翌朝、アメリカの軍事基地に置かれていた『ゼアヒルド』対策用に改良されていた『IS』が暴走したという報告を受け取った『専用機持ち』『タイムレンジャー』『仮面ライダー』は緊急事態のため、自己防衛を教員より許可された。
「織斑、お前は部屋で待機の筈だが?」
「千冬姉、俺も戦う!」
イチカ・オリムラの発言に困惑しつつ、イチカ・オリムラの脳天に向かって出席簿を叩き付けていた。その後は「戦場は遊び場ではない」と言い放ち、サカキバラ先生とウィリアムによって強制退出させられていた。なにかを喚いていたけど。最早、聞いている時間すら無いのだ。
「織斑先生、海底から巨大な生体反応を感知しました!?」
「次から次へと面倒事が舞い込んでくるなッ」
「これは…超巨大な『ゼアヒルド』です!」
「「「えぇ…っ。同時攻撃は困るんですけど」」」
そんな言葉を溢しながらタバネ博士は投射された映像を拡大化していき、心臓部分を切り取って見せてきた。
「ここ、この場所に人の生体反応が在る。多分、軍事基地で行方不明者達だと思う」
「しかし、私達では太刀打ちできるとは思えんぞ?」
「簪君、出動可能だよね?」
タバネ博士の問い掛けるような言葉を聞いた瞬間、サラシキさんは目を見開きながらも恍惚とした表情を浮かべていた。
サラシキさんは『V-Commander』を調整しながら作戦室を出ていく。……まさか、アレを使う気なんですか!?というよりもタバネ博士は何処から調べたんですか!?
「ブイレックスウゥゥ!!!」
空間を切り裂いて海岸沿いに飛び出してきた超巨大な機械作りの恐竜に唖然とした表情を浮かべていた。ああ、ドイツの地下施設で作っていた奴なのに。デビュー戦が海になるとは思ってもみなかったよ。
フンスと胸を張るサラシキさんの頭にチョップしてから全員に説明していく。タバネ博士はドイツに居た時に軍事基地のデータをハッキングして見付けたと教えてくれました。勝手に見ないで下さいよ。
「更識、操縦は可能なのか?」
「ブイレックスとは一心同体です!!」
「そうか。よし、更識に巨大『ゼアヒルド』を任せる。我々は巨大『ゼアヒルド』の体内へと侵入して行方不明者の救出と内部からの破壊を優先的に行う!」
サラシキさんに一任するような事になりました。不安ではありますが、皆さんに賭けるしかありませんね。
「それでは出動する!」
「「「「「ラジャーッ!!」」」」」
みんなを見送りつつ、宴会室に生徒を集めます。現在の状況を説明してから宴会室の舞台に衛星から映し出される映像を拡大化して見せる。
やはり、刺激が強すぎたか?と考えていたが「勝ちなさいよ!」「木偶の坊をブッ倒せ!」「デカブツなんかに負けるな!」等の応援を叫び始めた。そうだ、数ヵ月で何度も襲撃を受けていれば耐性も付くんだよな。