ダウナー系が本当のヒーローになるまで   作:鶴クレイン

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33話:ダウナー系と期末テスト

「えー…そろそろ夏休みも近いが、もちろん君らが30日間1ヶ月休める道理はない」

「まさか……!」

「夏休み、林間合宿やるぞ」

「知ってたよーーーーー!!やったーーー!!!」

「肝試そー!!」

「風呂!!」

「花火」

「風呂!!」

「カレーだな…!」

「行水!!」

「自然環境ですとまた活動条件が変わってきますわね」

「湯浴み!」

「いかなる環境でも正しい選択を…か、面白い」

「寝食皆と!!ワクワクしてきたぁあ!!」

 

 

帰りのHRで知らされたのは、年間行事の確認だった。

騒がしいな峰田。更衣室での出来事をどこに忘れてきたのだろうか。

 

 

「ただし」

 

 

もはや恒例となった、相澤先生が個性発動の為に髪を揺らめかせれば、騒がしかったクラス内が静まる。だんだんとA組が調教されてきている。相澤先生の努力の賜物か、A組の適応力か。どちらも得をしないので深くは考えないが、雄英に染まったとでも思っておこう。

 

「その前に期末テストで合格点に満たなかった奴は…学校で補習地獄だ」

「みんな頑張ろーぜ!!」

 

 

切島と上鳴の迫真の顔、そこまでして林間合宿に行きたいのだろうか。それとも補習が嫌なだけか。

試験範囲は一学期でやったことの総合的内容。普通科目の他にも、A組はヒーロー科だ。戦闘訓練や救助訓練など、演習試験がある事を忘れてはならない。

 

 

放課後になったら相澤先生に相談でもしておこうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…相澤先生」

「なんだ天魔。下校だぞ」

「期末試験、ご相談が……」

「……来い」

 

クラスメイトが帰り始めた教室では都合が悪いと思ったのか、職員室に向かったので付いていった。後を付いていくと、様々な生徒が相澤先生に挨拶をして帰っていく。生徒からの信頼は厚いようで、少し意外に思ってしまう。多くは上級生なので、1年とは違い先生の優しさを知っているのかもしれない。

 

 

「それで、相談ってのは?俺らも期末の準備があるから手短にな」

「…実技のテストなんですが…もし、対戦形式ならお願いが…」

「テスト内容に関しては何も言わないぞ。聞くだけは聞くが」

「速い人に、してください…」

「速い?」

「1秒に100回…最低でもその速さの攻撃でないと、私、当たらないので…」

「……ほぅ」

「舐めているのではなく、客観的事実なので…」

「まぁ対戦形式かは言えないが、そうなった時の考慮はしておこう」

「ありがとう、ございます」

 

 

 

 

**************

 

 

さて、相談は聞き入れてもらえただろうか。

こちらが気を利かせただけなので、別に無視されてもいいけれど、それだと市だけ簡単に突破してしまいそうだ。

自分に縛りを課している訳でもないので、期末テストでは遠慮なく【思考加速】を使わせてもらおう。だからこそあの相談だったのだが。

 

 

普段通り過ごしていても、当然時間は過ぎていく。

期末テストまで残すところ一週間を切っていた。

 

 

21位「全く勉強してねーーー!!体育祭やら職場体験やらで全く勉強してねーー!!」

15位「確かに」

 

 

またやってる。

彼ら、中間テストでも同じ事をしていなかっただろうか。学習しないというか、欲望に忠実というか。あれはテスト前日に徹夜したと言って、徹夜でゲームしているタイプだ。

芦戸は楽観的なのか諦めているのか良い笑顔で腕を組んでいるし、意外にも常闇が焦っている。

 

 

13位「中間はまー入学したてで範囲狭いし特に苦労なかったんだけどなー…行事が重なったのもあるけど、やっぱ期末は中間と違って…」

10位「演習試験もあるのが辛えとこだよな」

20位「あんたは同族だと思ってた!」

21位「おまえみたいな奴はバカではじめて愛嬌出るんだろが…!どこに需要あんだよ…!!」

10位「“世界”かな」

4位「芦戸さん上鳴くん!が…頑張ろうよ!やっぱ全員で林間合宿行きたいもん!ね!」

2位「うむ!」

5位「普通に授業うけてりゃ赤点は出ねえだろ」

6位「…勉強したら?」

21位「言葉には気をつけろ!!

 

 

騒いでいた芦戸と上鳴の2人は、A組1位の八百万に勉強を教えてもらう事になった。それに続いて各分野に不安のある耳郎や瀬呂、尾白が八百万にお願いをしていた。お嬢様なのか、友達に勉強を教える事が嬉しいようで顔を赤らめている。

 

昼休みを挟んで緑谷達は食堂でB組に試験の内容を聞いたらしく、放課後クラスの皆に共有した。B組には体育祭で叩かれた彼がいるが、捻くれてそうな彼が教えてくれたのだろうか?

 

 

期末テストは筆記と実技で分かれ、はじめの数日を筆記試験に費やし最終日の一日を使って演習試験が行われる。

 

 

期末テスト、筆記試験当日。

試験内容はだいたい予想通りというか、ヤマは外れなくて安心した。試験時間が減るごとに、視界にチラリと入る何人かが沈んでいる。終わって睡眠タイムなのか絶望しているのかは見分けがつかないが、頑張ってほしい。

 

答案を回収して先生が出て行ったと同時に上鳴と芦戸が八百万に飛びついていたので、教えられた所が解けたようだ。

 

 

市の筆記はまあまあの出来だったと記しておこう。

 




成績順
1位:八百万
2位:飯田
3位:爆豪
4位:緑谷
5位:轟
6位:天魔
7位:蛙吹
8位:耳郎
9位:尾白
10位:峰田
11位:障子
12位:口田
13位:砂糖
14位:麗日
15位:常闇
16位:切島
17位:葉隠
18位:瀬呂
19位:青山
20位:芦田
21位:上鳴
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