での騒動によって予定されていた臨海合宿を早めることになり、生徒達は水着を買うために外出届を挙って提出してくる。
その中にはイチカ・オリムラの名前も入っており、水着を買うために出ようとしているらしい。
しかし、世間一般では『男女共有型』を発表から。然程、日数は経っておらずイチカ・オリムラの遺伝子を狙う者は多くいる。チフユ先生経由ではあるが、報告書を手渡された。
どうやらウィリアムが付き添う形で買い物は済ますことが出来たらしい。人の旦那をパシリのように扱うんじゃない。
「真耶、これは地味だろうか?」
「大丈夫ですよ!先輩は何でも似合います!」
「二人は清楚に攻めるのね?じゃあ、私は派手に決めようかしら?」
サカキバラ先生は布地の小さなビキニを取り、チフユ先生とマーヤ先生に見せ付ける。タバネ博士は競泳水着を見ており、そのまま買おうとしていた。
「束、それはダメだろ?」
「そ、その…。束さんは家族以外に肌を見せたことが無いんだよぉ…」
「このチャンスを逃せば後はないのよ?」
「うぅ…っ、ヤマちゃん…助けて」
「うえっ、私ですか!?」
話し合っている教員達から離れつつ、クロエ達の入っていく水着店を監視する。ホウキさんやサラシキさん等の常識人も同行しているので安全だとは思いますけど。
万が一を想定して動かないと…。サラシキさん、ラウラにスクール水着を勧めないで下さい。あ、オルコットさん…未成年のスリングショットはダメです。
…なぜか、ファンさんを見ていると安心できますね。
そんなことを考えながら見ているとイチカ・オリムラとウィリアムが男性用水着を見ていた。……変ですね。イチカ・オリムラがウィリアムに頭を下げている様に見えるんですが。
「外出目的は一対一での交渉という訳だったのか」
「織斑君、全く反省しませんね…」
「生徒指導の先生方もお手上げだと言っていましたからね」
「あのクズ…諦め悪すぎだろ」
最早、女性教師からの評価は底辺になっているようだ。
「やはり、懲罰房に叩き込んでおくべきだったか」
「それだと更に反感を買う可能性がありますよ?」
チフユ先生は溜め息を吐き出しながらお腹を押さえており、治り掛けていた胃痛が再発したのかもしれない。
近場に設置されているベンチにチフユ先生を寝かし、膝枕の体勢になる。
「…私の教育は間違っていたのか?」
「ちーちゃん、あれは教育とかの問題じゃないからね?普通に犯罪とか起こしてるよ?」
「そうなんだよ…。一夏の奴は、中学の時も小学の時も相手の意見を聞かずに決め付けて殴り飛ばしていたんだ」
「「やっぱり、クズじゃないですか」」
マーヤ先生に言われたら終わりですね。弁護の有余すらありませんね。