私はフランツェスカ・ボーデヴィッヒです。   作:SUN'S

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第35話『友と紡ぐものはなにか』

 

 

 

織斑先生、篠ノ之先生、本音達は巨大『ゼアヒルド』の体内から機械骨格を突き破って出てきた事を確認すると『V-Commander』を口元まで持っていき、みんなに聞こえるほど大きな声で「ボイスフォーメーション!ブイレックスロボ!!」と叫び、ブイレックスの形態を変形させる。

 

ティラノサウルス型だったフォルムは二足歩行型巨大ロボットへと変形してみせた。長年…と言っても十数年ほどだけど。『IS』を改造して巨大ロボットの合体機能や変形機能を搭載しようと考えていた。

 

滑空して落ちていく織斑先生達を受け止めると篠ノ之先生の愛車『ラビットカー』に乗車している本音達と擦れ違った。…見知らぬ女の子が乗ってたけど。

 

行方不明者の一人かな?等と考えながらもブイレックスロボに「レックスパンチ!」指示を送り込み。立ち上がろうとする巨大『ゼアヒルド』の突起物のように尖った顎を左アッパーで弾き上げる。

 

「まだだァ!!ブイレックスロボ!リボルバーミサイル!!」

 

簪の指令と共にブイレックスロボは巨大『ゼアヒルド』を空中へと押し上げるようにリボルバーミサイルを発射する。直ぐ様、簪は「リバースフォーメーション!ブイレックス!!」と指令を送りながら飛び上がり、恐竜の形態へと変形したブイレックスの頭部に着地すると『DVディフェンダー』をホルスターから引き抜いて上空に向けて構える。

 

「ブイレックス・ロックオン!」

 

簪の持つ『DVディフェンダー』の銃口とブイレックスの肩口に搭載された巨砲にエネルギーが集束されていき、落下してくる巨大『ゼアヒルド』へと銃口は向けられていた。

 

「レックスレーザーッ!!」

 

放たれた三つのエネルギー弾は落下してきていた巨大『ゼアヒルド』を大空へと押し上げていき、そのまま成層圏を越えた先で巨大『ゼアヒルド』を凍結と同時に爆発させた。

 

「タイムファイヤー、任務完了」

 

簪は慣れた手付きでガンスピンすると右腰のホルスターへと『DVディフェンダー』を納め、変身を解除して海上を滑るように走っている本音達の乗った『ラビットカー』に背中を向けながらサムズアップを送った。

 

その頭の中では幼少の頃から見ていた特撮の必勝ソングが流れており、今の自分は変わることが出来たんだと実感する事ができた。

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

巨大『ゼアヒルド』の消滅を確認した『花月荘』では砂浜に飛び出した生徒達の手厚い歓迎を受ける織斑千冬達と担架に乗って旅館へと運ばれる箒と付き添うクロエやラウラの姿が見えた。

 

「一夏はどこだ?」

 

その言葉を聞いた瞬間、タバネの身体はビクンッと跳ね上がった。…タバネの反応で察してしまったのか。千冬は腹部に異様な激痛を感じながら吐血して倒れてしまった。タバネや真耶、生徒達は大騒ぎになりながら旅館へと千冬を運び込み。備え付けの治療用ナノマシンカプセル容器へと千冬を放り込んだ。

 

バイタルをチェックしながらデータを見ると「胃」を損傷していると表示された。ストレスのキャパを越えて穴を開けてしまったらしい。

 

その症状の名前は巨大『ゼアヒルド』の体内で出会った『胃潰瘍』である……。

 

掛ける言葉すら見当たらない程、悲しい結末である。千冬の脳内では滞りなく進められていた「デートプラン」が崩壊した瞬間でもあった。人生初デートは実弟に与えられたストレスによる『胃潰瘍』で白紙へと戻ってしまったのだ。最早、千冬の頭の中には『世界中の不条理を受け止める器』として呪いでも受けているのか?等の非科学的な考えで蠢いていた。

 

「ちーちゃん、病院デートだよ!(逆)お見舞いで好感度アップするんだよ!」

 

「……束。その考えはなかったぞ!!」

 

親友の言い放った僅かな希望を掴み取るため、デート相手へと電話を掛ける。今現在、旅館付近の住民を避難させていた筈なのだ。

 

 

 

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