俺とハタと宇宙人と   作:fruit侍

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ども、フルーツ侍です。パワポケ11の裏サクセス神だよねってことで書きたくなってしまいました。今更感が半端ないですが、何とぞよろしくお願いいたします。




ハタ人間編で好きなのは夏菜です。夏菜可愛いよ夏菜。


プロローグ 始動

俺は小波良太郎。四国地方に住む中学二年生。兄弟はおらず、父さんと母さんと三人で暮らしている。

 

俺は今朝飯を食べている。今日は待ちに待った終業式。明日から夏休みだ。クラスの奴等と何処かへ行くのが待ち遠しい。

 

俺は違和感に気づいた。うちの時計はまだ7時を指していた。俺が起きたのは6時。朝飯を準備して、更に庭で素振り、近所でランニングをしてきたのに、まだ7時だ。いくらなんでも遅すぎる。俺はテレビをつけてみる。

 

「ってえ?!8時?!」

 

この時の俺、ナイス。うちの時計は遅れてた。ていうかやばいやばい。悠長に朝飯なんか食べている暇なんかない。いつもは隣のるりかが起こしに来てくれるはずなんだけど…。

 

「って、こんなときに考え事してる場合じゃない!遅刻なんかしたら皆にバカにされる!とにかくいってきまーす!」

 

 

俺は家を出る。マンションだから階段を下りるのも一苦労だ。

 

「…ふう。階段ダッシュは下りだろうとキツいよ。」

 

俺は一応野球部だが、未だに家の階段ダッシュだけは慣れない。というか、慣れるもんなのか?あれ。

 

「おはようでやんす。」

 

「おおメガネ。おはよう。」

 

こいつは落田君。クラスメイトの一人で、かなりのアニメヲタクだ。デカイメガネが特徴的なので、皆からはメガネって呼ばれてる。本人はそれでいいらしい。

 

「おいおい、そんなのんびりしてたら遅刻するぞ?」

 

「どうせ明日から夏休みでやんすから、今日は遅刻してもいいのでやんす。」

 

…そういう考え方もあるのか。いやいや納得しちゃダメだ俺。

 

「でも遅刻は駄目だろ。」

 

「まあ確かにそうでやんすが…とりあえず少し走った方が良さそうでやんすね。」

 

俺達は走り出す。メガネも一応野球部なので、体力はある。

 

少し行ったところで、奇妙な物を見つけた。沢山の人が並んでいるのだが、その人は皆共通して、頭に『ハタ』らしき物を立てていた。何かのイベントだろうか?でも流石にあれは悪趣味じゃないか?

 

「あれは…なんだ?」

 

「頭にハタを立ててる人が沢山いるでやんすね。」

 

「何かイベントでもあったっけ?まあいいや、係わり合いにならないようにしよう。」

 

見ただけでやばいと感じた俺らは、『それ』に近づかないようにした。…このときの俺達は、これから10日間にわたって奇妙な戦いの日々を過ごすことになろうとは、夢にも思っていなかった…。

 

「ってか遅刻だ遅刻だ!」

 

「急げー!でやんす!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~学校~

 

(わいわい、がやがや)

 

朝のHRの時間が近いのに、教室はどこもまだ騒がしい。これ遅刻しても気づかれなかったのでは?

 

「よう、二人とも遅刻すれすれだな。」

 

「おはよう、平山(ひらやま)。」

 

こいつは平山。皆からは役立たずと言われてばっかな役立たずだ。鼻にいつも絆創膏を貼っているが、なんで貼っているのかは教えてくれない。

 

「なあ、キャンプに行かないか?UFOが出るらしいぜ。」

 

「UFO?」

 

UFOねえ?まあ確かに、最近はUFOに関するニュースが多い気もするが。でもどうせ、いたずらか見間違いだ。

 

「UFOが目撃されるという場所でキャンプをするつもりなんですよ。あくまで天体観測が本来の目的ですが、最近UFOの目撃情報が多いので、我々がUFOを見られる可能性は十分にあります。」

 

こいつは(つつみ)。中学生にしては学者のようで、同級生に対しても敬語を使う。最近は非科学的なことにはまり始めているみたいだ。

 

「へえ、その話からすると、堤が言い出したのか。」

 

「ええ、そうですよ。石田(いしだ)君も一緒です。」

 

「ムホ~僕も行くんだよ。おやつ一杯持っていくんだ。」

 

こいつは石田。三度の飯よりおやつが好きな奴だ。食べるのも速いが、食べ物を見つけてくるのも異常に速い。この前なんか学校の校庭で食べられる草を何枚か千切って食べていた。

 

「僕も行きたいんだけど…母さんの許可がもらえるかなぁ。」

 

こいつは村山(むらやま)。俺ははじめ君と呼んでいるが、気が弱く、怖がりだ。カレーを作るのが得意で、たまに俺達は食べさせてもらっている。

 

「村山君の家は厳しいでやんすからねえ。」

 

「僕もUFO見たいよぉ。」

 

…UFO出る前に怖がって帰らなければいいけどな。

 

「…おはようございます。」

 

「お、おはよう、るりか。」

 

さっきも少し出てきたが、こっちはるりか。俺の幼なじみで、お節介なところがある。でも弱いから、俺が守ってやらなきゃ駄目だ。

 

「そういえば、今朝はどうして待っててくれなかったんだ?」

 

「母さんの所に行くから一緒に行けないって、昨日に言ったはずです。」

 

「あれ?そうだっけ?」

 

言い忘れていたが、るりかのお母さんは病弱で、入退院を繰り返している。そして最近また入院した。早く良くなってくれればいいけど。

 

「なになになに?一体何の話?」

 

「…おい、リコ。人の話に割り込んでくるなよ。」

 

こいつはリコ。肉食系で、正直こいつは男子の方がよかったんじゃないかって思うほどだ。あと剣が得意。

 

「何よその言い方!あたしに聞かれたらまずいわけ?このリコちゃんに隠し事?」

 

…本当面倒な奴だ。

 

「おおいリコ、ちょっと退いてくれ。良太郎と話があるんだ。」

 

こいつは越後(えちご)。一言で表すなら、バカ。鈍感。そんな言葉で表せる人間の形をしたゴリラ。口癖は「ばっちこーい!」と「やれやれだぜ」。

 

「退いて欲しいならリコ様と呼びなさい。越ゴリラに、あたしを呼び捨てにする権利なんて無いから。」

 

あと、リコとかなり仲が悪い。

 

「なんだい、そりゃあ。やれやれだぜ。良太郎、それより来週末のサッカーなんだけど、人数が足りないから助っ人に来てくれないか?」

 

「こら、越後のくせにあたしをさらっと流すな!」

 

「来週?」

 

「ああ、代わりに野球の試合の時、助っ人に俺と越後が入るってことでどうだろう?」

 

こいつは青野(あおの)。柔道部なのだが、本人はアメフトをやりたいらしい。

 

「ああ、そうしてくれると青野は頼りになるからこっちも助かるよ。」

 

「おいおい、その言い方だと俺は頼りにならないみたいじゃないか。」

 

「そう言われてんのよ、越ゴリラ。」

 

リコ、正解だ。

 

「…野球の試合って?」

 

急にるりかが聞いてくる。

 

「あれ?言ってなかったっけ?次の火曜に野球部が対外試合をすることになってるんだ。」

 

「もう、そういうことは早く言ってくれないと。こっちにもいろいろと用意もあるんですからね。」

 

用意ってなんだ用意って…。

 

「そんなことより、この後皆でどっか遊びにいかない?もう夏休みは始まってるんだから!一日だって無駄には出来ないよっ!」

 

それから少し皆と話した。

 

 

ガラガラ

 

 

教室の戸が開く。深雪ちゃんだ。俺達の担任、田中深雪(たなかみゆき)先生。別名深雪ちゃん。今年入ってきた先生で分からないことが多く、俺達生徒には嘗められまくりな可哀想な先生だ。同情する気はないが。

 

「皆!明日から夏休みだけど、怪我や病気に注意して元気に二学期を迎えましょうね。」

 

(わいわい、がやがや)

 

当然そんな先生だから、うちのクラスの奴等は話を聞く気もない。

 

「あ、あのー?みんな、聞いてくれてる?」

 

そんなわけないだろ、と思ったその時、唯一深雪ちゃんの話を聞いている奴が立つ。

 

「皆!静かにしてよ。田中先生の話が聞こえないじゃない。」

 

神条紫杏(しんじょうしあん)。ガリ勉で、丸メガネが特徴だ。その印象から、皆は委員長と呼んでいる。そして唯一の、深雪ちゃんの話を聞いてくれる奴。

 

「いいじゃねえか。どうせたいしたこと言ってねえよ。」

 

有田修吾(ありたしゅうご)。いわゆる不良というやつで、深雪ちゃんに強く当たる奴だ。だがイケメンで、性格も相まって意外にモテるらしい。

 

「誰かが前で話しているのに騒いでいるのは、お行儀が悪いって言ってるのよ、有田君。」

 

まあ確かにそれは正論だが…。

 

「ケッ、どうせ委員長は先生のご機嫌取りたいだけだろ。」

 

「なんですって!キーッ、取り消しなさい!」

 

全く委員長はすぐ反応する。あそこで冷静になれれば、苦労はしないのにな。

 

「…どっちもガキよね。」

 

「…全くだ。」

 

壁際の席で二人が呟く。女子の方は白瀬(しらせ)。マイペースで、よく一人でいる。友達がいないとか言われているが、そうではなさそうだ。怖いものがないと思われるくらい怖いもの知らずだ。最近じゃ、先生の許可もなしに屋上に行ったとか。男子の方は大神(おおがみ)。冷静だが、人の話を聞かない。その上成績がいいくせに、考えてることは世界征服など訳の分からないことばかり。

 

「ところで大神。アンタさっきからなにやってんの?」

 

「フッフッフ、白瀬よ。実は、この夏休みを利用してこの辺りの学校を支配下に置こうと計画を立てているのだ。」

 

「ふーん。」

 

…おいおい、支配下に置いて何になるんだ。それにそれを実行するためには、致命的な欠点があるぞ。

 

「でも、どこの学校も夏休みで誰もいないんじゃないの?」

 

「うおっ、そういえば!」

 

(あーあ、バカばっかり。)

 

白瀬が何を考えているのかよくわかる。そうだ、その通りだ。

 

 

そして、一学期最後の学活が終わった。

 

 

(キーンコーンカーンコーン)

 

さてと、帰るか。今から夏休みなんだな。っと、横で女子が何か話してるな。帰る準備するふりして聞いてみるか。

 

「ユイって水着はどんなのにしたの?」

 

「ズバリ、今年のテーマはおヘソ!」

 

片方はエリと、もう片方はユイだな。

 

エリ。村山君並みかそれ以上の気弱で、ちょっとしたことがあると泣く。どこか、男子を避けている気がする。

 

ユイ。俺の野球部のマネージャーをやっている。元気いっぱいな野球部のアイドルだが、男の急所を狙う一撃の殺人キックは被害者が多い。俺も経験済みだ。

 

「ええっ、おへそ見えてるの?」

 

「エリ、そのくらいの大胆さは必要よ。何しろ、中学二年の夏は今年だけ!」

 

「ええ~。」

 

…今年がなくても来年や再来年はあるだろうに。それより中学二年生のビキニなんて誰が見たがるんだ?中学二年生はスク水とかの方が…って俺は何で女子の水着について考えてるんだ。

 

「ははは。別に無理してユイの真似しなくてもいいんじゃない?エリは、自分にあったものを自分で選んだ方がいいと思うな。」

 

この声は、夏菜か。

 

霧生夏菜(きりゅうかな)。男勝りな口調が特徴で、料理が得意らしい。俺は食べたことないけどな。

 

「そ、そうだよね!でも、あたし一人じゃ心細いなぁ。ね、夏菜もついてきて。」

 

「しょうがないなぁ。じゃあ、帰りに三人で行こうぜ。」

 

「ごっめーん、今日は店の手伝いやんないとダメだから。エリのこと、夏菜に頼んでいい?」

 

「あ、そうなんだ。エリ、それなら二人でいこうか。」

 

「うん。」

 

なるほどなるほど。大体理解はできたぞ。

 

「…ん?なんだ?良太郎も一緒に来たいのか?」

 

しまった、長居しすぎた!

 

「えっ?!い、いやー俺はその…な?海水パンツくらい家にあるし。別に。」

 

「そそそそうだよう!男の子が一緒なんて絶対だめ。」

 

「分かってるって、冗談だよ。」

 

冗談だとしてもそういう冗談は止めて欲しいな。…ちくせう。

 

 

そして、俺は家に帰ってきた。

 

 

「やれやれ、皆と遊んでいたら遅くなっちゃったな。ただいま~。」

 

そこで俺は見た。

 

「お帰りなさい。」

 

頭に『ハタ』が立った母さんを。

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