愛和創造シンフォギア・ビルド   作:幻在

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戦「てぇんさい物理学者の桐生戦兎とその他大勢は、突如として現れた錬金術師たちと激闘を繰り広げていたのであった!」
龍「おい!その他大勢ってなんだちゃんと紹介しろ!」
響「そうですよ!別段戦兎先生だけが主役な訳じゃないんですし!」
戦「うるっさいなちゃんと台本通りにやりなさいよ」
ク「鉛玉の大バーゲン喰らうか?」イチイバァァアル!!!
戦「サアミンナキョウモジユウニヤッテイコー」
マ「やれやれ。まあ、前回までは、襲撃してきたオートスコアラー・ガリィとデイブレイク社のロジャーの襲撃を受けつつも、私と未来のコンビネーションプレイと幻徳長官の助けによって見事に撃退出来たのでした」
響「いいなぁ、私も未来と歌って戦いたいなぁ」
未「機会があったらね」
シ「作者曰く『作詞したくねえ』と言伝を預かっているが・・・」
ク「そんなもん、二度目もあるに決まってんだろうが。ほら、次章の」
翼「ストップだ雪音!ここでネタバレはまさしくアウトだぞ!」
エボ「そうそう、そんな訳でシンフォギア・ビルドGX第十四話を見ろォ!!」
一同「エボルトォォォオオ!?」
切「今週の変身講座はアタシなのデース!」


父娘と強さと翳り

平日放課後―――リディアンにて。

 

「ふあぁ・・・」

盛大なあくびをかましつつ、戦兎はリディアンの裏門にある人物を待っていた。

その人物とは、

「やっほー戦兎君」

「お、紗羽さん」

滝川紗羽である。

「ごめん紗羽さん、仕事で忙しいのに」

「いいのよ。旧世界からのよしみでしょ?というわけで、依頼の人物、調べてきたわよ」

そう言って、紗羽はA4サイズの封筒を取り出し、それを戦兎に渡す。

戦兎はその封を開け、中の資料に目を通す。

立花(たちばな)(あきら)。ある商社に務めるごく普通のサラリーマンで、責任感が強く、ポジティブに問題を解決して、子煩悩でありながらも優しく家庭を支える良き父親だった・・・でも、響ちゃんがツヴァイウィングのライブに行ってから、その人生は狂わされることになる」

紗羽は、旧世界では難波重工のスパイ『難波チルドレン』の一人。その情報収集能力は凄まじく、どんな相手でも情報を聞き出すほどの話術と交渉術をもって情報をかき集める事ができる。

流石にこの事はS.O.N.Gの力を借りる訳にはいかず、個人的に紗羽に依頼、響の父親『立花洸』のことについて情報を集めてもらっていたのだ。

「その結果が今の体たらくってことか・・・」

あの様は酷い。

危険だからといって避難誘導もせずに青少年たちを置いて逃げたりするなど、かつての面影はまさしく完全になくなっているといっても良かった。

「逃げだすほどのバッシングか・・・」

「当時は本当に酷かったそうよ。仕事は取り上げられて、家の窓に石が投げ込まれたり、誹謗中傷の張り紙をたくさん張られたり、塀には落書き。完全に収まった今ですら、その時の跡が残ってるわ。流石にご家族に話を聞くのは気が引けたわよ」

「すまない・・・だけど、それでも家族を守るのが父親ってものなんじゃないのか・・・」

心なしか、戦兎の資料を持つ手に力が入り、資料の紙にしわが入る。

「・・・ま、それはともかく、私はそろそろ仕事に戻るわね。万丈やあの子たちによろしく言っておいて」

「ああ、じゃあまた後で」

「うん。それじゃ」

それを最後に、紗羽は車に乗って行ってしまう。

「・・・・父親、か」

その去り際を見届けつつ、戦兎は、ふとどこで働いてるのか分からない、父親の事を思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

どこかのレストランにて、シンはエリザと食事をしていた。

「・・・今回は一体なんの用だ?」

「別に、今回は勧誘じゃなくてただ単純に貴方と食事がしたかっただけよ」

エリザは、ステーキを食べながらそう微笑んで見せる。

その様子に、シンはジト目でエリザを見つつ、コーヒーを一口飲む。

「そういえば、『血』の方は大丈夫か?」

「ん?ああ、大丈夫よ。これのお陰で」

シンの問いかけに、エリザは自分の右手に装着されている指ぬきの真っ赤な手袋に触れる。

それは、一見すれば手甲、あるいはパンチンググローブとも呼べる形をしており、さらに理由は不明だが手榴弾のピンのような部品もついている。

「ファウストローブは知ってるでしょ?」

「ん?ああ。無論だ」

「これもね、ファウストローブなの」

「何・・・!?」

シンは思わず声を荒げそうになるが、どうにか抑え、平静を装う。

「カーミラって知ってる?」

「カーミラ・・・確か、吸血鬼の代名詞とされる『ドラキュラ』の祖になったといわれる女吸血鬼の事か?」

「そ、アイルランドの吸血鬼伝説・・・それを元に作られた架空小説・・・だけど、それが架空のものではなく、本当にあったことだとしたら?」

エリザは指を一本立てて話し出す。

「カーミラの死体、というものがアイルランドに存在していたのよ」

「何?」

「とは言っても、右腕だけだったけどね。この手甲は、そのカーミラの右腕を素材として作られたもの。これに血を流し込めば、たちまち力を発揮する。それが私の『赤腕・カーミラ』」

血を糧として起動する聖遺物『カーミラ』

「よもや、そのようなものが存在していたとは・・・」

「驚いた?一定量の血を一度に与えなければ大丈夫だから、定期的に血をこれに吸わせることで、どうにか快適に過ごしているわ」

「そうか・・・」

それを聞き、シンはコーヒーを一杯飲む。

「・・・む」

しかし、そこでシンの横を誰かが走り去っていく。

(いまのは・・・立花響?)

しかし、その表情は、どこか泣いていた。

「何かあったのかしら?」

エリザがそう言い出し、シンは、エリザの見る先にいる男を見る。

どこか、情けなさそうな顔立ちの男だ。

「誰かしら?あの男」

「想像する所、立花響の父親とみて間違いないだろう」

「ふぅん・・・」

エリザは、冗談交じりにそう言う。

(あれが立花響の父親か・・・)

シンは、響の父親である立花洸の様子をじっと見ていた。

 

 

 

 

一方、公園にて。

「なあ慧介。オロ〇ミンCかドデ〇ミン、飲むならどっちが良い?」

「なんだよ藪から棒に・・・」

「いやここの自動販売機がさ・・・」

「僕は断然ミルクコーヒー」

「僕はアップルジュースかな?」

「俺は青汁」

「しぶっ!?ていうかどれも俺が選んだもんじゃねえ!?」

級友と共に帰路についていた慧介。

「んっ、んっ、ぷはぁ!あーうめぇ」

「青汁をうまいって行ける慧介君はすごいよ・・・」

青汁を飲んで満足そうな顔をする慧介から若干引く修。

「青汁の百グラムあたりのエネルギー量は三百七十五キロカロリー、炭水化物は七十でまたビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンKに加え、β-カロテンなど様々な・・・」

「分かったからもう黙ってろ!?ていうかなんでそんなに知ってんだよ!?」

俊太の説明に耐え切れずツッコミを入れる浩司。

「はは・・・」

その様子に慧介は苦笑し、そして俯いて思案顔になる。

(昨日、やっと戦闘の許可が下りた・・・だけど、俺はまだ・・・)

「慧介、どうした?」

ふと、浩司に声を掛けられ、我に返る慧介。

「え、あ、ごめん、ちょっと考え事していた」

「この間大怪我してからいっつもそれだよな。なんかあったのか?」

この三人には、先日のオートスコアラー発電所襲撃事件の際に出現したアルカノイズが街に出現、破壊した時の巻き添えを食って大怪我し、入院していたと言い訳してある。

だから、別段疑われている訳ではないのだが。

「いや、なんでもないよ」

今はそう誤魔化すことしかできなかった。

(こればっかりは俺自身が解決しなくちゃ意味がないんだよな・・・)

そう思いつつ、青汁を飲んだ時だった。

 

慧介の携帯端末が着信音を鳴らす。

 

「うお!?」

驚きつつも慧介は端末を耳に当てる。

「はい、慧介です」

『アルカノイズの反応を検知した。場所地下六十メートル。共同溝内であると思われる』

「共同溝?」

『ってなんデスか?』

別回線で繋いでいるだろう切歌の声が聞こえた。

『電線系を始めとる、エネルギー経路を埋設した地下坑だ』

「分かりました。そちらに向かえばいいんですね?」

『ああ、調君、切歌君の所からはすぐにエントランスが見える筈だ。慧介君の方は戦兎君が迎えに行っているから待つように』

『本部は現場に向かって航行中』

『先んじて立花と猿渡を向かわせている』

『緊急事態だが、飛び込むのは馬鹿どもと合流してからだぞ!』

マリア、翼、クリスの声が続けて聞こえた。

「了解」

それを最後に、慧介は通信を切る。

「ごめん、急用が出来た!」

「またかよ?なんか多くねえかお前?」

「それについては聞かないでくれると嬉しいかな!んじゃ、また明日!」

慧介は、友人たちに別れを告げ、すぐさま公園のすぐ外へ出る。

周囲を見渡していると、どこからともなくヘルメットが飛んでくる。

「うおっ!?」

「乗れ!」

見れば、マシンビルダーに乗った戦兎がそこにいた。

 

 

 

 

 

数分後―――共同溝エントランスにて。

切歌、調、一海、戦兎、慧介の五人が、走ってくる響に気付く。

「あ、ここデース!」

そう切歌が声を挙げるも、響はそれを無視して彼らの間を通っていく。

「響?」

「何かあったの?」

入り口前で止まる響の様子に、一同はこぞって首を傾げる。

「・・・なんでもない」

「いやそんな訳・・・」

「みんなには関係ない事だから!」

一海の言葉に、真っ向から声を荒げる響。

その様子に、彼らは思わず押し黙る。しかし、その中で調だけは言葉を紡ぐ。

「確かに、私たちでは力になれないかもしれない・・・だけど、それでも・・・」

そういわれ、響は罰が悪そうに俯く。

「ごめん・・・どうかしてた・・・」

「キュイーン・・・」

響はそう呟いて、坑道へ入っていく。そのあとを、ニクスがとぼとぼとついていく。

その後を、彼らは一度顔を見合わせた後、入っていく。

「なあ戦兎」

「ん?なんだよ?」

「響の奴、何かあったのか?」

「ああ、たぶん、父親の事で、だろうな」

「父親?」

一海は、響の背中を一瞥する。

「・・・そういうのはお前の得意分野だろ?」

「俺が得意なのは科学だよ。まあ、どうにかしなきゃいけないってのは確かだが」

戦兎はそう呟いて、あの頼りなさそうな男の顔を思い浮かべる。

「拳で解決できることって、実は、簡単な事ばかりなのかもしれない・・・だから、さっさと片付けちゃおう」

ふと、響がそう呟く。

「行こう、皆!」

明るく振舞う響に、一つの危機感を覚えて、戦兎はビルドドライバーにフルボトルを装填する。

 

ラビットタンク『ベストマッチ!』

 

タイガァージュエリィーッ!!』

 

ロボォットジュエリィーッ!!』

 

『STANDBY!』

 

それぞれのベルトに、変身に必要なアイテムを装填するライダー。

一方の装者たちは、スタンドアップスターターを押すことによって出現するアニマルブレイズを呼び出し、それを聖詠と共に身に纏う。

 

『Are You Ready?』

 

「―――Balwisyall Nescell gungnir tron(喪失までのカウントダウン)―――」

 

「―――Zeios igalima raizen tron(夜を引き裂く曙光のごとく)―――」

 

「―――Various shul shagana tron(純心は突き立つ牙となり)―――」

 

鋼のムーンサルトラビットタンク!イェーイ!』

 

『潰れるゥ!流れるゥ!!溢れ出るゥッ!!!』

 

タイガァー・イン・タァスクゥッ!!』

 

ロボット・イン・グリィスゥッ!!』

 

『ブルァァァァア!!!』

 

ビルド、タスク、グリスの変身、さらにガングニール、イガリマ、シュルシャガナの装着を完了した六人が、円柱状の螺旋階段を、階段を無視して一気に飛び降りる。

 

「一点突破の決意の右手―――」

 

降りて少し走った先で、アルカノイズが出現する。

「出やがった!」

「ンフフ、来たナ」

声がしたので見上げれば、そこには全オートスコアラー中最強のミカ・ジャウカーンの姿があった。

「だけど、今日はお前たちの相手をしている場合じゃ―――」

 

ミカの言葉が終わる前に、響の拳がミカを襲う。

 

「いきなりかよ!?」

その行為に、グリスは思わず声を挙げる。

そしてその驚きは、他の者たちも同じ。

「まだ全部言い終わってないんだゾ!」

すかさずミカがアルカノイズを新たにばら撒く。

しかし、響はそのアルカノイズたちを突撃気味に叩き伏せていく。

「うわぁぁああぁぁぁあぁあああ!!!」

絶叫、その双眸から、光る何かが零れ落ちる。

「泣いてる?」

「やっぱ様子がおかしいデス!」

「というか―――」

群がるアルカノイズを倒していく中で、ビルドは見る。

 

拳を振るう度に、ミカが避ける度に、響の拳が、共同溝の壁を次々に破壊していっているさまを。

 

「―――いくらなんでもめちゃくちゃし過ぎだ!」

そうビルドは声を挙げるが、響には届いていなかった。

そんな余裕がないのだ。

何故なら、先ほど、父親と会ってきたからだ。

父親が親友に言伝をして、そして親友の説得があったから応じた面会。

だが、目の前に座る父親には、あの時逃げ出した責任というものがないかのような態度をとっていた。

その上、なんとも軽い感じで『やり直したい』などと言うではないか。

(なんでそんな簡単にやり直したいなんて言えるんだ!)

八つ当たり気味にアルカノイズを殴り潰していく。否、本気でアルカノイズに八つ当たっている。

「壊したのはお父さんのくせに、壊したのはお父さんのくせに・・・ッ!!」

泣き叫ぶ響。

「突っかかりすぎだ!」

「ていうかこのままじゃここが壊れてしまいます!」

仲間の声にも耳を貸さず、響は暴れる。

アルカノイズを投げ飛ばし、壁に叩きつけ、そのアルカノイズたちに向かって、本来ぶつけるべき相手じゃない相手に、その怒りを叩きつける。

「お父さんのくせにぃぃぃいい――――」

だが、そこでふと思い返す。

(違う・・・)

 

―――壊してしまったのは、私も同じだ――――

 

突如として、振るった拳が止められる。

「え―――」

「何やってんだゴラ」

響の視界には、黒い半透明の仮面を被った男――――

 

スクラップフィニッシュッ!!!』

 

気付けば、グリスはアクティベイトレンチを叩き下ろしていて―――

 

気付いた時には必殺の回し蹴りが響に叩きつけられていた。

 

「ちったぁ頭を冷やせッ!!!」

「―――あぁぁぁぁああ!?」

予想外の一撃に、響は一瞬にして意識を刈り取られ、フェンスに叩きつけられる。

「意外にマジ!?」

「しょんぼりだぞ!」

「うるせえ!」

ミカがカーボンロッドを射出、それをグリスは受け止める。だが、

「ぐあぁぁあ!?」

予想以上の威力に吹っ飛ぶ。

「一海!」

「言わんこっちゃないデス!」

ビルドがグリスの元に、切歌が響の元へ向かう。

その間に、タスクと調はアルカノイズを切り払っていた。

「大丈夫デスか?」

切歌が響の安否を確認する。

「歌わないのカ?」

だが、そこへミカが左手を向ける。

「歌わないと―――死んじゃうゾォォォオオ!!」

次の瞬間、その左掌の、カーボンロッドを作り出す為の筈の穴から、まさかの火炎が吐き出され、それが切歌と響の所へ飛んでいく。

「ッ!?やばっ―――」

ビルドがそれに気付くも、一歩遅く、その火炎が切歌と響を飲み込む―――

思わず目を閉じた切歌。しかし、来るであろう痛みは来ず、恐る恐る目を開けた先にいたのは、鋸を展開して炎を防いでいる調の姿があった。

しかし、威力が高いのか、支えきれず、地面に手を付いてしまう。

その光景を、切歌は見ている事しか出来ず、ただ茫然とそれを見つめており、

「切・・・ちゃん・・・!」

調が、振り返りながら、切歌の安否を確認する。

「大丈夫・・・?」

その言葉に、切歌は―――

「んな・・・わけ・・・ないデス・・・!」

そう、答えた。

「え・・・!?」

その答えに、調は戸惑い、

「大丈夫な訳―――ないデス!」

その時、脳裏に過ったのは、自分の腕の中で、何か思いつめた表情をする、先輩の姿。

「―――ッ!?」

しかし、今はそんなことを考えている暇はない。

「こうなったらイグナイトで・・・」

そう言ってモジュールに手を出しかける切歌。

「だめ!」

しかし、調はそれを止める。

「無茶をするのは、私が足手纏いだから!?」

そんなやり取りを二人がしている間、ミカの方ではどこからともかくファラから通信がはいる。

『道草は良くないわ』

「正論かもだけど・・・」

ファラの言葉に、ミカは頷く。だが、

「鼻につくゾ!」

突如として火力が増し、圧力が倍増する。

(ダメ、防ぎきれな―――)

思わず吹き飛ばされそうになった瞬間、

 

チャァァジボトル!!』

 

そのような音が耳に聞こえた瞬間、調の前に誰かが立つ。

 

『潰れなぁぁい…!!』

 

そして次に放たれたのは大量の()()

「慧くん・・・!?」

「ぐ、ぅぅう・・・!!」

 

チャァァジクラッシュッ!!!』

 

タスクの右掌から、大量の海水が溢れ出し、それが炎の進行を阻んでいた。

「今、の・・・うちに・・・ぐっ!?」

火炎を防ぐタスクが、突如として鳩尾あたりを抑える。

(まだ、あの時のダメージが・・・!)

これでは、すぐに破られてしまう。

そう、痛みに耐えながら調の方を見るタスクだが、調はその場で立ち上がって、そのまま動こうとしていなかった。

「調・・・?」

その行為に、タスクは首を傾げ、

「余計なことを・・・!」

「は・・・?」

全く予想もしていなかった言葉に、思わず呆けてしまう。

「何を言って・・・」

「慧くんも、私のこと、足手まといだって思ってるんでしょ・・・!!」

「ええ・・・」

なんとも的外れなこと言い出す調に、タスクは呆れる他なかった。

一体どんな風に思えばこうなるのか。

そう考えていると、突如として彼らを襲っていた火炎が消失する。

そちらに視線を向ければ、ミカの左腕が、何か、機械のアームのようなもので掴まれ、持ち上げられていた。

鉛色の左、紅の右――――複眼は、不死鳥とロボットアームを象ったような形をしていた。

それは、ビルドのベストマッチフォームの一つ。

 

不死身の兵器フェニックスロボ!』

 

破壊と再生の能力を備えた『ビルド・フェニックスロボフォーム』である。

「その手を離すんだゾ!」

すかさずミカが左腕を掴むビルドに向かって右掌でカーボンロッドを叩きつける。

それをビルドはミカの左手を掴んでいた『デモリションワン』を離すとそのカーボンロッドを叩き砕いて防ぐ。

すかさず、その左手でミカを攻撃、ミカはそれを躱し、空ぶった一撃は地面を砕く。

だが、ビルドがすかさず右手をかざすと、砕かれた床が炎に包まれた後、何事もなかったかのように修復される。

「なっ!?」

破壊と再生、それがフェニックスロボの能力。

その能力を目の当たりにして驚くミカの隙をついて、グリスが飛び込む。

「喰らえやぁぁああ!!」

ツインブレイカーを構えて、ミカに一撃叩き込もうとするグリス。

だが―――

「ぐあっ!?」

 

突然、グリスが悲鳴を上げて地面に落ちる。

 

「なんだ!?」

まるで何かから攻撃を受けたかのように、グリスは地面の落ちる。

それが一体何なのかを理解する前に、ビルドも突如として肩、右胸、左腕、左肘に激痛を感じて膝をつく。

「ぐぅ・・・!?」

一体、何が起きたというのか。

弾丸の類は見えなかった。矢、コイン、石、遠距離武器に類する何もかもが見えなかった。それ以前に、何かを射出する音すら聞こえなかった。

ならば、この痛みは一体どこから―――

足音が、坑道の向こう側から聞こえた。

見れば、そこからローブの男が一人、こちらに向かって歩いてきていた。

「お前は・・・!?」

「万丈を襲った・・・デイブレイクの・・・!」

『ケイド・アルカルネン』だ。

「ミカ、そろそろ撤退した方がいいのではないか?」

「癪だけどその通りだゾ・・・」

ケイドの言葉に、ミカは渋々といった様子で従い、テレポートジェムを取り出す。

「預けるゾ。だが、次は歌うんだゾ」

「ッ!?待てゴラ――ぐあ!?」

すかさずグリスに何かの攻撃が叩きつけられる。

「くっそなんなんだよこれは・・・!?」

「見えない攻撃・・・!?」

「せっかくの機会だ。ここで仕留める」

そう言って、ケイドがその両手を広げると、次の瞬間、ビルドとグリスが同時に爆発する。

「「ぐあぁぁあぁぁあ!?」」

予想外の衝撃に、大ダメージを喰らい、二人ともその場に倒れ込む。

「ぐ・・・く・・・一体何が・・・!?」

「これでまだ倒れないか」

「戦兎先生!」

「カズミン!」

調と切歌が思わず立ち上がる。

しかし、その次の瞬間、調と切歌にも見えない攻撃が―――

「危ない!」

当たる直前、タスクが調たちの前に立ちはだかり、防御の姿勢をとる。

すると、タスクにのみ突如として痛みが迸る。

「ぐあぁ!?」

「慧くん!?」

「慧介!?」

「何!?」

膝をつくタスク。

「貴様、今、見えて・・・」

「そういう事か!」

ビルドが立ち上がり、右手でドリルクラッシャーの引き金を引いて弾丸を放つ。

「ッ!!」

次の瞬間、空中で火花が散り、何かが地面に落ちる。

「なにっ!?」

「それがお前の能力の正体だ!」

落ちたのは、数本のダーツ。

「お前の能力は、肉眼では捉えられない速さで何かを打ち出すこと―――このダーツがその証拠だ」

先ほど、ビルドがドリルクラッシャーを放った時に装填したボトルは『ウォッチフルボトル』。対象の時間にかかわる攻撃を可能とし、それで放たれたダーツの()()()()()()()()()()()()()、そして落としたのだ。

「あまりにも速過ぎる為に肉眼では捉えられず、なおかつ打ち込まれた直後に爆発して消滅する。だから体には何も残らないし何が起きたのか分からない。さっきの爆発も、ただ俺たちにミサイルを撃ち込んでいただけ・・・だけど、タネさえわかれば対応もしやすい」

銃口を向けたまま立ち上がるビルド。

「そして、それをノーモーションで、どうやって打ち出したのか。その答えはただ一つ―――お前『改造人間(サイボーグ)』だな?」

ビルドの指摘に、全員が息を飲む。

その問いかけに、ケイドは――――その覆面を外した。

そうして下から現れたのは―――顔半分が機械の姿。

「その通りだ。俺は、とある武器会社によって体を改造された改造人間・・・全身をどこでも敵を狙い撃つことの出来る銃口へと変えられた人間だ」

そう言って、ローブを捲し上げれば、そこにあるのは肌色の肉体ではなく、黒鉄色の義体。

「バレた以上、時間をかけるのは得策ではないな」

ラビットラビットフォームであれば、攻撃を見切り、躱すことが可能。タンクタンクならその防御力にものを言わせてゴリ押すことだって出来る。

それを変わっているからこそ、ケイドは撤退を選ぶ。

「ここは一度引かせてもらうとしよう。だが―――」

ケイドがローブを靡かせる。

「一人は仕留めさせてもらう!」

「ッ!?しまった!?」

ビルドが気付いた時には、ケイドから一発のダーツが放たれていた。それは誰にも対応できないほど速く、それは真っ直ぐ―――調を狙い撃っていた。

それに気付かない、気付く間もない調は、そのダーツが眉間に直撃する―――直前で、

「ガァッ!?」

タスクが、代わりにそのダーツの一撃を受ける。そして次の瞬間―――その仮面が砕け散る。

「―――え」

一瞬、何が起きたのか分からなかった。ただ、目の前で、一人の仮面の戦士の仮面が砕けたという事だけはわかる。

だが、それが、自分の想い人であるのなら話は別だ。

それも、自分を庇っただなんて。

複眼部分が大きく砕け散り、タスクは、調の目の前で倒れ伏す。

「慧介!」

「おい!」

タスクの変身が解除される。

「・・・慧介?」

倒れ伏した慧介の頭から、血が広がる。

「けい・・・くん・・・?」

その慧介を見下ろし、調は、茫然と彼を見下ろす。

頭から、血を流す、彼を―――

ケイドが、すぐさまテレポートジェムでその場から逃げる。

「おい!慧介!慧介!しっかりしろ!慧介!」

ビルドが慧介を抱き起こし、彼の安否を確認する。

「・・・・うそ」

そして、その様子を、調はただそこで突っ立って、茫然と見ていることしかできなかった。

 

遠くから聞こえる、誰かの声も、すぐ目の前で必死に呼びかける声も、ひどく、ひどく遠い場所から聞こえるかのように感じた。




次回!愛和創造シンフォギア・ビルドは!?

「押っ取り刀で駆け付けたのだが・・・」

ミカとの戦いで惨敗した一同。

「調が悪いんデス!」

争う調と切歌。

「すごく嫌な姿を見ちゃったんだ・・・」

父と対面した響の心境。

「変形しないとムリだゾ」

そこへ再び襲い掛かる、敵。

それに、彼女らは一体どのようにして立ち向かうのか。


次回『心火フルスロットル』


「俺たちの牙は、誰にも折れねえ!!」






キリッと変身講座ァ!!!


ハイ!そういうわけでこんにちわ暁切歌デス!それとイガリマシャークこと、『マシャ』デス!どうもよろしくなのデス!
まあ、本編があんなことになってるのになんでこんなハイテンションなんだっていう疑問はあるかもしれないデスけど・・・ん?メタいことはいいからさっさと変身に移れって?まあまあそんなに焦らずとも大丈夫なのデス!じゃないとクリスマスにサンタさんは来てくれないデスよ?
・・・・あれ?皆なんでそんな憐れむような眼で見てくるデスか?何かおかしいこと言ったデスか?そうデスか?
それじゃあ、お待たせしましたのデス!。
今までの装者と同じ、準備の手順は同じデス!マシャはサメ型のリンク・アニマルデス。スタンバイスターターは背中のヒレの後ろにあるデス!ちなみに、フルボトルスロットは口の中にあるデス!どこかの電池で戦う戦隊みたいデスね!
さてさてそれじゃあお待ちかねの変身なのデスよ!

『STANDBY!』

押せば、たちまちに緑色の()のサメが出てくるのデス!
この状態で聖詠を歌うデス!
あ、ポーズを忘れてたデス。
アタシのポーズは左拳を横に少し上に突き出して、その後腕を折りたたんで顔の横に拳をもっていき、そして時計回りに腕を回す。そして、斜めになるように右手を左斜め上に、左拳を右斜め下にもっていき、そして腕を真上に突き上げるのデス!

「―――Zeios igalima raizen tron(夜を引き裂く曙光のごとく)―――」

変身バンクはこうデス!!



胸の前に出来た水球を両手で潰し、弾け飛んだ飛沫がギアインナーを形成→両手を話した所で鎌のステッキ部分が現れる→それをテクニカルに回す→その鎌部分に水が纏われ、サメの形を形成→それをまずは足に当て、ヒールが水流と共に形成される→ステッキを回し、サメを曲芸の如く真上に飛ばす→左手を突き出し指を鳴らし、そこへサメが落ちてきてアームプロテクターを形成する→そのままサメが切歌の肌を水面として上りあがり肩アーマーを形成する→そしてヘッドギア、水のサメが帽子の形になり、左側に十字、右側にサメの鋭い目が付けられ、一旦サメの歯がつばに出るも引っ込み、そしてサメを模したヘッドホンが取り付けられ、変身完了。


これがアタシの変身デース!
ん?なんで『水』なのかって?その理由はただ一つ、『サメ』だからデース!
ふっふふ~ん、これが心火を燃やして汗水流したイガリマの本領なのデス!
いわゆる、紅一点、って奴デスよ!
というわけで、アタシの変身講座はこれでおしまいデス!
次週は調の番デスよ~!楽しみにしてるのデス!

それじゃあ次回のシンフォギア・ビルドをお楽しみにデス!

オリジナル章はやったほうがいいか

  • バーサーカーソウル!(いいぞもっとやれ
  • そんなことはどうでもいい!(どちらでも
  • 嘘を吐くな!(やるな
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