ダウナー系が本当のヒーローになるまで   作:鶴クレイン

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19話:ダウナー系と塩崎 茨

第1試合は緑谷が勝ち、心操が負けた。

残念だが、勝負というのは勝つ者がいて負ける者がいる。しかし、彼は大丈夫だろう。市という人間と関わった事など、忘れた方が賢明だ。

 

第2試合は轟が勝った。

開始と同時に轟の場外を狙った瀬呂を一撃で行動不能にしていた。観客のドンマイコールは彼の心に刺さるからやめてあげた方がいいと思う。

 

 

 

『ステージを渇かして次の対決!!

B組からの刺客!!キレイなアレにはトゲがある!?ヒーロー科、塩崎茨!(バーサス)無気力ダウナー系女子、睡余(すいよ)ォ!!ヒーロー科、天魔市!』

『よく睡余なんて知ってんな』

『知っとるわ舐めんな!寝起きって意味だぜオーディエンス!!覚えて帰ってくれよ!』

「あの、申し立て失礼いたします。刺客とはどういうことでしょう。私はただ勝利を目指してここまで来ただけであり、試合相手を殺める為に来たのではありません」

『ごっ、ごめん!!』

「そもそも私が雄英の進学を希望したのは、決して邪な考えではなく、多くの人々を救済したいと思ったからであり…」

『だからごめんってば!俺が悪かったから!』

「!分かって頂けて、感謝します」

 

 

対戦相手はB組の塩崎茨。個性は名前や容姿からして、茨を操る個性。手から生やすのか地面から生やすのか、はたまた髪の毛をそのまま伸ばしてくるのかは確信が持てないが、あの個性ならば市が直接出る必要もない。

 

 

『と、とにかく、すっSTART!!』

 

 

 

 

 

「…妄言ね。救済なんて無理よ…」

「何を言われようとも、私はその為に雄英へと来たのです。貴方もヒーロー科ならば目指す志があるのでは?」

「…身体を救うのは簡単、でも心までは救えない。気の持ち方や生きたいと願うのは、その人自身の変化。貴方は関係ないわ」

「それでもいいのです。迷い苦しむ人々の背中を押し、身が危険ならば救け出す。それが私のやりたいことなのですから」

「……すごいのね。“救ける”って、私にも出来る…?」

「ええ、きっと」

 

 

問答は終わりと、適当な場所に魔手を出して塩崎へと向かわせる。祈るためか手を組んだ塩崎の茨の髪がうねり、壁を作って魔手を阻んだ。その際に死角で切り離したのか、地面を伝って出た茨が市を絡み取って浮かせた。こうして身体を拘束されるのはUSJの脳無にもやられたな、と心の中で思う。掴んだまま場外へ放り投げようとはしないので、捕まえた事で勝負は着いたと思っているのだろうか。

お返しとばかりに塩崎の足元から大魔の手を出して掴み上げる。

 

 

 

『これはぁ!互いの個性で相手を掴み合う!!身動きが取れずとも個性が自立するのはお互い様ってかあ!!』

『いや、塩崎の個性は切り離すと次が生えるまで待たないと使えないが、天魔はそういった制限が一切無いからな。掴まれた時に全ての茨を髪から切り離しているなら塩崎は自前でなんとかするしかねえよ』

『いいねえ実況っぽい!!!もっと解説頼むぜイレイザーヘッド!』

 

 

 

このまま場外へ投げても髪を伸ばして耐えるだろう。

そうしない為には…。

 

 

 

「っ…ああっ」

『天魔、塩崎を個性でブン投げたぁー!!負けじと塩崎、ツルを伸ばすがおぉーーーっと!!!場外にも出現した手が塩崎を受け止め、そのまま場外へ優しく降ろしたあ!!!』

「塩崎さん場外!天魔さん二回戦進出!!」

 

 

 

主審ミッドナイトのジャッジと同時に観客から歓声が沸いた。B組からは「塩崎ぃぃいいぃい!!」と暑苦しい悲鳴も聞こえる。対戦が終わったのならば戻ってもいいだろうと1-A控え室に踵を返した。




市ちゃんはボソボソ喋ってるイメージです。
エヴァのレイちゃんか戦国BASARAのお市をイメージしてもらえれば幸いです。
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