『ルパンガンナー』や『マッハドライバー』を取り出そうとした先生達を止める。……昔、こういうシーンを特撮で視たことがある。絶好のタイミングで『正体バレ』することが出来そうだ。アリーナ・ピットの天井部分まで飛び上がり、迷彩服の中に仕舞っていた『電子投影型学園手帳』を取り出す。
私の存在に気付いた『アルガ・ゼアヒルド』は叫んでいるが、攻撃を仕掛けては来ない。空気を読めるタイプのヤツだったようだ。腰で溜めるように『電子投影型学園手帳』を『アルガ・ゼアヒルド』に突き付ける。
「アルガ・ゼアヒルド、貴様を学園保護法違反で逮捕する!」
その言葉を叫んだ瞬間、待機していた『アルガ・ゼアヒルド』も応戦するようにエネルギー光弾を放ってきた。うん、私に当てないように周りだけを狙ってる。コイツ、私と同じ特撮ファンから『IS』の『コア』を吸収したのかな?等と考えつつ、左手首に装着していた『V-Commander』を口元まで持っていく。向こう側のお姉ちゃん達は「逃げろ」とか叫んでる。
知ってるかな、ヒーローは逃げないんだよ。
「タイムファイヤー!!!」
音声入力によってクロノ粒子が放出され、少女の身体がクロノギアで覆い隠せる。騒いでいた客席の少女達は立ち止まり、叫んでいた向こう側のお姉ちゃん達も変身する私を見ている。すると、フランツェスカ博士が大きなラジオ装置を取り出してカセットテープを挿入するとカッコイイBGMが流れてきた。
これは特撮ファンには嬉しいプレゼントです。まさか、制作者本人からテーマソングを貰えるとは感激です!!
「DVディフェンダー!」
右腰のホルスターからブイレックスの横顔を燃した拳銃型兵装を引き抜き、観戦席へと放たれたエネルギー光弾を撃ち落としていく。
その芸当には向こう側のお姉ちゃんも驚いたような表情を浮かべていた。ちょっと勝った感じだね。アリーナ・ピットを踏み台に『アルガ・ゼアヒルド』へとキックを叩き込む。私の装着しているクロノギアは本音達の装着しているクロノスーツよりも高出力のため、長距離だろうと力を込めれば一瞬で到達することが出来る。
「DVチェンジ!ソードモード!」
『DVディフェンダー』を『ガンモード』から『ソードモード』に変形させ、反撃の猶予を与えない斬撃のラッシュを叩き付ける。距離を取ろうと後退した『アルガ・ゼアヒルド』に向かって『ソードモード』から『ガンモード』に変形させた『DVディフェンダー』のエネルギー光弾を放つ。
「
パラレルワールドでも使えるか分からないけど。倉持技研とフランツェスカ博士の合同作成した『警察手帳型犯罪者識別装置』を突き付けた。
次の瞬間、ブブーッ!!という殲滅命令を示す音声が鳴り響いた。『DVディフェンダー』を逆手に構えて「ファイナルモード!!」と叫ぶとエネルギーが剣身に集束されていく。
「食らえ、DVリフレイザーッ!!」
逃げようとしている『アルガ・ゼアヒルド』の眼前へと回り込み。エネルギーを集束させた『タイムファイヤー』唯一の必殺技を叩き込む。今回は一撃ではなくV字を描くように二撃ほど加えた。
バチバチと火花を散らして倒れる『アルガ・ゼアヒルド』をバックにして『ガンモード』に変形させた『DVディフェンダー』をスピンさせながらホルスターに納めた瞬間、背後から熱風と爆発する音が聞こえてきた。
観戦席を見上げるとクロエやタバネ博士は拍手しており、フランツェスカ博士は満足そうに音楽を止めてしまった。
…よく考えるとテーマソングを流している間に倒してしまった。いや、倒せたのは良いんだけど。テーマソングをすべて聞きたかった。……頼んだら貰えるかな?