私生活が忙しかった(小学生並みの報告)
内定式に出ちゃったからもう働くしかないねぇ……
あっ(絶命)
カサ、カサ。
軽い衣擦れの音が木々や草花に溶け込み消えていく。
昨日から変わらない鬱蒼と茂る樹海を航行する8人の人影……つまり作戦行動中の俺達は相変わらずのフォーメーションを組んで移動している。
「………現在十五時ジャスト、敵影なし……」
……ここは『魔性母胎』が上空に鎮座する文字通りの敵地であり、本来であれば今この瞬間にも魔物共と切った張ったの殺し合いを繰り広げるべきなのだろう。
正直作戦が始まる前はそう思っていた。
しかし、何もいない。
昨日の塵屑以降何ら音沙汰が無いのだ。
いないならいないでこのまま出てこないで欲しいけど……さて、どうなる事やら。
「あのー……シーナさん?」
「なぁに?ジョン」
「その、流石にこの格好はいかがなものかと……!」
すぐ後ろにいるジョンへ視線を向けた。
昨日以降、より深みを増した湿った炎で縛り上げられ、青白い揺りかごに包まれた姿。
……何かまずいのかな?安全だろう?
俺の炎は外界に対する抵抗力は抜群だし、一撃の破壊力を高めた今のジョンはチームにとっても重要な存在だ。
だからな、ジョンを入念に守るのも変な話じゃないんだ。な?
「た、確かに俺を携行型のミサイルなんかと考えれば……いや無理だろ!」
失われた左腕の代わりに鎮座する、青く煌めく結晶をサラリと撫でた。
まだジョンのソレは不安定だ。
湿った炎を物質化してバカ火力の兵装に加工したはいいけど、いざという時に暴発したんじゃかなわない。
だからジョンは腕の維持に注力してもらって、移動は俺に任せるといい。
ね?
大丈夫だよ、俺が守るから。
怖がらなくて良い。お前が傷付くなんて、許さないから。
「どうしてこうなった……?」
「リーダー目覚めてんなぁ」
「目の光どこいった?」
「シーナ……立派になったなぁ……!」
「ああ……昔はこんなにちっちゃかったのに……」
「お前らぁ……!他人事だと思って!」
「「「実際他人事ですんで」」」
「くっそォ!」
「ふふふ……」
繭の中でただ不満は漏らせど、決して俺に当たることも暴れることもない。
それは俺に害意がないと知るが故か、それとも俺が傷付かないように思いやってか。どちらでも良いが……ああ、やはりジョンは優しい。
その暖かい瞳を見るだけで不思議と胸が高鳴る。
その不満げな表情も、どことなく愛らしさを感じる。不思議だなぁ。こんな事今まで無かったのに………。
悪くない気分だ。
「そ、そうだシーナ!昨日みたいな襲撃があるかも知れないしさ、何時もより入念に警戒しようぜ!な!」
「それもそうだな……ああ、本当に……」
ギシリ、と歯を擦り鳴らす。
ああ……そうだ。
忘れてはならない……!あの塵屑が……!
アイツのせいだ。
昨日、あの塵屑の接近に気付けず、初動で遅れを取ってしまったのが敗因だ。
――けれど、本当に悪いのは俺自身だ。
俺が、気付けなかったから。
俺が、安全を確保できなかったから。
俺が、弱かったから。
そのせいで、ジョンの腕が……!
「シーナさん……?」
………もう、そんなミスを犯してはならない。
今、ジョンは不安定な腕の維持に注力していて、咄嗟の反応が取れないだろう。
するとどうなる?
もし、俺や周囲のフォローが遅れれば、ジョンが怪我を負うか――あるいは死か。
……死、死?
死ぬ?俺のミスで?俺のせいで?
「し、シーナの目が濁った……!?」
駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ!!!そんなの、
ジョンが死んでもいいのは此処じゃない。
年老いてベッドの上で皺くちゃな顔で笑って、孫やひ孫に囲まれて、そして俺が見守る中でなきゃダメだ。
それ以外の最期なんてクソだ。戦場で死ぬなんてクソ食らえだ。
何が何でも、絶対に傷付けさせない。
大丈夫だよ、ジョンは俺が守って、ずっと養ってあげるから。
邪魔なものは全部磨り潰して、必要なものは全部俺が与えてあげる。
「大丈夫だよ。ジョンは俺が守るから」
「アッハイ」
霊体としての、無色の腕をスルリと伸ばした。
周囲の木々を通じ、
パチリ、と。
微かな電流が脳髄を走る。
僅かなフィードバックと引き換えに、あまりにも広大すぎる視覚が脳裏に浮かび上がった。
木々を伝わり俺が広がっていく。
木々の隙間。
木漏れ日の注ぐ草の影。
河原に無造作に転がる石の表面。
加速的に散らばった俺の意識が、あらゆる外敵の手掛かりを探そうと木の洞の中まで見通し尽くす。
――が、しかし。
「どこにも、いない……?」
半径10キロメートル。魔物どころか小動物さえ存在しない。
半径30キロメートル。変わらず森林が続くものの、小さな虫やうさぎが幾らか動き回るだけ。
――更に広げる。
広く、どこまでも染み込むように
チリチリチリ。
俺の処理能力の範疇を越え始めたせいで頭蓋が焼ける――けど、この程度問題ない。
この痛みも、ジョン――と、部隊員の安全の為と思えばどうってこと無い。
「………………」
……だが、いない。
魔物達の影一つ――いや、それどころではない。存在したという痕跡すら見つけられない。
――ゾワゾワ、と背筋に震えが走った。
なんだ、これは。
『魔性母胎』は今尚忌み子を産み落とし続けているというのに、何故その存在を見つけられない?
上を見上げる。
そこに鎮座する肉の卵は、ボトボトと肉片を撒き散らし続けている。
よく見れば空中で既に形を変え始めており、幾つかはコレまでも何度か戦った事のある「魔物」へと姿を変えていた。
――下を見る。
それら「魔物」の姿は何処にもなく――それどころか、そこに居たという痕跡すら存在しない。
………。
静かにパスを切断し、思わず眉間を抑えた。
…………不気味だ。不可解だし不愉快だ。
見えないが、しかし何処かに、確かに存在するはずの
これぞまさしく異常事態というやつか。
まあ魔物なんてとんでも生命体が人類侵攻を進めてる時点で異常事態だが。
「……どうだった?」
「どこにも居ない。産み落とされ続けてるのに、その痕跡さえ無い」
「むぅ……」
「不気味だな……これは今日一日でそうなったのか、或いは以前からそうなのか」
「……こりゃ考えても仕方がない。とりあえず川まで進もう。野営地にあった川は目的地と向きが違ったが、しばらく探せば方向が同じ川もあるだろ」
「……そうだな。でも警戒だけはしておこう」
もう一度軽くパスを繋ぎ、広く浅く監視の目を広げる。
相変わらず変化の無い視界だが、やはり無いよりは遥かにマシだろう。
「
「
「俺このまま?」
足を踏み出す。
未だ不可解極まる現状だが、俺達に立ち止まるという選択肢は存在しないのだから。
中天に座す太陽は、下界の変容を素知らぬ顔で見つめていた。
■
某国、山岳地帯に隠された基地。
この半ばまで地中に埋まった鋼鉄の砦は『ウェスト・ローランド社』の本拠地である。
エルフの少女率いる特務組の派遣元である此処は普段通り閑散としており、多くの非戦闘員とほんの僅かな非番の戦闘員が暮らしている。
自宅通勤?そんな社員は存在しない。
住み込みで働け、寮費食費水道代電気代諸々は無料だ。給料もいいし残業代も出るぞ!その代わり休日は会社が決めるけど!
……尚、その条件すら知らずに入社する社員が跡を絶たない。
そして普段通りの食堂では、現時刻は昼時という事も相まって100人を超えるほどの社員が食事を共にしていた。
ちなみに恒例行事として、一つしかないテレビのチャンネル選択権を
「うおおおおお!マイハートオアシス『魔法酒造マジカル・ノンベエ』の時間だぞ!」
「者共出会え出会えッ!!!」
「勝つッ!」
「バカね!この時間は『エスタルの診療所』に決まってるでしょう!」
「今季最高のドラマを舐めんじゃないわよ!」
「――絶対ッ!ドラマ組には負けないんだからっ!」
「ドラマ組には勝てなかったよ……」
食堂の隅っこに固まる黒いオーラ。
それは
ちなみにチームごとに食した料理の重さで勝負をするのだが、ドラマ組は86人、アニメ組は12人である。勝てる訳がない。……それでも尚夢を求められずには居られないのだろうが。
「あっ、社長じゃないですか。珍しいですね、此処に来るの」
そして現れる社長。最近握力がますます鍛えられ、調子がいいと400kgの怪力を発揮するらしい。そんな馬鹿力でシーナの頭は一年につき363回締め上げられている。死ぞ。
「ああ、ちょっと用があってね……少しテレビを借りるよ」
「ぐッ―――くぅ……!」
リモコンを握りしめていた白衣の女性が、まるで痛みを堪えるように歯を食いしばる。
原作連載初期から初め、長く続いたシリーズを追いかけ続け、遂には原作者の努力によって勝ち取ったドラマ化――それを長い間見守り続けた、こよなく愛するドラマのことを思ってか。
しかし、この会社においては上司の命令こそが絶対なのである。
それが非人道的なものでない限り拒否権は存在しない。
「ぬ……ぅ――!」
ギリギリギリ。
歯を擦り鳴らす音が響く。
リモコンを握る左腕がプルプルと震えた。
……しかし、己は組織人なのだ。上司の命令は絶対……!
般若の形相のまま社長に黒塗りのリモコンを、手渡した。手渡してしまった。
バキリ、と何かが罅割れる音が鳴ったのは幻聴だろう。
社長は少しチビっていた。きっと年齢のせいだ。
「よ、よし……たしかこのチャンネルだったね……」
『時刻は13:00になりました。ニュース・ヘイズの時間です――』
非戦闘員――整備班所属のジェシカは訝しんだ。
ありふれたニュース番組だ。特に変哲のない、ただの国営テレビ。
この番組は態々社長が見るようなモノでも無かったはずだ。
それに何が――
『本日のトップニュース――早朝、様々な報道機関で報じられていた『怪現象』についての続報をお送り致します』
「へ……?」
「ふむ……エスターからの報せはこれか……」
『――事の起こりは三日前の早朝。アメリカ合衆国オハイオ州在住の一般男性が放り投げたスプーンが、
「ちょ、ちょっと待ってよ……上に向かって落ちる?なにそれ……実はその男性ってのは異種なんじゃないの?」
ジェシカは思わずと言った風に声に出した。
それもその筈。現代において一見超常現象のようなモノが発見されたなら大概異種の仕業だ。
より厳密に言うならば、異種の発する『力場』のようなものが物質に作用し、その結果として様々な事象が発生する。
……そして、それらは一つの例外もなく―――訂正。唯一の例外を除いて、正しく物理法則に従った挙動を見せる。
言うなれば、科学で言う機械の役割が異種で、動力源とするのが電力か力場か。その程度の違いでしか無い。
――まあ、それだけで十分異常だが。
『各機関の調査に依ると、その事象に携わった人物はほぼ全員が純正の一般人であり、『力場』による干渉は確認されなかったとの事です。――本日は専門家のハインリヒ・ライヒ氏にお越し頂き、この怪奇現象の真相に迫ります』
『どうも。怪奇現象マニアのライヒです。どうぞよろしく』
『よろしくお願いします……さて、早速ですが、この現状をどう見ますか?』
『うん、早いねえ――まあいい。この現象についてだね?うんうん、気になるよねえ……分かるとも。とはいえ、現状分かっていることはさほど多くない。まず念頭に置いてほしいのは、あくまで僕の専門分野に
テレビの中で、金髪に緑の目を持ち、お高そうな眼鏡を掛けた青年がつらつらと語り始める。
淡々とした声音だが、その中には疲労の色が見え隠れしている。
ジェシカにもこの声に覚えがある。というか、毎日――と言う程ではないが、頻繁にこんな声を出している。
自分が。
――何故かって?人使いの荒いゴリラのせいよ!
「何かね?」
「何でも無いです……」
そんな事を言えば仕事を増やされてしまいそうで黙るしかないのだが。
『この怪奇現象は何れも『力場』の影響を受けていない……というのはさっき言われた通りだけど、更に付け加えると
『ちょ、ちょっと待って下さい。って事は……人以外、魔物の干渉って事じゃ――』
『いいや、そうでもない。さっき言っただろ?一般人の手で起こされた物もある。けれど、人の手なしでも発生する』
『なんと……』
『つまりだね、これはある種の自然法則として動作している。その法則というのが既存のものでは無いというだけの話さ』
――未知の法則。
それがこの専門家の出した答え。
……ジェシカは、そのあまりにも突拍子の無い推論を百歩譲って理解はすれども納得できなかった。
だって、いくらなんでも話が大きすぎる。
世界規模で物理法則が変わるなんて、それこそ前代未聞だ。教科書に載るとか、そんなことだけじゃ済まない。下手するとこれまで人類が積み上げた、偉大なる功績のいくつかが無駄になるかもしれないのだから。
「なるほど……通りでエスターが連絡してきた筈だ……。もうすぐ、か」
「社長……一体何が……?」
「そうだね――」
物理法則が敗北する日、それが近いという話さ。
■
薪の爆ぜる音が森林の間を突き刺す。
淡い赤色が8つのテントを照らし、兵士たちの休息を見守っていた。
兵士たちの長である少女は重い荷物を長い間運んでいた為か、早々に自分のテントに潜り込んで早めの休息をとっている。
そして――他の7人、男衆は篝火を囲んで細やかな雑談を楽しんでいた。
見張り?そんなの万能シーナちゃん謹製植物「警報くん」にお任せである。伸びた蔓が千切れると破裂音を撒き散らしてくれる便利な子だ。すごい!
「それで……ジョン、結局どうなんだ?」
「どうってなにがだよ……」
「そりゃあ勿論シーナの事さ!あんなに言い寄られてさ!クッソ羨ましい限りだ!」
リチャードがバンバンとジョンの背中を叩いた。
その姿を見て他の男達も頷きを返す。
「前も言っただろ……シーナは娘みたいなもんだ。そういった感情は抱けねえよ」
「おいおい、そうは言ってもあんな情熱的に言い寄られて満更じゃねえのはバレバレだぜ?顔がニヤついてるもんな!」
「なっ……!」
「いやぁ、いいねえ。俺もあんな風に好いてくれる女の子がいりゃあなあ……」
ヘラートは静かに嘆いた。
今年で28歳となる彼だが、未だに恋人が出来たことないチェリーボーイだ。というかそもそもハイパーブラック企業勤めで自由時間の欠片もない現状で恋人ができるわけ無い。つまり不可能、可能性ゼロ……!
辛いが現実!これが現実………ッ!!
リチャードはヘラートの未来を思って涙した。しかしリチャードも同じ穴の狢である。
そんなリチャードを思いアスターは涙した。しかしアスターも同じ穴の狢である。
そんなアスターを思いカルライは涙した。しかしカルライも同じ穴の狢である。
……そんな悲しみの連鎖を傍から眺め、ピエールは愉快そうに手元のワイングラス――は無いので、マグカップを揺らしワイン――も無いので代用品のぶどうジュースを口に含む。
ピエール32歳。ライリッヒ社所属エリート戦闘員。筋肉モリモリの日系アメリカ人。
この集団で唯一の既婚者である。
「……確かに悪い気がしてねえのは認めるさ……」
「お、そりゃつまり――」
「だがなぁ、今応えるわけにはいかんだろ」
「……んん?何でだ?」
「シーナのアレは……俺の腕に対する負い目が強い――強すぎる。そんなの対等じゃねえだろ」
ボトルに入った水を呷る。
チラリとシーナがいるテントを見遣り、少しばかり目を細めた。
「……まあ、あれだ。そもそも今は任務中だ。仕事に色恋を持ち込むのは間違いだろ。シーナだってそれをある程度は弁えてるさ……多分」
「正論だな」
「しゃあねえか……」
……それに、アイツはそれの正体が何なのかすら理解してないガキだ。
シーナ自身が気付いてからの方がいいだろう。それならジョンも心置きなく接することが出来るだろうし―――
ベンは任務が終わった後の楽しみが一つ増え、心が弾むのを感じた。
そして、また朝日は登る。
「……3つ目の川だ」
「よっしゃ、順調だな」
「ああ、だが
「了解」
アスターとベンが突撃小銃を両手で抱え周囲を警戒する。
その間に他の全員で軽くしゃがみ込み、可能な限り息を抜いた。
いくら敵の姿が見えなくともここは敵地であり、色々と不可解な現象が自分達を取り巻いているのに違いはない。
否が応でも警戒心を掻き立てる状況は、どうしても精神的な消耗を招いていた。
「…………よし、リチャード。使ってくれ」
「おーけィ、『真球』くれ」
「ほら」
腰に取り付けたポーチから取り出したのは強化ガラスケース。
その中で固定器具に包まれた『
現代の科学力によって製造された誤差10万分の8ミリ以下の鋼の球体。厳密には『真球』とは呼べないが――まあ使えればどうだって良い。
そんな《モドキ》がリチャードの異能――『流体移動』の燃料だ。
上流が存在する河口が有ればそれを移動用の媒体とし、時速380キロメートルで移動できる。
しかもその間、途中に存在する障害物さえ自動で避けてくれるというオマケ付きだ。
燃料が尽きる迄のタイムリミットは凡そ一時間。
出来る限り『魔性母胎』まで近づいて、上限いっぱいまで距離を稼ぎたいところ。
「手順ヨシ!安定ヨシ!連結綱、ヨシ!人数、ヨシ!ご安全に!」
「工場員かな?」
「リチャードはんちょー、さっさと移動しようぜ」
「1メートルは1命取る!――さあ、行くぞォ!」
ちなみに
上下左右回転半回転を繰り返し、三半規管を容赦なく甚振ってくる。
あっ、吐きそう……。
―――乙女の尊厳は守られなかった。
これは純愛です。
純愛です。
……純、愛?
…………………?
あ、紹介的なナニカもここに置いときますね
『シーナ』
齢十代半ばの少女。
今作の主人公であり、神を名乗る異形によって黄泉返りを果たした元少年。
金髪碧眼。
身長150センチ、体重13キロ。バストはB。
スレンダーな肉体に釣り合わぬ体重を持っている。或いはそれこそが魂の重みか。
現代日本に産まれた過去を有しながら、あまりにも恵まれぬ環境に身を置いたことにより精神が歪む。
そんな生活の中で唯一の救いであった『お兄さん』を義父に殺された事で、彼の精神は破綻を迎える。
それ以降、苦痛や悲しみといった情動を感じることのないよう精神を組み立て直し、一般人に紛れて暮らしていた。
転生後はエルフの少女として生まれ変わり、兵士としての生を送る。
人権と戸籍、そして名前を与えられ、兵士として過酷ながらも楽しい日々を送っていたが………。
メス堕ち枠。