愛和創造シンフォギア・ビルド   作:幻在

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戦「てーんーさーいーがー・・・帰ってきたァ!」
ク「天才(笑)物理学者の桐生戦兎が無様にも眠りこけている間に、馬鹿の体はとんでもないことになっていた」
戦「さり気なく無視しないでくれるか?」
ク「バカな事言ってるからだバカ。んでもって、そのとんでもないことの内容だが」
翼「聖遺物との融合・・・あの時櫻井女子が言っていたことに深く注意していればこんな事には・・・」
未「響、大丈夫かな・・・」
龍「そんな事心配してても仕方ねえだろ。ずぞぞ・・・」
ク「って、お前は何気にプロテイン入りのカップラーメン食ってんじゃねえよ」
龍「プロテインとカップラーメンの相性舐めんな」
切「今度アタシたちもやってみるデス?」
調「慧くんなら喜びそうだけど、流石に私たちが食べるのはちょっと・・・」
龍「なんだよ俺みたいに強くなりたくねえのか?」
ク「プロテインが好きなのはお前だけだろ・・・」
響「まあそれが万丈だからねえ」
戦「まあな・・・ん?待て、今回響は出られないはずだ。ついでに響は万丈の事を万丈とは呼ばないぞ・・・お前は誰だ!?」
響「え?響ですよ?」
龍「じゃあコーヒー入れてみろ」
響「ほい」
龍「まっず!?お前やっぱエボルトだろ!?」
エボ「バレちゃあ仕方がない!ここで皆の悪役エボルトの登場だァ!」
戦「なんでお前が出てるんだよ!?」
調「それもまだ登場していないのに名前出しという好待遇・・・!?」
切「一体どういうことです!?」
エボ「簡単だァ。作者を脅した」
作「ワレワレハニンゲンデアル」
ク「作者ぁぁぁああ!?」
未「これ脅迫というより洗脳なのでは・・・?」
エボ「それに中々の名演技だったろォ?今なら声の仕事やってるぜェ!」
翼「誰も呼ばんわ!さっさと帰れ!」
エボ「というわけだァ。第三三話を見ろォ」


隠されたトゥルース

ナスターシャの治療は無事に終わり、慧介を安静にさせた所で、ウェルは今動ける者たちを集めて会合を開いていた。

「では本題に入りましょう」

そうしてウェルが見せたのは、脈打つ何かだった。

「これは、ネフィリムの・・・」

「苦労して持ち帰った覚醒心臓です。必要量の聖遺物を餌として与える事で、ようやく本来の出力を発揮できるようになりました。この心臓を貴方が五年前に入手した・・・」

ふと、ウェルがマリアに向かって何かを言いかけ、それにマリアは首を傾げる。

「お忘れなのですか?フィーネである貴方が、皆神山の発掘チームより強奪した神獣鏡の事ですよ」

そして、奏が家族と共にその遺跡に見学に来ていた時の事だ。

「え、ええ・・・そうだったわね・・・」

それにマリアは歯切れ悪く答える。

(どうした・・・?)

それを庇うようにナスターシャが口を挟む。

「マリアはまだ記憶の再生が完了していないのです。いずれにせよ聖遺物の扱いは当面私の担当・・・話はこちらにお願いします」

「これは失礼」

ウェルが仰々しく頭を垂れる。

「話を戻すと、『フロンティア』の封印を解く『神獣鏡』と、起動させる為の『ネフィリムの心臓』がようやくここに揃ったわけです」

「そしてフロンティアの封印された場所(ポイント)も先だって確認済み・・・」

それにウェルが拍手で答える。

「そうです!すでにでたらめなパーティーの準備は整ってる訳ですよ。後は、私たちの奏でる狂想曲によって、全人類が踊り狂うだけ!うぇ、ウェハハハハハ!!!」

気持ち悪い踊りと共に、高笑いをするウェル。

「・・・近く計画を最終段階に進めましょう・・・ですが今は少し休ませていただきますよ・・・」

ナスターシャは、そう言って部屋を出ていく。

「・・・・ふん」

そうして部屋を出ていった所で、ウェルがそのように声を発した。

 

 

 

 

 

そうして翌日――――

 

 

 

――――生体と聖遺物が一つに溶け合う―――

 

シンフォギアは、歌による起動で聖遺物を一度エネルギーに変換し、鎧として再構築し、身に纏うのが基本だ。

しかし、響の場合、その聖遺物が体内にある為に、体内からエネルギーに変換され再構築、あるいは、シンフォギアを解除すると同時に起こる可逆によって、その身に深く、ガングニールの欠片が侵食していった。

それがもたらすのは、死と仮定されている。

だが、どちらにしろ、ガングニールの侵食が進めば、その身ははたして人間のものと言えるか分からなかった。

それをもって、新たな臓器が形成されているという事も判明し、いよいよをもって響の戦闘が不可能になってきている事が判明した。

 

 

どちらにしろ、立花響はこれ以上戦わせるべきではないという結論に至った。

 

 

そして、響を戦わせないという事を達成する為には―――

 

「俺を退院させて戦力に加える、ね・・・・」

響の診断カルテを見て、戦兎はそう呟いた。

その身は既に病衣を脱ぎ、いつものトレンチコートを羽織っていた。

「一応、傷の方はまだ塞がってない事を忘れるな。だから単独で戦闘になった場合には極力避けるように動いてくれ」

「分かった」

丁度やってきていた弦十郎にそう答えつつも、戦兎は思考を巡らせていた。

(どちらにしろ響は戦えない。その穴を、俺たちでどうにか埋めるしかない・・・)

「せめてロボットフルボトルがあればな・・・」

「ロボット?」

ふと、戦兎の呟きに弦十郎は反応する。

「ん?ああ、ロボットとフェニックスはベストマッチなんだよ。それを使えば、対象を別の物に変換する能力で響を助けられないかなと思ったんだが・・・上手くはいかないな」

「そうか・・・」

目に見えてがっかりする弦十郎。

それもそうだろう。奏の持つガングニールを受け継いでいる響が今、命の危険に晒されているのだ。

助けたいのはやまやまだろう。

しかし、どうしようもないのもまた事実だ。

「ま、今は目前の事は俺たちでどうにかするしかないだろ。その為にもまずは―――」

戦兎は足を踏み出す。

「発明品のパーツでも買ってくるわ」

「無理はするなよ」

「おう」

弦十郎の言葉に手を振って答える戦兎。

病室を出た所で、ふと戦兎は思う。

(悪いな・・・今回ばかりは無理通すかもしれない・・・)

 

 

 

 

 

 

「―――楽しい楽しい買い出しだって、こうも荷物が多いとめんどくさい労働デスよ!」

その一方、切歌と調は、食料の買い出しに出ていた。

「仕方ないよ。過剰投与したLiNKERの副作用を抜き切るまでは、おさんどん担当だもの」

なお、おさんどんの意味を間違って解釈しています。

そんな調を見て、切歌は、少し考え、調の前に出る。

「もって上げるデス!調ってば、なんだか、調子悪そうデスし・・・」

それも無理はないだろう。

慧介が、ここ数日で無茶に無茶を重ねている。

シンが慧介の事であまり寝ていない調を気遣ってこうして買い物に行かせているわけだが、やはり調の声にいつもの元気がなかった。

「ありがとう、でも平気だから」

しかし、やせ我慢のような声音でそういっても説得力がなく、調の事をよく知っている切歌は、こう提案する。

「んん・・・じゃあ、少し休憩していくデス!」

 

 

 

 

 

慧介の眠る部屋にて、シンは雷切の手入れをしていた。

いくら高周波ブレードと言えど、その本質は剣。手入れをしなければいずれは朽ちる。

一応、完全聖遺物ではあるのだが、それでも気持ち的に手入れをしておきたいのだ。

(戦場では敵のナイフを奪っていたばっかだったんだがな・・・)

奪っては捨て、奪っては捨て、ただの一つとして愛用したナイフはなかった。

しかし、略奪した刃物の手入れをして、いつでも万全な状態で戦えるように手入れをしていたのは事実だ。

例え使い捨てる事になっても、それが使い物にならなければ意味はないのだから。

ふとシンは、部屋にあるベッドに眠る慧介を見る。

命に別状はないが、しばらく起きる事はないそうだ。

(俺は、他の誰かが血を浴びるというのなら、代わりに俺がその血を浴びると決めて、この戦いに参加した筈だ・・・)

だが、今の現状はなんだ。

(マリアを追い詰め、調を悲しませ、慧介の命を危険に晒し・・・正直このままでは、数のいない俺たちではいずれは潰される・・・であるならば、どうするべきか・・・)

己の剣に出来る事とは一体、なんなのか。それをシンは今一度考える。

元少年兵として、自分に出来る事とは―――

 

 

 

 

 

人気の無い工事現場で、買ったものを食べる調と切歌。

「嫌な事もたくさんあるけど、こんなに自由があるなんて、施設にいたころには、想像できなかったデスよ」

そういって、メロンパンを一口食べる。

「うん・・・そうだね・・・」

その言葉に、調はそう答える。

「・・・フィーネの魂が宿る器として、施設に閉じ込められていたアタシたち・・・アタシたちの代わりに、フィーネの魂を背負う事になったマリア・・・自分が自分でなくなる怖い事を、結果的に、マリア一人に押し付けてしまったアタシたち・・・」

それ以上、言葉が続かなかった。

 

彼女たちは、レセプターチルドレン。フィーネの器として、非合法に集められた子供たち。

 

そのうち、装者としての才覚を見出されたのが、彼女らだ。

しかし、その為には――――

「・・・・ん?」

その時、切歌は調の異変に気付く。

額から脂汗をにじませて、調は苦しそうに呼吸を繰り返していた。

「調!?ずっとそんな調子だったデスか!?」

「うん、大丈夫・・・ここで休んだからもう大丈夫・・・それに、慧くんの苦しみに比べたら、これぐらい・・・」

「調・・・」

苦しそうに言い返す調に、切歌は何も言えなかった。

 

調は、慧介が好きだ。

 

切歌には、それがなんとなく分かっていた。

切欠は分からない。だけど、調が慧介を見る目がそんなだというのは察していた。

彼女が、慧介の事を誰よりも心配するのは、そういう事だって知っている。

だけど、今、そんな関係に亀裂が入ってきている。

(あのドライバーを、狙いさえしなければ・・・)

今更になって後悔する。

あの時の警告を聞いていれば、何か変わったのではないか、と。

しかし、それはもう遅い事、手遅れだった。

調がどれほど心配しても、おそらく慧介は、また――――

 

 

そんな時だった。

 

 

「あ」

「「え」」

何故か声がしたのでそちらを向いてみれば。

 

 

何故か戦兎がいた。

 

 

「・・・・」

「・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

沈黙する事、数秒。

 

 

 

「なんでお前がここに!?」

「なんでお前らがこんな所で!?」

一気に警戒態勢に入る三人。だが、立ち上がった所で調がよろける。

「調!?」

そして隣の鉄棒の束に寄り掛かり倒してしまい―――その衝撃で上にあった鉄棒が一気に降り注いでくる。

「やばいッ――――!!」

それを見た戦兎はすぐさまラビットとダイヤモンドを取り出し、ラビットの力で自らの怪我の事を無視して一気に切歌たちの元へ向かう。

(間に合うか――――!?)

凄まじい速度でどうにか鉄棒が落下する前に切歌たちの元へ辿り着く事の出来た戦兎。そのままダイヤモンドの効果で体を頑丈にし、落ちてくる鉄棒の衝撃に備えた――――

 

 

 

 

 

 

 

結局の所、何も思い浮かばない為、シンはヘリから出た。

もちろん雷切を背負ってだ。

そんな中、すぐ傍の湖にマリアとナスターシャがいる事に気付く。

どうやら何かを話しているようだ。

(何の話をしているんだ・・・?)

そっと近づいてみて、耳をそばだてる。

そうして聞こえてきたのは、思いもしない会話だった。

「貴方にこれ以上、新生フィーネを演じてもらう必要はありません」

(何?)

思わず聞き入る。

「マム、何を言うの!?」

「貴方は、マリア・カデンツァヴナ・イヴ・・・フィーネの魂など宿していない・・・ただの優しいマリアなのですから・・・」

その言葉が、意味する事、それは―――

「フィーネの魂は、どの器にも宿らなかった。ただそれだけのこと―――」

その言葉に、シンは愕然とし――――

 

 

 

 

 

 

 

「――――あれ?」

来るであろう衝撃が、いつまでも来ない事に気付き、戦兎は目を開ける。

そこには、こちらに向かって手をかざす切歌の姿があった。

しかし、その姿がほんのりと赤いような―――

(いや、違うッ・・・!?)

戦兎はすぐに後ろを見た。

 

そこには、いくつかの鉄棒を支える――――赤いバリアが張られていた。

 

「これは・・・まさか・・・!?」

「何が、どうなってるデスか・・・?」

戦兎は思わず、切歌の方を見る。

そして、理解する。

(こいつが・・・了子さんの・・・フィーネの器なのか・・・!?)

その事実に―――戦兎は愕然とする。

 

 

 

 

 

マリアは―――フィーネではない。

 

 

 

であるならば、その魂は、別の器に宿る―――

 

 

 

 

 

ただ彼女たちはしらない。

 

 

 

この盛大な()()()が、さらに面倒くさい事態を引き起こす事を――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真夜中―――

調と切歌、そして慧介がメディカルチェックを受けている中、シンは一人、コックピットに向かっていた。

扉を開ければ、そこには飛行機を操縦するマリアの姿があった。

「マリア」

「シン?どうかしたの?」

「そろそろ代わろう」

「いえ、まだ大丈夫よ。貴方はもう少し休んでて」

「慧介はドクターに任せている。人でなしではあるが、技術に関しては文句を言わざるを得ないのでな」

「そう・・・」

マリアの隣の座席に座り、各機器の機能チェックを行うシン。

しばしの沈黙。

「・・・・お前がフィーネじゃないというのは本当か?」

「ッ!?」

そのシンの問いかけに、マリアは思わず目を見開いてシンの方を見る。

「・・・・どこでそれを」

「調と切歌が戻ってくる前に、お前とナスターシャが話している所を聞いた」

「・・・・そう」

その言葉に、マリアは平静を装うように、星空が輝く空を見た。

「・・・・提案は、マムからだったわ」

「・・・・」

「私がフィーネを演じる事で、ドクターをこちらに引き入れる事が目的だった。私たちの計画に、ドクターが必要だったから、私はそうせざるを得なかった」

「フィーネを演じる事で、異端技術の先端を所有している事を示す事で、ドクターを引き入れたという事か・・・」

「まさかジェームズ博士や貴方たちまでついてくる事になるとは思わなかったわ。それに、仮面ライダーなんていう、シンフォギアに匹敵する力を持ってくるなんて」

「二年前だ。博士にとっては、フロンティアの事など二の次で、俺たちを桐生戦兎たちとぶつけるのにこれほど都合の良い理由はなかったんだろう」

「そう・・・」

「その結果があの様だ。俺は、慧介を守る事が出来なかった・・・」

「それは、向こうの力が強かっただけで・・・」

「だからこそ、だと思うがな」

シンが、マリアの言葉を遮って言う。

「お前たちは、あまりにも人と戦う事を恐れている。それは、お前たちの中にある良心故だ。だからこそ、ナスターシャはこの計画に限界を感じているんだろう」

「そんな事は・・・!」

「いいかマリア」

シンは、マリアの方を見て、真っ直ぐに言う。

「お前はその優しさを捨てるな」

その言葉に、マリアは何も言えなくなる。

「例え嘘を貫き通してでも、その優しさだけはなくすな。それを無くしたら、お前は、お前でなくなる」

その言葉は、マリアを絶句させ、そしてシンは今一度夜空の照らす夜闇を見た。

(その優しさを守るためには、俺は、この剣を振るおう―――)

その決意のままに、シンは、操縦桿を握りしめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――と、いう訳だ」

「はあ・・・」

病室にて、弦十郎の言葉に、響はやや実感のない返事を返す。

この病室には、翼やクリス、戦兎、龍我もいた。

「このスキャニング画像の通り、響君の体内でガングニールの欠片が侵食と増殖を繰り返した結果、新たな臓器を形成している事が判明した。これが響君の爆発力の源であり、命を蝕んでいる原因だ」

それを見て、クリスは悔しそうに顔を歪める。

「・・・あはは」

そんな中で、響の笑い声が聞こえてきた。

「つまり、胸のガングニールが活性化するたびに、融合してしまうから、今後は、なるべくギアを纏わないようにしろと・・・」

そう、笑いながら言って見せる響。

しかし、そんな響の手を翼が掴み怒鳴る。

「いい加減にしろ!()()()()だと?寝言を口にするな!」

その眼には涙が滲んでいた。

「今後一切の戦闘行為を禁止すると言っているのだ!」

「翼さん・・・」

「このままでは死ぬんだぞ、立花!」

「ッ・・・!」

その言葉に、響ははっとなったように目を見開く。

しかしそこでクリスが割ってはいって止める。

「そんくらいにしときな!この馬鹿だって、分かってやってるんだ」

その言葉に、翼はさっさと病室を出ていってしまう。

その様子に誰も言葉をかける事は出来なかった。

そんな中で、弦十郎が心配を拭うように、話しかける。

「医療班だって、無能ではない。目下、了子君が残してくれたデータをもとに、対策を進めている最中だ」

「師匠・・・」

「治療法なんて、すぐに見つかる。そのほんのわずかな時間、ゆっくりしててもばちなど当たるものか」

響の頭の手におき、そう言う弦十郎。

「だから、今は休め」

「わかり・・・ました・・・」

そんな重い雰囲気の中、ふと戦兎だけは一つ考え事をしていた。

「戦兎?」

「ん?どうした万丈?」

「いやお前がどうしたんだよ?さっきからなんか考え込みやがって」

「いや、なんでもない・・・」

「そうか・・・?」

龍我に言われて、戦兎は改めて考え込む。

(フィーネの魂の本当の器は暁切歌・・・・まだ記憶が覚醒してないとはいえ、その力の片鱗が出ていた)

かつて、響や龍我から聞いた櫻井了子が張ったバリア。

切歌の展開したそれは、それと大差ないものと判断するならば、これは色々と厄介な事になってくる。

(まさかこんなに早く覚醒する事になるなんてな・・・)

現実は、何故こうも残酷なのか。

(響のガングニール侵食・・・切歌の了子さん化・・・F.I.S.の目的・・・)

様々な事が重なり、戦兎の頭でも処理しきれない。

(何故奴らはマリアをフィーネの新たな器として偽る必要があった・・・その理由が見つからない・・・一体何故・・・)

考えても考えても頭がこんがらがっていく。

(あー、もうやめよう。あの後すぐに別れちまったからな。なんか複雑な事情抱えてるみたいだし、もし連れてきたら連れてきたで向こうがこっちを襲撃してくるかもしれないからな)

もしやってきたのがシンなら、弦十郎が対処する前に多くの命が消えそうな気がするからだ。

(そうなった時はもう一度ハザード使わなくちゃいけなくなるが・・・ああ、最近泊まり込みになってきているからあれの修復作業も全然進んでないんだよな・・・今度セレナ呼ぶか)

なんて事を考えて、戦兎は、今後の事を考えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

ナスターシャたちが、『フロンティア』に施されている封印の開放を実行している間、調は一人、慧介の眠る部屋で待機していた。

未だ目覚める事のない慧介。

ビルドからの強力な一撃をうけて、さらにその状態でクローズとの戦闘に挑んだのだ。ジェームズが打ったドーピング剤がいかようなものか知らないが、その所為で慧介は体に更なるダメージを負ってしまっているのだ。

だから、ここ数日は目が覚めないというのが、ウェルの見解だった。

「慧くん・・・」

まるで死んだように眠る慧介。

「・・・ごめんなさい」

まだほんのりと温もりのある手を両手で包み込み、調は静かに謝る。

「私が、もっと、あの人の警告をちゃんと聞いていれば・・・慧くんは、こんな事にはならなかったのに・・・」

スクラッシュドライバーによる暴走―――それは、使用者を破滅させる事に他ならない。

だけど、もう彼が暴走する事も、戦う事もない。

「だけど、もう大丈夫・・・」

そして、確かな覚悟をもって、調は慧介を見た。

「私が、慧くんを守るから」

もう二度と、彼に辛い思いはさせない為に――――

 

 

 




次回!愛和創造シンフォギア・ビルドは!?

「でたらめ・・・ですと?」

日本政府がかき集めた月軌道に関する結果。それがもたらすものとは。

「・・・ごめんなさい」

勝手にアイテムの修復をしていたことがバレるセレナ。

「マム、これは・・・」

その一方、スカイタワーにて行われる、『フィーネ』と米国政府との密会。

「デートの続きだよ」

そして、響と未来のお出かけの行方は――――


次回『ディッセンゲイジする手/守れなかったサンシャイン』


「響ぃぃぃぃいいぃぃぃいいぃいいい!!!!」

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