「組の采配ですが……まず芦戸・上鳴の二人。良くも悪くも単純な行動傾向にありますので……校長の頭脳でそこを抉り出して頂きたい」
「オッケー」
「轟。一通り申し分ないが全体的に力押しのきらいがあります。そして八百万は万能ですが咄嗟の判断力や応用力に欠ける…よって俺が“個性”を消し近接戦闘で弱みを突きます」
「異議なし!」
「次に緑谷と爆豪ですが……オールマイトさん頼みます。この二人に関しては能力や成績で組んでいません…。
「ま、任せてもらおう!」
「そうだ相澤くん、先に聞いておきたいんだけど、一人余る事については考えてるの?」
「はい。これは数日前に本人から相談を受けました。天魔と俺が
「…校長、それっていいんですか?演習試験の目的は各々の課題をペアでぶつけること。常闇と同じようにエクトプラズムでの人海戦術ではだめなの?」
「相談ってのは「最低限1秒に100回」を目安とした攻撃速度を求められました。オールマイト先生でも考えましたが…」
「うん、活動時間ギリギリになってしまうよね!」
「その自信が個性からくるものなのか、俺はまだ判断出来ていません。ですから天魔との試験では、重りを外して挑みます」
「いくらなんでもそこまで…」
「いや、相澤くんは正しいよ。それが慢心だとしたら、このままでは危ない。それに聞いた話だと、「神になりたい」と言っていたんだろう?」
「それは俺も聞いたぜイェー!あまりにも堂々としてたから拍手しちまう所だったぜ!」
「じゃあ相澤くんの負担を考えて、10組が終わった後だね。我々教師側も、リカバリーガールの所で観させてもらおう」
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開始から10分経過、最初に条件達成したのは轟・八百万チームだった。「なんだかんだあまい男」とリカバリーガールが言っていたので、やはり最後のは敢えて策に乗ったらしい。
そういうのが、生徒に慕われる所なのだろう。
マイクを通して轟・八百万チームの勝利が全体に伝わり、市は次の演習試験の為にステージへと移動する。残り時間はあと20分、相澤先生の拘束でも解いて待っていよう。
ああ、それと対戦ステージも回って把握しておかないと。時間があるんだからその位はしておかなければ。
『緑谷・爆豪チーム条件達成!』
おや、意外な組が二番手でクリアか。あの二人はどこか相入れないものがあると勝手に思っていたが、勘違いだったようだ。
なるほど、このステージの敷地は四角か。相当広い上に住宅街が完全に再現されている。有事の際には一般人の避難場所にもなれそうだ。
『蛙吹・常闇チーム条件達成!』
轟が出した大氷壁が残ってる。溶かさなかったのか…これは市の時に残っていれば死角として使えそうだ。別に無くなっても構わないが、なるべく選択肢は多い方がいい。
『口田・耳郎チーム条件達成!』
……
どうしてこんな所に……ああ、ここで轟が吊るされたのか。すぐ脱出すればいいのに何か考え事でもしていたのかしばらくぶら下がっていたな。
『報告〜〜〜飯田・尾白チーム…条件達成!!』
所々に相澤先生の捕縛布が落ちている。あの大氷壁にも凍ったものが付着していたし、相澤先生は回収しない主義なのだろうか?
『報告〜〜障子・葉隠チーム……条件達成!』
なんか、だんだん放送するのが面倒になってきた空気がスピーカーから伝わってくる。相澤先生的には複雑だろうけど、轟・八百万チームが一番にクリアしたからゆっくりと休んでほしい。
『あっとここで麗日・青山チーム……条件達成!!』
終盤にきてクリアしていくチームが多い。皆よくやっているようだ。
……電柱が溶けている。これは最後の轟がやったものか。形状記憶合金の加熱に用いた炎が塀や電柱の一部を溶かしている。これは危ない、もう少しで崩れてしまいそうだ。
制限時間も残り数分。残りは芦戸・上鳴チームに砂糖・切島チーム、瀬呂・峰田チームか。対戦相手を思い出し、悪いがどのチームも無理そうだと考える。
『峰田・瀬呂チーム条件達成!!そして…タイムアップ!!期末試験これにて終了だよ!!』
………へえ、ギリギリで滑り込んだんだ。
少しクラスメイトを舐めていたらしい。全員分の評価を改めなければ。
今回、条件達成出来なかった芦戸、上鳴、砂糖、切島は残念ながら林間合宿はお留守番か。ムードメーカーがいないのは少し残念だが、補習を頑張ってこなしてくれ。もしかしたら市も仲間入りするかもしれないからそれを期待していてほしい。
アニメ版では、地面に引き倒されたお茶子に個性使おうとする13号先生に向かっていって手を拘束するあたり、青山くんはちゃんと判断力も高くて立派なヒーロー志望なんだなと思いました。
冷静に周りを見てる青山くん好きです。