荒野からやってきました ~死の支配者と荒野の旅人~   作:マガミ

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Fallout要素がほぼ無い話が続いてるので、オリ主であるトールのやらかしについて幕間がてら。
説明文を挟んでいない為、Fallout3を知っていないと厳しい内容です


荒野の災厄の旅路・キャピタルウェイストランド

 トールこと、水瀬トオルは日本人で転生者だ。

 

 転職に失敗して実家に戻るに戻れずコンビニのアルバイトで食いつなぐアラフォーだった。コンビニ強盗から店長とバイト仲間の女の子を守り、刺された。刺されながらも強盗の顔面をボコボコにして、その最中に事切れた。

 

(あー、店長達ドン引きしてる…。しょうがないよなー、あー、今日帰ったらMODマシマシ環境が完成したFalloutをやる予定が…ガク)

 

 そうしたら、何の因果か、PC上に構築したMODガン積み環境のFalloutの世界に立っていたのだ。気づいたのは、腕にPip-boy3000が取り付けられた状態だった事だ。バイオメトリクスシールは貼っていないため取り外し可能だが、砂埃が吹く荒野の中で、しばし、呆然としたのは仕方ない事だろう。

 

 

 最初に降り立ったのは、Fallout3の舞台であるキャピタルウェイストランド。元はワシントンDCと呼ばれた、元アメリカの首都だ。

 核攻撃に晒され、廃墟と化した町中には、人肉をも食って人を襲う一応人間のレイダー、放射能とウィルスの影響で凶暴化した元人間のグール、放射線とウィルスの変異で生まれたアボミネーション、変異ウィルスで生まれたスーパーミュータントなどなど、平和な21世紀を生きていた平均的な日本人にはお世辞にも棲みやすい環境ではない。

 

 幸運だったのは日本語環境に固執していたためか、相手の英語が自動で脳内に変換される事。またMODマシマシ環境の影響で、身体能力その他はMAXで必要なPark類は全取得状態な上に、使い勝手の良い装備を最初から取得していた事だろう。チートと言っていい状況である。

 

 状況を認識した後は早かった。

 

 自己の成長がFallout4のシステムである事をステータスで確認するが早いか、Pip-boyのタイムスタンプを確認し、MAPを参照。インベントリの装備を身につけると、Fallout3の主人公がVault101から出てくる時間に、Vault101の前で出会ったドッグミートとともに出待ちした。

 

「やあ、ブルー。ウェイストランドへようこそ。武器や物資はあるか? 心もとないなら、近くの町というか村へ案内するよ」

 

 …初見でやたらとフレンドリーに話しかけたのが間違っていたのか、最初の町、メガトンに到着するまでえらく警戒されたが。

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 その後、なんやかやあって、キャピタルウェイストランドでの活動をトールは開始。

 たまに主人公に同行するが、彼が腕を磨く間にキャピタルウェイストランドの各所へ出没。後味の悪いものなど、対処の難しいクエストに絞ってクリアし、たまに会う主人公へ経緯を説明する。

 大型化したアリについては、101のアイツこと主人公を連れた少年が到着する前に、全部焼き払った。

 

 そういったやらかしの繰り返しの後、トールは主人公に「黒いおじさん」と呼ばれるようになった。トールは凹んだ。

 

 尚、101のアイツに度々同行していたトールは他の人間には「荒野の災厄」「アイツの保護者」と呼ばれた。ハイティーンの主人公と異なり、トールは童顔に見られやすい日本人の中で、少数派である老け顔であったためだ。

 

 転生に至り、20代に若返ったが生来の老け顔のせいで30代後半扱いである。

 

「気にしてるんだからやめて!」

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>BOSアウトキャストの場合

 方針転換したキャピタルBOSと別れたBOSアウトキャスト。彼らとは友好関係を築くと共に、キャピタルBOSとの関係改善に向けて動いた。決め手となったのは、インベントリ内にあったFallout1-2の資料群だ。

 BOSアウトキャストが離反する原因となった、キャピタルBOSの現在の活動が実は、最初のBOSの理念に最も近い事をデータとともに伝えた時、キャスディン護民官は膝から崩折れた。

 

 エルダー・リオンズはキャピタルBOSの面々を宥め、戻ってきてくれたアウトキャスト達を迎え、危険なテクノロジーの収集を元アウトキャストに、ウェイストランド人の保護をキャピタル側にと役割分担させる。トールは要塞内部にキャピタルウェイストランド中から収集した整備機材や素材、食料生産設備などを山と用意し、ギリギリラインで動かさざるを得なかったBOSの装備や補給事情を改善させた。

 特に喜ばれたのは、投入されたバラモンの肉を自動的にソールズベリーステーキに加工するプラントである。

 

 尚、手持ちのPip-Boyを彼らに渡したが、どうやらトール個人の能力であって、他人ではどうあってもワークショップの機能は使えなかった。

 

 キャピタル側は出戻りしてきた元アウトキャスト組に反感を持つ者も多かったが、トールも加わって丁寧に説明し、本来の理念に立ち返り、歪んでしまった本部の方針と別れて新たな体制に移行するよう促す。

 最終的には合流ができた事から、トールはこの世界がゲームを元にはしているが違う事を確信した。

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>メインクエストとエンクレイヴ

 仮想現実内でTS幼女化していた変態科学者から101のアイツの父親を救出すると、浄化設備を制圧するなり防衛体制を敷く。その後はエンクレイヴの連中が出現したのをいい事に、ヒャッハーしながら襲撃と略奪を繰り返す。

 

「災厄、災厄が出たぞー!」

「ママー!?」

 

 BOSにはFallout1や2の時代にエンクレイヴの情報が流れていた事もあり、新規開発されたパワーアーマーなど奪った装備類はBOSの研究班が目の色を変えて受け取っていった。テクノロジー好きのキャスディンは、無理を言ってBOSカラーにしたエンクレイヴパワーアーマーを装備していた。

 

 101のアイツが環境テラフォーミング装置であるG.E.C.K.を入手しに行くのと同時、レイヴンロック近くでキャンプを始める。主人公の脱出を手助けする際、自分のPip-boyに組み込まれてしまっていたワークショップのハウジングシステムをフル活用して逆侵入。機材、装備、そして大統領から何から、格納済みである。

 

 いきなり足場などが無くなって呆然とする人員以外をもぬけの殻にした所で、核融合炉の暴走でレイブンロックごと爆破。鬼か。

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>エンクレイヴの浄化設備強襲

 事前にBOSへ協力要請をしていた事もあり、エンクレイヴの浄化設備強襲は失敗。

 致命的な放射線が放出されるチャンバー内には、皆の嫁ことフォークスが志願して施設が稼働し始めた。フォークスは勿論無事。

 

 これにより、キャピタルウェイストランドには誰しも飲める安全な水が齎された。

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>DLCの「The Pit」

 元ピッツバーグ、そして今やThe Pitと呼ばれる場所に先んじて訪れた際は、工場や建物の整理と再建を行い、この地域の支配者であるアッシャーに感謝された。

 

 数多くの高度な研究設備の提供も行った為か、この地の改造を終えたトールが去る際にはアボミネーションと化す人間は少なくなり、支配者層であるピットレイダー達も肌の改善が見られた。

 

 一応、主人公が来た際にはトール自身の弟分として迎えて欲しいと約束を交わし、後に主人公が来た際は大歓迎するレイダー達という状況に困惑させたらしい。

 

 また、BOSとの軋轢もあったようだが、主人公が仲立ちすることで、主に金属類の素材や実弾などの交易が行われ、BOSもPitも基盤を盤石なものにしていった。

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>DLCのマザーシップゼータ

 Fallout3では後発のDLCで、なんと宇宙人に攫われて、宇宙空間の異星宇宙船内での冒険をするDLCだ。

 

 主人公が攫われたのを追って、MODの力で転送ルートを強引にトレース。脱出して暴れまわる主人公に便乗して宇宙船内を制圧した。

 

「おとなしくはしてないと思ったが、想定以上だった」

 

 凍結保存されていた各時代の人物のうち、甲冑を纏ったカゴ氏の刀と鎧を見聞させてもらう。予備として、未来素材を使った当世具足と刀を作り上げてプレゼントしたら、大いに感謝された。

 

 宇宙人のマザーシップの片割れにハウジング用の自由移動MODを有効化してこっそり近づき、中身の宇宙人やアボミネーションと攫われた地球人や生物などを選別して格納した後、遺されたゴミのコンテナの上で困惑する宇宙人をターゲットに、主人公たちの乗るマザーシップがビームで跡形も無く消滅させた。鬼か。

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>DLCのブロークンスティール

 浄化設備強襲が失敗して戦力の大半を保持したまま移動基地クロウラーに撤退したエンクレイヴ。

 

 その最後の抵抗で破壊される筈だったリバティ・プライムはミサイル攻撃で破壊される直前に格納し、移動基地クロウラーも主人公と突入する前に格納。基地内からいきなり外へ放り出され困惑するエンクレイヴ残党は、周囲をBOSに囲まれた状態で降伏した。

 

 オータム大佐は最後まで抵抗姿勢を見せていたが、連絡の取れないレイヴンロックの現状を話してやると、地面に崩折れて捕縛された。

 

 一応、リバティ・プライムと移動基地クロウラーは、設計情報を解析してからBOSへ返還・譲渡している。特にリバティ・プライムについてはFallout4で重要な役割を持つためだ。一部のベルチバードについては、生産・整備設備の設計図と共に一式だけ譲り受けている。

 

 衛星に装填されているミサイルについては地上からコントロールして弾頭を太陽へ廃棄。BOSの今後の後継が誰になるかわからない為、不必要に外部が警戒する力は所有しない方が良いというエルダー・リオンズの考えだ。

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このように諸々をやらかし、各所での暴れっぷりに称賛と畏怖を込めてVault101のアイツと呼ばれるFallout3の主人公とその父親(本来のストーリ上では死亡する)に見送られ、ラスベガス方面へ向かうキャラバンに同行して旅立った。

 




頭部切開を避けるため、某所については主人公に任せました(酷い)

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