クラス代表は『織斑一夏』となるもクラスメイト全員が不満そうな表情を浮かべていた。
私や姉上を支持していた人は満足そうに頬を緩ませており、セシリア・オルコットを支持していた者達も満足そうに笑っている。しかし、やはりと言って良いほど。織斑一夏を支持した者達の表情を優れていない。
それもその筈だ。『世界最強』の弟は女性を見下す様な屑男だったからな。まあ、千冬殿が改善してくれれば問題ない筈なのだが…。どうやら改善は出来なかったようだ。もう一つ、セシリア・オルコットと姉上が友人になった。やはり、クラリッサの言っていた『強敵と書いて友と読む』という言葉は本物だったようだな。
「ねぇねぇ!ボーデヴィッヒさん、あの『IS』って何なの?」
「あれか?あれは『
そう発言するとクラス中が騒がしくなり、その中でも織斑一夏から異様な視線を感じた。ふむ、私の発言したモノの中に機嫌を損ねるようなモノは混じっていない筈だが…。まあ、姉上にでも尋ねてみるか。
それから『男女共有』の事は公開予定だと伝えて秘密にしてほしいと尋ねてきたクラスメイトに頼むと「オッケー!」と返してくれた。うむ、やはり友達とは良いものだな。言うなればクラリッサは親友なのだろう。フフッ、母上にも自慢しなくてはな。
「ラウラ、そろそろ移動教室ですよ?」
「え?ああっ!?すぐに用意します!」
考え事は後にしよう。今は放課後まで頑張って勉強せねばならんからな。
◆◆◆◆
昨日の夜、千冬姉から「人を見下す行為」を止めろって言われた。
俺は見下したりなんてしていない。ダメな事をダメだと言っただけだ。それなのに箒やクラスの皆は軽蔑したような目を向けてくる。ボーデヴィッヒ達のせいだ。俺は悪くないんだ。
「あれか?あれは『
そんなことを考えているとボーデヴィッヒの声が聞こえてきた。しかも普通の『IS』とは違う『男女共有型』だと話していた。そうだ、俺の『白式』は女の人が乗るためのモノだ。だから、本当の力を出せなかったんだ。
よし、放課後になったらボーデヴィッヒの母親に作って貰えるように頼みに行こう。そうすればボーデヴィッヒを倒すことや皆の信用を取り戻せる。更衣室へと向かう箒達とは別れ、アリーナの更衣室に向かう。男子用更衣室は設備されていないから仕方がないけど。
遅刻したからって頭を名簿帖で殴るのは酷い。千冬姉に言われて『白式』を呼び出そうとしたけど。出てこなかった。
なんでだ?故障したのか?等と考えながら困惑していると千冬姉が『白式』を取り外して自分の手首に装着した。次の瞬間、普通に『白式』を呼び出していた。…俺が呼んでも出てこなかった癖に。
「織斑、お前は見学していろ」
「え?でも…」
「さっさと行け」
「……分かったよ」
千冬姉も『白式』も俺の事を分かってくれない。なんだよ、俺の家族だろ?俺の道具だろ?なんで動かないんだよ。
そんな事を考えていたら授業が終わっていた。箒やクラスの皆は楽しそうに話し合いながらボーデヴィッヒの『IS』の話を聞いていた。俺も、あの『ドライバー』が有れば誰が相手だろうと勝てるのに…。