〜メルツェルside〜
えぇ〜イルンエバの現在の天気をお伝えします。
現在の天気は………………。
「何なんだ一体!?」
晴れ時々、7.62mm弾とロケット弾、100kg爆弾の雨が降るでしょう。
…………というか現在進行形で降って来てるわバカ野郎ォォォォ!!!!
折角気持ちのいい朝を迎えられたのに空襲なんか仕掛けてきやがって!!
お陰でこちとら朝っぱらから全力疾走中だよ!!
止まったらバラバラだよ!! あれでぇ!!
房の扉が開いたのは幸運だった……。
ていうか解放された囚人達は今どこから取ってきたのか銃火器持って飛行場とかハンガーで鎮圧部隊と銃撃戦繰り広げてるし。
あとバレないように洋式トイレのタンクの中に隠してたMe-264のハンドル何故か持ってきちゃった。
〜ヴァオーside〜
クソっ!結局ハンドルを見つけられなかった!!
どうする……?このままじゃアレの操縦なんて出来ない。
何とかメルツェルを見つけ出して取り返さねえと!!
〜オッツダルヴァside〜
囚人達と空賊団の協力のお陰で何とか飛行場に乗り込む事が出来た。
しかし、早くMe-264を奪取しなければ所長に持ち逃げされてしまう。
急いで飛行場の滑走路に辿り着くと既にMe-264が離陸の準備を行っていた。
「一足遅かったか!!」
逃がすまいとMe-264の所までオールドキングと共に全力で走る。
しかし私はある事に気付く。
……何かが変だ。
こちらからMe-264まではそれなりの距離があるのだが、何時まで経っても動き出す気配がない。 エンジンが稼働してるだけだ。
取り敢えずそれを僥倖と捉えて機体側面の扉をこじ開け、中に突入する。
機内には案の定、諸悪の根源である所長とその副官、護衛が二人いた。
まずは護衛二人を短機関銃で射殺し、コックピットにいる所長と副官を銃口を向けながら手際良く機内から叩き出す。
そしてコックピットの操縦席に座った時、何時まで経っても動き出す気配が無かった理由を知った。
「なっ……!? ハンドルは!?ハンドルはどこに行った!?」
本来あるべき筈のハンドルだけがすっぽりと抜けており、元はハンドルが挿してあったのであろう穴だけが残っていた。
「どうする!?このままじゃ操縦なんて出来ねえしそれよりも囚人達が押し負けそうだ!!」
オールドキングも機外を警戒しつつもかなり焦った表情をしていた。
こんな事態を私は予想なんてしていなかった為、どうすればいいか分からなくなった。
飛行場で囚人の方が押し返されてきている事も余計に私を焦らせた。
それにヴァオーもまだ来ていない。
どうすれば……どうすれば良いんだ!?
〜メルツェルside〜
全力疾走の末に飛行場に辿り着いたと思えば今度は囚人と鎮圧部隊のドンパチに巻き込まれた。
背を低くしながら銃火を掻い潜り、逃げられそうな場所を探す。
全く、ドンパチはハリウッド映画だけにして欲しいものだ!
あとヴァオー。 お前どうやって俺がハンドルを隠し持っていた事を知った!?
隠蔽工作は完璧(トイレのタンクに突っ込んだだけ)筈……。
ヴァオーがハンドルを寄越せなどと捲し立てて来るが今はそんな場合では無い。 早く逃げないと。
ふと滑走路の方を見ると、あのMe-264が飛び立とうとしているのが見えた。
エンジンは既に稼働しており、離陸準備万端といった風に見える。
それを見た瞬間、俺はそこに向かってさっきの全力疾走よりも凄まじい速度で駆けた。
お前らだけ逃がすかァァァァァァァ!!!!
俺も乗せろォォォォォォォォ!!!!
あまりの急加速に隣にいたはずのヴァオーが後ろを振り返れば豆粒ほどにまで小さくなっている
さっきも思っていたんだけど俺ってこんなに持久力あったっけ?
前世の頃は走りなんて中の下位の成績だった筈だぞ。
何とか飛び立つ前に追いつく事が出来、ヴァオーも息を切らしながら追い付いてきた。
しかし、機体に近付こうとしたらそこに何故かいたオールドキングに銃口を向けられた。
〜オールドキングside〜
「ヴァオーは乗せられるが……お前は駄目だ、悪いな」
銃口を向けられているにも関わらず、奴……メルツェルは驚く素振りも見せない。
なんだコイツ……銃口を向けられてもうんともすんとも言わねぇ。
それにここに来るまでに大規模な銃撃戦に巻き込まれた筈だ……。
やはりコイツは只者じゃない。
ひょっとすれば……本物の「メルツェル」だったりしてな……。
……いや、それは無いか。
そもそも根拠が無いからな。
頭の中で一つの可能性を打ち消し、ヴァオーだけを機内に迎え入れつつメルツェルに銃口を向け続ける。
どちらにせよ空賊団はメルツェルを受け入れる事は無いだろう。
連れてきた所で足でまといだ。
未だに動きを見せないメルツェルを見ていると、左手に何かを持っている事に気が付いた。
それをよく見てみれば、何とMe-264のハンドルだった。
「お前……何故それを持ってんだ!?」
メルツェルは答えない。
ただずっと俺の方だけを見つめていた。
その『目』に俺はまたしても怖気付いてしまった。
言葉では到底表現出来ないが、それは俺の恐怖心を煽るには余りにも充分過ぎた。
しかし、メルツェルが唐突に俺の方に歩み寄り、何をするかと警戒すれば左手に持っていたハンドルを渡した。
何が何だか分からず、取り敢えず受け取り、ヴァオーにコックピットまで持って行かせた。
急に何だ?
何故突然ハンドルを渡したんだ?
いや、それよりも何故奴はハンドルを持っている?
どこかで取ったのか?
「それを寄越せ」
そう言おうとした時だった。
メルツェルは持っていたハンドルを俺に投げ渡した。
てっきり「欲しければ俺も乗せろ」とでも言うのかと思ったがその予想は尽く裏切られた。
顔を見てみると……メルツェルは『笑みを浮かべていた』。
その笑みはどこか含みがあるように感じられた。
どんな意味があの笑みに含まれていたかなど察する事は余りに容易過ぎた。
そうか……お前……。
こうなる事を見越して、俺達を無事に逃がす為に……!
尚、それは全くの見当違いだった模様。
休日明けてから更新が大分遅れてしまった……。
申し訳ない……。
これから荒野のコトブキ飛行隊のキャラと関わっていく予定なのですが、主人公と登場人物との関係はどんな感じがいいですか?(尚、それが本編に反映されるかは不明)
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原作キャラとイチャラブハーレム
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恋愛関係無しの普通に仲間
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寧ろ敵対
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女性全員ヤンデレ化(じょ、冗談じゃ…)
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ゲイヴンだ!我らにはそれが必要だ!!