魔手の中で寝そべりながら外の様子を見る。ロボットは大半が壊れているので、残機を処理するのは一瞬だ。魔手が運ぶ速さは常人のダッシュより何倍も早く、第一関門を抜ける頃には数人を抜かした。
第二関門に関しては、魔手が速さをキープしながら崖手前で市を思い切り投げた。着地地点を計算して投げられた市は着地の島で先回りして出た魔手により受け止められ、また投げて…を繰り返しアッと言う間に攻略してしまう。
『見たかよオーディエンス!!あんなに後からスタートしたにも拘らずゴボウ抜き!!個性はあの手かあ!?本人は何もしてねえ、寝てんぞー!!』
「…あの個性、任意の場所に出現させる事が出来るなら救助に役立つな」
「本人の戦闘力は分からないが、イレイザーヘッドのお墨付きなら期待できそうだ」
「エンデヴァーの息子もすげえけど、あの子もすげえ!!」
「確かに凄いけど…俺は無気力なのが怖えな。死体運んでるみてえ」
「凄く可愛い顔してる…」
「エンデヴァーの息子もあの手の子も顔が良い…天は二物を与えないんじゃないのかよ」
『先頭が一足抜けて下はダンゴ状態!上位何名が通過するかは公表してねえから安心せずにつき進め!!そして早くも最終関門!かくしてその実態はーー…一面地雷原!!!怒りのアフガンだ!』
威力は無いがノックバックに煙、音と嫌がらせとしか思えない地雷が埋まっているようだ。実況にて轟と爆豪が先頭争いに火がついた事を知った。そして前方で地雷を何個も同時に作動させたような音と煙が上がる。どうやら緑谷がそれを利用して先頭争いに加わったらしい。
轟と爆豪なんていう気難しい性格ランキングでもトップ争いしてる2人に割り込むなんて凄いな。
『緑谷、間髪入れず後続妨害!!なんと地雷原を即クリア!!イレイザーヘッドお前のクラスすげぇな!!どういう教育してんだ!』
『俺は何もしてねえよ。奴らが勝手に火ィ付け合ってんだろう』
『さァさァ序盤の展開から誰が予想出来た!?』
『無視か』
『今一番にスタジアムへ還ってきたその男______…緑谷出久の存在を!!』
地雷原を一抜けし、緑谷が1位でゴールしたようだ。
第三関門直前で止まり、市は周りにいる人の観察を開始する。息遣いや動悸、顔色から残りの体力を計算し、それに合わせて地雷原を進む。地雷が埋められている場所は土を掘り起こした跡があって分かりやすい。
地雷を踏んでも問題は無いが、後数人抜かす事を考えて自分の身体を魔手に投げさせる。地雷原を抜けてスタジアムに戻り、市がゴールした数拍遅れて青山がゴールした。顔色が悪くてお腹を抑えているので、個性を使いすぎて腹痛に襲われているみたいだ。ご愁傷様である。
「ようやく終了ね。それじゃあ結果をご覧なさい!予選通過は上位42名!!!」
「アフゥン☆」
無事に全員ゴールし終えたようで、順位がまとめられた。予選通過は上位42位までらしく、市は最下位の42位。僅差で予選通過に溢れた青山はショックで倒れてしまった。
「残念ながら落ちちゃった人も安心しなさい!まだ見せ場は残されてるわ!!そして次からいよいよ本戦よ!!ここからは取材陣も白熱してくるよ!キバリなさい!!!」
マスコミがシャッターを切る音がする。ミッドナイトの後ろには再びスクリーンが投影され、画面のスロットルが回っている。
「さーて第二種目よ!!私はもう知ってるけど…何かしら!!?言ってるそばからコレよ!!!!」
スクリーンに表示されているのは「騎馬戦」だ。
参加者は2〜4人で自由に騎馬を作り、障害物競走の結果に応じた
市は最下位なので5P。Pは5ずつ加算されていくようで、単純計算で2位の轟は205Pであり1位の緑谷は210P。
____だと思うが。
「1位に与えられるPは1000万P!!!!
上位の奴ほど狙われちゃう____…下克上サバイバルよ!!!」
まあ、そんな簡単にはいかないのが世の常である。哀れ緑谷、生きろ。
1000万と聞いて目の色を変えて見てくる奴らに負けるな。