荒野からやってきました ~死の支配者と荒野の旅人~ 作:マガミ
ただ、悪ノリ大好きな大人達による計画なので、後々、周辺諸国を含めて結構な大事件として世間で語られる事に。
死の支配者と王国健全化計画
王国内の掃除と称した、裏からの乗っ取りというか健全化計画については、アインズ・ウール・ゴウン(以下AOG)主体で実行される事が決定された。トール配下のアイボットによる情報収集網は優秀だが、ある特定条件下では著しく能力が落ちるとの事で、現在は影の悪魔とペアを組んで運用されている。今回はそれに頼らない形での情報収集網をナザリック主体で構築するテストも兼ねている。
「手が足らない時はいつでも言ってくれ。まあ大丈夫だろうからお手並み拝見と、コーラとポップコーン片手に観戦してるよ」
「ポップコーン下さい! あとコーラ! 放射線抜きで!」
「味選べるの? ならブラックペッパーでお願いします」
「ぶれないね餡ちゃん、るし★ふぁーは!? 出すけどさ」
「ポップコーンって何です?」「美味いの?」「コーラは貰ってるから知ってる」
「トールさんに泣きながら黒いコーラって飲み物と白いお菓子を差し出されたでござる」
「あ、美味しい」
排除対象は、行商人等を襲撃する盗賊、最大の裏組織である八本指、腐敗貴族、後は更正の見込みがない王族(該当者一名のみ)である。悪事と知って加担している連中がターゲットだ。
「笑える小悪党程度なら見逃す。だが俺の前で小賢しい悪事を働く意味、それを後悔させてやる」
「ウッキウキだな…」
「ウキベルト、とか言うと変なアイテムっぽい」
「よぉしお前ら、後で魔法の練習に付き合え」
情報収集には、ウルベルトとデミウルゴスの直轄である影の悪魔と、領域守護者である恐怖公が担当する。ローラー作戦で王国全土を調査し、影の悪魔を中継してナザリックへ集約する。
「…黒い、黒い絨毯が」
「女性陣にはこのビジュアルはきついよなぁ」
「そういや、ウェイストランドにも居たんでしたっけ」
「おう。巨大化した30cm以上のがわらわら出たりした。俺は食わなかったけど、食料にしてたやつも居たっけな」
「やまいこさんが気絶したぞ!」「ねーちゃん、しっかりしろ!」「ペストーニャを呼べ!」
雑多な情報形式では集めても分析が遅くなる。死獣天朱雀とぷにっと萌え主体で報告形式を整え、それに従って集まった情報を分類する事に決定した。
「汚職役人や官司とかも居そうというか居るよね」
「当然ご退場願う。できればやらかしてる現場を押さえたいね」
「王都でガゼフ氏に面会して、協力仰げないかな?」
「賛成。一気に同時多発的に処理するから、事前に話を通したい」
「採用したい。モモンガさん、行ってくれます?」
「おk。お付きにセバスとユリをお借りしますね」
王国内の最大規模の犯罪組織である八本指。以前、散々叩きのめしたのだが麻薬の蔓延や人身売買などは止まっていない。ウルベルトが下した六腕という元所属の連中からはいくつもの有用な情報を得てはいるが、大体は胸くそ悪い内容である。
「協力させられてる村は、村人は精査して強制移住するしかないが」
「事が終わるまでは、カルネ村に預けよう」
「監視してる八本指の構成員は?」
「捕獲で。下っ端みたいだけど、美味しい思いはさんざんしてるって話だ」
八本指の財源は根こそぎ潰す算段だ。
「娼館とかは酷い環境の可能性が高い。救出、救護班を編成すべきだが…」
「ペストーニャだけでは手が足りないな。うちのと娘に頼んで見る」
「ルックさんまじ天使」「キャッチちゃんまじ天使」
たっち・みーは、他のメンバーとも協議の上、日本人としての本名を封印している。奥さんはそれに倣って「るっく・みー」、娘さんは「きゃっち・みー」である。ユグドラシル終了前に、二人はその名前で天使系異形種でのキャラメイクしていて、この世界でもそう名乗っている。
(ただ、なんでそんな名前にしたんだ我が娘よ…)
閑話休題。
「救出については…、ベルリバーさん、何人ぐらいずつ格納できます?」
「一回で10人、複数回に別ければ50人はいけるのを確認してる」
「カワサキさんにもヘルプ頼みますか」
「…酷い扱いの子にキレて、暴れなきゃいいけど」
種族スキルにより、一定以下の強さの相手を吸収して自己の強化、変化を行えるスキルを持つベルリバーは、吸収しなければ生きたまま他者を格納し続けられる。カワサキは、リキャストタイムが長いが闇鍋スキルで対象を取り込んだ際、何も手を加えなければ素材は一切変化せず、キャンセルすれば出てくるのを利用して他者を多数運搬できる。
転移門を使える者と連携して逃走を支援する事で一致。避難先は現在拡張中のカルネ村だ。村長達には近い内に移住者が増えるかもと、話を通してある。
「各都市、村はいいとして、貴族の領地とかは難しいんじゃない?」
「そこはまあ、お貴族様には引退して貰えばまずはいいんじゃないかな、ククク」
「やらかしによっては、屋敷が無人になるな…」
「一部領地は酷い有様だから、トールさんから売って貰ってあるお粥パックの支援が必要かも」
「領地のトップが混乱する事による、盗賊の跋扈はどうすっかね」
「デミデミが是非、そういう輩の話があればお任せ下さいって」
「多分あれだ、人肉嗜好の配下いるから…ここは仕方無いか」
「あ、察し」
「人から奪うだけで生きてるなら、そんな奴等に容赦の必要ない。奪わず済む別の道があっても選ばないなら、そいつはもう手遅れだ」
「一思いにやっちゃう方が、まあ慈悲か。また来世で頑張れと言うことで」
そして最大の標的、第一王位継承者の件。
「多分クズ」「絶対クズ」「もう手遅れ」
「「「容赦ねぇなうちの女子!」」」
「証拠と現場をセットで押さえて…、ああ、ガゼフさんにも同行して貰おうか」
「拡声系の魔法をかけて、やらかしの自白とか外部に聞こえるようにするか」
「できれば外出時のお楽しみ中を押さえようかね。素っ裸で連行させよう」
「「「ほんとに容赦ねぇなうちの女子!?」」」
原作では戦闘メイド、プレアデスの一人であるルプスレギナ・ベータに散々翫ばれて死んだバルブロ君。彼は裏で八本指と繋がっているとも言われているので、調査結果次第では死の慈悲は無い扱いになるだろう。
「第二王子はルックスは酷いけど、王族としては優秀。ルックスは酷いけど」
「なんで二度言ったの!?」
継承順であれば第一王子の排除後はザナック王子を立てる事になる。
「外見だけなら、ラナー王女の方が人気も高いけど…」
「どうする? 二人に裏で接触しておく?」
「ランポッサ王にはガゼフ経由で話を頼むとして、他の二人にも通しておくべきだな」
AOGの面々は、まだラナー王女の正体を知らない。後に接触した際は、アインズさんの脇に控えていたデミウルゴスが細かい所を含めて算段を纏める事となった。交渉が終わった後、殊更、デミウルゴスはご機嫌だった。
「精神の異形種ですな。いやはや、人間からあんなものが生まれるとは」
「(綺麗だけど普通じゃないかな?)ほうお前が関心を持つとはな。細やかな願いは、できる限り望み通りに叶えてやって良いぞ」
「なんと慈悲深い。では彼女との今後の交渉も私めに引き続きお任せ下さい」
結果的に、ラナー王女はバルブロの裁定の際、バルブロを利用して王国での自分を殺し、単なるラナーとして生きる事となる。側には変わらず、少年騎士の姿があったそうな。
こんな感じで細かい所も含めて、王国健全化計画は立案、準備に入った。実行の前段階として情報収集が恐怖公の配下によって開始されたのだが、エ・ランテルでとある事件が発生し、少々の遅れが出る事となる。
至高の御方々の帰還と同時に、ナザリック配下への緊急命令で一週間の内、一日の休暇制度が施行されました。
これにより、配下の間で動揺が広がっています。
「うちは悪だけどブラックじゃない!」