藤「前回、マリアさんたちが敗北してしまいましたねえ・・・」
友「イグナイトモジュール、ここまで危険なものだったなんて・・・」
緒「しかし、彼女たちならきっと乗り越えてくれるでしょう」
翼父「うむ。それはそうと最近、作者は『装甲娘』なるゲームを始めたそうだ」
友「またぁ!?本当に作者色々なゲームに手を出しているわね!?」
藤「作者曰く、面白いから仕方ないでしょう、とのことです」
緒「シナリオやキャラの個性がすごくドストライクだったようです。ちなみに作者は原作LBXではオーディンとドットブラスライザーが好きだったりします」
弦「まあなにはともあれ、今回ついに未来君とマリア君が、モジュールを克服・・・するかもしれない第十三話をどうぞ!」
作「エンペラーが想像以上に可愛い」
デイブレイク社―――第三支部本部にて。
「らしくありませんね」
ジーナが、ロジャーに向かってそう言う。
その部屋は、凄まじい惨状だった。
壁、天井、床、至る所に何かで殴ったかのようなクレーターが出来、砕け散った瓦礫が散乱し、とてもではないが人が住めそうな様子ではなかった。
「それほどまでに、相棒であるテラーを奪われたことが許せないのですか?」
「当然だ」
ジーナの言葉に、その部屋をこのような惨状にした張本人、ロジャーは答える。
「あのガキだけは何が何でも殺す。テラーをやりやがったあのガキは、必ず俺の手で始末する・・・!」
「はあ・・・まあ、あの装者の討伐は我々にとっても優先すべきこと。止めはしませんが、冷静さを欠いて返り討ちにならないようにしてください」
「はっ、イグナイトをまともに起動させられないあのクソガキに、俺がそうそう遅れを取るかってんだよ」
「だといいですけどね」
ジーナはそれだけ言って部屋を出ていく。
そして、ジーナが出ていった所で、ロジャーは思いっきり壁を殴る。
「奴は殺す・・・必ず殺す・・・・!!」
呪詛のように、ロジャーはそう呟いていた。
「主を失ってなお襲い掛かる人形・・・」
政府保有の施設の客間にて、そう呟く翼。
「どうして優位にことを運んでも、止めを刺さずに撤退を繰り返しているのだろう?」
「まるで遊ばれてる気分だ」
「人形に人形遊びされてるってか?悪い冗談だぜ」
確かに、あの状況でなら無理に攻撃すればマリアを仕留められたかもしれない。
ロジャーは完全に殺す気だっただろうが、そこはグリスたちのファインプレーということで良しとする。
どちらにしろ、一体どういう事なのだろうか。
「何か裏があるとみて間違いないだろうな」
戦兎が、顎に手を当てつつ、そう呟く。
「よっく分かんねえな」
「万丈は相変わらずね・・・」
一方の龍我は話についていけず、というより暇つぶしにその場で腹筋である。それに呆れる美空。
「気になんのはそれだけじゃねえ。アイドル大統領と未来のこともだ」
「マリアがアイドル大統領なのは否定しないが、確かにそうだな」
「いやシンさん否定してあげましょうよ!?」
シンのボケはともかく、今はこの場にいない未来とマリアの事もある意味での心配事の一つだ。
そして、その事について、響は語る。
「力の暴走に飲み込まれると、頭の中まで黒く塗りつぶされて、何もかも分からなくなってしまうんだ・・・」
ビルドのハザードフォームとは違う、シンフォギアの暴走。
それは、一重に破壊衝動の暴走という共通点を有しているも、兵器か獣かという違いが確かに存在する。
そして、その発動条件も、まさしく真逆。
ハザードフォームの暴走は、まさしく機械的設定にあるかのようなものであり、『必然』という言葉が必ず介入するもの。
しかしシンフォギアの暴走は、己が闇を爆発させることで発動する本能の解放。そしてそれは、一重に自分自身の『弱さ』を突き付けられる事象でもある。
必ず暴走する『
その気になれば必ず制御できる『
(未来・・・)
今、一人でいるだろう未来の名を、響は心の中で呟いた。
「・・・・あれ?そういえば幻徳さんは?」
ふとここで慧介が、幻徳がいない事に気付く。
「ん?そういえば・・・どこいったんだ?」
誰も幻徳の行方を知らなかった。
「はあ・・・」
あてもなく、そのあたりを歩く未来。
(魔剣の呪い・・・私の心が、弱かったばかりに・・・)
あまりにもあっさりと、飲み込まれてしまった。
その結果が、あの暴走だ。
(強くなりたい・・・)
親友の隣に立てるぐらい、強く―――
そんな中で、未来に声をかける者がいた。
「小日向未来」
「ん?」
顔を上げてみれば、そこには幻徳がいた。
「幻徳さん・・・」
「丁度いい。お前も練習に付き合え」
「練習・・・?」
何の事かと思っていると、幻徳がある方向を向く。そちらを向けば、そこにはマリアと一緒にやってくる、ボールを持ったエルフナインの姿があった。
「エルフナインのサーブの練習に付き合ってやっていたんだ」
「ああ、なるほど」
それを聞いて、未来も納得する。
そうして、未来、マリアも交えた四人で、サーブ練習を始める。
何度も、何度もやって、しかし納得できないのか、エルフナインは何度も何度もサーブを繰り返す。
「おかしいな・・・上手くいかない」
「だが、確実に上手くなっていく。こういうのは積み重ねるのが大事なんだ」
「はい」
そう言って、幻徳は飛んできたボールをエルフナインに返す。
「・・・旧世界で戦ってきた長官なら、分かるのかな・・・」
「ん?」
ふと、マリアがそう呟き、それに幻徳は首を傾げる。
「だとしたら教えてほしい・・・『強い』って、どういうことなんでしょうか?」
その問いかけには、未来は顔を挙げる。
それは、今未来が直面している問題でもあるからだ。
自分が『弱い』ばかりに、魔剣の暴走を許してしまった、それを解決する為の糸口を。
「・・・・」
その問いかけに、幻徳は答える。
「・・・逆に聞くが、お前にとって『弱さ』とはなんだ?」
「え」
全く予想もしてなかった質問が返ってきて、マリアは思わず茫然とする。
その時だった。
すぐ傍の砂場から、噴水の如く水柱が立ち上る。
「「「「ッ!?」」」」
それに、四人は思わずそちらの方を見る。
「お待たせ♪外れ装者」
ガリィが、水柱の上に立ち、彼らを見下す。
「ッ!」
エルフナインの前に、未来、マリア、幻徳が立つ。
「マリアさん、未来さん、幻徳さん・・・!」
マリアは頭に巻かれていた包帯を解き、投げ捨てる。
「今度こそ歌ってもらえるんでしょうね?」
その見下すかのような言葉に、マリアは身構える。
だが、その直後、
「バル!!」
ラムがなぜか未来の背後に向かって咆える。
「え―――」
それが、一体何を意味するのか分からず―――未来の首に蛇が噛みつく。
「あっ――――」
「―――ッッ!?」
それを見て、三人の血の気が引く。
突き立てられた牙から、毒が流れ込む。
「ぁ・・・か・・・」
その毒は、たちまち未来の体を侵し、途端に未来は膝をつく。
「未来!」
「おい!しっかりしろ!」
「グルッ!!」
すかさずクロが未来の首に噛みつく蛇を弾く。その蛇が戻っていく先には、一人の男が立っていた。
「お前は・・・!!」
「これで終わりだ」
ロジャーだ。
ロジャーが作り出した毒蛇の牙が、未来に突き立てられたのだ。
「即効性の神経毒だ。三分で毒は全身を巡り、やがて体機能を停止させ死に至らしめる・・・そいつはもう終わりだ」
「それは、どうかな?」
「何?」
幻徳の言葉に、ロジャーが首を傾げる。
すかさず、今度はクロが傷口に噛みつく。
すると、たちまち悪くなっていた未来の顔色が元に戻っていく。
「なんだと!?」
やがてクロが口を離すと、その口から緑色の液体を吐き出す。
「あ、あれ・・・?」
そして、先ほどまで吐き気すら覚えていた未来は、何事もなかったかのように目を開いた。
「貴方、大丈夫!?」
「あ、はい・・・どうにか・・・」
「よかった・・・」
未来の返事に、マリアは胸を撫でおろす。
「なん・・・で・・・なんでだ・・・!?」
「クローズドラゴンには毒を吸い出し、なおかつ解毒する機能が備えられている。地球外生命体の毒ですら抜き取り治すことが可能だ」
幻徳がそういえば、クロがざまあみろと言わんばかりに鳴く。
それを見て、ロジャーは、笑い出す。
「くく・・・そうか・・・そういうことか・・・」
その様子のおかしさに、三人は警戒しながら立ち上がる。
「やはり、俺の手で直接殺すべきなようだなァ!!」
完全に臨戦態勢だ。
「いや、こいつは殺させはしない」
『スクラァッシュドゥライバァーッ!!』
「大人として、仮面ライダーとして、貴様を倒すからだ」
そう言って、幻徳はクロコダイルクラックフルボトルを取り出す。
「ラム」
「クロ」
マリアと未来の声に応えるように、ラムとクロがそれぞれの手に収まる。
そして『スタンバイスターター』を押す。
『STANDBY!』
『STANDBY…!』
すると、ラムが白銀の狼へと、クロが黒紫の龍へ変化する。
『Danger!』『クロコダイル!!』
シールディングキャップを開ければ、そのボトルからは表層がひび割れたかのような発光をし、そのままスクラッシュドライバーに装填する。
そして、何かが迫るBGMのような音が響き渡り、幻徳は、アクティベイトレンチを下ろす。
「変身」
「―――
「―――
『割れるゥ!喰われるゥ!!砕け散るゥッ!!!』
『クロコダイル・イン・ロォーグ…ッ!!!』
『オゥラァァァア!!!キャァァァア!!!』
二人の歌と一人の変身が響く。
銀腕と歪鏡、そして大鰐。
何かに喰われ割られるかの如き変身シークエンスを通して、仮面ライダーローグが出現。また、アガートラーム、神獣鏡をマリアと未来は再び纏う。
「外れでないのなら、戦いの中で示して見せてよぉ!」
「ぶっ殺してやる!」
ガリィがアルカノイズをばらまき、ロジャーが未来に向かって襲い掛かる。
しかし、ロジャーの前にローグが立ちはだかる。
「そこをど―――げぇぶっ!?」
ローグを殴り飛ばそうとするロジャー。だが、吹き飛ばされたのはロジャーだった。
最大の防御力を誇る仮面ライダーだ。ロジャーの拳は通用しない。
「こっちは任せろ。お前たちは、オートスコアラーを」
「分かりました!」
「頼みます!」
未来とマリアが、アルカノイズ殲滅に乗り出す。
その一方で、幻徳がロジャーと対峙する。
「お前の相手は俺だ」
「俺の邪魔をするなぁぁぁあ!!」
ロジャーの絶叫と共に、戦いの火蓋が降ろされる。
それは、突如としてリンク・アニマルたちが騒ぎ出しての事だった。
「アルカノイズの反応を検知!」
持参していたノートパソコンから、藤尭がそう声を挙げる。
「マリアたちがピンチデス!」
「未来が危ない!」
真っ先に切歌と響が外に飛び出し、その後に他の装者、ライダーたちが続く。
「あ、慧介はここに残ってろ」
「え!?ちょ、俺も」
「翼!」
「承知!」
「あ、ちょ、影縫いは卑怯―――アーッ!」
・・・慧介一人を除いて。
「どんまい」
「ちくしょう・・・」
影縫いで動けなくなった慧介の肩に、美空が手を置く。
しかし、その最中で、緒川の目に開いたままの扉から、何かが見えた。
「ッ!」
それを見た緒川はすぐさま部屋の外に出て、周囲を見渡すが、特に何もなく。
「風・・・?」
「どうかしたんですか?」
美空は、緒川の様子に疑問符を浮かべ。
「いえ、なんでもありません・・・きっと」
緒川は、そう答えつつも、過った不安を拭えずにいた。
マリアの放った短剣と、未来の放つ光線が一重にアルカノイズを殲滅していく。
そこへ襲い掛かる流水。それは冷水。他者を一気に凍てつかせるその激流の一撃をマリアは展開した三本の刃を持ってバリアを展開し、防ぐ。
そして、ガリィの側面から、未来が光線を三発発射、ガリィに叩きつけようとする。
「そのギアの特性は知ってんのよ!」
しかし、放たれた未来の攻撃は、ガリィが展開した氷の盾に
「ッ!?」
神獣鏡は鏡の聖遺物。そこから放たれる攻撃は、当たれば確かに敵を消失させる一撃を叩き込むことが可能だ。しかし、その光線は『鏡、あるいは光を反射する物で跳ね返る』という特性がある。
ガリィが作った氷の盾は、一見して鏡のようなもの。
即ち、未来の攻撃を反射出来るのだ。
「攻撃が通らない・・・!」
「ふっ!」
すかさず、ガリィが二射目を放つ。
それを、すかさずマリアが防ぎにかかる。しかし、
『Danger!』『Danger!』『Danger!』
AR機能による自身のシンフォギアからもたらされる危険信号。
しかし、それに対応できず、マリアはバリアでその流水を防ぐも、あっという間に破られその冷水を浴びる。
「マリアさん!く!」
それを見た未来は鉄扇を構えてガリィに肉薄する。
だが、ガリィに肉薄する途中で、足元に魔方陣らしきものが出現する。
「なっ!?」
反応する間もなく、その魔方陣から現れた氷に、未来は天高く弾き飛ばされる。
「がっは・・・!?」
その光景は、エルフナインにも見えていた。
「未来さん!」
一方のマリアも、流水に晒され続け、その体をどんどん凍らされていく。
「強く・・・強くならねば・・・!!」
抗おうと思っても、氷はどんどん、自らを多い尽くしていき、やがて全身を氷漬けにされてしまう。
「マリアさん!」
エルフナインの悲鳴が上がる。
「死ねェ!」
ロジャーの拳がローグの胸に叩きつけられる。しかしローグはびくともせず、逆にローグの拳がロジャーを殴り飛ばす。
「ぐぅあ!?」
攻撃が通用しないのはなぜか。
「クソがァ!」
ロジャーが蛇を出してローグの体へと纏わせ、束縛し、その首を一気に締めあげる。
「どんだけ衝撃に強くても、締められれば死ぬだろォ・・・」
「ぬぐ・・・」
確かに、ローグの防御力の秘密は、防弾チョッキの技術にも使われている『水に溶かした片栗粉』と同じ原理。
普段は液状のヴァリアブルゼリーが装甲内に満たされており、それらが強い衝撃を受ける事によって徹甲弾をも防ぐほど固く硬化する特性をもっている。
だから、強い衝撃にはこれでもかと強い。だが、今のようにゆっくりと締め上げる攻撃に対してはあまりにもその装甲は役には立たないのだ。
―――ローグの防御力ばかりに目がいけばの話だが。
「ぬ・・・ぐ・・・!」
どうにかアクティベイトレンチを叩き下ろすローグ。
『クラックアップフィニッシュ…ッ!!!』
次の瞬間、ローグから発せられた衝撃波で蛇たちが一斉に千切れ吹き飛ばされる。
「なん・・・!?」
「オォォオオ!!」
そして、ローグの全身を駆け巡るエネルギーを右拳に収束させ、一気にロジャーに叩きつける。
「くぅっ!」
すかさず蛇を収束させある意味での肉壁を作り、ローグの一撃を受ける。
叩きつけられた衝撃は肉壁に浸透し、弾け飛ぶ。
そしてすかさず、もう一方の拳でロジャーの腹を殴る。
「ぐぼあ!?」
腹を殴られ、その体をくの字に曲げるロジャー。
だが、その拳は必殺ではない。
『クラックアップフィニッシュ』のエネルギーは全て、先ほどの右拳の時に使ってしまった。
「く、そ、がぁぁあ!!」
ロジャーが蛇を巻き付けた腕でローグを振り払う。
それをローグは下がって躱し、距離をとる。
その最中、仮面で顔が隠れている事をいいことに、視線をマリアたちの方へ向ける。
そこには、氷漬けにされたマリアと、天高く跳ね上げられている未来の姿があった。
「ッ!?」
それを見て、ローグは仮面の奥で目を見開いた。
「強く・・・!」
なおも強さを求め、マリアは、自身を覆いつくす氷を砕き破る。
「く・・・ぁ・・・」
氷漬けにされた影響か、四肢が麻痺し、感覚がなくなってきており、また冷水で体力を削られた為か、マリアは、膝をつく。
「あぐぅ!?」
そのすぐあとに、未来が落下する。
「くぅ・・・」
弾き飛ばされ、落下した影響か、そのダメージで動けない未来。
「てんで弱すぎる」
そんな二人を、ガリィは侮蔑をもってそう言う。
そんな中で、二人は、自身の胸にあるマイクユニットに手を伸ばす。
イグナイトモジュールを使う気だ。
「その力、弱いアンタらに使えるの?」
「「ッ!?」」
しかし、ガリィからの言葉を受けて、マリアと未来は思わず目を見開く。
「私はまだ、弱いまま・・・」
「どうしたら・・・強くなれるの・・・?」
そう、呟いた時だった。
『逆に聞くが、お前にとって『弱さ』とはなんだ?』
幻徳の先ほどの言葉が、二人の脳裏に過った。
「私にとっての・・・」
「・・・弱さ・・・」
そう呟いた直後だった。
「ぐぉぁぁああ!?」
男の悲鳴が聞こえ、顔を挙げた先には、高く飛び上がってガリィに向かって落ちるローグの姿があった。
その手には、ロジャーの姿も。
「なっ!?」
「ふんっ!」
ローグが、ロジャーをガリィに向かって投げ飛ばす。
「チィッ!」
思いのほか早い投擲に、ガリィは迎撃ではなく回避を選択。
そのガリィが回避した先に、ローグのネビュラスチームガンの銃弾が襲い掛かる。
「こいつ!」
着地してもなおガリィを銃撃し続けるローグ。しかしその最中で地面に倒れるロジャーを掴み上げると、そのままネビュラスチームガンを持った右手で殴る。
「ぐべら!?」
そのまま地面を転がるロジャー。
「・・・俺にとっての『弱さ』とは―――『過去』だ」
ローグが、マリアたちに向かって言う。
「過去の過ち、それこそが俺の『弱さ』であり、『罪』だ」
「なにをごちゃごちゃと!」
ガリィが襲い掛かる。
振るわれる氷の刃を、ローグは腕で受け止める。
「ッ!?」
その刃を弾くと同時に、ローグの拳がガリィの顔面を狙う。
「だが、それを理由に過去から逃げてはいけない!」
ロジャーがローグを無視して未来の元へ向かおうとするのを、その肩を掴んで阻止し、その顔面に拳を叩きつける。
「過去を悔やみ、向き合い、そして乗り越える。それこそが『弱さ』であり『強さ』!」
ガリィがローグの足元を凍らせる。そしてすかさずつららの弾丸がローグを襲う。
身動きの取れないローグにつららが炸裂する。
「ぬぐっ!?」
衝撃ではなく、熱による痛み。冷却によって錯覚する焼けるような痛みにローグは悶える。
しかし、耐え切る。
「時代は変わる!」
装甲に張り付いた氷を無理矢理引っぺがしながら、ローグはネビュラスチームガンの引き金を引く。
それが、未来の元へ向かおうとしていた蛇たちを的確に撃ち抜く。
「チィッ!」
中々未来を攻撃出来ない事に、ロジャーの苛立ちを覚える。
「だが、変わることを恐れていては前には進めない!」
銃口を自分の足元へ向け、引き金を引き、氷を砕いて自由を確保する。
「
クロコダイルクラックボトルを、ネビュラスチームガンに装填する。
『クロコダァイル…!』
装填されたクラックボトルのエネルギーを充填。そのまま一気にガリィとロジャーに向かって放つ。
「喰らえ・・・!」
『ファンキーブレイクッ!!クロコダァイル…!』
引き金を引き、破壊の一撃が二人を襲う。
「ぐぅっ!?」
「ぬぐあ!?」
凄まじい衝撃が迸る。
「自分の大義を背負い続けることこそが、俺の強さ・・・」
衝撃によって吹き飛んだ砂浜に立つ、ローグが叫ぶ。
「国を創るのは、力を持つものじゃない――力を次に託せる国を創る―――それこそが、俺の大義だ!」
その叫びは、まさしく二人の少女に届いた。
「自分らしく変わること・・・」
「自分の大義を背負い続けること・・・」
「マリアさん!未来さん!」
さらに、エルフナインからも声があがる。
「大事なのは、自分らしくあることです!」
その言葉で、二人は悟る。そして思い出す。
それは、マリアがエルフナインに向かっていった言葉。
『弱く打っても大丈夫、大事なのは、自分らしく打つことだから』
他の誰でもない、マリア自身が言った言葉を。
『どんなに悩んで考えて、出した答えで一歩前進したとしても、響は響のままでいてね』
一年前、自分が親友に言った言葉を。
「弱い・・・そうだ」
二人が、立ち上がる。
「強くなれない私に、エルフナインが気付かせてくれた」
「弱くたっていい。私は私の、ありのままを受け入れる」
「弱くても、自分らしくあること。それが強さ」
どんな事が起きようとも、自分を捻じ曲げない。
「エルフナインは戦えない身でありながら、危険を顧みず、勇気をもって行動を起こし、私たちに希望を届けてくれた」
それが、どれほど勇気のいる事か。
「それはきっと、簡単な事じゃない。きっと、何よりも勇気のいる事だったんだと思う」
弱くてもいい。弱い自分を否定しなくていい。
その弱さを見つめ、受け入れ、前に進むこと。
それこそが―――『強さ』!
「小日向未来!」
マリアが、未来の名を呼ぶ。
「私と貴方の求める強さは、ほんの少しだけ違うかもしれない。だけど、それでも―――私と一緒に歌ってくれないか?」
マリアからの提案。それに未来は、大いに頷く。
「はい。まだまだ未熟者ですが、私で力になれるというのなら!」
その答えにマリアは微笑み、そして、敵を見据える。
「エルフナイン!そこで聞いていてほしい!」
「貴方の勇気に応える歌だよ!」
そして二人は―――一度敗北した力に、もう一度挑む。
「「『イグナイトモジュール』、抜剣!!」」
変形したユニットが、それぞれの胸を穿ち、その心の奥底に存在する破壊衝動を呼び覚ます。
「ぐ、ぅあぁああ・・・!!」
「あ、くぁぁああ・・・!!」
『黒』が、彼女たちを蝕んでいく。
しかし、それに彼女たちは、全力で抗う。
(狼狽える度、『偽り』に縋ってきた昨日までの私―――)
(いつも後ろで、響たちが傷ついていく様を見ている事しか出来なかった今までの私―――)
そう、自分たちは弱かった。
偽りに縋ることしかできなかったことが弱さであるならば、
後ろで見ることしか出来なかったことが弱さであるならば、
「そうだ―――」
「らしくあることが強さであるなら―――!!!」
心を蝕む破壊衝動。呪い―――されど、それを受け入れてこそ―――
「マリアさん!未来さん!」
「見せてみろ、お前たちの強さをッ!!」
エルフナインとローグの叫びが耳に届く。
その声をトリガーとして、二人は―――呪いを捻じ伏せる。
「「私は弱いまま、この呪いに反逆してみせるッ!!!」」
そして、叫ぶ。
「「変身ッ!!」」
漆黒が全身を覆いつくし、二人のギアに決定的な変化をもたらす。
全身を覆った漆黒は、形を成し、鎧を形作り、力として顕現する。
それこそが、マリア・カデンツァヴナ・イヴと小日向未来のイグナイトモジュール。
「今ここに問いかけよう 『強さ』とは何かと」
二人の
「弱さが強さとか頓智を聞かせ過ぎだって!」
ガリィがすかさずアルカノイズをばらまく。
「ぶっ殺してやる!」
さらにロジャーからも大小さまざまな蛇がばら撒かれる。
「それは己の弱さをありのまま受け入れること」
左腕のアームドギアに短剣を装着、そこから発せられる光弾と展開したミラーデバイスから放たれる光線が、瞬く間にアルカノイズと蛇を蹂躙していく。
「無念 後悔 絶望 羨望 全ては私のDisgrace」
ガリィがローグを突破し、それに対してマリアが突貫、未来が援護に入る。
放たれる閃光それがガリィに殺到するも、ガリィは鏡の特性をもった氷のバリアを展開する。
だがしかし、その氷のバリアはいとも容易く破られる。
「ッ!?」
実際の所、イグナイトモジュールの搭載に最も難儀したのは神獣鏡だ。
理由は、神獣鏡の持つ凶祓いとモジュールの核に使われているダインスレイフの呪いが反発し合って、イグナイトをまともに発動できない事にあった。
それを戦兎は、あえて神獣鏡の特性である特殊性をモジュール発動と共に打ち消し、呪いの力によって爆発的なエネルギーを得る事を選択。
いわば、凶祓い、
「何もできない自分自身 だけどそれも
即ち、今の未来の神獣鏡の一撃は、鏡に跳ね返らない、見た目通りの光線として放たれているのだ。
そしてその光線は、まるで蛇のようにうねり、ガリィを襲う。
それと同時に、マリアの短剣の一撃が突き刺さる。
「「私は弱い事を受け入れよう」」
胴を断ち切られたガリィ。しかし、すぐさまその体は水泡へと変わり、その水泡一つ一つにガリィの姿があった。
一方、ローグとロジャーの戦いはというと。
「がぁぁああ!!」
ロジャーの拳がローグに叩きつけられる。だが、やはり効かない。
「偽りに縋ってきた」
そのままローグの拳がロジャーのどてっぱらに叩きつけられ、ロジャーは前のめりになる。
すかさずローグがロジャーの胸倉をつかんで上体を起こし、そのまま顔面に一撃を叩き込む。
「見る事しか出来なかった」
そのまま吹っ飛ばされたロジャー。
しかしその先には未来がいた。
「ッ!しねぇぇえ!!」
すかさずロジャーは未来に襲い掛かる。だが、
「リンクスアームズ」
次の瞬間、ロジャーの胴体に、凄まじい衝撃が迸る。
「ぐげぁぁああ!?」
自身の右腕ごと蹴り飛ばされ、砂浜を転がるロジャー。
そして、ロジャーが見上げた先にいるのは、紫電を迸らせるレッグギアを構える、未来の姿があった。
『Links Arms〔Smash Greaves〕』
本来ならホバー移動に使われる未来のレッグギア。しかし、それを攻撃に転用することで、未来の脚力を十二分に発揮することが可能。
それが未来の神獣鏡のリンクスアームズ『スマッシュグリーヴ』。
「だけど」「それも」「「昨日までの話だ」」
そのまま未来は、ロジャーを追撃。
イグナイト発動によって四本に増え、その先が口のように変化した腕の帯、未来本来のアームドギアである鉄扇、そして、彼女のリンクスアームズ『スマッシュグリーヴ』による、怒涛の連撃。
「ぐっ、くぅ・・・クソガキっ・・・!?」
「守りたいものがあるから」
未来がロジャーを追撃、しかし、それでも蛇は吐き出され続けている。
周囲のものを無差別に襲う様に命令された蛇たちは、一斉にマリアの元へ襲い掛かる。
だが、
「リンクスアームズ!」
『Links Arms〔Legion Sword〕』
マリアの周囲に計七本もの短剣が、マリアのギアから出てくる。
それら一つ一つに、狼の装飾が施され、それら一つ一つが様々な表情をしていた。
その七本に浮遊する剣が、襲い掛かる蛇たちを一瞬にして蹂躙、駆逐する。
それがマリアのリンクアームズ『レギオンソード』
「貫きたい想いがあるから」
七本の自立型攻撃ユニットによる、オールレンジ攻撃。
「だから」「行くよ」「「私の大義の為に」」
そのままレギオンソードたちが、空中で飛びまわるガリィの姿を映す水泡を追撃する。
しかし、全て外れ―――と、思っていた矢先にローグの背後にガリィが出現する。
「私が一番乗りなんだから!」
すかさずローグが振り返ってネビュラスチームガンの引き金を引く。
「「今こそ戦うんだ」」
その銃弾を、ガリィは躱す。そのままローグの懐に飛び込んで氷の刃を叩き込もうとするがそれをローグは手首をつかんで逸らす。そしてガリィの額に銃口を突き付けるも、片手で逸らされ外し、途端に二人は距離をとる。
「辛くても」「悲しくても」「「いいさ」」
だが、そこでローグはガリィにいきなり背をむけ、走り出す。
その行為にガリィは目を見開くが、そのローグの死角から上に飛び出してきたマリアを見てさらに驚愕する。
「誰にも負けない歌が―――」
マリアの短剣の一撃がガリィの張った障壁に阻まれる。
「その胸に―――」
ロジャーに対して足払いをかけ、転倒させる未来。
その倒れていくロジャーに向かって滑りこむように現れたローグがロジャーの顔面をぶん殴り体を地面から離す。
「「―――あるのなら!!」」
そのまま未来はマリアとガリィの元へ一気に突っ走る。
「窮命」「絶望」「挫折」「終焉」
一撃を阻んだことに、ガリィは笑みを浮かべるが、マリアの握る短剣が白銀に輝いたかと思えば、たちまちその障壁は砕かれる。
「ッ!?」
「「―――全て乗り越えられるから!!」」
そして、マリアの左のアッパーカットが炸裂し、上空へ打ち出される。
「痛くても」「泣きそうでも」
ローグが宙に浮いたロジャーを殴り飛ばす。
そして、倒れ伏すロジャーに向かって、ローグは―――死刑宣告をする。
「大義の為の、犠牲となれ…!!」
「「この胸の想い―――」」
打ち上げられたガリィに向かって、マリアと未来は飛び上がる。
マリアは、左腕のアームドギアの後ろに短剣を装着、たちまちその刃が大剣状へと変形させる。
「「決して―――」」
未来は、右足の『スマッシュグリーヴ』を変形、まるで質量を圧縮させるかのように縮小させた。
「「手放したりしない―――!!」」
ローグが、アクティベイトレンチを叩き下ろす。
『クラックアップフィニッシュ…ッ!!!』
ローグの両足に、エネルギーが充填される。
マリアが腰のブースターを点火、さらには左腕のアーマーからもブースト、突撃しながら激しく回転する。
未来が右足のバーニアを噴出させ、マリア同様に、高速回転しながらガリィに向かって突撃する。
そしてローグが、エネルギーを充填させた両足で飛び上がり、立ち上がったロジャーに向かってその両足を挟み込む。
叩きつけられる、交錯する一撃。
「「私は私を否定しない―――ッ!!!」」
『錯綜・GRAND†CROSS』
交錯するマリアの剣と未来の蹴りが、ガリィを破壊する。
「一番乗りなんだからぁぁぁああ!!!」
その言葉を最後に、ガリィは爆発と共に消え去る。
そして、ローグの方でも―――
「ぐあぁぁあああ!?」
挟み蹴りを喰らい、さらには鰐のデスロールの如き一回転が加わり、ロジャーは、石垣の壁に叩きつけられる。
凄まじい爆発と共に、ロジャーは、倒れ伏す。
「ぐ・・・か・・・て・・・らー・・・」
倒れ伏したロジャーに、ローグが歩み寄る。
「手加減した。お前には聞き出したい事があるからな」
ロジャーの目の前に立ち、ローグはロジャーに向かってそう告げる。
「ぐ・・・く・・・あいつ・・・の・・仇が・・・討てないのなら・・・」
「ん?」
「この命・・・捨ててやるぅぅうう!!」
次の瞬間、ロジャーの体の中で何かが蠢いたかと思いきや、ロジャーの体を突き破って、一匹の血塗れの蛇が現れる。
「ッ!?」
それにローグは息を飲む。
「クハ・・・ハ・・・」
その様子に、ロジャーは満足そうな笑みを浮かべて、そのまま絶命した。ロジャーの体を突き破った蛇は、そこで力尽きたのか、すぐさま倒れ、そのまま動かなくなる。
「・・・」
その様子に、ローグは何も言わず、ロジャーの死体に背をむけて、マリアたちの元へ向かう。
そこへ、
「未来ぅー!」
「マリア!幻さん!無事か!?」
一歩遅く、響たちがやってくる。
「オートスコアラーを倒したのか?」
「どうにかこうにかね・・・」
疲れ切った様子で、マリアはそう答える。
「未来?大丈夫?怪我してない?」
「もう!いつもそれで私がどれほど心配してるのか分かってるの!?」
「う、ごめん・・・」
未来を心配するも思わぬ反撃に押し黙る響。
「それで幻さん、仕留めたっていうデイブレイク社の奴は・・・」
「自殺した」
幻徳は淡々と答える。
「女性は見ない方がいい。見ていて気分のいいものじゃないからな」
その死の瞬間を見た幻徳が、そう答える。
「しかし、よくやったよ。昼間は暴走したくせに、その日の内にイグナイトを二人とも使えるようになるんだからよ」
「ははは・・・昼間は申し訳なかったわね・・・」
「でも、これがマリアさんと未来さんの強さ・・・」
「弱さ、かもしれない」
「え?」
未来の返しに、エルフナインは首を傾げる。
「だけどそれは、私たちが自分らしくあるための力だ。教えてくれてありがとう」
「・・・はい」
マリアの言葉に、エルフナインは満面の笑みをもって答える。
「貴方にも、私に・・・私たちに弱さを教えてくれてありがとうございます」
「かつて同じ悪を貫こうとした身だ。当然の事だ」
マリアの感謝の言葉を、幻徳はそう受け取った―――
「―――ふむ、ロジャーは死んだか」
リカルドが、ジーナからそのような報告を受ける。
「はい。仮面ライダーローグによって、敗北したと」
「ふむ。それで、オートスコアラーの方は?」
「
「なるほどなるほど・・・」
傷のある体で湯舟に浸かるリカルドは、ジーナの報告をそう受ける。
「また一歩、清き世界へ近づいたというわけか」
「ええ、その通りでございます」
「では、そのまま監視を続け、その上で人員を送り給え。何があっても
そう、リカルドはジーナにそう告げた―――。
すっかり日も沈み、一同は持ってきた花火を使って遊んでいた。
「ていうか、誰だよ花火もってきたの」
「俺だ」
「幻さんかよ!?」
「あ、私も持ってきた」
「みーたんの花火はどれだ!?」
「次はどーんと行くぞー!」
「打ち上げってどれだっけ?」
「ここにある」
「お、じゃあ早速・・・意外に本格的な奴だと!?」
火をつけた花火の先からあふれる様々な光が、夜闇に輝き、鮮やかに色踊る。
「マリアや未来さんが元気になって、本当によかった」
「クァ・・・」
「お陰で気持ちよく東京に帰れそうデスよ」
「ガブッ」
「デスゥ!?」
線香花火を楽しむ切歌の線香花火を、どういうわけかマシャが火のついている部分を食べてしまう。
「うむ、充実した特訓であったな」
「いやどこがですが!?」
「それ、本気で言ってるんすか?」
翼のどこかズレた様子に、慧介とクリスがこぞってツッコミを入れる。
「充実も充実ぅ!お陰でお腹がすいてきたと思いません!?」
「いつもお腹空いてるんですね・・・」
「キュイーン・・・」
何故か目を輝かせている響に、エルフナインは苦笑し、イクスはあきれたように鳴く。
「だとすれば、やることは一つ!」
「じゃんけんか」
というわけで、
『コンビニ買い出しじゃんけんポン!』
結果、響と戦兎と未来の負け。
「パーとは実にお前らしいな」
「拳の可能性を疑ったばっかりに・・・」
「チョキで負けたからパーならいけると思ったんだが・・・」
「ものの見事に負けたな。ま、お疲れさん」
「あらら、私も負けちゃった・・・」
「疲れてるとはいえ勝負は勝負。行ってこーい」
というわけで、昼間にいった時と同じコンビニで、買い物をしようとする戦兎、未来、響の三人。
だがしかし、響は自動販売機に釘付けになっていた。
「おい響、何やってんだ?」
「それがすごいんですよ!東京じゃお目のかかれない『キノコのジュース』がある!え?こっちはネギ塩納豆味!?」
もう完全に虜である。
「何やってんだが・・・」
「あれ?確か君は・・・」
「ん?」
ふと、扉の方から声が聞こえ、そちらを見てみると、そこには配達員の服を着た男が立っていた。
「未来ちゃん・・・じゃなかったっけ?」
「あ、お前は昼間の!?」
「ん?君は昼間の!?」
それは、昼間、真っ先に逃げ出したあの男だった。
「お前、どこに行ったかと思ったらこんな所にいやがったのか!?」
「し、仕方がないだろう。誰だって身の危険を感じたら逃げるだろう・・・」
「あれ?戦兎先生、どうかしたんですか――――」
そこへ響が駆け寄ってくる。しかし、その言葉が、途中で途切れる。
それは、戦兎と未来の前に立つ、男を見たからだ。
「ひび、き・・・?」
そしてそれはまた、男の方も同じだった。
「え?なんで響の名前を知って・・・」
「・・・おとう・・さん・・・?」
「・・・・は?」
響が茫然と呟いた言葉、それに戦兎は固まる。
おとうさん――――響は、そう言ったのか。
それを聞く前に、響は脇目も振らず走り出す。
「あ、響!」
それは、普段の響からは考えられないような程、必死に、見たくもない現実から逃げ出すかのような、そんな走りだった。
そして、戦兎はそんな響の背中を見た後、すぐさま目の前に立つ男の方を見る。
(この男が・・・響の父親だと・・・!?)
戦兎は、その事実に、思わず自分の目を疑った。
次回!愛和創造シンフォギア・ビルドは!?
共同溝にてオートスコアラーを見つけたS.O.N.G.はすぐさま迎撃に向かう。
「やっぱ様子がおかしいデス!」
しかしそこで響が謎の暴走を起こす。
「お父さんのくせにぃぃぃいい――――」
それによって追い詰められる一同。
「歌わないと―――死んじゃうゾォォォオオ!!」
さらに現れる、デイブレイクのさらなる刺客。
「ここで仕留める」
その登場によって、起きた事態とは―――
次回『父娘と強さと翳り』
「けい・・・くん・・・?」
へ・ぇんしん、こうぅざぁ~!!
予告のし忘れで色々と変な事になっちまっただ、今週はこのアタシ、雪音クリスが変身講座の担当だ。
ったく、何がどーしてこんなことしなきゃならねぇんだか・・・まあいい。始めんぞ。
前回までで大体分かってると思うが、アタシはリンク・アニマル『イチイバルドラゴン』変身を行う。
手順は分かってると思うが、まずはリンク・アニマル共通のスタンバイ・スターターを押す。
『STANDBY!』
言っておくが、バルは龍我やあの子のもってるクローズドラゴンと形状は違って、どういうわけか四角形の面の狭い方じゃなく、広い方に頭と尻尾がある謎仕様だ。何を考えてこんな形にしたんだあの先公は・・・
とまあ、これでアニマルブレイズが出てくるって寸法なんだけど、アタシのドラゴンは、蛇みたいな奴じゃなく、四足歩行の首長流みたいな奴だ。えっとあれだ。クシャルダオラあたりを想像してくれると助かる。
そんでここで聖詠。
アタシのポーズは、まあそんな難しいことはしない。ただ祈るだけだ。
こう、顔の前で手を組んで、そして聖詠の終わりに天に突き出す。こんな感じだな。
それじゃ、変身行ってみようか!
「―――
アタシの変身バンクはこんな感じだ。
クリスの背後からクシャルダオラ似の赤い炎の竜が現れ、空高く飛び出す→両手を前に差し出し、そして指先から炎と共にギアインナーを纏う→首後ろから炎が左腕に伸びて、竜の爪を模しながらガントレットに変形→続いて右腕も同様にガントレットを装着→腰のギアパーツが小型の竜の形となり、それが形づいて変形する→腰のミサイルユニットが竜の翼が覆うように炎を弾かせながら出現→足のパーツは炎のリボンが纏われるような感じであり、完全に纏われると一瞬、竜の顔の形になってレッグパーツに変形する→そして最後にカチューシャ型ヘッドギアはボディアーマーから順に炎によって形成、最後に炎の口を開いた竜のような形をとってギアへと変形して、変身完了。
と言った感じだ。
ま、アタシにかかればこんなもんよ。
ここでちと豆知識だが、リンク・アニマルのAI機能は装者やライダーの身体状況、敵の次の攻撃の予測や演算やらと言った具合だが、自分の視界にその映像を投影してるのは、アタシらのシンフォギアのヘッドギアから直接脳内に情報を送っているからなんだと。
そのお陰で、本部からの情報もダイレクトに伝わるって寸法だ。
人間としてはどうかと思うが、あんな科学者、アタシはフィーネ以外に見たことがねえよ。本当にすげえ。
それに、アイツのお陰でアタシは龍我と・・・ん?惚気んのは後にしろ?の、惚気てねえよ!
ああ、もう!とにかく、これでアタシの変身講座は終わりだ!
そんじゃあ次回を楽しみにしとけよ!
リンクス・アームズ紹介
アガートラームウルフ『レギオンソード』
それぞれが自立したAIを持つ七本の剣。
短剣を無数に放つ技とは違い、命令一つで自由自在に動くことが可能。
ただし、七本の剣はそれぞれ性格があり、攻撃的なラースとグリードとグラトニー、あんまり乗り気じゃないスロウにエンヴィー、そして気分次第で態度を変えるラスト、プライドと言った具合に、命令を聞かなかったり従ったりと何かとクセの強い機能である。
ただし、それぞれの剣に様々な能力があるため、クセが強い分、汎用性にも優れている。
自在に操れるかどうかは装着者次第。
神獣鏡クローズドラゴン『スマッシュグリーヴ』
クローズのライダーキックを元にして作られた最初期のリンクス・アームズ。
近接戦に弱い部分を克服するために造られたものであり、元陸上部としての脚力を活かすために作成した武装。
武骨なレッグパーツを移動ではなく攻撃に転用し、足首あたりにエネルギーを集中させて炸裂させる『インパクトモード』とギアの隙間から青い炎を噴出させて敵を溶断する『ヒートモード』の二種類に分けられる。
さらにホバー機能をアフターバーナーとして使用することで、爆発的な火力による強力な蹴りを放つことが出来る。
リンクス・アームズの中では最も負荷がかかりにくい装備である。
シンフォギア一期のOPでシンフォギア・ビルドォ…
イントロにて、翼、奏と戦兎、未来と龍我、了子、クリス、響の順で登場→
といった具合ですかね。あくまでイメージです。ではまた次回にて。
あともう一つ・・・作詞はもう二度とやらねえ・・・
オリジナル章はやったほうがいいか
-
バーサーカーソウル!(いいぞもっとやれ
-
そんなことはどうでもいい!(どちらでも
-
嘘を吐くな!(やるな