【完結】習作断片=魔境現代奇譚   作:豚ゴリラ

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遅くなった……(小声)
みんなに枕営業するから許して……!


死ね、死ね、死ね

二つの太陽が照らす光を、数え切れぬ程に増殖を重ねた異形の樹木が天を飲み干そうと枝葉を伸ばす。

ザワザワ、ザワザワと赤い葉を波立たせるその様は、遙か上空から見渡せばまるで赤い絨毯か――あるいは小麦畑の稲穂が風に揺らめくように優美だ。

 

けれど、それを光輝の上から眺めるぼくは知っている(教えられた)

 

それら一つ一つが母を侵そうと悪意を孕んだ、蝕みの忌木である事を。

()()()()()()()殺意が無かろうと、その有様を知って尚心穏やかで居るなんてことは不可能だったろう。

 

 

《シーナ……いや、アンサラー(迎撃装置)よ。やるべきことは分かっているな?》

 

「……うん。侵略者を殺して、この異界を星から引き剥がす、でしょ?」

 

《そうとも。今回の侵攻によって引き起こされた()()()は、こちら側で処理しよう。キミは戦いに専念しなさい》

 

 

ふん、と軽く鼻を鳴らして眼前を見据える。

魂に直接語りかけてくるこの神格はどうもいけ好かない。

転生に際して――いや、それ以降の全ての流れがこの大神の手のひらの上の事だったと思うと、どうしようもなくイライラする。

あの白い空間で相対したときだって、態々その()()を隠して正体を隠蔽する徹底ぶりだ。

ぼくには理解できないあらゆる障害を生み出さないための措置なのだろうが、自分の正体を隠して近づいてきて、意味もわからぬままに迎撃装置に仕立て上げられて……なんて、それでも尚友好的になれるほどぼくは大人じゃない。

 

 

「クク、なんだ。ここの迎撃装置は神々によって強引に運用されている口か」

 

 

エルフの青年はおかしそうに笑い声を喉から鳴らした。

赤い双眸を細める姿を見る限り、どうしてか敵対関係にある侵略装置には見えない。

 

 

「だとしたら何。オマエは大人しく自分の星に帰ってくれるの?」

 

「いいや?それは無理な話だ。()の星は半分滅んでいるのでね。ここを呑み込んで移住するしか道はないのだ」

 

「そう」

 

 

右手に握りしめた短槍を腰だめに構える。

流入し続ける神々の力。

際限なく注がれ続けるそれを魂が飲み干し、自身の肉体に溶かし込む。

外法か、あるいはただ旧いだけの異法か。

だがどうあがいても避けられぬ結末としてか、より旧い――神代にて輝きを放っていた光の妖精(エルフ)としての本性が顔を覗かせ始めている。

 

 

「……はは」

 

 

キシリ。

長い間使い続けたせいで、既にボロボロで傷がない所など無い愛槍が僅かに軋んだ。

 

 

……ぼくは、もう人間としての残り滓すら残ってないんだろうな。

 

 

「…………」

 

 

どこかで走った小さな痛みを振り切るように、柄を持つ拳に力を込めた。

 

 

『王よ、何故――』

 

『敵を殺せ』

 

『いいかい、■■■■。森とともに生きて――』

 

『ドワーフ達の造った弓だ、美しいだろう?』

 

『おかあさん』

 

『世界樹を守れ!』

 

『ああ……旧いとされた私達は、不要なのか?だからここで死ぬのか……?』

 

 

ギチギチギチ。

脳髄が軋む。

過去に生きて、活きて、そして死んでいった同胞達。彼等の思念が注ぎ込まれる。

 

 

『生きて、あなただけは生きて』

 

『ああ、俺達の世界が、歴史が消えていく……』

 

『黄昏が訪れた』

 

『何故、俺達は、俺達だけが――!』

 

 

《ふん、時が過ぎれば枝葉というのは腐っていくモノ。それは世界樹(ユグドラシル)とて例外ではあるまいよ。それを、こやつらは何時までも――まあ、もう死んでいるのだがな》

 

 

大神――北欧に於ける主神『オーディン』は、腐った息を吐き出すように嘲笑した。

ああ、確かに傍から見ているだけのオマエならそうやって嗤えるんだろうけど……ねえ?現在進行系でその断末魔を聞かせられてるぼくとしては中々キツイんだけど?

 

 

《まあ待て。そろそろ同調率もいい具合だ。》

 

 

脳内で反響する、耳を塞ぎたくなるような、心が籠もりすぎている数多の木霊が色を変えていく。

十把一絡げに脳髄に叩き込まれていた残響が、ひとりひとりの思いを込められた記憶の残滓に。

 

 

気付けば、長槍を携えた壮年の男が傍に立っていた。

 

 

『いいか?槍はこうやって持つんだ』

 

 

右手を持ち手に。

高い脇構えの先に、見知らぬ男が導くままに左手を添えた。

鮭のように靭やかで、蛇のように狡猾な複雑怪奇なる槍技。

多種多様、猪のように大胆で、猫のように軽やかな情景を脳裏に刻んだ。

 

きっと、最も後の世に生まれたぼくだから言える。

彼が磨き上げた戦場で槍を愛でる技倆は、後先を見てもエルフに於いての頂点に立っていた。

 

 

――キチ、キチ。

過度の流入で引き起こされた、思考が加速を重ねた果て。

止まった時の中で行き交う多くの人影が、人生で築き上げた(最期に残した)成果(宝物)をぼくに刻み込んでは消えていく。

 

 

『いい?言葉はこうして紡ぐのよ』

 

 

母のように嫋やかな声音が鼓膜を震わせる。

美しく、妖艶で、あどけない。

無垢な童女のようで、しかし悪辣な悪女の如き音が脳髄を甘く揺さぶった。

柔らかに差し出された残響の掌はぼくの喉を優しく撫で付け、優美な、しかし勇猛なノルドの言葉を刻み付けていく。

 

文芸を愛し、織物を紡ぎ、飾り物を磨き――だが他の何よりも、誰もがその身に許された権能――言の葉に込められた深淵の澱みにこそ輝きを見出した愚者(賢者)

魂に自身の築いた全てを余すこと無く刻んだ彼女は、輪郭のぼやけた(かんばせ)に笑顔を浮かべて消えていった。

 

 

『敵はこうして見るんだ』

 

 

丸眼鏡を掛けた学者の青年が瞼に掌を翳す。

 

彼は研究者だった。

森羅を尊び、世界樹(ユグドラシル)をより栄えさせる技法を求めた。

……けれど所詮は一生命体の知恵。

枝葉は地に落ち、幹は腐り果ててしまったが。

 

 

『弓はこうして扱え』

 

 

大弓を背負う狩人が狩りの心得、あらゆる障害を利用する思考法を語る。

 

神代の獣を狩ることを生業とした彼は、あらゆる物質を狩りの道具として利用することに長けていた。

魔性の猪を狩るためにイチイの巨木で鋼よりも硬い皮膚を貫き、微かな神性を宿す白狼を仕留めるために巣穴ごと湖の底に沈めた。

結局、最期はあらゆる罠を力のみで押し通る巨人に屠殺されたのだったか。

 

 

『魔術の基礎を、奥義を、深みを――貴様に刻んでやろう』

 

 

魔導を追い求めた大魔術師は瞳を瞬かせた。

昏い双眸に危うげで何かに餓えたような、ギラギラとした光を宿している。

なんてことはない。

魔術、或いは神秘そのものが発する輝きに瞳を焼かれ、以降盲目的に求道の道を歩んだ愚か者。

これ以上語ることなど無い。

平穏な日々を、大切なはずの家族を塵のように吹き飛ばした外道なんぞ。

 

 

『歩法、その奥義。偉大なる知恵の鮭をその身に宿そう』

 

 

北欧の地より始まり、ケルトの地まで勇名を轟かせた武人。

戦に生き、戦に死んだ。

ただそれだけの男。

殺して殺して、殺された。

それだけで十分だ。あなたは、それで満足のようだし。

 

 

『私が遺した秘宝を』

 

『俺が成した功業を』

 

『儂の紡いだ秘奥を』

 

流入が止まらない。

目の奥がチカチカと震える。

鋭い痺れが体中を這い回って、先人達の遺した宝物を刻み込んでいく。

数え切れないほど多くのエルフが入れ替わり立ち替わりにぼくの魂に触れて――。

 

ああ――気持ち悪い。

 

 

「ぐ」

 

 

ゴリ、ゴリ、ゴリ!

 

頭蓋が負荷に歪む。

体中四肢の末端まで伸びる仮想神経が、負荷の余りに火花のような雷を迸らせた。

 

しかし血肉を失った後のエーテル体は決して割れず、壊れず、毀れず。

 

ギリギリ、ギチギチと、今にも死に絶えそうな断末魔を声高らかに叫んでいても、彼等とは違って――ぼくには、死ぬことさえ許されない。

 

 

《こんなものか》

 

「……っ、……そう」

 

 

赤鉄の様な熱を孕む、微かに造り物の血が混じった息を吐き出す。

多段階の加速を終えて時の流れは正常に戻った。

 

 

「………」

 

 

右手でルーンを描いた。

16の文字にはそれぞれ異なった意味が存在する。

ルーン魔術はそれらを組み合わせて、自分勝手な解釈を押し付けて発動する秘蹟の類だ。

クソッタレの魔術師の知恵を得た今ならば、不足なく――それこそ、実戦で使用可能な程度には扱える。

 

 

fé、þurs、nauð、týr(軍神よ、我が槍に勝利の輝きを)――」

 

 

光が灯る。

壊れかけの機械仕掛けの槍に神秘を重ね、神威を溶かし込む。

 

借り物の輝きだろうが……なに、この戦いを乗り切るまでだ。

なら、その後の事は考えずに置こう。

 

 

「余裕を持てるような優しい相手でもないしね……」

 

 

輝く槍の切っ先で中空を貫き、ぼくが打ち倒すべき敵を今一度見つめ直した。

 

異世界の同胞。

彼はこちらから打って出るのを待っているのか何なのか、ただじっとこちらを見つめている。

 

 

「…………」

 

「…………」

 

 

……気味が悪い。

 

ぼくが関係のない(どうでもいい)他人が置いていった力を呑み込んでいる最中も、なにかに備えるでもなくただぼうっとこちらを眺めていた。

ぼくから見た外の時間は止まっているに等しい速さだったけれど、別に完全に停止している訳ではなかった。

流石に向こうから攻撃できるような時間は無いけれど、何らかの措置――それこそ、今ぼくがやったような自身の強化などはいくらでも出来たはずだ。

けれど何もせず、あまつさえ今発動したルーンさえ見守っていた。

まあ、ぼくが置き土産を駆使したように、相手とて()()()()――それこそ、こちらからは見えないだけの外法を用いているのかもしれない。

能天気に「ぼくは強くなったぞ!これで勝てる!」なんて、口が裂けても言えないな。

 

 

「――では、いこうか」

 

「は」

 

 

始まりは唐突。

赤い瞳が細められた。

瞬間背筋が凍りつくような――確信めいた予感が思考回路に躍り出る。

 

 

「づぁッ!!」

 

 

上体を後ろに反らし――次の瞬間、首があった場所を黒い泥が呑み込んだ。

 

 

《後ろだ、アンサラー(迎撃装置)!》

 

 

「……!!」

 

足場となっていた光の塊を蹴りぬく。

空気の壁を突き破りながら上空へ身体を踊らせ、オーディンが新たに作った足場に上下逆さに着地した。

 

 

「呑め、『星の羊水』よ」

 

「ちィ――!」

 

 

刹那、再び悍ましい予感が思考を埋め尽くす。

直感に従って再び空へ身体を投げ出した。

 

上方、下方、右斜め前、左。

四方から迫る槍に、あらん限りの力を込めた薙ぎ払いの一撃をぶつける。

 

「はァ!!」

 

ゴリ!

異音を撒き散らしながら純黒が弾け跳ぶ。

明らかに外見を無視した硬度を有する泥の飛沫を槍の柄で回転させることではたき落とした。

 

――が、再び形を整えた黒槍が先程よりも更に速く迫りくる。

 

一突き。

二振り。

三払い。

 

ルーンの加護を受けることで更に強化された肉体を駆使して光輝の槍を振るう。

 

 

「キリがない……ッ!」

 

 

上から曲線を描いて鋭い刺突。大気を抉りこむように槍を叩きつけ、空気を揺らす衝撃で粉微塵に打ち砕く。

 

右からの鞭のように撓る薙ぎ払い。十分に引きつけた上で鞭の下に槍を差し込み、背中の力を存分に生かして跳ね上げる。――持ち手の右腕が微かに痛んだ。

 

対処を重ねる度に、身体の何処かに痛みが弾けた。

 

合間合間で息を吐こうにも、徐々に攻勢は苛烈さを増していく。

段々と対応が追いつかなくなりそうに成るが、途中で挟まれるオーディンの魔術支援のおかげで戦いが成り立っているのも事実だった。

 

――気持ち悪い。

 

 

「チッ――オーディン!」

 

《分かっている》

 

 

視界の左から大きな大きな泥の弾が迫りくる。

遥か彼方から射出されたそれは、目測で三百メートルを超える極大の殺意の現れ。

 

……まことにクソだ。

 

 

hagall、ýr、fé、óss、kaun(神さえ阻む毒蛇の巣)

 

 

大気に光が収束する。

オーディン――ミーミルの泉に瞳を捧げた、彼の神の高すぎる啓蒙によって編み込まれた秘蹟。

脅威の到達まで3秒もかからないが、彼にとってはそれすらも十分に長い猶予だった。

 

 

「神の盾か……忌々しい」

 

「奇遇だね、ぼくもだ」

 

 

精細な意匠が施された7百メートル程の巨大な盾がぼくの前に立ちはだかる。

一秒後、泥の弾は爆音を打ち鳴らして衝突し、その清廉な白を穢さんとへばり付くが――しかし、ぼくが出した『湿った炎』で盾の表面を舐め取ってしまえば、何もなかったかのようにあっさりと姿を溶かしてしまった。

 

 

「これならばどうだ?」

 

 

黒が天を衝く。

 

蝕みの忌木を突き破って、異界の腹から更に大量の粘ついた泥が飛び出した。

黒々とした輝きを放つソレは見るからに重たそうな質感を放っているが、安々と音の壁を突き破る。

加速、加速、加速。

そして更に加速を重ねて音速の3倍という馬鹿げた速度を叩き出し、僅かな抵抗を受けた後に光の盾を呑み込んだ。

 

 

《このままではジリ貧だぞ》

 

「分かってる」

 

 

侵略装置はその場から一切移動せず、変わらず無防備に浮遊しているのみ。

泥――おそらく、ぼくの『湿った炎』と同じ星の血液を操作することに注力しているのか、もしくはこちらの動きを分析しているのか。

 

何にせよ、こちらから打って出るしかない――

 

 

「っと」

 

 

真横へ跳ぶ。

僅かな間を開け、『星の羊水』が足場となっていた光の塊をバクリと呑み込んだ。

 

一つ、また一つと増える黒い槍。

そろって音の速度を超えた凶器がぼくへ襲いかかってくる。

 

 

「は」

 

 

視界の尽くを埋め尽くす、黒く輝く三千の『星の羊水』。

 

……どうやら彼も本腰を入れ始めたのか、明らかに量と密度が常識を逸している。

 

 

bjarkan、fé、úr(白樺の家、記憶の残滓)ár、hagall、þurs、reið(それはあなたを災いから守る縁)

 

 

ぼくが悪意と踊る上空を、光り輝く枝葉が黒にも負けじと張り巡る。

純黒の海を泳ぐ白は、微かな浄化の力を振り撒きながら徐々に体を大きく成長させていく。

 

泥の存在しない隙間を縫い裂き滑空し、轟音と共に光の枝に足を着けた。

僅かに撓むが、しかし一切の損耗をせずにぼくの身体を受け止めてくれた。

 

しかし、間髪入れずに泥がぼくを貫こうと殺到し――

 

 

《防衛機構展開》

 

 

オーディンの号令によって変形した幾百の白い枝が流線形の結界を形作り、瞬時に組み上げられた防御陣地が大量の泥を弾き飛ばした。

 

 

「……さすがは大神印の魔術防壁」

 

《とはいえ、遠隔地からの起動だ。流石に星の血液を受け止め続けられる程では無い……もって十秒だ》

 

「十分……」

 

 

左手を胸に置く。

トクン、トクンと、鼓動を伝える心臓(エーテルで出来た偽物)

左手を伝う『魔力』を深層に走らせルーンを象る。

 

……不思議な感じ。

魔力なんて使った事も意識した事もないのに、無い筈の経験がぼくの体を導いてくれる。

 

 

――気持ち悪い。

 

 

ýr、sól、óss、fé、bjarkan、nauð (イチイの心臓、山羊の肋骨、白樺の手)týr、fé、(我が指輪こそは)lǫgr、þurs、hagall 、úr、maðr(あなたの命を救う唯一の手立て)――」

 

 

赫灼の炎が身体を渦巻く。

 

……いや、そう錯覚する程の熱を感じた。

右手中指に光輪が廻り、心臓を起点として理外の魔が収束する。

 

ああ、身体が熱い。

 

 

熱い。

熱い。

熱い。

熱い。

熱い。

熱い。

熱い。

熱い。

熱い。

熱い。

熱い。

熱い――。

 

 

けど、ああ。それ以上に気持ち悪い……!

 

くそったれの神々も、勝手に死んだ同胞も、目の前でぼくを睨む仇敵も、揃いも揃って気持ち悪い!

 

どいつもこいつもぼくに押し付けやがって――ああ、腹が立つ!

ギリギリと奥歯が軋む。視界が赤く染まり、臨海間際の気炎が心を炙った。

 

 

殺せ。

 

殺せ。

 

敵を殺せ。

 

ぼくの先に立つあらゆる障害を砕いて潰して、血肉を山羊にでも食わせてしまえ。

 

殺意を奮い立たせろ。

悪意を研ぎ澄ませ。

それら全てを薪に焚べて、貴様の喉笛を切り裂いてやる……!

 

 

 

黄昏の槍、天降りの血涙(ムスペル・ヘーリアント・ヴィーグリーズ)

 

 

 

――光輝の槍が沈む。

 

 

 

太陽のように光を放っていた純白が澱み、穢れ、そして命の芽を息吹かせる。

 

穢れこそが命の本質。

澱みこそが命の輝き。

だからこそ、ヤツを殺すのにこれ以上無いほどに適役だ。

 

そうだろう?

世界樹(かあさん)だって、無惨に腐ってしまった。

なら、お前達の世界だって腐らせることが出来るとも。

 

 

「貴様……」

 

 

微かな笑みを浮かべていた美貌が、憎々しげに形を歪めた。

ははは、そうか。お前でもこれは嫌なのか?

 

なら、その腐れを、その滅びをここに再現する。

穢してやろう。犯してやろう。踏み躙ってやろう。

生存競争。適者生存。

侵略者の世界を滅ぼして、ぼくらが生き残ってやる。

 

 

かつて二匹の狼が太陽と月を呑み込んだように、星々が天から堕ちたように、世界と共にあらゆる命が滅んだように。

別の世界を滅ぼして、ぼくはぼくの為に生きる。

傍迷惑な侵略者なんぞ、いくら穢れようが死のうが苦しもうがどうだっていい。

 

 

「だから、死ねよ」

 

「愚か者めが……!」

 

 

既に始まった腐れが、ぼくと彼を甘く包んだ。

ぼくを速く殺さないと、あなたの大切なもの、全部なくなっちゃうねえ?

ふふ、かわいそうに――。

 

 

 

 

――かわいそうだから、死ね。

 

 




三人称と一人称。どっちで書くのが正解なんですかね……?
とにかく私にはよくわからないので、普段は乳首占いでどう書くか決めてます!
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