俺達は基地に戻り、体制を整えることにした。しかし思ったのが、
「仲間が集まってきて、誰を連れていったらいいのか分からなくなってきたよ。」
仲間が集まってくると、連れていく奴の選び方が難しくなってくるのだ。俺も人のことは言えないが、こいつらは好奇心旺盛な中学生だ。この状況でただここにいるって言うのは本当に退屈でしかない。この状況だからこそ出来ることをこいつらにはさせてやりたい。っていかんいかん。何考えてるんだ俺は。これは遊びじゃないんだぞ。
「私も行っていいですか?」
「え?」
奥から出てきたのはるりかだった。
「あなたはすぐ無茶をするし、私がいれば、この中であなたのことを一番知ってるのは私ですから、手助けは出来ると思います。水鉄砲も、これがありますし。」
するとるりかは見覚えのない水鉄砲を出した。
「るりか水鉄砲持ってたの?」
「…覚えてないんですね。」
「えっ?」
俺は脳内を模索してみる。すると、一つの記憶が蘇ってきた。
(これでるりかとお揃いだね!)
(はい!)
…思い出した。これは、俺が忘れてはならない記憶だった。
「そういえば、小さい頃にお祭りで買った奴か!」
「思い出したんですね!」
「うん。それにしても、よく覚えてたね。俺なんか言われるまで忘れてたよ。」
「だって、これはあなたが買ってくれたものですから…。」
最後の方に何と言っていたかは聞こえなかった。
「え?」
「い、いえなんでもありません!ほら、早く行きましょう!」
「え?あ、うん。」
俺達は基地を出ようとした時だった。
「ちょっと良太郎。あたしを置いてどこ行く気~?」
「リ、リコ!」
後ろから目を光らせたリコが肩を掴んできた。はっきり言って、超怖い。
「こ、これから探索に…。」
「ふーん。ねえ!あたしも行っちゃダメ?」
やっぱりこうなるのか…。どうせこいつのことだから、止めても行きたがるだろうしな。
「分かった。一緒に行こう。でもその代わり、独断行動はよっぽどのことがない限りするなよ。」
「分かってるって~!」
…嫌な予感しかしない。
こうして俺達は、俺、夏菜、るりか、リコのメンバーで探索をすることになった。
俺達は北公園に向かった。言い忘れていたが、俺達の住む街には、大きな公園が二つある。その二つは対照的に北と南にあるので、北公園、南公園と呼ばれている。先程は南公園に行ったが、今回は北公園である。理由はというと、
~行き先を決めようタイム~
「この街には大きい公園が二つあるんだけど…北公園は迷路みたいに入り組んでて見通しが悪いんだよな。」
「じゃあ、誰か隠れてるかもしれないな。」
よし北公園に行こう。
~行き先を決めようタイム、終了~
というわけである。そして、
「北公園に着いたぞ。」
タッタッタッ…。
何か人影が見えた。
「ん?」
「どうしたでやんす?」
「今、誰か走っていかなかった?」
「見てないでやんす。ハタ人間を見たんじゃないでやんすか?」
「そうなのかな。」
ハタは立ってないように見えたんだが…。
「仲間を探すでやんすよ。」
「そうだね。先ずは右の方に行ってみよう。」
北公園は入り口から見て、右と左に分かれている。左は小さいスペースしかないが、右は結構入り組んでいる。なので、今日は右を探索する。
「ここら辺には誰もいないな。よし、奥に行ってみるぞ。」
俺達は更に奥へ進む。
この公園は見通しが悪く、探索が困難だ。ちょっと行けば、死角になるところも多く、待ち伏せされていたら分からない。
(ガサガサッ!)
「うわっ!なんだ?!」
俺は水鉄砲を構える。が、出てきたのは、
「げえっ、G?!」
とてつもなく巨大なGだった。ちなみに皆はというと、
「すごいな。料理中にもよく出てくるが、ここまで大きいのは初めてだ。」
「ハタ人間の次はデカいG?!わざわざ基地から出てきた甲斐があったね!」
「大きいですね…。いつもだったら逃げ回ってますが、今は良太郎が一緒です!もう私は逃げません!」
ご覧の通り、ビビっている様子がない。女性陣つおすぎィ…。
「って、そんな事言ってる場合じゃない!皆、やるぞ!」
俺は水鉄砲をしまい、ハンドガンを構える。
「うおおっ!」
しかし相手が相手なので、俺の手は震えまくりだ。もちろん糞AIM発動。料理中に出てきたときの全国のお母さんの気持ちが分かる気がする。
「とおりゃっ!」
「たあっ!」
リコが木刀で叩き潰し、夏菜がハンドガンで一匹残らず撃ち抜く。
「ふう…。」
「なんだ、大したことないね。」
俺らが安心していたときだった。
ガサ…。
「うわっ!まだ生きてるぞ!」
何匹か動き出した。やはりこいつらもしぶといところは変わってないな。
「はあっ!」
夏菜が撃つが、全く当たらない。先程よりスピードが上がっている。火事場の馬鹿力ならぬ、火事場の馬鹿速度だな。
「ちょっと良太郎!夏菜!下がって!」
リコが木刀を後ろに構える。
「避けられるんなら…」
そしてリコは襲いかかってきたGに向かって勢いよく木刀を降る。
「避けられなくすればいいのよ!」
Gは真っ二つ。そうか。空中では動きの自由がきかないもんな。
「や、やったな…。」
「油断禁物ですよ!」
るりかが俺の後ろにいたGを撃ち抜く。あ、危なかった…。
「今度こそやったね。」
「弱かったけど、ちょっと面倒だったな。」
「もうあまり戦いたくありませんね。」
ていうか俺ほとんど活躍してない気がするんだけど?
「うわあっ!」
そして次は誰かが出てきた。その人物には見覚えがあった。
「あ!はじめ君!」
村山君ことはじめ君だ。
「ごめん、助かったよ。ハタの立った人達から逃げてたんだけど、そしたら襲われちゃったんだ。うう、恐いよぉ。」
「はじめ君、無事だったんだな。」
「う、うん。はっ!そういえば!お母さんにもしもの事があったらどうしよぉ!お母さんは何処!何処なの!」
「落ち着け!はじめ君!とりあえず安全な場所があるんだけど、一人で行けるか?」
「だ、大丈夫だよ。僕だって男なんだ。…あ、お母さんを探さなきゃ。」
「ああ、そっちは任せてくれ。」
はじめ君はお母さんの事になると本当に冷静じゃいられなくなるからな。
「…マザコン。」ボソッ
「石川さん、どうかしたの?」
「え~?別に~?」
俺も思ってたことを言ったな…。はじめ君に聞こえてなかったから良かったようなものの…。
こうして俺達はクラスメイト、はじめ君こと村山の無事を確認した。
そして更に奥へ進むと、人を見つけた。
「…。」
「あれ?あれってアカネじゃないか?」
俺がいつも可愛がってた小学生、アカネだ。
「そうでやんす。ハタが立ってないでやんすから、アカネちゃんも無事だったでやんすね。」
「ここにいると危ないから、早く保護しよう。おーい、アカネー!」
「…。」
(おーい、アカネー!)
ピクッ!
「これは良太郎お兄ちゃんの声です!でもこれはきっとワナです!頭に変なの立てられます!アカネは騙されません!」
タッタッタッ…。
「お~い…。」
アカネが何処かに行ってしまった。
「行っちゃったでやんす。良太郎君、嫌われてるんじゃないでやんすか?」
「いや、そんなことはないと思うけど…。」
俺自身、アカネに何かしたという覚えもないしな。
「小学生に何をしたでやんすか?」
「い、いや、何もしてないって。」
「本当でやんすか?」
「本当だよ。とりあえず次にアカネを見かけたら、ちゃんと保護しよう。」
「そうでやんすね。」
アカネの救出も頭に入れて、俺達はその場所を離れた。
「…で、小学生に何したの?返答次第じゃ、そこのゴミ箱に頭から突っ込むことになるけど。」
「だから何もしてないって!」
やばい。リコが怖い。
「最近アカネが悲しそうな顔してたのは、それが原因だったんだね。」
「お前絶対適当に言ってるだろ。」
アカネはいつものように元気だったよ。悲しい顔なんてしてるはずがない。
「良太郎はまだ中学生だから、犯罪にはならない。安心していいぞ。」
「お、おい。」
か、夏菜。違うんだって。ましてやそんな大の大人がしたら犯罪になることなんて…。
「アカネちゃんに何したんですか?正直になってください。」
「本当に何もしてないんだって!」
るりかまで…もう俺泣いていいかな?とりあえず早くアカネを保護して、誤解を解いてもらった方がいいな。いや、解かなきゃ。俺のメンタルが壊れる前に。
怪奇!ハタ人間編 二日目 10:00
決戦まで残り 八日と14時間
るりかのアカネイベントはオリジナルです。