戦「よくもやってくれたなこの野郎」
マ「それでもってすぐ撤退。あのままやりあってもよかったんだけど・・・」
慧「まあLiNKERのハンデがあったからなあ・・・」
切「しょうがないデス」
翼「しかし、してやられたのは確かだ」
響「〇〇〇は本当に・・・あれ?なんでこんな所で規制音が?」
ク「そういう発言だからだろ馬鹿」
響「あう」
調「それはともかく、最近、随分と調子がいいみたいで・・・」
作「いやー試験が終わってからというものしばらく暇だからついつい筆が進んで・・・」
慧「なお作者は未だ学生です」
戦「そういう個人情報晒すんじゃないよ芸能人じゃないんだから」
ク「しっかしこの小説マジにタグ詐欺してるよなあ・・・」
マ「ええ、『更新速度は期待するな』と言っておきながらほぼ二日間隔で投稿してるし」
作「うぐっ」
戦「オリキャラもどっかのキャラからモデルと設定引っ張ってきてるし」
作「それシンだけだからね!?」
慧「ついでに俺のCVやってる人がやってたキャラと何気に被ってるみたいだし・・・」
作「それは完全な偶然だ!伊〇助の事は完全に頭の中から外れてた!」
調「言い訳はいいから、慧くんのCVネタスイッチオン」ポチ
慧「猪突猛進!」トッシン!
作「ぐべあ・・・!?」
戦「という訳で、どうなる第二五話!」
響「結局今回もぐだぐだ・・・」
作「シクシクシク・・・」
フィーネが世界に宣戦布告してから一週間がたった。
その間、その組織からの各国への交渉、騒動、犯行などは一切無く、全くと言って良い程足取りが掴めなかった。
果たして、奴らの目的は一体なんなのか。
(ソロモンの杖が奪われた直後にライブでのフィーネの宣戦布告。んでもって一週間音沙汰無しときた。忘れたころにやってくる戦法で少し時間空けて行動を起こすつもりか?)
黒板に数式を書きながら、戦兎は考えていた。
(まあどちらにしろ、スクラッシュドライバーは取り返さないといけない・・・クライム・・・シン・トルスタヤがボトルを奪った事を鑑みれば、おそらくアイツらはハザードレベルの事を知っている。そして、スクラッシュドライバーを奪ったって事は、少なくともアイツらのハザードレベルは4.0以上・・・)
「はい、ここの問題解けるやつ」
(あのドライバーは、何も知らないまま使っちゃいけない・・・万丈のように暴走する前に奪わないと・・・)
「じゃあ、そこの奴」
「んー・・・?」
(ボトルゼリー状にしたスクラッシュゼリーもこの一週間で出来ている筈だ・・・スクラッシュドライバーに対抗するにはスクラッシュドライバー・・・だけどもう一つ作るのは少し抵抗がある・・・)
「おい」
視線を上げる。そこには、いつも通りの表情でこちらを見るクリスの姿があった。
「出来たぞ」
そう言われて、戦兎は黒板を見る。
「ああ、正解だ」
その最中で、小さくぱちぱちと拍手する少女がいた。
セレナである。
セレナは、その顔を可愛く綻ばせていた。
その様子にクリスは気恥ずかしいのか顔を赤くして、その様子に、戦兎は顔を
(どちらにしろ、今万丈と緒川が手掛かりを見つけてきてくれる筈だ。俺は、ただ、有益な情報をアイツらを持ってきてくれると信じて、こいつらを鍛える事しかでない)
戦兎は、クリスを席に向かわせつつ、そう思うのだった。
その件の龍我と緒川だが。
「なんのつもりか知らんが、テメェら覚悟はできてんだろぉなぁ?」
「特に何も考えてねえよ」
絶賛極道さん宅に突入中☆だった。
フィーネが使っていたと思われる乗り捨てられていたトラックからその所在を突き止め、結果緒川と龍我が突入しているこのヤクザの事務所に当たった訳なのである。
「さて、ヤクザは僕がどうにかしますので、龍我さんはあの奥にある絵を取り外して、中にあるものを回収してください」
「おう」
軽い作戦会議の後に、襲い掛かってきたヤクザを軽くノックアウトさせつつ龍我はあからさまに何か隠してますよーと言わんばかりに飾られている大きな絵を取り外して、中に金庫がある事を確認。それをドラゴンフルボトルの力で力任せに扉を引っこ抜いてみる。
「うっは、これマジモンの金か!?」
中にはテレビで見るような金の延べ棒が三段重ねピラミッドで置かれていた。
が、今回の目的は金ではなく情報である。その事を見誤らない龍我は金の延べ棒をぞんざいに取り出して、奥にある書類を取り出す。
何やら背後で、
「こ、こいつ忍法を使うぞ!?」
「アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」
「アバー!」
「サヨナラ!」
なんて事になってるがこの際気にしない。
「お、緒川!」
「ん?」
龍我が投げた書類を受け取る緒川。そこへ別のヤクザがナイフを龍我に突き刺そうとする。
「どうだ?俺にはよくわかんねえけどそれであってるよな?」
「ぎゃん!?」
しかし、龍我はそれを見ずに拳を振り下ろして一発ノックアウト。
「ええ。これで司令に良い報告が出来そうです。しかし・・・ふむ・・・」
「ふげ!?」
「どうした?何が書いてあるんだよ」
「ぎ、ギブ、ギブ――ゴキン――・・・」
「この出納帳、架空の企業から大型医療機器や医療品、計測器などが大量に発注されていますね・・・・」
「へぶっ!?あ、ちょっとタン―――」
「えーっと・・・つまりどういう事だ?」
「ふんげりば!?」
「誰かが、医者の使う道具を沢山買ったという事ですよ」
「た、たしゅけ・・・ぎゃん!?」
「ふーん・・・あ、こいつでラストだ」
「と、止めは勘弁し――――なんで窓から投げるんだぁぁぁぁ・・・!!」
とりあえず向かってくるヤクザ全員をのして惨状となった事務所内に佇んでいた。
「ふーん・・・で、それがどうかしたのかよ?」
「おそらくこの架空の企業を調べれば、奴らのアジトが分かるかもしれません」
「本当か!?」
「ええ、藤尭さんの力を使えば、今晩にでも」
「よっしゃ!」
龍我は拳を掌に叩きつける。
(早くあのドライバーを取り返さねえと・・・俺のようになっちまう・・・)
もう、あんな思いを誰かにさせないために。
どこかの施設のシャワールームにて、調と切歌はいた。
「それでね、信じられないのは、それをご飯にザバー!っとかけちゃった訳デスよ」
切歌が軽快に喋っている。『それ』が一体なんなのかは分からないが。
「絶対におかしいじゃないデスか!そしたらデスよ・・・」
ふと、調の方を向いた切歌の言葉が途切れる。
シャワーから降りかかる温水に打たれながら、調は、神妙な面持ちで俯いていた。
「・・・まだ、アイツの事を、デスか?」
アイツとは、立花響・・・ではなく、仮面ライダービルドの方だった。
『分かるさ。痛いくらいに』
「くッ・・・!」
その言葉に、調は否定できなかった。
それほどまでに彼は真っ直ぐに、そして切実に呟いたのだから。
「何が・・・」
こうして対峙していない時でも、調は彼の言葉を否定できなかった。
今でも、あの時の言葉が頭から離れないからだ。
『お前たちを、救う事は出来ないか?』
それを振り払った。なのに―――
『だから―――知ろうとするんだ!』
その言葉を振り払うかのように、調は拳を壁に叩きつけた。
あのビルド―――戦兎の言葉を、調は、信じたくなかった。
それを認めてしまったら、自分は、一体なんの為に戦っているのか分からなくなるから。
「なんなの・・・アイツ・・・!!」
「・・・」
悔しい。彼の言葉を否定できないのが、これほどまでに否定できないなんて、調は思ってもみなかった。
そんな調の壁に叩きつけた拳を、切歌は手に取った。
まるで、そんな調を落ち着かせるように、自分が傍にいる事を誇示するかのように。
ただ、切実に、その手を握り、そして握り返す。
そこへ、また一人とやってくる。
マリアだ。
「それでも私たちは、私たちの正義とよろしくやっていくしかない」
温水を浴びて、マリアはそう言う。
「迷って振り返ったりする時間はもう、残されていないのだから」
「マリア・・・」
そんな姿に、調は一言、彼女の名前を呼んだ。
そんなシャワールームの前では、
「なあ、シン」
「どうした?」
「どーして俺たちは女が入っているシャワールームの前を陣取っているんですかね?」
「敵の襲撃に備えて、重大な戦力を守るためだ。彼女たちもギアを纏っていなければただの人間と変わらない。その分、ハザードレベルが上がった事によって多少は人間を凌駕する身体能力を得ている俺たちなら、時間は稼げるだろうという事だ」
「うん。でもさ、大丈夫なの?変なハプニングとか起きたりしない?」
「よく調ととんでもない事起こしてたからな、お前」
「やめて!それ結構心にぐっさり来るから!」
「というか慧介。この会話もう二ヶ月近くもやっているぞ?」
「いやだってさ。おかしいじゃんこんなの。別に誰かが覗きに来るわけじゃないんだからさ」
「だとしても、いざ敵が攻め込んだ時はこうして守らなければならない。ネビュラガスを投与してハザードレベルを上げている俺たちと違い、ギアを纏っていなければただの人間である彼女たちは、俺たちよりも弱いんだからな」
「だったら、この時間を少しでもハザードレベルを上げる事に使った方が有意義なんじゃ・・・」
「その通りだな」
と、そんな時だった。
突如として、警報が鳴り響いた。
施設の隔壁を閉じ、警報の大本を隔離する、一人の車椅子に乗った初老の女。その右目には眼帯をしており、何か、怪我のようなものを抱えている事が分かる。
彼女の名は『ナスターシャ・セルゲイヴナ・トルスタヤ』。
マリアたちフィーネの頭目にして科学者だ。
そんな彼女の目の前にあるモニターにて、何かを貪る、この世の生物とは思えない何かが映し出されていた。
(あれこそが、伝承にも謡われし、共食いすらいとわぬ飢餓衝動・・・やはり『ネフィリム』とは・・・人の身に過ぎた―――)
「人の身に過ぎた、先史文明期の遺産・・・とかなんとか思わないでくださいよ」
部屋の暗闇から歩み出てきたのは、一人の白衣を着た二人の男性だった。
「ドクターウェル、ジェームズ博士・・・」
「例え人の身に過ぎていても、英雄たる者の身の丈にあっていればいいじゃないですか」
片や、眼鏡をかけた男ウェルは、あのソロモンの杖輸送任務の後に起きたノイズの襲撃で行方不明となった筈の男だ。
これは一体どういう事なのか。
そしてもう一人は、『ジェームズ・グレナデス・ノーランズ』。ナスターシャと同じ研究所にいた研究員であり、シンの使うベルトを作った張本人である。
と、ウェルがそう言った所で、部屋に駆け込んでくる者たちがいた。
「マム!さっきの警報は!?」
マリア、切歌、調、シン、慧介の五人だ。
「次の花は未だ蕾故、大切に扱いたいものです」
ウェルがそう言う。
「心配してくれたのね。でも大丈夫。ネフィリムが少し暴れただけ。隔壁を降ろして食事を与えているから、時期に収まる筈」
そこで、大きな震動が起きる。
「もし問題があるようなら俺が鎮圧するが?」
シンがそのように言う。
「対応措置は済んでいます。それに、貴方のベルトは改良の途中でしょう?」
「いや、改良については一応は済ませた。それと涼月君」
「ん?」
ジェームズが何かを投げ、それを慧介は受け取る。
それは、小さなパックだった。
「これって・・・!」
「スクラッシュドライバーで使う為のスクラッシュゼリーだ。上手く適合するボトルを取ってきてくれて感謝するよ」
「礼を言うのはこっちの方だよ!これで俺も戦える・・・!」
嬉しそうにその手のスクラッシュゼリーを掲げて見せる慧介。
「それよりも、そろそろ視察の時間では?」
ふと、ウェルがそのように提案する。
「『フロンティア』は計画遂行に必要なもう一つの要・・・起動に先立って、その視察を怠る訳にはいきませんが・・・」
じっと、ウェルの方を見るナスターシャ。
「こちらの心配は無用。留守番がてらに、ネフィリムの食糧調達の算段でも立てておきますよ」
と、当たりの良い笑顔でそういうウェル。
「俺も、向こうのライダーへの対応策を考えなければならないのでな」
「では、調と切歌を護衛につけましょう」
「こちらに荒事の予定はないから平気です。むしろそちらに戦力を集中させるべきでは?」
「いや・・・」
ここで、シンが口を挟む。
「五人も戦闘員がいるんだ。もし奴らに襲撃を受けた時、
シンが、ウェルを睨みつける形で、そう提案した。
「別に大丈夫なんですがね」
「確かに、ここまでの大人数で行く必要はありません。では、シンと慧介はここに残り、私は三人をつれて視察にいくとしましょう」
ウェルはやれやれと言った風に首を振る。
「では後はお願いします」
ナスターシャは最後にそう言い、装者三人を部屋を出ていく。
その様子を見送る男四人。
「・・・貴方たちも行ってくればよかったのに」
「餌を巻いておいてよく言う。俺が気付かないと思ったか」
シンは軽蔑するかのようにウェルを見る。
「おいおいウェル、ばれてるぞ」
「はあ、これだから
「結局荒事起こすつもりじゃないか・・・」
ジェームズが面白がり、ウェルは苛立ちを隠そうともせずに額を抑え、慧介は冷めた表情でウェルを見る。
「どちらにしろ、僕の計画の邪魔にだけはならないでくださいよ」
「善処しよう」
「まあ、そのライダーシステムを与えたのは、ビルドとクローズを倒すために作ったものだからな・・・ククク・・・」
ジェームズが怪しく笑う。
(どちらにしろ、ビルドとクローズが計画の障害になるのは確実・・・それを排除する事に異論はない)
シンは、おそらくこれからやってくるであろう敵をどう倒そうか、それを思案していた。
『秋桜祭』―――リディアン恒例の学校行事である、所謂『学園祭』だ。
「わあ・・・!」
その準備風景を見て、セレナは目を輝かせていた。
「コイツは凄いな・・・」
その隣では戦兎も関心していた。
「私こういうのは初めてです!」
「俺も何度かやったか、女子校でもこんなにやるんだな・・・」
戦兎の場合、元が葛城巧とは言え、高校生時代を経験している身だ。
だから、学園祭はやった経験がある。
「それにしても、生徒会主催でカラオケ大会をやるなんて驚きました」
「なんでも生徒会の権限の範疇で願いをなんでも一つでも叶えてもらえる事が出来るらしいがな。しかしなんでクリスの奴は逃げ出したんだ?」
何故かカラオケ大会の話を聞いた時、クリスは思いっきり逃げ出したのだが。
理由は、不明である。
「なんででしょう?」
「あ!戦兎先生!」
ふと、そこで戦兎が担任をしているクラスの生徒たちが駆け寄ってきた。
「雪音さん見ませんでしたか?」
「クリスか?見てないが・・・」
「どこいっちゃったのかな・・・」
「あの、何かあったの?」
「ああ、実は雪音さんにカラオケ大会に出場してもらおうと思って・・・」
「確かに、クリスさん歌が上手だからね」
「分かった。こっちでも探しておく」
「ありがとうございます!よし、向こうはあっちを探してみよう!」
そう言って、彼女たちは駆けていく。
「・・・クリスさん、大人気ですね」
「まあアイツの親が有名な声楽家っていうのもあるが、アイツ自身の歌も翼に引けをとらない程だからな」
よく調子に乗ってリズムに乗って体を左右に動かすなんて可愛らしい癖もあるぐらいだ。
歌が好きなのは当たり前だろう。
「さて、私たちもクリスさんを探しに行きましょうか」
「そうだな」
ちなみに、セレナは戦兎の親戚という扱いになっている。
「ですが、どこにいるんでしょうね」
「さあなぁ・・・」
そう言い合いながら、校舎の廊下を歩く二人。
「・・・そういえば、スクラッシュドライバーの方は・・・」
「ああ、どうにかして取り戻さないといけない。あれは、何も知らずに使っちゃいけないものだ・・・それにクライム・・・シンの方もどうにかしなくちゃいけない・・・」
戦兎は、そう言って目を細めた。
「・・・やっぱり、『アレ』を使わないと勝てませんか?」
「ああ・・・どうにか耐える事は出来たが、スパークリングじゃアイツにいずれ負ける。だから、アレの完成を急がないと・・・」
あの、禁断の力を使う前に――――
「あ、それはそうと、今度の学園祭、何か予定はありますか?」
「特にないが・・・ああいや、翼に誘われてたんだった」
「ふふ、やっぱりですか」
セレナは分かってたかのように笑う。
「なんか、『最近セレナと一緒にいる事多いからたまには私に付き合ってくれてもいいだろう』とか言われたんだが、ありゃ一体どういう意味だ・・・?」
「ぷっくく・・・さ、さあ、一体なんなんでしょうね・・・ぷくく・・・」
(やだその剣めっちゃ可愛い・・・!!)
笑いを思いっきりこらえるセレナ。
そこで、とある教室の前を通りかかった時に、何かの会話が聞こえてきた。
「よーっすここで何してんだー」
その部屋に戦兎は躊躇いも無しに入る。
「あ、戦兎先生」
「げっ」
「桐生・・・」
そこには、五人の女子生徒が学園祭で使うであろう飾りを作っていた。
そのうちの二人は翼とクリスだった。
「なんだ。学園祭の飾りつけをやってたのか」
「クリスさん、さっきクラスメイトの人たちが探してましたよ」
「た、頼む!あいつらには言わないでくれ!」
「ふふ、どうしようかな~」
「そうだ、桐生・・・先生たちも手伝ってくれないか?」
「人手に多い事に越したことはないからな。よし、いいだろ。手伝ってやるよ」
「ありがとうございます!」
戦兎の器用さ、セレナの巧みさによって、その飾りの製作はかなり捗ったという。
そして、夜――――
「ここで間違いないんだよな?」
『ええ。緒川さんたちが入手した情報では、ここに何度も物資が運び込まれているようでして』
街の外れの廃病院にて、ライダー、シンフォギア装者の五人はやってきていた。
緒川と龍我が入手した情報から、藤尭などがそれを解析、架空の企業の正体を突き止め、その搬入先を割り出し、すぐにでも先手を仕掛けたという事だ。
セレナがどうして通信に対応しているのかと言うと、セレナ自身の要望で彼らのサポートしたいと言い、結果、藤尭や友里の代わりにオペレーターを務める事になったのだ。
「お前ら明日も学校なんだから休んでも良かったんだぞ?」
「そういうお前こそ、アタシたちと同じように教師として学校に行く癖に行こうとしてるじゃねえか」
「戦兎先生や龍我さんたちにだけ行かせて、自分たちは何もしなかったなんて嫌ですから」
「人々を守る事は防人の務め。仮面ライダーもまた然り。であるならば、私たちが動かない道理はない」
「そうか」
『まあ何はともあれ、私もお手伝いさせてもらいます』
「そうか、頼んだぞ。セレナ」
通信機越しからセレナの言葉に頷き、五人は廃病院に突入する。
そして、その様子を監視カメラで見ているウェルたちもいた。
「きやがった・・・」
慧介がそう呟く。
「おもてなしと行きましょう」
ウェルはそう呟いて、キーボードのエンターを押した。
すると、病院内に赤い霧状の何かが散布される。
その様子を、戦兎たちは物陰に隠れながら見ていた。
「やっぱり、元病院ってのが雰囲気出してますよね・・・」
「なんだ?ビビってるのか?」
「そうじゃないけど、なんだか空気が重いような気がして・・・」
「まあ、あながち間違いじゃないかもしれないな」
「・・・以外に早い出迎えだぞ」
翼の言葉に、他の者たちは通路の奥を見る。
すると、そこからノイズが何体か来ているのが見えた。
「行くぞ万丈」
「おう!」
『激唱ゥ!』『クロォーズイチイバルッ!!!』
『忍者!』『コミック!』
『ベストマッチ!』
戦兎がビルドドライバーのボルテックレバーを回す。それと同時に、装者三人が聖詠を唄う。
『Are You Ready?』
「―――
「―――
「―――
「「変身!」」
『激唱戦場!クロォーズイチイバルッ!!!』
『忍びのエンターテイナー!ニンニンコミック!』
『イェェエイッ!!ドッカァァァァアンッ!!!』
見事に仮面ライダービルド・ニンニンコミックフォームとクローズイチイバルに変身したビルド、クローズとシンフォギアを纏う響、クリス、翼。
そして始まる、ノイズとの戦い。
今回のセンターは、クリスだ。
「―――挨拶無用のガトリング!ゴミ箱行きへのデスパーリィー!」
クリスの放つ『BILLION MAIDEN』がノイズの群れへ殺到する。
「やっぱり、このノイズは・・・」
「制御されてんな・・・」
「という事は」
「ここでビンゴだな!」
五人が前に出る。
襲い掛かるノイズをクリスが先陣を切って蹴散らし、そのカバーに響と翼、そして後方からビルドとクローズが援護するという形だった。
クリスがアクロバティックに動きながらボウガンを撃ちまくり、そのクリスを死角から襲おうとしている敵を響が拳で叩きのめし、翼が斬り飛ばす。
そして、ブラストモービルのブラストシューターでクローズが背後から射撃、天井を駆け抜けるビルドがそこから四コマ忍法刀を振るってノイズを蹴散らす。
しかし、どうにも違和感を感じる。
「ん・・・?」
どうにも、ライダー比べて装者たちのノイズの撃破数が少ないような気がする。
威力が足りないのか、例え吹き飛ばしてもノイズが再生してしまい、かなり手間取っている。
「おい!?どうした!?」
「分かんねえ・・・なんか知らねえけど手間取るんだ!」
いつの間にか息をあげている装者たち。仮面ライダーの二人は全く平気なのに、これは一体どういう事なのか。
「セレナ」
『装者たちの適合係数が低下しているようです!このままでは戦闘を継続する事は出来ません・・・!』
「俺たちがなんとかカバーするしかないか・・・!」
『分身の術!』
ビルドが三体に分身する。分身によって装者たちをカバーするつもりなのだ。
「万丈!前に出ろ!」
「おう!」
『Set Up!Blast Blade!』
クローズがノイズの群れに突っ込み、取りこぼした個体をビルドの分身体が倒す。
「大丈夫か!?」
「ハア・・・ハア・・・す、すみません・・・」
「ハア・・・くそっ・・・なんだってんだ・・・」
「このような事になろうとは・・・!」
その間にビルドが駆け寄り、やや疲れた様子の三人は顔を悔しそうに歪める。
「ウオリヤ!!」
最後の一体を叩き斬るクローズ。
「大丈夫かアイツら・・・」
ふと心配になって背後を振り向いて彼女たちの安全を確認する。
一応、大事はないようだ。
しかし、ふとこちらを見た響が叫んだ。
「龍我さん!後ろ!」
「ッ!?」
背後から何かが飛び掛かる。
それをクローズは振り向き様に肘鉄で迎撃し上空へ吹っ飛ばす。
しかし、すかさず天井のパイプに足をついたかと思えば再度突撃、それをブラストブレードを叩きつけて吹き飛ばす。
「炭素にならない・・・!?」
「どうして・・・まさか、ノイズじゃない・・・!?」
「じゃああの化け物は一体なんなんだよ!?」
おおよそ、この世の生物とは思えない、四足歩行の化け物。
体色は灰色、体にマグマのような筋が通っており、そのサイズは大型犬以上。
とにかく、あんな生物は彼らの記憶には存在しない。
そんな相手に戸惑っている中で、ふと誰かが拍手するような音が聞こえてきた。
それに身構え、化け物の奥の暗闇に目を凝らす。
「え・・・!?」
そして、その姿に響、クリス、翼、クローズの四人は驚く。
「ウェル博士!?」
「おまっ、あの時・・・」
当然、死んでいるかと思っていた人物が生きていたらそれは驚く。その間にもあの化け物はウェルの横にあったケージの中に入っていく。
「やっぱり自作自演かこのペテン師」
だがその中でビルドはウェルを睨みつける。
「大方、ソロモンの杖はケースの中じゃなく、コートかなんかの下に隠してたんだろ。それでもって自分に襲わせた・・・違うか?」
「ええ、全くその通りです」
「ソロモンの杖を奪うため、自分で制御し、自分を襲わせる芝居を打ったのか・・・?」
「バビロニアの宝物庫よりノイズを呼び出し、制御する事を可能にするなど、この杖をおいて他にありません」
翼の言葉を肯定するかのように言うウェル。
「そしてこの杖の所有者は、今や自分こそが相応しい・・・そう思いませんか?」
「思うかよ!」
クリスが否定し、すぐさま小型ミサイルを展開、発射態勢に移る。
「ッ!?待て!!」
ビルドが止める。が、クリスはそれを無視してミサイルを発射する。
その直後、
「ぐ、ぅあぁぁあぁあああ!!!」
顔を苦痛に歪め、悲鳴をあげる。
「クリス!!」
倒れかけるクリスを支えるクローズ。
そして、ミサイルがノイズをウェルごと巻き込んで炸裂する。
爆発が巻き起こり、施設の壁を破壊、建物を爆炎によって粉砕する。
「くっ・・・!」
巻き起こる爆風を四コマ忍法刀の『風遁の術・竜巻斬り』でいなしつつ、ビルドはウェルの方を見る。
しかし、そこにいるのは無傷のウェル。
「くっそ、なんでこっちがズタボロなんだよ・・・」
『適合係数の低下で、バックファイアが凄い事になってるんです。下手に大技を放てば、シンフォギアが装着者自身を殺しかねません!』
セレナの言っている事はまさしくその通り。適合係数が低ければ、その分、負荷が大幅にかかり、技に見合ったダメージを受けてしまう。
クリスは装者の中でも特に高い適合係数を有する『第一種適合者』。
その分、バックファイアが凄まじい事になっているのだ。
「・・・!あれは!」
ふと響が何かに気付いて空を見上げれば、そこには、あの化け物が入ったケージを運ぶノイズの姿があった。
(さて、もう少しデータを取りたい所ですが・・・)
ビルド、クローズ、響の三人がウェルの方へ構えていた。
「万丈、お前はあのケージを!」
「ああ!」
クローズが脚部のホイールを全力で回転させ、残った三人、ビルドと翼はウェルに向かって構え、響はクリスに肩を貸している。
「ああ、そうだ。貴方がたには丁度いいお相手がいるんでした」
「相手・・・?」
黒煙が舞う中、そこから、三人の人影が出てくる。
そして、一人はウェルの隣に、残りの二人は、ビルドたちに立ちはだかるように立つ。
その者たちとは・・・
「シン・トルスタヤ・・・」
「それと、万丈のスクラッシュドライバーを奪った少年・・・」
「それで・・・最後の人は誰?」
一人は、仮面ライダークライムこと、シン・トルスタヤ。そしてもう一人は、金髪の十五歳ぐらいの少年。
そして最後の一人は、白衣を着た謎の男だった。
「どうも初めまして、仮面ライダービルドの桐生戦兎。私はジェームズ・グレナデス・ノーランドという者だ」
「俺の事を知っているのか?」
「ええ知っているとも。
「「「「ッ!?」」」」
四人の表情が強張る。
「どうして、旧世界の事を・・・」
「単純な話さ。思い出した。ただそれだけの事」
「お前か。そのドライバーを作ったのは?」
ビルドが訪ねれば、ジェームズは盛大に両手を広げて肯定する。
「そう!これこそが私の作った、プロジェクト・ビルドを超えるライダーシステム『ルインドライバー』!私が創り上げた『グレンディナインゴット』の装甲にボトルの成分を浸透させることで、本来のボトルの使用量の三分の一の量で二倍の力を発揮する事が出来る!このライダーシステムは、本来であればお前のビルドドライバーを超えるシステムだ!」
「装甲に成分を浸透・・・なるほど、そんな使い方が・・・」
「それで?お前はそれを使って桐生たちに何がしたい?」
翼が訪ねる。
「私の目的はただ一つ・・・」
指を一本立てて、ジェームズは言う。
「それは、そのライダーシステムを作った葛城の名を持つ者への復讐をすることだ!」
「復讐・・・?」
「葛城・・・だと・・・」
その言葉と迫力に、響はゾッとし、ビルドは冷や汗を流す。
「私は、旧世界においてライダーシステムの技術を奪うために日本の研究機関に所属していた・・・だが、私は嫉妬した!私より優れた技術を持つ葛城忍に、葛城巧に!だからこそ超えようとした・・・・だが、奴らはそれを良くは思わなかった!私に超えられるのが怖かったからだ。だから、私を人体実験に使い!あわよくばその過程で殺した!あれほどの屈辱を私は味わった事はない・・・」
ふと、ジェームズの話を聞いてその場にいる敵味方関係なしに全員がこう思った。
(ただの逆恨みじゃねえか・・・)←戦兎、クリス、慧介
(ただの逆恨みだよね・・・?)←響
(ただの逆恨みだな・・・これは・・・)←翼
(ただの逆恨みですね・・・)←ウェル
(ただの逆恨み・・・)←シン
そんな全員の心情など知らないジェームズはそのまま得意気に話を続ける。
「だからこそ、私はこの世界で君たちという存在に感謝した・・・私に、今や記憶を失いし葛城忍と葛城巧に復讐するチャンスをくれた事にな・・・!」
その顔は、もはや狂気に歪んでいた。
「私のライダーシステムで葛城忍が作ったライダーシステムを超え、葛城巧が作ったドライバーを使う事で葛城忍の希望だった万丈龍我を殺す・・・!そうする事で、私はこの世界において旧世界における葛城親子に復讐する事が出来るのだ!」
「龍我を・・・殺す・・・?」
クリスが、呻き混じりに呟く。
「ふざけんな・・・そんな理由で、龍我を・・・!」
「クリスちゃん無理しないで!」
動こうとするクリスをなだめる響。
「桐生戦兎。今一度君に宣言しよう。お前たちは、私が育てたライダーたちに無様に敗北するのだ!!」
(こいつは・・・俺が葛城巧だって知らないのか・・・?)
であるならば―――
「このシステムは、父さんが愛と平和の為に作ったんだ・・・だから俺はこの力を愛と平和のために使う。ただ復讐の為だけに作られたシステムに、俺たちは負けない」
四コマ忍法刀を構えて、ビルドは言い放つ。
「桐生を殺すと言ったな・・・」
やや殺意を抱きつつ、翼はジェームズに刃を向ける。
「お前如きにとられる程、この男の命は軽くないと知れ!」
しかしジェームズは怖気づいた様子もなく、叫び散らす。
「さあ!やるがいい!お前たちの力を、存分に見せつけてやれ!」
「言われなくてもやるよ」
「計画に、こいつらは邪魔だからな」
シンがウルフフルボトルを取り出し、少年はスクラッシュドライバーを取り出す。
「お前、それは・・・!」
「お前じゃない。涼月慧介だ。覚えておけ!」
少年、涼月慧介が、スクラッシュドライバーを腰に巻き付ける。
「そうじゃない、そのドライバーは・・・!」
「悪い事は言わない!それを使うのはやめろ!」
「ふん、使わせるのが怖いんだな?自分たちが無様に敗北するから、と・・・構わん、目に物見せてやるが良い」
慧介がポケットから見た事もないスクラッシュゼリーを取り出す。
「お前たちがなんと言おうと、俺は戦う。愛と平和なんていう幻想を言うお前たちに、俺は絶対に勝つ!」
そして、躊躇いもなくそのスクラッシュゼリーをスクラッシュドライバーに装填した。
『タイガァージュエリィー!』
そしてシンは引き出した収納スペースにウルフフルボトルを装填し、中に入れた。
『Ready』
シンはそのまま立ち、慧介は右拳を腰に、左拳を肩当たりに構えるようにしてポーズを取る。
「変身」
「変身!!」
シンがトリガーを引き、慧介がレンチを降ろす。
「う、ぐぁぁあぁぁあああ!?」
その時、慧介から悲鳴が上がる。おそらく、スクラッシュドライバーからくる負荷がダイレクトに伝わっているのだろう。
(頼む・・・その時点で失敗してくれ・・・)
そんなビルドの願いは、すぐに打ち砕かれる。
「う・・ぐ・・・あぁぁぁああぁぁあぁああ!!!」
慧介が絶叫し、何かを振り払うかのように腕を振る。
そして、それと同時にケミカライドビルダーが形成され、その中に液体が満たされ、慧介を包み込む。
そして、それが慧介の体に纏われ、シンの体も出現した装甲を体に装着する。
『潰れるゥ!流れるゥ!!溢れ出るゥッ!!!』
『タイガァー・イン・タァスクゥッ!!』
『Penetration Armor Type-Wolf』
『ブルァァァァア!!!』
慧介が、クローズと同じ白銀の素体を纏い、それに、オレンジ色のヴァリアブルゼリーが纏われ、装甲を形成する。
シンも真っ黒な装甲が体に装着される。そして、その装甲に基盤のようなラインが迸ったかと思うと、それが装甲に馴染むように消えていく。
これこそが、シンの変身する仮面ライダークライムの本来の姿。
そして、慧介が変身した仮面ライダーの名は『仮面ライダータスク』。
その二人の仮面ライダーが今、彼らの前に立ち塞がる。
「そんな・・・」
響は、仮面ライダーが新たに二人も出現した事に驚愕する。
「翼・・・」
「ああ・・・」
二人は、構える。
新たなライダーバトルが、勃発する――――
次回!愛和創造シンフォギア・ビルドは!?
対に激突するライダーとシンフォギア装者。
『そのまま飛べ!龍我君!』
その一方でケージを確保しに行った龍我はマリアと対峙する。
「どうした?その程度か?」
激突するクライムとビルド。
「まだまだ行くぞ!」
タスクと響たち装者。
果たして決着の行方は――――
次回『激突!ビルドVSクライム!』
「――――奴に勝つには、これしかない」