ダウナー系が本当のヒーローになるまで   作:鶴クレイン

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16話:ダウナー系と騎馬戦〔騎馬戦決着〕

市を前騎馬のポジションに置き、スムーズに移動するため魔手が足を覆う。後ろには尾白とB組が、騎手には心操が。

 

 

心操チーム

・心操:80P

・天魔:5P

・尾白:160P

・庄田:50P

TOTAL 295P

 

 

 

『よォーし組み終わったな!?準備はいいかなんて聞かねえぞ!!いくぜ!!残虐バトルロイヤルカウントダウン!!

3!!!2!!1…! START!』

 

開始と同時にほぼ全ての騎馬が緑谷の1000万に群がった。 最初は心操の言った通りにハチマキを手放して自由になり、上鳴の放電や轟の氷結がフィールドを駆け抜ける。周りを見ていると時間が過ぎるのはあっという間だ。

 

 

『……あら!!?ちょっと待てよコレ…!A組、緑谷以外パッとしてねえ…ってか爆豪あれ…!?』

 

 

あら、珍しい。

A組とは違い、B組は理知的な人間が多そうだ。B組全体で予選を捨てた長期スパンの策。障害物競争でこちらの個性を分析しつつ、本選を狙った大規模な作戦。あの爆豪を煽る彼すごいな。

あ、こっち来た。

 

 

「何の用だよ、P(ポイント)取って欲しいのか?」

「はは、冗談キツイって。ちょっと貸してよ」

「…痛っ」

 

 

爆豪のハチマキを奪った彼が通りすがりに市の頭を軽く叩く。「女性の頭を叩くとは何事だ」とクレームが来そうだが、生憎とこちらの様子はモニターに抜かれていない。何をしに来たのか不明だが、市の頭を叩いたら用済みとばかりにまた爆豪チームへ向かっていく。

……のだが、突然頭を抱えて苦しみ始めた。

 

 

あ、あぁあああ________!?

「物間、どうした!?」

「っんだ、コレ、ア、頭が!!カラダが、手がっ…崩れ……!?何故だ!?なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで…何故お前が_____!目の前に、お前がいる!!」

「誰でもいいから触れ物間!俺らでもいい、コピーしろ!」

「(なんだよ、なんなんだよコレ!?コレとよく似た光景を知ってる、コレを表す言葉を知ってる!絶望なんて生易しいものじゃない、これは【地獄】だ)」

「物間!!!」

 

 

 

…なるほど、彼の個性は「コピー」もしくは「模範」か。それは悪い事をした。

 

 

「…いきなりなんだったんだ」

「…さぁ?()()()()()()()()()()()…?」

 

 

どうやら自騎馬の個性をコピーして夢から脱出したようだが、呼吸を整える間もなく爆豪が飛びかかっていった。騎馬の制止を振り切っているようで、同じチームの3人は大変だな。

 

 

「やっぱりA組は個性の使い方慣れてんな…」

 

 

ヒーローに憧れてヒーロー科を受験し、本人的には恵まれなかった個性故に不合格。自分の個性への無力感にヒーロー科への羨望や嫉妬。それでも諦めきれない執着が錯綜して身動きが取れなかったのだろう。是非とも体育祭で活躍し夢を叶えて貰いたいものだ。

爆豪が空中でハチマキを狙った所や、障子が背中にアタッカー2人を乗せているのを見て、この判定なら提案した作戦は上手くいきそうだと安心した。

残り時間30秒。心操が個性を使って、切島と似た個性を持つB組からハチマキを奪い走り抜ける。その際に後ろの騎馬がぶつかって揺れた。

 

 

「心操くん、出るわ」

「……ああ、信じてるぞ天魔」

「天魔さん!?あれ俺っ…」

 

 

お目覚めか、尾白くん。

おはよう、もうクライマックスだよ。

 

 

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