荒野からやってきました ~死の支配者と荒野の旅人~   作:マガミ

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縮退炉関連の補足

トールが転移したのは、スパロ○はスパ○ボでもOGな世界です。コメントで危惧されてたように、DG細胞やらゲッター線とかは予測不可能の影響が考えられたのでトールも避けました。ゲッター線に見込まれそうなトールがやばい。アインスト? 奴なら空間で寝てるよ。
時間軸はMD(ムーン・デュ○ラーズ)事変後。若い頃Jもやっていて最も記憶が濃かったのが原因でしたが、結果オーライ。


>乱暴な概要
縮退炉作るか!→OGな世界に転移→わーいロボが色々だ→猫連れたグリリバな青年?お前ら迷子か、俺もだよ→なんかテラコヤスな人ktkr→え、見つけた礼に技術教えてくれる?頼んます
→地球じゃない所に来た!?→手合わせ?いいよ→やっべ手加減→鼻フック決めたの怒ってるよな!?→便利屋だな俺→やっぱ鼻フック怒ってるじゃん!→授業スパルタすぐる→模擬戦とかサイズ差考えろ!→見てろ俺だって→やっぱ鼻フック怒ってるだろ!→65535同時ロックとかないわ!→個人にぶっぱやめろ!

 概ねこんな流れ。最初の素手の手合わせに居合わせたマサキは、トールが手加減の為にシュウに決めた鼻フックに大爆笑しました。以降、NGワード。世話になった反面酷い目に遭った意趣返しに、転移で拠点世界に戻る際、脳内データから印刷したドアップの画像をマサキの個人端末に送ってあります。

 目的だった縮退炉と対消滅炉の技術に加え、ラ・ギアスの技術も習得。テスラ・ドライブを含む、DCや地球連邦軍由来の技術も得ていますが、宇宙対応魔改造パワーアーマーが気に入ったシュウのせいで搭乗型メカの製造は許可が降りず、性能テストと称して2mしかない装着型アーマーで度々模擬戦をさせられる羽目になりました。ネオどころか素のグラン○ンすら装甲にカス当たり(1-100ダメージ)が精々でトール涙目。
 帰還後、作れなかったストレスが爆発し、トール拠点の各ロボットや、娯楽用メック演習場の機体は魔改造されます。




閑話・荒野の災厄と模擬戦

 ある世界での会話。

 

「褒美だ、貴様に試練を課し、乗り越えれば祝福を授けよう」

「祝福は不要だ。鍛錬が為、試練だけ寄越せ」

「よいのか? 試練を終えれば確かに高みに登るが、あやつはあれでも神ぞ? 立つだけで英傑が頭を垂れる武威だ」

「立ってるなら、神様だってボコってみせる」

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 トールという(一応)人間の基礎は、Fallout3とFallout:NVのスキルのそれをPerkとし、シリーズのFallout4までの各種Perkを追加した上で、LV300になった身体をベースにしている。この時点で「人間?」と首を傾げる状態だが気にしたら負けである。

 トールはPerk全開状態だと日常生活に支障をきたすと判断し、索敵能力と耐性、耐久力を中心に有効にしている以外は殆どの攻撃的Perkを意識的にオフにしている。

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 ここに疑問が生じる。他の世界で得た経験や能力は?と。

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 レベルキャップに達すると一部のワールド職を除いて通常はそれ以上の上昇や成長が望めないユグドラシル勢と異なり、Fallout4には全Perk修得後もレベルが上がる。その影響なのか、トールは他世界での経験によりレベルは300を超えていた。追加で得た様々な能力はPerkとして登録されている。

 ただ、合計してのコントロールに難がある事と、加減が異様に困難になる事に気付き、行動目的別にPerkとして登録された能力を組み替える事で運用、最終的に複合してLV300(ユグドラシル換算でLV100)に制限した。レベルを一時的にでも下げ制限できたのはPCコンソールとG.E.C.K.いう個人としては禁断の力を振るえる影響があるのかもしれない。

 

 また推測の域を出ないが、この世界というか星の上ではユグドラシルのルールにより法則の汚染と言うか縛りがある。あくまで物理法則やそれがベースとなる科学技術(ただし変態)なら問題は無いのだが、魔力やらオーラやらアストラルやら、そういった物理法則外の力で制限を著しく超える事は世界自体に宜しくない影響を及ぼす可能性が考えられた。Perkでの実例はヌカパンチ。3とNVのそれをPerkとして重複発動させ装備効果を足した時点で世界が軋み、オーラや魔力を用いたら次元が割れる。というか割れた(神話インド)。

 

 制限状態でも転移先の大抵の相手は化物だろうと神だろうと手段を選ばなければ鍛錬(人外)と科学(暴力)で相手ができたし、極まった状態で能力だけではない駆け引きをAOG近接ガチ勢と無数に繰り返す事で経験を積んでいる訳で、今までは何ら不自由は無かった。ただしインドラ、てめーは駄目だ(全力)。

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 だが瀕死の重傷を負ったことと、敵対プレイヤーとその背後組織という敵性存在の出現に、一部、自重を止める事にした。

 

 レベル自体は制御が可能な範囲に収め、不思議能力系カテゴリのPerkとして登録されている念能力(偽)を、積極的に戦闘で使うことにしたのだった。

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 トールの復帰後、AOGが大っぴらに活動を再開して、久し振りの模擬戦が行われる。

 

「武人武御雷さんやたっちさんとの模擬戦の際、近接攻撃ばかりなんですね。射撃武器は使わないんです?」

「あーあれ、まず実体弾は避けるか切り払われるし、デバフ系レジェンダリ無し分裂速射レーザーだと威力足りなくて切り込まれるし、単射レーザーも切り払いで防がれるからだってさ」

「え。光の速度で飛ぶのに?」

「何となく撃たれる場所が解るんだって」

「うちのガチ前衛、人外すぎ!? いや確かに異形種だけども!」

「何を今更感」「慣れって怖い」

「俺としちゃ、トールさんと互角に渡り合えたっていう、101のアイツとか放浪者夫妻の方が気になる」

 

 そんな会話をするギルメン達の前で、模擬戦で珍しく射撃武器を持ってたっち・みーと対峙するトールが居る。モハビでたまに使っていたサービスライフルだ。これは、NewCaliforniaRepublic(新カリフォルニア共和国)ことNCRの正式採用ライフルでAR15に似たシルエットを持つ。

 

「おろ、珍しいな、トールさんが射撃武器だなんて」

「何でも、転移先で出会った変なオッサンに習った方法で、気とかオーラ?まあそんな感じの力を纏えるようになって、射撃武器にも応用できるようになったとか」

「どこに行くんだ荒野の災厄」「人外の領域へようこそ」「いやすでに人類(笑)では」「盲点だったな」

『聞こえてるからね?』

「「「サーセン!」」」

 

 開始の合図でVATSを起動したのか、機構限界を超えたありえない速度で弾丸が吐き出され、たっち・みーは一度剣で切り払ってからなにかに気づき、盾の防御スキルを発動して耐える。

 

「避けか受けの筈が…!? 弾が曲がってる!」

「切り払いは…いや、盾の外装が削れてる!?」

「うっそだろ、あれ、茶釜さんの装備の次に硬い盾だぞ!?」

 

 3秒に満たない時間で膨大な量の弾丸が吐き出されて加熱した銃身が破裂。トールはすぐに代わりを取り出そうとするが、隙を見て肉薄してきたたっち・みーを確認して、ライフルから二丁の拳銃にスイッチする。MODで追加されていた、ベレッタM93Rとそれをベースにしたクラリックガンのカスタムだ。

 

「おう、ガン=カタだ」

「相手は剣だけども」「映像で見たより早送り速なんだが」「既に私達だとはっきり見えぬ」

 

 剣がギリギリ活かせられない間合いに踏み込み、逸しては撃ち、受けては撃つ。撃たれた弾丸は曲がり、あるいは跳ね返り、白銀の騎士に襲いかかっては攻防の合間に盾や剣で防がれる。

 

「なんで剣戟の間にあれをいなせるんですかねぇ…」

「見えてない角度だよな確実に」

「てか拳銃でたっちさんの剣を受け流すとかどういう事なの」

「そろそろ弾が尽きる。状況が変わるぞ」

 

 銃が同時にスライドオープン。弾切れだ。トールは袖口のクイックローダを使おうとするも、たっち・みーがそれを阻止。ただ無理な姿勢から剣を差し込んで来た為、次の攻撃に移れない。

 トールは即座にインベントリから一振りの刀を取り出す。姿勢を若干崩していたたっち・みーは、自身の隙を自覚しているため予感から背筋に怖気が走る。トールはそこを正確に狙っているからだ。

 

「しまっ…!?」

「Gatotu ZERO style!」

「「「なんでアメリカ語!?」」」

 

 そこは英語だろうというツッコミは誰もできなかった。

 動作の最適化により体中で発生させた力を限界まで束ね、回し、集中させた力が刀を通じて刺突、たっち・みーに襲いかかる。勁力の反動で、踏みしめたトールの足元に放射線のような割れを作り上げた。絞り込まれた威力は命中と同時に、衝撃波を生み出す。響く金属音。防がれたのだ。PvPゾーンの体力表示では、たっち・みーは健在。

 

 だが、先程の突きも布石。距離が丁度いい位置に離れ、やや白銀の騎士が仰け反り気味。

 トールは残心から刀を仕舞うとナイフを取り出し、逆手に握る。右手には別の拳銃を構えた。

 

「む? あの構え、どこかで…?」

「知っているのか弐式炎雷?」

 

 トールがこれまで使ったことのないスタイルで構える。だが弐式炎雷は既視感があった。片手に銃、片手にナイフ、姿勢を低く構える。あれは確か…。

 

 轟音。

 

 闘技場の真ん中で、大の字になって倒れたアインズ・ウール・ゴウン近接最強。トールは油断無く銃を構えているが「参った」の声に大きく息を吐いて構えを解いた。

 

「え、え、トールっちがぬらっと動いたかと思ったら…」

「たっちさんを…」「投げた?」「武器両手に構えたままだったよな?」

「吸い込みが酷い格ゲーの投げ技みたいな感じでたっちさんが引き込まれた気がする」

 

 疲れ切った感じで地べたに座るトール。投げられたたっち・みーの方が元気そうである。その下にギルメン達が集まってきた。尚、今日の模擬戦には守護者やシモベ達は居ない。殆どは業務に集中している。

 

「何をされたのか、説明をしてもらっても?」

「転移先で出会った連中に習った、銃持ちの近接格闘術をオーラで強化しました。最近思い出しましたが、多分、某スネークに縁のある集団だったんでしょうね」

 

 外に出たりシモベ達が居る時とは違う、本来の口調で説明するトール。ゲーム画面でもよく見た動きだったと、今更ながら思い出したと言う。

 尚、訪れた世界の元となったサバイバーなゲームについてはトールは中盤までプレイ済みであった。ただ色々仕様が残念な内容という事だけはとてもよく覚えている。

 

「某スネークって、古典ステルスアクションゲームの?」

「はい。みなさんのリアルだとどう伝わってます?」

「えーと、ゲーム自体はなんだか検閲で配信停止なんだけど、エミュレータで残ってるので有名」

「あと、潜入レポする際に」

「成程、把握」

 

 トールが出会ったのは、人気の無い荒野に展開する簡易な軍事基地(トールの生前基準)に棲まう部隊とそこを襲う謎の化け物だ。

 彼らの開発拠点規模だと100人程度で居住規模が頭打ちになり、場合によっては口減らしをしなくてはならない状況になると考えたトールは、地下に十程の200人級Vaultと地上に2千人まではゆったり生活できるよう防衛設備も含めて拡張した。

 帰還時には彼らが開発・所有していた様々な技術の設計図を送られた。トールとしては転移装置を別アプローチで作っていた事に驚いたが。

 閑話休題。

 

「奇襲でしたが、オーラを併用しての最適化で上手く行きました」

「…だからゲームみたいに異様な吸い込みと投げだったんだ」

「今回は完敗です。むう、スキルも使って全力抵抗したんですが、一瞬で固められて気づいたら天井を見ていました。トールさん、後で録画データを見ても?」

「構いませんよ」

 

 たっち・みーとしては是非とも攻略したい技巧だが、トールの攻撃手段はそれらだけではない。剣の間合いで投げられる時点でスキル以外での通常攻撃による有効打が殆ど封じられてしまう。何かしら攻略法や対抗手段を考えねばならない。

 今後のPvPでこれから使われるとなれば、近接攻撃の範囲で既に厄介な攻撃手段を膨大な数持つトールだけに、拘泥もせず最も効果的な時に使うだろう。

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 武人武御雷は立ち上がったトールとハイタッチ。どうやら、二人共、投げに関する技術を秘密裏に磨いて今回投入と相成ったようだ。

 

「前提職だからスキルは余り使っていなかったが…」

「現実化したからこそだ。勝てよ?」

「ああ!」

 

 其の次のたっち・みーと武人武御雷の対戦は、トールとの戦いで動きを覚えていたたっち・みーは警官としての実戦経験もあわせて善戦したものの、肉薄時の格闘戦は職業でもリアルでもトールとの手合わせも含め、修練を積んだ武人武御雷に大きく分があり、今日はたっち・みーが負け越した。

 

「よぉっしゃあぁーっ!」

「嬉しそうだなータケさん」

「ふ、ふふふ、面白いです…!」

「うわスイッチ入ってる」

「たっちさんが楽しそうで何よりです」

 

 たっち・みーが依然、累計でトップなのは変わらないが、この世界に来てからの闘技場1on1のPvPでは僅差となり、武人武御雷とトールがその下に並ぶ事となった。

 

「なあなあトールさん、弾が曲がったりあの硬い盾を削れたのもオーラって奴の恩恵なのか?」

「ええ、確か操作系?に適正があると言われてまして、弾に纏わせました。レーザーだとレーザー自体には纏わせられない事と、レーザー発振器自体を強くする強化系とは遠くて思ったよりも強化に繋がらないので見送りです」

「俺らってその、オーラの類って習得できる?」

「私もそれ気になってた」

 

 それを聞いて「難しいだろう」とトール。アバター体はそれだけでオーラを纏い使う完成形として存在しているため、修行も効果が無いだろうとの見解だ。

 また、人化しても職業とそれに伴うスキルや魔法があるため、レベル上限を突破しない限りはそれらの制限外となる「念」の習得は難しいだろうとも。

 

「少し残念かなぁ」「脳内スクリーンショット機能欲しかった!」「戦闘系能力じゃねぇのかよww」「トランキルレーンで我慢汁」

「オーラ量的には、俺らってどんなん?」

「言っていいですか? 皆さんバケモンです」

「「「バケモン」」」

「多分、使用位階を見れるフールーダ翁とアルシェ嬢は同じような光の柱を間近で見たんでしょうね」

「「「ひかりのはしら」」」

「訪れた所的には、そうですね…、隠蔽措置無いと一番の大物よりも全員、5回り以上大きいです。ふざけてるんですか? 恒星ですか?」

「「「こうせい」」」

「まあ、舞子は俺の太陽ですが」

「ちょ、ちょ!? 待ってトールさん!?」

「「「惚気けやがったぞこの荒野の災厄!?」」」

 

 暫定的なレベルにして、かの大陸は40から70が平均、最大で90辺りとトール。カンストPTでは100超えを狩るのが普通だっただけに、ギルメン達は難なくあの世界でも旅ができるとトール。

 ユグドラシルでは、戦闘構成で5レベルも離れれば大分厳しく、10離れれば絶望的と言われる訳で、かの大陸で一番長く戦った(苦戦したとは言ってない)化け物相手でも90換算となれば、ナザリックのギルメン達なら苦もなく倒してのけるだろうと。

 呪いやら病気やら寄生生物やらは、既にトールの装備で弾けているのが確認済みなので、装備が揃ったユグドラシルカンスト勢のナザリック組であれば全くもって問題ないだろう。

 おまけに、七色鉱の独占大量採掘と虹色ガチョウのデータクリスタル産出で、ギルメン達と守護者達のガチ装備はやりすぎ感が否めない強化具合である。追加で複数の「燃素石」による理論上かの槍すら防ぐ世界級の防御装備が全員に配備された。トールにも先日、渡されている。

 

 尚、双尾の蛇はトールが「美味い」と言っていたので、発見されたら蒲焼き一直線である。ヘ○ベル逃げて。

 閑話休題。

 

「面白そうではあるけど、大陸方面は人界に災厄が行きそうだからやめとこう」

「呪いとか病気とかこっちに持って帰って来たら厄介だし」

「それ以前に、俺らが災厄扱いされそうな件について」

「「「それな!」」」

 

 かの世界の人界については後に、年代的に本編開始の50年前頃と1年前に観光がてら訪れる事になったが、本人たちはおとなしくしている積りでも常識の埒外な存在が2桁の人数であるからして、色々な事件を起こしたそうな。

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「あ、美味いっすねこの米!」「おにぎりと丼物に最適だな」「ユグドラシル食材を超えるとは…」

「栽培成功してるんで、ナザリック内なら必要分卸しますよ」

「「「わーい」」」

 

「…所でトールさん、これの効能知ってます?」

「や、知らないですが。原作詳しくないし」

「あーうん、既に変わらないからいいか…」

 

 因みに例の米は、効能は大分減ったが、後にカルネ自治区でも栽培開始された。




神話インドから繋がる現代世界での会話。

「はっはー! かぁっこよかったよなぁアイツ! たかが人間にボコられて鼻フック決められたあの時のお前の顔! いやー、今でも思い出す!」
「思い出させんな糞が! …あーもう、探し出してリベンジかもう一回、呪いかけてぇや。人間だから既に生きてねぇだろうが」
「彼、別世界別次元の人間だって言ってたろ。生きてるよ、今も間違い無く。信じてなかったの帝釈天サマ?」
「…おい、まじか?」
「うんマジマジ。最近、あの時と似た揺らぎを感じたから、久し振りに遊びに来るんじゃない?」
「用事を思い出した! いやー、仏教の偉い神ってまじつれーわー!」

「…逃げたなあのアロハ親父」

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