俺達は病院に向かった。るりかに言われた事を思い出したからだ。
「るりかの母さんは三階の東側の病室って言ってたな。」
「急いで助けるでやんす!」
俺達は病院に突入した。やはりハタ人間が多く、あちこちを歩き回っていた。その監視をくぐり抜け、俺達は無事二階にたどり着いた。
「ここには薬が置いてあるはずだ。使えるものは持っていこう。」
ここは一応病院だ。薬やら包帯やらはあるはず。使えるものは持っていかないと、俺達が生き残れない。
「ここは…リハビリ室だな。」
二階にある一つだけ大きい部屋。そこは、リハビリ室だった。もしかしたら、クラスメイトが隠れているかもしれないので、俺達は入ってみることにした。
「開けるぞ。」
俺はリハビリ室の扉をそっと開けた。すると、
「どりゃあっ!」
「ぐえっ!」
腹に殺人キックが飛んできた。急所が外れてるとはいえ、痛い。
「あ、ユイ!」
「あ、夏菜!」
やはりこのキックの正体はユイだった。
「いててて…痛いじゃないか!」
「ゴメンゴメン。急所を外しちゃった。次はよーく狙って…」
そう言うとキックの正体、ユイは、俺の急所に狙いを定める。マジであれは洒落にならないくらい痛い。
「わー、こら!俺はハタは立ってないぞ!」
少し経ち、なんとかユイを落ち着けることに成功した。
「いやー、私もそそっかしいわねえ。あははははは。」
「とにかく無事でよかった。ところでどうして病院に?」
いないはずのユイが病院にいるのは不自然だと思ったのだ。
「学校から家に帰るとね、お父さんがハタを片手に忍び寄ってきたから、急所を思いっきり蹴り上げたの。そしたら口から泡を吹いてピクピクしてたから、慌てて病院に来てみたら、もう大変。キックは連発するもんじゃないわね。」
どう考えても、大変だったのはハタ人間の方だろ…。
こうして俺達はクラスメイト、ユイの無事を確認した。
その後俺達はるりかの母さんを救出するために、三階へ行った。三階に着き、俺はずっと思ってたことを言う。
「それにしても…病院って気味が悪いよなぁ…。」
「そうでやんすね…。」
病院はメジャーな恐怖の舞台の一つなのだ。廃病院から幽霊が出たという話はよく聞くし、病院関連のホラーゲームも多い。
「ばあっ!!」
「うわぁ!出たぁ!」
あまりの驚きに平常心を保てなかった俺は、つい声の方に水鉄砲を構えて撃ちまくってしまった。どうやら正体はハタ人間だったらしく、上から下までびしょびしょだ。
「…なんだハタ人間か。驚かすなよな。」
俺達は先に進もうとする。
(カツン!)
すると何かを踏んだ。
「あ、カギだ。」
「何だか大きいでやんす。」
メガネの言う通りそのカギは、俺の手の大きさくらいあった。俺はそのカギについている札を読んだ。
「どうやらこれは…モールの冷凍庫のカギらしいな。」
一度職場体験があった時に、中に入らせてもらったことがある。そこは、この世の終わりと思えるくらい寒かった。
「ここにはるりかの母さんはいないみたいだな。」
「別の部屋を探すでやんす。」
俺達は別の病室をくまなく探した。そして、
「……。」
「いた!るりかの母さんだ!」
ついにるりかの母さんを見つけた。俺達は近づく。
「ハタはまだ立ってないでやんす!」
とりあえず無事のようだ。俺は呼び掛けてみる。
「るりかの母さん!良太郎です、助けに来ました!」
「…」
しかし返事がない。ただn…ってもうこれはいいよ。それに勝手に殺しちゃ駄目だ。
「呼吸はしてるようだが、目を覚まさないな。」
「無理に起こすのはまずいな。ここに置いていく訳にはいかないし、基地に運ぶぞ!」
「良太郎君、あっちに担架があるでやんすよ!」
俺達はるりかの母さんを担架に乗せた。
「よし、これで準備は出来た。急いで基地に戻るぞ!」
俺達は急いで基地に戻る。ただ、慎重に。
そして、ようやく基地に到着した。
「るりか!母さんを助けてきたぞ!」
「え?!」
奥からるりかがやってくる。やはり、心配だったんだな。
「お母さん!お母さん!」
やはりるりかの母さんは反応しない。
「ちょっと見せてみい。」
すると教授が来て、るりかの母さんを調べた。
「ふむ、命に別状は無いようじゃが、何らかの原因で昏睡状態に陥ってるようじゃな。もしかしたらそのお陰で、ハタ人間になるのを免れたのかもしれん。」
「教授!分かるんですか!」
「ワシを誰だと思っておる。医学は専門外じゃが、天才のワシに不可能などない!」
天才というのはあまり頷けないが、それだったら治す方法もわかるはずだ。
「それじゃ、治す方法も!!」
「当然じゃ!幸せ草を10、青い石を4、黄色の粘液を7持ってくれば、ワシがすぐに治す薬を作ってやろう。」
…そんなものでどうして薬ができるんだ?
「…なんじゃ、天才のワシの言うことが信用できんのか?」
「いや、そんなことはないですよ!天才じゃなかったら、あの光線銃なんか作れないでしょうし。」
「ふふふ、そうじゃろそうじゃろ!」
なるほど、教授は煽てられるのに弱いんだな。今度使ってみるか。
「ええ、私も信じます。…良太郎、一緒に集めてくれますか?」
「うん、勿論だよ!少しでも早く目覚めさせてあげようよ!」
俺達は、るりかの母さんを必ず目覚めさせることを目標とした。
俺達は少し休み、次に行く場所を決定した。
「そういえばモールの冷凍庫のカギを拾っていたな。よし、モールに行ってみよう。」
俺達は病院でモールの冷凍庫のカギを拾っていた。使わないのも勿体ないので、モールに行くことにした。
そして、モールに着いた。
「モールに着いたぞ。」
モールに着いた俺達は、すぐさま探索を開始した。
「まずは食料の調達だな。」
「それなら私に任せてくれ。」
夏菜は食料のことに関しては人一倍目が光る。
「缶詰めとかインスタント食品ばっかりじゃ、体に悪いからな。ちゃんとした料理を食べないと。ここの電気設備はまだ生きてるからな。」
夏菜の料理…食べてみたいなぁ…。
「そういえば冷凍庫のカギがあるんだったな。冷凍庫に行ってみよう。」
モールに来た半分の理由を、俺は忘れかけていた。俺達は冷凍庫に着いた。すぐそこだったからな。
「ここからでも、ちょっと寒いな…。」
あの時の記憶が蘇ってくる。しかしそんなことを考えてる場合ではない。俺は覚悟を決めた。
「よし、開けるぞ。」
俺は冷凍庫のカギを使って扉を開けた。そこにいたのは、
「あ!石田!」
「ムホー!!良太郎とメガネと霧生だ。」
(むしゃむしゃ)
沢山の食べ物に囲まれた石田だった。俺達はここにいた理由を聞いた。
「なんだって?ずっとここに隠れてた?」
「うん。ここだと食べ物に困らないし。」
まず一つの疑問があった。
「寒くなかったのか?」
ここはかなり温度が低い場所だ。寒いと感じない人間は少ないだろう。
「…いや、そんなことはどうでもいいか。それよりここにいたら、そのうちハタ人間に見つかって酷い目にあわされるぞ。」
「ぶぅ~、やっぱり?」
「基地に行ってろ。あの南西のビルだ。食べ物も集めてあるからさ。」
「うん、分かった!じゃ、おやつを持って行っておくよ。」
こうして俺達はクラスメイト、石田の無事を確認した。
さっきの場所と変わって、今は二階。ここは、最初に夏菜と会った場所であるおもちゃ売り場がある場所だ。
「なんでここに来たでやんす?」
「水鉄砲は多い方がいいからな。それに、ここには役に立つ物があるだろうし。だけど、まだ人数が多くないし、二、三丁くらいでいいかな。」
俺達は水鉄砲を三丁ほど取って、持ってきていたリュックにしまう。すると、足音が聞こえてきた。
「っ!誰か来る!隠れろ!」
俺達は見つからないように隠れる。暫くすると、足音が止まった。
「これこれ!これだよ!」
聞き覚えのある声がした。
「全く、これで本当に倒せるのかねぇ…。」
また聞き覚えのある声だ。
「フッキー、試し撃ち行こ!」
「…そんな危険なことしなくていいんじゃない?」
「何言ってんの。危なくなってから試したって遅いかもしれないじゃん?本当に水が効くのか試そ!」
「全くしょうがないわね…って待ちなさいよ!」
足音が遠ざかっていく。間違いない。リコと白瀬だ。声からして水鉄砲を取って行ったのか?だとしたら何処でその弱点を知ったんだ?いろいろ疑問が出てくる。ってそんなこと考えてる場合じゃない!
「リコと白瀬を追うぞ!」
俺達はリコと白瀬の後を急いで追った。無事な仲間がいるなら、一人でも多く仲間にしておきたい。
怪奇!ハタ人間編 二日目 6:00
決戦まで残り 八日と18時間