私はフランツェスカ・ボーデヴィッヒです。   作:SUN'S

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第3話『驚愕!ドキドキな部屋の中で』

 

 

織斑千冬の暮らしている教員寮に来たんですけど。…余りの汚さに唖然としてしまった。しかもなに食わぬ顔で「どうした?」とか聞いてくる時点で可笑しいのだ。等と考えながら娘達の座る場所だけは確保するために掃除していく。

 

織斑千冬から「お、おい」と声を掛けられたが、無視して片付けていくと脱ぎ捨てられた下着や空き缶が普通に転がっていた。フローリングにもシミが出来ている。先日、趣味の範囲で作った『超圧縮ハガセール君』を数滴垂らすとシミが浮かび上がり、ド汚い部屋が綺麗な部屋へと変身した。正しくビフォーアフターである。

 

「私の部屋…こんなに広かったのか」

 

「ちーちゃん…。流石の束さんでも、そこには驚きを隠せないよ」

 

「母さんの掃除力は最強クラスですね」

 

「姉上、この男性と女性の裸体画はなんですか?」

 

その言葉を聞いた瞬間、ラウラを除いた私達は織斑千冬を見てしまった。恥ずかしさのあまり蹲っており、耳まで赤くしていた。…まあ、女性でも持っている人はいると思うよ?等と励ましの言葉を考えていると「えっ、ちょ、いっくんに似てる!?」等とラウラと共に書物を読んでいた。

 

「ちーちゃん、束さんも箒ちゃんには過剰なスキンシップするけど。これはないよ?」

 

「グハァッ!?」

 

今宵、とある教員寮の一室にて『世界最強の女』は『世界最高の女』に負けてしまった。うん、私は二人には着いていけないね。等と思いながら備え付けのシャワールームへと娘達を誘導しつつ、お風呂タイムだと教えると嬉しそうに入っていった。狭いと思うけど、我慢してね?

 

「ふぅ…。束、今回の騒動には関わっているのか?」

 

「う~ん、束さんを射殺しようとしてきたから『ドライバー』で対抗しただけだよ?」

 

「ドライバー?あの男女共有可能な『IS擬き』のことか?」

 

その言い方にはトゲがありますね。『IS擬き』じゃないですよーっ、歴とした別物なんです。

 

「違う違う。あれは同系統にして異質なモノだよ!そして、その開発者な『フランツェスカ・ボーデヴィッヒ』が、この人だよん!」

 

「……『IS擬き』じゃあないですよーっ」

 

「…すまない」

 

一応、謝罪を貰えましたけど。織斑千冬の言動にはトゲを感じてしまう。

 

…ああ、それと『誘拐事件』は起こってませんよ?私の開発した『RIDERSYSTEM(ライダーシステム)』を作るための実験を行っているからですね。第一にですけど『亡国機業』なる組織の介入は見られませんでした。まあ、私の作った『SMART-BAKKURU(スマートバックル)』を装備したドイツ軍が警備していましたしね。

 

しかし、祖国の土を踏むことは出来なくなりそうですね。色々と機材を残してしまいましたけど。『フランツェスカ・ボーデヴィッヒ』以外の人間では入力不可能なモノを設定してますからね。

 

後ろに振り返ると牛乳瓶を持ち空いた手を腰に添えながら牛乳を飲み干す娘達の姿が見えました。待って、そんな事を教えたっけ?等と考えながら『アホ女』が頭の中に入り込んできた。あのアホ、人の娘に変なことを教えるなよ。

 

「…ちーちゃん、束さんも飲みたくなっちゃった」

 

「ふむ、そうだな。ボーデヴィッヒも飲むか?」

 

「ビールですね。手頃なモノは作りましょう」

 

冷蔵庫を開けると未開封のビールが敷き詰められていた。

 

待て、待ってくれ。可笑しいぞ?日本人ってお淑やかじゃなかったっけ?タバネ博士の作ってくれた『収納庫』から野菜や肉類を取り出し、有ると思っていた調味料すら無かったことに絶望しながらも料理を完成させる。

 

我が家ではラウラに大人気の「シュニッツェル」とビール缶をテーブルの上に置くと「え?本格的のやつ?」等と言ってきたので「家庭料理ですよ?」と返しておいた。

 

クロエとラウラにも「シュニッツェル」を手渡し、オレンジジュースやレモンソーダを淹れたコップを置く。大人組は、よく分からないけど。料理の味を堪能していた。

 

 

 


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