戦「あ、アルバコア」
響(アズ)「ひぃやぁぁああぁあああああ!!!!」
戦「大分こいつらの扱いに慣れてきた・・・」
未「ご迷惑をおかけします・・・と言うわけで、ノイズの殲滅に成功をした仮面ライダーとシンフォギア装者は、新たな敵錬金術師との戦いに身を投じていたのでした」
ク「今はオートスコアラーを二体倒し、残るは二体」
翼「これからの戦いに、皆期待しててくれ」
マ「全く、いつものセレナのいたずらに振り回されて、もう散々だわ・・・」
セ(アズ)「申し訳ございません・・・」
戦「ていうかお前はいい加減元に戻れ。というか一体いつまでメイドの真似事しているつもりだ」
セ(アズ)「何を言いますか戦兎様。私は正真正銘のメイドでございます」
龍「いや確かに色々とすごいこと一人でこなしてるけどよ・・・」
調「このままじゃ時間がなくなる・・・」
切(アズ)「シンフォギア・ビルドGX編第十七話を見ろ」
慧「いつものバカさ加減がねえ・・・・」
―――棺が開く。
そこから現れたのは―――死んだはずのキャロル。
「お目覚めになりましたか」
そのキャロルに膝をつくファラとレイア。
そして、ファラとレイア、そして、天井から下がる垂れ幕と、それに刻まれた刻印を見て、キャロルは察する。
「そうか・・・ガリィとミカが・・・」
感慨深そうに、そう呟く。
「派手に散りました」
「これからいかがなされますか?」
レイアとファラの言葉に、キャロルはさも当然のように答える。
「言うまでもない。万象黙示録を完成させる」
その手をかざし、握り締めて見せる。
「この手で奇跡を皆殺すことこそ、数百年来の大願・・・!」
そして、その視界の見据える先―――自分と同じ記憶を保有する、何も知らない自分の分身の五感を通し、彼女の会話を聞き入れる。
『聞いた?調ちゃんと切歌ちゃん強いね。ほんとに強くなったと思う』
その彼女の名は―――立花響。
『そう思うでしょ?
「ああ思うとも、故に、世界の終わりが加速する!」
その言葉の真意を、彼らはまだ、知らない――――
東京高速道路にて―――
マシンビルダーを走らせる戦兎。
その前を先行する黒塗りの車には、緒川、幻徳、未来、翼、そしてマリアが乗っていた。
そんな彼らの行き先は―――風鳴八紘邸。翼の生家であり、実家だ。
さて、何故彼らはそんな所へ向かっているのかと言うと、それはつい今朝のこと。
「計測結果、出します」
友里の言葉と共に、モニターに映し出されるのは、いくつかの点をラインで結んだ東京の地図だった。
「電力の優先供給地点になります」
「こんなにあんのかよ・・・」
「その中で、一際目立っているのが・・・・」
「深淵の竜宮・・・」
深淵の竜宮。
異端技術の中でも、取り分け危険の大きなものや未解析品を封印しておくための絶対禁区にして拠点中の拠点。
秘匿レベルの高さ故に、S.O.N.Gでもその情報はあまりにもない。
ただわかっているのは、響が起動させたサクリスト-D『デュランダル』が保管されているという事ぐらいだ。
「オートスコアラーがその位置を割り出していたとなると・・・」
「狙いはそこにある危険物ってわけか・・・」
「ってか、危険物って具体的にはどんなもんがあるんだよ?」
「そういうのは後回しだ万丈。問題なのは・・・」
「早い話が先回りして迎え撃つことだろ?簡単じゃねえか」
一海の言葉は確かに的を射ている。
「だが、襲撃予測地点はもう一つある」
弦十郎の言葉に、新たな座標が示される。
「ここって・・・!」
それに反応したのは翼だった。
「気になることがあったので、調査部で独自に動いてみました」
緒川が、話し出す。
「報告によると、事故や事件による、神社や祠の損壊が頻発してまして、いずれも明治政府の帝都構想で、霊的防衛機能を支えていた龍脈『レイライン』のコントロールを担っていた要所になります」
「するってーとあれか?なんか、その、要石的な何かが破壊されたとかそういう・・・」
「ま、敵の狙いは、そのレイラインに何かをするっていうことで間違いないだろうな」
戦兎の言葉に、翼は神妙な面持ちで呟く。
「風鳴の屋敷には要石がある・・・狙われるのも道理もあるというわけか・・・」
「だったらやることは一つだ」
「検査入院で響君、
弦十郎が、エルフナインの方を見る。エルフナインは頷き、装者とライダーの方を見る。
「キャロルの怨念を、止めてください」
それに、彼らは頷くのだったが、その後で翼とマリアは、どこか浮かない顔をしていた。
それが今朝の事。
朝早くから、S.O.N.G本部を出発し、こうして緒川の先導の元、彼らは向かっている訳なのだが、車の中に乗るマリアは、窓の外の景色を眺めながら、つい先日の事を思い出した。
―――飛び散る鮮血。
「フゥー・・・・・」
振り抜いたまま、地面に落ちた
「ぁ・・・」
その光景を目の当たりにし、マリアは、その場に膝をつく。
血は飛び散り、その色白の体に飛びかかり、ただ一刀の元に両断し、その両断に使われた刀は、真紅に染められていた。
転がる、二つの死体―――そこから真っ赤な液体が広がっていく――――
「―――カーミラ」
突如として聞こえたその声に、二人は思わず顔を挙げる。
気付けば、そこに立っていたのは、紅蓮の髪を靡かせ、深紅のドレスに身を包んだ女性だった。
その女性を、彼らは知っていた。
「エリザ・・・!?」
「貴方・・・なんで・・・」
動揺する二人。そんな二人の事を無視して、エリザは、男の死体を蹴り飛ばす。
そして、床に広がる血に触れると、その血はまるで生きているかのように動き出し、空中で踊る。
そして、切断されたジョージの体を持ち上げ、その断面から血を循環させる。
「・・・ふう、これでひと先ずは、この子の安全が確保されたわ」
「何・・・?」
「カーミラは血を与える事で起動する聖遺物。その能力は私が触れた血を操り血に関する全ての事を行う事が可能―――とは言っても、流石にこの子の切断された体を治すのは細胞まで捧げないといけないから、今は生命維持がいっぱいいっぱいって所ね」
そう軽そうに言うエリザ。
その直後で、窓ガラスが割れる。
見れば、そこにはすでにアルフォンスがなんらかの方法で窓ガラスを文字通り粉々にしていた。
「私の錬金術の基本は理解・分解・再構築。それを分解で止めればほらこの通り」
そう言って、アルはマリアの方へ歩み寄り、手を差し伸べる。
「さ、立てる?」
「あ、ありがとう・・・」
アルフォンスの手を取り、ふらつきながらも立ち上がるマリア。
その様子のマリアに、エリザはため息を一つ、吐き出す。
「これでわかったでしょ?貴方とジャックじゃ、住む世界が違うって」
「ッ・・・!」
その言葉に、マリアは目を見開き、そして、辛そうに視線を逸らす。
「ジャックも、これで自分がいるべき場所がどこか分かったでしょ?」
「・・・」
そのエリザの問いかけに、シンは黙り込む。
その様子に、エリザはため息を吐き。
「今度、会う時には答えを聞かせて。この子供は私たちの方で責任をもって助けるから」
「・・・助けられるのか?」
「気は乗らないけど、この子をサイボーグにするわ。そうすれば、生き永らえさせることが出来る」
そう言い、エリザは手を動かし、血を操る。
エリザの支配下にある血が、シンの雷切に纏わりつき、その刀身についた血を拭い去っていく。
「それじゃあね。また、会いましょう」
茫然と突っ立つマリアとシンを他所に、エリザとアルフォンスはジョージを連れて去っていく。
その様子を、二人はただ、眺めている事しか出来なかった――――
結果として、子供たちは全員助かり、その研究所の責任者であった白衣の男は死亡した。
そして、その男を斬り殺したシンは――――ライダーの資格を一時剥奪され、しばらく独房での生活を強いられることとなった。
シンのビルドドライバーは、S.O.N.G本部の戦兎の研究所に保管されている。
あれから、マリアはシンとは一度も顔を合わせていない。
調や切歌、慧介、セレナは会いに行っていたらしいが、正直、自分にはそんな資格は、否、勇気はなかった。
あんなシンを目の当たりにしてしまったのだから―――
ぎゅっと、下唇を噛む。
(怖い・・・)
マリアは、心の奥で、その言葉をつぶやいた。
そんな様子のマリアを、未来は心配そうに見ていた。
そうして、辿り着いた風鳴八紘邸―――
「ここが?」
マリアの質問に、緒川は答える。
「風鳴八紘邸・・・翼さんの生家です」
「おっきい・・・」
「何度か邪魔をしたことはあるが、やはり、八紘の家は他とは違うな」
未来が率直な感想を述べ、幻徳はそう言葉を零す。
「ここが翼が生まれ育った家か」
「十年ぶり・・・まさか、こんな形で帰ることになるとは思わなかったな・・・」
翼は、感慨深そうに、そう呟く。
「はい・・・クリスさんたちも間もなく深淵の竜宮に到着するそうです」
「こちらも伏魔殿に飲み込まれないように気を付けたいものだ」
扉が開き、彼らは、風鳴の屋敷へと入っていく。
その芝生の一角には、仰々しく奉られている巨大な石が一つ。
「要石・・・」
「あれが・・・」
ふと、屋敷の方から着物を着た男が、二人の黒スーツの男たちを引き連れて現れる。
「翼さん・・・」
「お父様・・・」
その男こそが、翼の父であり、内閣情報官にして、氷室幻徳の懐刀『風鳴八紘』その人である。
「ご苦労だったな、慎次」
弦十郎とは違う、厳かな声音が響く。
体格は弟の弦十郎に遠く及ばずとも、その眼光は、やはり彼の兄だということを思い知らされる。
その男に慎次は一礼をする。
「貴方も、本日はご足労を」
八紘は幻徳を見てそう言う。
「気にするな。今回はこちらから来たわけだからな」
「それに、S.O.N.Gに編入された君の活躍も聞いている」
「あ、はい・・・」
「それと、君の活躍も。若いのによくやってくれた」
「あ、ありがとうございます・・・」
八紘は、慎次、幻徳、マリア、未来の順で視線を移していき、最後に戦兎を見る。
「・・・」
「・・・ん?」
真っ直ぐこちらを見据える八紘に、戦兎は首を傾げる他ない。
しばし戦兎を見た後、八紘は緒川の方を向く。
「・・・アーネンエルベの神秘学部門より、アルカノイズに関する報告書も届いている。あとで開示させよう」
「はい」
八紘は、それだけ言うと踵を返し、屋敷に戻っていく。
(こいつ、娘には何も言わないで・・・!?)
その行為に、戦兎は驚愕するほかなかった。
「お父様!」
その八紘に、翼は声を挙げる。
しかし、立ち止まった八紘を見て、翼は思わず口ごもる。
「・・・沙汰もなく、申し訳ありませんでした・・・」
そう、小さく謝る娘に対し、父親は、
「・・・お前がいなくとも、風鳴の家に揺るぎはない。務めを果たし次第、
「おい!」
その父親のいいように、戦兎が喰ってかかる。
「お前翼の父親なんだろ!?なんだその言い草!」
「桐生、いいんだ・・・」
「いいや言わせてもらう!お前父親ならもっと他にいう事あるんじゃねえのか!?それなのに家の引き合いに出してそれでも―――」
「戦兎!」
翼の怒鳴り声が響く。
「翼・・・」
戦兎は思わず翼の方を見る。
「・・・いいんだ」
拳を震わせている様子に、戦兎はため息を吐く。
「はあ・・・分かったよ」
その会話を聞き届けたのか、八紘は屋敷に戻っていく。
その様子を、戦兎はジト目で見続け―――
突如として、緒川、幻徳と同時にホークガトリンガーで池の方を打つ。
鷹の弾丸、銃弾、蒸気の弾丸がその一点に集まり、何もない所で交差する。
すると強烈な突風が巻き起こり、そこから一人の女性が出現する。
それは、オートスコアラー『ファラ・スユーフ』。
「野暮ね。親子水入らずを邪魔するつもりなんてなかったのに」
「あの時のオートスコアラー!」
「性懲りもなく出てきやがって」
銃を持つ全員がファラへと銃口を向けている。
「ふふ、レイラインの解放、やらせて頂きますわ」
「やはり狙いは要石か!?」
「ええ、その通り・・・そんなことより、私ばかりに気を取られて大丈夫なんですか?」
「何・・・ッ!?」
ファラの言葉に、戦兎はすぐさまもう一丁の銃―――ドリルクラッシャー・ガンモードを引き抜き、要石、そのすぐ横に向かって銃撃。すると放たれた弾丸はその空中で何かとぶつかり、その何かを弾き飛ばす。
それは、黒い球体。
「外しましたか」
「お前は・・・」
塀の上に乗っているのは、一人の女性。
「久しぶりですね。桐生戦兎。今度こそ、貴方の命を頂戴しに来ました」
「やはりデイブレイク・・・!」
デイブレイク社のジーナ・スカベンジャー。
その彼女の言葉に戦兎はすぐさまビルドドライバーとハザードトリガーを取り出す。
「
ついで、ファラがアルカノイズをばら撒く。
「行くぞ幻さん」
「任せろ」
『マックスハザードオンッ!!』
『Danger!』
ついで、装者三人が、それぞれのリンク・アニマルのスタンバイスターターを押す。
「ああ、付き合ってやるとも!」
『STANDBY!』
兎、狼、龍のアニマル・ブレイズが姿を現し、装者の周りを駆けて飛び回る。
『ラビット
『クロコダイル!!』
そして戦兎がビルドドライバーにフルフルラビットタンクフルボトルをラビットにセレクトした状態で装填、幻徳もクロコダイルクラックフルボトルをスクラッシュドライバーに装填する。
ボルテックレバーを回転、それと同時に、装者たちが聖詠を唄う。
「―――
「―――
「―――
『Are You Ready?』
「「変身ッ!!」」
『オーバーフロウッ!!』
『紅のスピーディージャンパーッ!!!』
『ラビットラビットッ!!!』
『ヤベェーイッ!!!ハヤァーイッ!!!』
『割れるゥ!喰われるゥ!!砕け散るゥッ!!!』
『クロコダイル・イン・ロォーグ…ッ!!!』
『オゥラァァァア!!!キャァァァア!!!』
すぐさま変身を完了する装者と仮面ライダー。
「―――邪鬼の遠吠えの残音が月下に呻き狂う!」
翼の歌が戦場に鳴り響き、戦闘が繰り広げられる。
群がるアルカノイズを切り払い、飛び上がって叩き斬る翼。
続けてマリアが無数の短剣を展開し、それを一気に投げ飛ばし、すかさず蛇腹剣で周囲のノイズを薙ぎ払う。
そして、二人が撃ち漏らしたアルカノイズを、未来の光線で仕留める。
「ここは私が!」
「うむ、務めを果たせ」
八紘の言葉に、翼は少し俯く。
(務め、か・・・)
しかし、今はそんなことを考えている訳にはいかない。
再び歌を紡ぎ、襲い掛かるアルカノイズを斬り捨てる。
その一方、ビルドとローグはジーナと対峙していた。
ジーナの操る完全聖遺物『フラガラッハ』は一刀の刃と三個の球体で構成される武具。
そのどれもがジーナの思考によって自立稼働し浮遊し、そして砲弾の如き勢いで襲い掛かってくる。
その砲弾の連撃をビルドとローグは躱す。
そして、その最中でローグはネビュラスチームガンを放つ。
しかし、彼女の手元に残された鉄球がローグの弾丸からジーナを守る。
「チッ!」
性能が、思考に頼り切っているにしては精密過ぎる。
ビルドは、一刀と三球の違いをじっくり観察する。
鉄球はそれぞれ、ビルドとローグを追従、その最中で時々対象が変わったりして襲い掛かり、剣の方は自由に動き、様々な角度から斬撃を狙ってくる。最後の一つはジーナを守るように浮遊―――
剣の方が切っ先の向く先でどの方向に飛んでくるか予測は出来るが、鉄球はそういう目印的特徴というものはない。
だからいつ、どこで方向転換してくるかが分からない。
だが、そこで戦兎は気付く。
四つにわかれた、フラガラッハという完全聖遺物の特徴を。
そうと分かれば、戦兎は、すぐさまラビットラビットの機動性を生かして素早く駆け出す。
その手にはフルボトルバスターが握られており、フルボトルバスターの『クアッドフルボトルシリンダー』にベルトのフルフルボトルを装填する。
『フルフルマッチでーすっ!!』
そして、その銃口『FBバスターキャノン』をジーナに向ける。
「ッ!」
それに気付いたジーナはすぐさま鉄球三つを自分の元に戻す。
ジーナの操る『フラガラッハ』の能力で完全操作されているのは剣のついた本体の球体のみ。
他の三つの球体は、決められた命令を実行しているような動きしかしていない。
即ち、ジーナが意識して操作しているのは、縦横無尽に飛びまわる剣のみであり、他三つの球体は、内二つを攻撃、残りの一つを防御に回して立ち回っているのだ。
途中、標的が変わるのは命令を切り替えて攻撃対象を変更しているに過ぎない。
であるならば、やれることはある。
すぐさまビルドは引き金を引く。
『フルフルマッチブレイク!!!』
放たれる必殺の一撃。それが、ジーナに叩きつけられ、凄まじい衝撃波を巻き散らす。
そこでビルドはフルボトルバスターを投げ捨て、前に飛び出す。
そして次元伸縮バネ『ディメンションスプリンガー』によってほぼ無限に引き伸ばすことのできる『ホップホップガントレット』を後ろに向かって引き伸ばして、一気にジーナに突撃する。
そのまま戻る反動を利用して、ジーナに一撃を叩き込もうという魂胆だ。
案の定、ジーナにダメージはない。だが、球体を引き戻す為に操作を戻した為に、短剣の動きは鈍っている。
次のビルドの一撃は確実に決まるはずだ。
鉄球は先の一撃で弾かれて引き戻すことは出来ない。
であるならば、この一撃が刺さらない道理は―――
「―――甘いですよ」
ビルド渾身の一撃が―――受け止められる。
「―――は」
ビルドの拳は、ジーナの手袋に包まれた右手によって受け止められていた。
それが一体どういう事なのか理解する前に、ビルドの腕の外側に流れるように移動したジーナは、そのまま左手でビルドに拳打を叩きつける。
「がっ――――!?」
想定外の威力に、ビルドはぶっ飛ぶ。
「戦兎!?」
その光景に、ローグは信じられないと思ってしまう。
何故ならば、今のビルドの攻撃は、防御力を無視して相手にダメージを与える攻撃特性を有することを抜きにしても破壊力は抜群。そのビルドの攻撃を正面から迎え撃って、何故生身のその右手で無傷で受け止められるのか。そこが分からないからだ。
そして、なおかつ殴り飛ばすことが出来るのか。
考えられることとすれば、彼女は何か、武術を学んでいるのか。
「格闘戦は出来ないと思いましたか?残念、私の本来の戦闘スタイルはこちらです」
「格闘戦型か・・・!」
ローグが突っ込む。
鉄球がローグに襲い掛かるも、それをローグは避ける事はせず、その場で立ち止まり、その体で鉄球を受ける。
突き刺さった一撃は、ローグの装甲の前に弾き飛ばされる。
すぐさまローグは再び駆け出し、ジーナに格闘戦を挑む。
激しい拳の応酬。
ローグの拳は悉くかわされ、ジーナの拳はローグの装甲の前に阻まれる。
そのまま拮抗が続くかと思われた、その時だった。
すっとローグの胸の装甲に添えられる拳。
その次の瞬間、衝撃がローグの体を駆け抜ける。
「が―――ッ!?」
予想外の衝撃、まるでハンマーでも叩きつけられたかのような一撃に、ローグは思わず膝をつく。
「な・・・にが・・・!?」
「発勁というものをご存知ですか?至近距離で体内で発生させた運動量を叩きつけることを指します。中国武術では、これを『気』と呼び、至近距離、それも密着状態で放てば、ほぼ抵抗なしに相手の体に衝撃を伝播させ、体内から破壊することが出来る・・・貴方の自慢の装甲も、私の発勁の前には無力です」
「くそったれが・・・ぐはっ!?」
顔面を蹴飛ばされ、地面を転がるローグ。
「幻さん!」
ビルドが叫ぶ。しかしその時、ビルドの立つ地面に影が差す。
見上げれば、そこにはファラに向かって巨大な剣を叩きつけようとする翼の姿があった。
『天ノ逆鱗』
それを向けられたファラは、しかし余裕そうな表情でその場にたたずんでいる。
「ふふ、何かしら?」
そして、あろうことか、その手の剣で、翼の明らかにその剣よりも数百倍の質量はあろう剣を迎え撃った。
だが―――ひび割れたのは、翼の剣だった。
「何・・・!?」
巨大な剣が一気に風化していき、そして、再び激しい影が叩きつけられると同時に、天ノ逆鱗は跡形もなく砕け散る。
「翼の剣が・・・砕かれてる・・・!?」
その光景に、ビルドは驚きを隠せなかった。
そして巻き起こる突風に翼が吹き飛ばされ、中庭に落ちる。
「翼!?」
「翼さん!?」
その光景に、マリアと未来が声を挙げる。
「私の『ソードブレイカー』は、『剣』と定義されるものであれば、硬度も強度も関係なくかみ砕く、哲学兵装―――さあ、いかがいたしますか?」
剣を向けるファラ。一方の翼は、先ほどの一撃で気絶してしまっている。
「強化型シンフォギアでも敵わないのか・・・!」
緒川が悔しそうに声を挙げる。
「翼!」
「私の事もお忘れなく」
「ッ!?」
思わず翼の所へ駆け寄ろうとしたビルドに攻撃を仕掛けるジーナ。
ジーナの鋭い拳打をいなし、距離を取ろうとするビルドだが、ジーナの口角が吊り上がったかと思うと、左足、右肩、腹右側に鉄球が炸裂。激痛と共に、ビルドの体が一瞬、宙に舞う。
「しま―――ッ!?」
その隙を逃さず、ジーナの拳がビルドに突き刺さる。
「ぐぁぁぁあぁあ!?」
吹き飛ばされるビルドはそのまま地面を転がり、そのまま変身解除に追い込まれる。
「ぐっ・・・ぁ・・・・!?」
「戦兎・・・!」
戦兎の名を、ローグが呼ぶ。
「さあ、まずは貴方から排除しましょうか」
倒れ伏す戦兎に、ジーナがフラガラッハの刃を向ける。
「ハァァア!」
一方、マリアが短剣を飛ばしてファラを攻撃する。
「無駄よ」
しかしファラが振るう刃はその短剣を悉く破壊。そして巻き起こされた風はマリアに迫る。
「なっ―――うわあ!?」
マリアはその風を躱し、直撃を免れるも、風はマリアの背後にあった要石に直撃。
粉々に打ち砕く。
「要石が!」
「あら?アガートラームも剣と定義されてたかしら?」
アガートラームは『銀腕』。だが、彼女がファラに向かって放ったのは短『剣』。即ちファラの『ソードブレイカー』の効果範囲内――――
「哲学兵装・・・概念に干渉する、呪いに近いのか・・・!?」
自身の推測と、ラムの計測を見て、マリアは戦慄する。
「ふふ、ごめんなさい。貴方の歌には興味ないの」
ファラが風に巻かれる。
「剣ちゃんに伝えてくれる?目が覚めたら改めて貴方の歌を聞きに伺います、と―――」
その言葉を最後に、ファラはその場から消える。
「くっ・・・!」
その光景に、マリアは歯噛みする。
「ファラは撤退しましたか。なら、私も私の仕事を終わらせるとしましょうか」
「ぐ・・・くそ・・・!」
フラガラッハの刃が戦兎に向けられる。
しかし、その刃を、未来が弾く。
「させない!」
「神獣鏡!?」
思わぬ乱入者にジーナは距離をとる。
「邪魔するな!」
鉄球が未来に襲い掛かる。それを未来はミラーデバイスから光線を放ち、無数に反射させて狙い撃とうとするが、鉄球は光線全てを躱し、未来に襲い掛かる。
「ッ・・・!?」
突破されたことに、未来は息を飲む。
だが、そんな未来をローグが押しのける。
「きゃあ!?」
「ぬぐあ!?」
三発の鉄球がローグに叩きつけられる。
しかし、ローグの装甲の前には徹甲弾程度の威力しか持たない鉄球の一撃は効果はない。
「ローグ・・・!?」
ジーナが忌々し気に呟いた所で、その横から未来のものより明らかに強力な砲撃がジーナに襲い掛かる。
その砲撃を躱し、ジーナが見た先にいるのは、左腕のアームドギアを砲門へと変形させてこちらに向けて構えるマリアの姿があった。
「チッ・・・」
舌打つジーナ。そこへ、今度はなぜか未来が広げた鉄扇の鏡からの光。
一体何の意図があるのかと疑問に思っていると、今度は緒川からの銃声。放たれた弾丸は、未来が鏡を光らせる事によって出来た影に突き刺さる。
忍法『影縫い』だ。
これによってジーナの動きは止められる。
「くっ・・・!」
「長官!」
緒川がローグに向かって叫ぶ。
「任せろ!」
ローグがアクティベイトレンチを叩き落す。
『クラックアップフィニッシュ…ッ!!!』
それと同時にローグの右足にエネルギーが収束、飛び上がったローグはそのままジーナに向かって一気に飛び蹴りを喰らわせようとする。
「ッ!」
それに対して、ジーナは鉄球を操作。影に突き刺さった銃弾を地面ごと抉り出し、影縫いの束縛から逃れる。
それによってジーナは動き、ローグの必殺技を躱す。
そのまま塀の上に登る。
「流石にこの数を相手にするのは分が悪い・・・」
マリア、未来、ローグ、緒川―――
四対一ともなると、数的不利は否めない。
「いいでしょう。ここは引きます。ですが、私はもう一度、あなた達を襲撃するでしょう」
それだけを言い残し、ジーナは姿を消す。
そして、その直後に、雨が降り始める。
「負けた・・・のか・・・」
翼を抱き抱え、戦兎は、そう呟いた――――
『要石の防衛に失敗しました』
S.O.N.G本部にて、弦十郎は緒川からの連絡を受けていた。
『申し訳ありません』
「二点も同時に責められるとは・・・」
『二点?まさか・・・!』
弦十郎の言葉に、モニターの向こうの緒川は表情を強張らせる。
「ああ、深淵の竜宮にも不審者だ」
そして、緒川の予感を、弦十郎は肯定する。
映し出されるモニター。
そこに、二人の人影があった。
一人は、オートスコアラーの一人である『レイア・ダラーヒム』、そしてもう一人は―――敵の首領『キャロル・マールス・ディーンハイム』。
「キャロル・・・」
「どういう事だ・・・あの野郎はあの時死んだんじゃねえのか!?」
「閻魔様に土下座して蘇ったのか・・・!?」
龍我とクリスが、驚きに歯噛みする。
「スペアの体・・・」
そんな中で、セレナは呟く。
それに、注目を浴びるも、構わずセレナは続ける。
「あらかじめ記憶のバックアップを取っておいて、自身の死と同時に、もう一つの素体に記憶を転写・・・事実上の蘇生をしたというの・・・?」
「正確には、死の瞬間までの記憶を転送複写しています」
「自分の死の記憶か・・・」
エルフナインの言葉に、一海は感慨深そうにつぶやく。
「奴らの策に乗るのは小癪だが、見過ごすわけにもいくまい。一海君は、龍我君、慧介君、クリス君、切歌君、調君を連れて、一緒に行ってくれ」
「任せろ」
一海は頷き、そして彼らは―――深淵の竜宮へと入っていく―――。
風鳴邸―――その縁側にて、まだ雨の降る外を眺めていた。
そんな彼女に、未来が歩み寄ってくる。
「マリアさん」
「未来・・・」
「どうかしたんですか?」
その言葉に、マリアは、何も答えず俯く。
「・・・もしかして、シンさんの事ですか?」
「!・・・ええ」
その指摘にマリアは弾かれたように未来の方を見るが、しかしすぐに視線をそらして肯定する。
「・・・こんな雨の日だった。私がシンと深く関わるようになったのは」
「そうなんですか?」
「ああ。闇医者に預けていたセレナの様子を見に行ってたんだろうけど、途中で雨にあって、びしょ濡れで帰ってきた。その時、初めて私はシンと出会って、ココアを振舞ってやったんだっけ」
「シンさんがココアが好きなのは、マリアさんとの大切な思い出だから」
「そう・・・かもしれないな。きっと」
あの日以来、シンはココアを飲むようになった。ことあるごとに、ココアを飲んでいた。
その事は今でも、思い出せる。
シンが、まだ、優しかったころの記憶―――
「・・・分からないの」
マリアは、震える体で、告白する。
「シンのことが、分からないの・・・あんなに、あんなに優しかったシンが、あんな顔をして、子供ごと敵を斬ったなんて・・・思えば、フロンティア事変の時もそうだった。殺す必要はない。そんな連中に、シンは躊躇いもなくあの刃を振り下ろした・・・!!その時から気付くべきだった。シンの中の狂気を・・・その本性を・・・!」
自らを抱きしめ、マリアは、必死に恐怖に耐える。
「怖い・・・本当のシンが・・・本当のシンが、どんな存在なのかが分からないのが・・・怖い・・・怖いよ・・・マム・・・!」
恐怖に震えるマリア。
あの時の、シンの姿に、シンのあの表情に―――
殺戮を楽しむ―――殺人者の笑顔に―――
「・・・確かに、あの時のシンさんは怖かったですよ」
マリアが、恐怖に震える中で、ふとその耳に未来の声が響く。
そして未来は、でも、と続ける。
「シンさんが今まで私や、他の皆にしてくれたことは、紛れもない本物です」
勉強で分からないところがあって、それでシンに尋ねれば、シンは快く教えてくれた。
いつも響を迎えに来る自分の愚痴を黙って聞いてくれる。
訓練の時、翼との手合わせで、どこが悪いのかを的確に示してくれる。
切歌が何かをやらかせば、それに呆れながらも後始末を手伝う。
全部、全部シンが、自分の意志でやったことだ。
「その全てが、嘘な訳がない。シンさんには、確かに『優しさ』があるんです」
「シンの・・・優しさ・・・」
「はい。もしかしたらシンさんの本性は残虐な殺人鬼なのかもしれません。でも、その心には確かに『優しさ』があるはずなんです。だからマリアさん」
未来は、真っ直ぐにマリアを見て、そして微笑んで、言う。
「シンさんの『優しさ』を、信じてあげてください」
その言葉に、マリアは、すっと震えがなくなっていくような感覚を覚えた。
S.O.N.Gの独房にて―――
「・・・」
シンは、手錠をかけられた状態で、独房で静かにしていた――――
次回!愛和創造シンフォギア・ビルドは!?
ファラに敗北した翼。
(私では届かないのか・・・)
「あとで話がある」
その一方で八紘に呼び出される戦兎。
「・・・ある意味、逆鱗に触れたのかもしれませんね」
そして再び襲撃してくるオートスコアラー・ファラとデイブレイク社のジーナ。
「ふふ、私は歌が聞きたいだけ」
その決着の行方は――――
次回『翼と兎のライジングサルト・セカンド』
「私はもう一度―――夢を見てもいいのですか・・・!?」
ラスト!変身講座ァァア!!
はい!というわけで立花響です!
いやー冒頭で他の私(中の人)の性格と入れ替わってたみたいで・・・なんだろう、確か『ヤンデレ』って奴だったような・・・・まあいっか。
というわけで、今回の変身講座は私!師匠風鳴弦十郎の弟子にして、奏さんからガングニールを受け継ぎ、あ、今はマリアさんのか。それで現在はS.O.N.G.所属のシンフォギア装者をしている立花響が担当します!
というわけで早速、私のリンク・アニマルは『ガングニールフェニックス』。生真面目で私が寝坊したりしてるといつも起こしてくれるんだ。え?未来はどうしたのかって?もちろん、未来と一緒に起こしてくれてるよ?それがどうかしたの?・・・はあ?とりあえず続き続き・・・
それで、このガングニールフェニックスこと、ニクスは両手を広げた鳥のような恰好を正面にしたような感じ。フルボトルスロットはクロと同じ所だよ。
それで、ニクスのスタンバイスターターはもちろんクロと同じ!ただ違うのは体の向きかな?
というわけで、スタートオン!
『STANDBY』
それじゃあ今度は変身ポーズだね。
私の変身ポーズは、まず両拳を腰に当てる所から始まります!
そこから左手を突き出し、そのまま続けて手首で交差させるように右手を突き出し、そのまままわして顔の右斜め上あたりに交差点をもっていったあと、もう一度右手を腰に戻して思いっきり突き出します。そして、突き出した拳を時計回りに振り抜いて蹴りを二回やりながら回転。そのまま三点着地してから拳を突き上げる!
それで終わりだよ。
それじゃあ、今度は変身バンク行ってみよう!
突き上げた拳と同時に背後から不死鳥が飛び立つ→そのまま天高く上った所で翻って響に向かって落下→その炎を全身に受ける→その炎を演武で振り払い、ギアインナーを纏う→左手を上に振り上げるような動作で右手で正拳突き→炎が纏われ、続けて左手も突き出して炎を纏う→そしてどこぞのエースの如く拳を突き合わせてアームギアを装着→右足を少し前に出し、踵を一度上げて勢いよく落とす→その後、軽く飛び上がって勢いよく着地→それと同時に巻き起こる炎を足に纏う→右足を高く持ち上げとのまま地面に叩きつけ、ギアを装着→今度は片足立ちで左膝を突き出し、その状態で炎がギアの形を成す→腰のジェット機構を炎が形となることで装着→そのまま不死鳥を模したヘッドギアを着装→正面カメラで翼を模した炎を噴きださせ、それがマフラーへと変化→最後の演武をもって変身完了。
と言った感じです!
うん、我ながら良い出来!
あのライブの日から、奏さんがきっかけをくれて、それを私の力にして、そしてマリアさんから託された。
それがこのガングニール。
このガングニールをもって、戦兎先生と同じ、『愛と平和』を貫いてみせる!
そんな訳で、以上、立花響でした!
オリジナル章はやったほうがいいか
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バーサーカーソウル!(いいぞもっとやれ
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そんなことはどうでもいい!(どちらでも
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嘘を吐くな!(やるな