弦「今回は八紘兄貴が担当なのか」
戦「どんどん俺の主役としての立場が・・・」
八「なに、君は本編で重役として十分に働いてくれているではないか」
戦「いやいやいやいやこのあらすじ紹介も本編でのことも全部主役である俺が担わないといけないんすよ!」
八「それに、君には翼の」
翼「お父様!」
八「おっと娘が来たようだ。では私はこれで」
戦「あ、いっちまった・・・結局何が言いたかったんd」
翼「悪・即・斬ッ!!」
戦「ナズェダ!?」
弦「・・・・アンケートの結果、この小説オリジナル章『オリジン・ザ・天羽々斬』公開決定!というわけでシンフォギア・ビルドGX編第十九話をどうぞ!」
翼がファラを撃破する数分前―――
小型潜水艇を利用して、『深淵の竜宮』に入った龍我、一海、慧介、クリス、切歌、調の六人。
「だたっぴろいデス・・・」
「こんな所があったなんてな・・・」
「ピクニックに来てるんじゃないんだ。さっさと行くぞ」
「ん?おう」
クリスの言葉に、一同は走り出す。その最中で、リンク・アニマルたちも、こぞって声を挙げる。
「施設、構造データ、取得しました」
「侵入者の捜索急げ!」
一方、本部潜水艦にて、敵の狙いを探るべく、S.O.N.G職員たちが総力をもって情報をかき集めていた。
その最中で、エルフナインがキャロルの狙いを予測する。
「キャロルの狙いは、世界の破壊・・・ここに納められた聖遺物、もしくはそれに類する危険物を手に入れようとしているのは間違いありません」
果たしてそれは一体何なのか。
「なんなんだ一体?」
「いやそれを俺たちに聞かれてもわからねえって」
龍我の言葉に一海はそう返す。
「龍我さんの馬鹿さ加減は相変わらずデスなー」
「それ、切ちゃんが言えたこと?」
「敵の目的が一体なんなのか知らねえが、アタシらのやることは変わらねえ」
走り続けて、クリスは何か、自らを言い聞かせるようにつぶやく。
「・・・そうだ、アタシがやんなきゃいけないんだ・・・」
「・・・」
そのクリスの様子を、龍我は注意深く見ていた。
そして、走り続けて数刻後。
『敵の狙いが分かったぞ!』
AR無線機『セイレーン』から聞こえてくる弦十郎の声に、一同は足を止める。
『敵の狙いは『ヤントラ・サルヴァスパ』。全ての機械を起動、制御することの出来る聖遺物です!』
「やんとりゃさるーばいぱー?なんだそりゃ?」
龍我のボケに、一同が一斉にズッコケる。
「~!龍我ぁ!」
「こういう時に変なボケかましてんじゃねえよ!」
「というかどうやったらそんな聞き間違いするんですか・・・!?」
「え?やんとれあさるべーじじゃないんデスか?」
「切歌・・・ややこしくなるから黙ろうか」
「デス!?」
気を取り直して。
『今からヤントラ・サルヴァスパのある区画に誘導する!すぐに急行してくれ!』
「「「了解!」」」
シンフォギア、仮面ライダーへと変身して、彼らは一気に敵の狙う区画へと向かう。
「それで、ヤントラ・サルヴァスパっていうのは、確か、ありとあらゆる機械を動かすことの出来る聖遺物なんだっけか!?」
『はい。ありとあらゆる機械を起動・制御を可能とする情報集積体』
「この馬鹿にわかりやすくいうと!?」
「おい!」
『そうですね・・・』
「無視すんな!?」
『ライダーシステムを機能停止させたり、または逆に操ることを可能とするスケルトンキーのようなものです』
「そりゃあすぐにでも阻止しねえとやべえな」
「急ぐぞ!」
そうしてシンフォギアとライダーの走力をもって、彼らはキャロルと対峙する。
そのキャロルの右手には、既に何かの板、ヤントラ・サルヴァスパが握られていた。
「キャロル!」
「これ以上テメェの好きにはさせねえ・・・!」
対峙する両者。
「マスター、排除します」
「任せた」
同伴していたレイアが、装者と仮面ライダーたちの前に立つ。
「行くぞ!」
クローズイチイバルがブラストモービル・ブラストシューターを手にそう叫ぶ。
その直後にレイアはアルカノイズを散布、無数のアルカノイズが出現する。
「てぇやぁぁぁあぁああ!!」
すかさずクリスが小型ミサイルをキャロルに向かってダイレクトにぶっ放す。
そのミサイル群を、キャロルはバリアをもって全て逸らす。逸らされたミサイルはキャロルの背後で壁に炸裂する。
グリスはレイアと対峙、レイアの放つコインを二丁のツインブレイカーで防ぎながら距離をとって戦うレイアを追いかけまわす。
「待てゴラァ!」
「地味に無理な相談だ」
その間に、タスク、調、切歌はアルカノイズを殲滅しにかかる。
その最中で禁月輪で戦場を駆けまわった直後で調が百輪廻でキャロルを強襲。
それすらもキャロルは結界をもって防ぐも、その時、キャロルを強烈な脱力感が襲う。
(こんな時に・・・!?)
それは、復活する際に記憶の定着がまだ不完全であり、馴染んていない事によっておこる、体の拒絶反応。それによって、体の動きが鈍くなる。
それによって結界が乱れ消失、そのキャロルに向かって、百輪廻の嵐が殺到する。
「ッ!?」
そのうちの一つが、キャロルの右手のヤントラ・サルヴァスパに迫る―――が、突如としてその百輪廻の丸鋸がまとめて引っ掴まれる。
「「「ッ!?」」」
それに目を見張ったのは、何もライダー・装者たちだけではない。
キャロルとレイアも同様だ。
キャロルに背を向け立つ男、弦十郎に負けず劣らずの体格を有するその男は、白い武士装束に身を包み、その手の丸鋸を投げ捨てた。
目はバンダナで隠し、その口元は不敵に笑っている。
「遅れてすまない。デイブレイク社『ニトロ・バルドン』、ただ今参上した!」
その男は、そう名乗りをあげる。
「デイブレイク社か・・・」
キャロルは、その男を見上げる。
「今更何人来ようが―――!」
クリスがすかさずガトリングガンを掃射する。
しかし、それを見た男―――ニトロは避けようとせず、防御もせず正面からクリスの掃射を受ける。
直後、クリスに向かって何かが飛んでくる。
「なッ!?」
「あぶねえ!」
間一髪、クローズがクリスを横から掻っ攫ってどうにかその何かを躱す。
「大丈夫か!?」
「あ、ああ・・・なんだったんだ一体・・・」
見れば、壁には無数の銃創が出来ていた。
「フハハハハ!無駄だ。この俺にはお前たちの攻撃は一切効かん!」
「それはどうデスか!」
すかさず切歌が二対の鎌を重ね合わせて巨大な鎌へと変形させ、ニトロに斬りかかる。
『対鎌・螺Pぅn痛ェる』
その一撃がニトロに炸裂する―――が、次の瞬間、凄まじい衝撃が切歌の腹を突き抜ける。
「ご・・ぼぇ・・・!?」
想像以上の衝撃に、切歌は一瞬意識を飛ばし、吹き飛ばされる。
「切ちゃん!?」
床に落ちる切歌。
その切歌に、ノイズを切り払いながら調が駆け寄る。
「切ちゃん、しっかりして!切ちゃん、切ちゃん!」
「―――ッ!」
それを見たクリスは、頭に血が昇るような感覚を感じて、すぐさま無数の武装を展開しようとする。
「てめっ―――」
「クリスさん待って!」
それを止めたのはタスク。クリスに声をかける事によって攻撃を中止させたタスクはそのままニトロとキャロルに向かって突っ走る。
「派手にさせるか!」
すかさずレイアがコインを弾いてタスクを攻撃。
それをタスクは巧みに躱し、そのまま一気にニトロに接近する。
「来い!」
ニトロは嬉々として拳をタスクに振るおうとする。
しかし次の瞬間―――ニトロの拳は空ぶる。
「なっ!?」
既にタスクはそこにはいなかった。
そう、消えたのだ。
その場にいる者たち全ての視界から。
しかし、その場からいなくなったわけじゃない。
タスクはちゃんとそこに―――キャロルの背後にいた。
低姿勢で、まるで回り込んできたかのような態勢で。
(今必要なのは、キャロルにヤントラ・サルヴァスパを渡さない事、奪還が出来ないなら―――!!)
タスクの片手には、調がばら撒いた百輪廻の丸鋸。
それをタスクは鋭く投擲。その丸鋸を、キャロルは躱そうとするが、一枚が手に当たりヤントラ・サルヴァスパが宙を舞い、そして二枚目が、ヤントラ・サルヴァスパを両断する。
「ヤントラ・サルヴァスパが!?」
「ぬかった!」
すかさずニトロがタスクを攻撃。
「それを、待ってた!」
「なっ!?」
拳が襲い迫るも、タスクはその拳を絡まるように掴み、そのまま自身の体ごとニトロを投げ飛ばし、
「クリスさん!」
「ああ―――その隙は見逃さねえ!」
すかさず、ありとあらゆるミサイルをキャロルに向かって一気にぶちまける。
『MEGA DETH QUARTET』
「オラオラオラオラァ!!」
すかさずクローズも銃弾をぶちまける。
「地味に窮地っ!!」
すかさずレイアが迎撃態勢に入る。無数のコインが、飛来するミサイルを次々に撃ち落としていく。
「ふんっ!」
「がはっ!?」
その最中で、タスクがニトロに殴り飛ばされる。
「今行くぞ!」
「そうはいくかよ!」
すかさずグリスが飛び上がってアクティベイトレンチを叩き下ろす。
『スクラップフィニッシュッ!!!』
「ッ!?ダメだ一海さん!」
それに対して、タスクは思わず叫ぶ。
しかし、グリスは止まらない。
その一方で、レイアがミサイル群を撃ち落としていくも、その中の唯一、特大サイズのミサイルがキャロルに襲い掛かる。
「マスターっ!」
そのミサイルが、キャロルに炸裂――――
「ハァァアアッ!!」
グリスのライダーキックがニトロに炸裂する。しかし吹き飛んだのは―――グリスだ。
「ぐあぁぁあああ!?」
一瞬、グリスのライダーキックが炸裂した瞬間、グリスが壁に叩きつけられていた。
「カズミン!?」
「な・・・にが・・・」
壁から剥がれ落ち、地面に倒れるグリスにクローズが駆け寄る。
そして、煙舞う中、クリスが捉えたのは、自らが放ったミサイルが受け止められていること―――
「何がどうなってやがる・・・!?」
その事態に、クリスは動揺を隠せない。
「―――ク、ウェハハハハハ!!」
その笑い声を聞いた途端、タスク、調、切歌の背筋に悪寒が走る。
「こ、この声は・・・」
「まさか・・・!?」
煙が晴れた先にいるのは、未だジェットを噴かすミサイルを異形の左腕で掴む、白衣の男の姿。
「久方ぶりの聖遺物ゥ・・・」
そして、直後としてその腕が怪音を立て、みるみるうちにミサイルが取り込まれていく。
否―――喰われていく。
それは、『暴食』の二つ名を有する、この世にはすでに存在しない力の一部を持つ左腕。
そして、そんな左腕を持つ存在は、この世でただ一人―――
「この味は甘くとろけて癖になるゥ・・・!」
そう、タスクたちF.I.S組にとっては、二度と会いたくない人物。それは―――
「嘘・・・」
「なぁ・・・」
「嘘デスよ・・・」
目の前の、いる筈のない男の存在に、彼らは狼狽える。
「嘘なものか。僕こそが真実の人ぉ・・・ドクタァーウェr」
「その汚ぇ手をうちのクリスに見せてんじゃねえよ!」
「ぐべあ!?」
――――直後にクローズが投げた瓦礫に顔面を吹き飛ばされるウェル。ウェイ(・∀・)
「と、登場早々に、この僕になんてことを!」
「もう一発喰らうか?いっておくがテメエがクリスの裸を見たこと今でも根に持ってるんだからな」
「ヒィィイ!?」
瓦礫をもってただならぬ空気を発するクローズに、ウェルは恐れおののく。
が、しかしである。
「し、しかし・・・この恐怖に耐えてこそ、僕はまた一歩英雄に近付くというものぉ!」
「何が英雄だゴラァ!?」
「うおあ!?」
クローズ二度目の投擲、だがそれをウェルはどうにか避ける。
「チッ、外したか」
「龍我、お前あいつになんか恨みでもあんのか?」
それはともかく。
「いやぁ、遅れてしまってすまない」
そこへやってきたのは、シルクハットを被った、ピエロメイクをしたタキシードの男。
「遅かったじゃないか」
「彼を探すのに存外手間取ってしまってね」
さらなるデイブレイク社の戦闘員。
「それにしても・・・ウェヘー、旧世代のLiNKERぶっこんで、騙し騙しのギア運用なわけね」
「くっ」
「「うえ~」」
ウェルの登場でげんなりするF.I.S組。
「優しさで出来たLiNKERは、僕が作ったものだけぇ!そんなので戦わされてるなんてェ、不憫すぎて笑いが止まらァん!」
「黙れ英雄もどき」
「不憫の一等賞がなにを言うデス」
「なんか知らねえがむかつくなこいつ」
タスク、切歌、グリスが辛辣な言葉を浴びせる。
その最中で、クリスがぶつぶつと何かを呟いていた。
「アタシの一発を止めてくれたな・・・!」
ウェルは不遜な態度でその場にふんぞり返っている。
(この前かかされた恥は、まとめて返してくれる!)
己のアームドギアを構えるクリス。
「待つデスよ!」
「ドクターを傷つけるのは・・・」
そんな中で何故か切歌と調がクリスを止める。
「何言ってやがる!?」
「だって、LiNKERをつくれるのは・・・」
この世界でLiNKERを作れるのは、ただの一人。
「そうとも!僕になんかあったら、LiNKERは永遠に失われてしまうぞぉ!」
「・・・・」
それを聞いたクローズが一言。
「戦兎なら作れんじゃね?」
沈黙。
「それもそうデスね」
「あの人なら本当に作っちゃいそう」
「そもそもこいつに手加減する必要なんてなかったわ」
「はあ!?」
見事な手のひら返しに、さしものウェルも驚愕する。ウェイ(・ω・)ノ
「な、何を言って・・・!?」
「うちの天才物理学者を舐めんじゃねえよ」
クリスが気を取り直して武器を構える。
「ぽっと出が、話を勝手に進めるな」
その最中でキャロルがアルカノイズを再びばら撒く。
「今更ノイズっ!!」
すかさずクリスがガトリングを掃射。アルカノイズを撃ち払い、そのままキャロルたちを狙う撃とうとする。
「ひぃい!?」
キャロルが盾を形成して防御。
「その男の識別不能・・・」
「心配するな。彼の能力を行使すれば、ワールド・デストラクションは起動する」
ピエロメイクの男が、レイアたちに向かってそう言う。
「何?」
「かのフロンティアの起動させたのはこの男だ」
「っ・・・!」
その言葉に、キャロルは目を見開き、すぐさま前を向く。
「そうか・・・」
「僕は敵でも味方でもない!英雄だ!」
「だったらその英雄様に―――」
クリスが、両肩に巨大ミサイルを二基構える。
「さっきよりでかいのまとめてくれてやるッ!!」
すかさずクリスの歌が戦場に鳴り響く。
「ちょ、そのままぶっ放したら―――!?」
そのままぶっ放そうとした直前、ウェルが叫ぶ。
「このおっちょこちょい!」
「ッ!?」
「なんのつもりか知らないが、そんなの使えば、施設も!僕も!海の藻屑だぞ!なんてな」
「レイア、この埒を開けてみせろ」
「即時遂行」
喚くウェルを他所に、キャロルがレイアに命令。レイアがクリスたちに向かって躍り出る。
すかさずクリスがガトリングで迎撃する。
「ニトロ、君も仮面ライダーを抑えたまえ」
「承知!」
ピエロメイクの男がニトロに命令、すかさずニトロがライダーたに襲い掛かる。
「一体何を使ってんのか知らねえが、やってやろうじゃねえか!」
「待ってください一海さん!迂闊にこちらから攻撃は―――」
ニトロの拳がタスクに襲い掛かる。
「くっ!?」
その一撃をどうにか躱すも、続けて鋭い連撃がタスクに襲い掛かる。
「図体に反してこの速さ・・・!?」
「下がれ慧介!」
すかさずクローズがブラストシューターの引き金を引く。
放たれた弾丸はニトロに直撃するが、しかしすかさず何かが飛来してくる。
「うおっ!?」
「やはり、奴の能力は・・・うわっ!」
直後にタスクの足元に弾丸が当たる。
「流れ弾!?」
見れば、クリスがレイアに向かってガトリングガンを我武者羅にばら撒いていた。
派手な動きでクリスのガトリングガンの嵐を巧みに躱すレイアに、クリスはアルカノイズを巻き込みながらレイアに弾丸をぶち当てようと引き金を引き絞る。
(後輩なんかに任せてられるか・・・!)
「クリス・・・?」
暴れるがままにガトリングから弾丸を吐き出し続けるクリス。
しかし、レイアには当たらない。
(ここは先輩のアタシがァ・・・ッ!!)
心を巣食う苛立ちのままに、クリスはガトリングガンを放ち続ける。
その一方で、ニトロと対峙しているライダーたちは、
「くそっ、なんでこいつを攻撃しちゃいけないんだよ!」
「それは―――」
タスクが何かを呟く直前、
「ふふ」
ピエロ男が指を鳴らす。
次の瞬間、ニトロの背後で何かが爆発。その衝撃をニトロは諸に受ける。
「味方ごとだと!?」
グリスがそう叫んだ直後、凄まじい衝撃がライダー三人を襲い、ふっ飛ばす。
「「「うわぁぁぁああ!?」」」
突然の事に、三人は驚きを隠せない。
どうにか爆風だけでダメージはそれほどないが、一体何が起きたのか、それが分からない。
「一体何が・・・」
「やっぱり、奴の能力は・・・」
その一方で、ガトリングガンを我武者羅に放つクリスだが、未だにレイアを捉えられないでいた。
「ばらまきでは捉えられない!」
「落ち着くデスよ!」
調と切歌の声にも耳を貸さず、クリスはそのまま掃射を続ける―――だが、その射線上には調が―――
「調っ!」
タスクが思わず叫んだ直後、クリスのガトリングガンの矛先が、何者かに掴まれて止められる。
「あ・・・」
クローズだ。
クリスのガトリングガンを掴んで持ち上げ、仮面の奥の双眸でクリスを見つめる。
「・・・・巻き込んでどうすんだ」
「な・・・あ・・・」
クローズにそう言われ、クリスは、喉から出かかった言葉を必死に抑え込み、すぐさま別の事に意識を向ける。
「あいつらは!どこに消えた!」
「たぶん、この下・・・」
タスクがしゃがみ見る先にあるのは、赤い粒子を巻き散らしながら空いた、巨大な穴だった。
「すみません。あのニトロっていう男に足止めされて・・・」
「なんだったんだあいつ・・・」
下層へ続く穴。おそらくはアルカノイズで開けられた穴だろう。
「ごめんなさい。あのピエロの人に妨害されて・・・」
接近しようとしていた所を、ピエロに何かをされて足元を爆発され続けて近づけなかったのだ。
「でも、次は必ず仕留めるデス。アタシたち全員が力を合わせれば今度こそ・・・あ!?」
しかし、歩み寄ってきた切歌を、どういうわけかクリスはどつく。
「後輩の力なんて当てにしない!おてて繋いで仲良しごっこじゃねえんだ。アタシ一人でやってみせる!」
「おいクリス・・・」
「龍我は黙っててくれ」
「・・・・」
クローズが何かを言おうとするが、クリスは黙らせる。
(一人でやり遂げなければ・・・先輩として、後輩に示しがつかねえんだよ・・・!)
クリスの胸中は、穏やかではなかった。
「クリスさん・・・」
その様子のクリスに、オペレーターのセレナは心配そうにつぶやく。
「侵入者ロスト、大きな動きがない限り、ここからでは補足できません・・・」
「ドクターウェル・・・隔離情報が公開されていれば、こんなことには・・・」
ジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクス―――通称ドクターウェル。
その左腕をネフィリムと呼ばれる聖遺物と同等とすることで、フロンティアを制御した男。
「ネフィリムの力も健在・・・厄介だな・・・」
「それだけじゃありません」
セレナがそう声を挙げる。
「敵は、ウェル博士がここに収容されている事を知ってるような口ぶりでした。つまり、奴らは・・・」
「深淵の竜宮の情報を網羅している可能性がある、という事か・・・」
デイブレイク社。
知れば知るほど、その規模が測れなくなる、異端秘密結社―――
「敵は、思った以上に強大なようだ・・・追跡の再開、急げ!」
弦十郎の指示に、すぐさま職員たちは行動を開始する。
その最中で、エルフナインは破壊されたヤントラ・サルヴァスパの映像を見上げていた。
「最後のパーツ、ヤントラ・サルヴァスパが失われたことで、チフォージュ・シャトーの完成を阻止することが出来ました・・・」
だが、しかし―――
「なのに、キャロルはまだ・・・」
―――諦めていない。
「・・・っ!?」
キャロルが目を覚ます。
「俺は・・・落ちていたのか・・・」
意識のシャットダウン。拒絶反応からくる、精神乖離だろう。
「またしても拒絶反応です。撤退の途中で、意識を」
抱いていたレイアが、キャロルを下ろし、そう説明する。
「高レベルフォニックゲイナーが複数揃う両行に、逸るのは理解できますが・・・」
「杞憂だ・・・」
そこでキャロルは、ウェル、ニトロ、そしてピエロメイクの男の方を見る。
「礼は言わん」
「知っていますとも。これは我らが勝手にあなた方に協力しているだけなのですから」
そう言って、ピエロメイクの男―――『ベイク・ド・ボテル』はお辞儀する。
「そして・・・知っているぞ。ドクターウェル、フロンティア事変関係者の一人。そんなお前が何故ここに?」
「我が身可愛さの連中が、フロンティア事変も、僕の活躍もよってたかってなかったことにしてくれたぁ!」
全て自分の所業が原因だというのにこの態度である。
「人権も存在も失った僕は、人ではなく物、回収されたネフィリムの一部として、放り込まれていたのさ!」
その左腕を変形させてみせてそう喚くウェル。
「その左腕が・・・」
「イチイバルの砲撃も、腕の力で受け止めたんじゃないィ。接触の瞬間にネフィリムが喰らって同化!体の一部として推進力を制御したまでのこと」
いうなれば、掴んだ瞬間にミサイルのシステムを乗っ取り、その進むための力を弱め、ウェル自身の体が支えられるレベルの力にしただけのことなのだ。
「面白い男だ・・・よし、ついてこい」
「ここから僕を連れ出すつもりかぁい?だったら騒乱の只中に僕を案内してくれぇ」
「騒乱の只中?」
「英雄の立つ所だぁ」
ウェルの特筆すべき所はこの英雄願望の強さだろう。
そんなウェルに、キャロルは左手を差し出す。
「ん?」
それが握手と理解したウェルは自らの左手を白衣で拭き、握り返す。
「ネフィリムの左腕、その力の詳細は、追手を巻きつつ聞かせてもらおう」
「脱出を急がなくてもいいのかぁい?」
「奴らの動きなど
キャロルは、そう不敵に笑って見せた。
「だぁかぁらぁー、そんな暴れるように力を使うなって言ってんだよ!」
「新しくなったシンフォギアは、キャロルの錬金術に対抗するための力だ!使いどころは今をおいて他にねえ!」
「それで他人巻き込んでたら力もくそもあるか!シンフォギアもライダーシステムも使い方ひとつで誰かを簡単に傷つけることが出来るんだ!ここを壊すことだって造作もねえ!」
「~っ!!正論で奴等と渡り合えるか!」
「渡り合えねえよ!」
龍我とクリスが激しく言い争う。
「今度は龍我さんとクリスさんが・・・」
「なんだかデジャブなのデス・・・」
理由は先の戦闘におけるクリスの暴走。目的を見失い、危うく調を巻き込みそうになったことについての責任追及―――ではなく、力の使い方について、龍我とクリスは言い争っているのだ。
その様子に、クリスに一言二言言おうと思って基地の通信装置を用いた弦十郎も、それを傍目で見る一海たちも、茫然と見ている事しか出来ない。
『念のため、各ブロックの隔壁や、パージスイッチの確認をお願い』
そうしてモニターに表示される地図に無数のスイッチの位置が表示される。
「こ、こんなに一変に覚えられないデスよ・・・」
『大丈夫ですよ。セイレーンにすぐに情報を送ります』
「おお!」
「流石セレナ」
『ふっふ~ん、すごいですよね?最高ですよね?天才ですよね!?』
「なんか、どんどん戦兎っぽくなってないか?」
セレナのおかしなテンションに一海は引くほかない。
その最中で、
『セキュリティシステムに、侵入者の痕跡を発見!』
「そういう知らせを待っていた!」
待ってましたと言わんばかりに、クリスがそういう声をあげた。
風鳴邸にて―――
「これで、自殺は出来なくなっただろ」
「・・・」
ロープで拘束され、そこに座るジーナ。
その傍らには、翼に両断されたオートスコアラー・ファラの残骸。
そんな彼女らを見下ろすのは、翼、マリア、戦兎、幻徳、緒川の五人。
未来は、先ほど響からかかってきた電話に応じている。
ファラの方は既に機能停止しているのか、白目をむいている。
ちなみに、ジーナはビルドのフェニックスロボの能力で体内にあった心臓爆破装置、それも動脈に括り付けるリングタイプを取り除かれており、なおかつ口の奥に仕込まれていた毒も取り上げているために、外部から攻撃されない限り死ぬことはない。なおかつ気絶中である。
「この状態で、可動するの?」
「問題ないだろ。こいつらは口から思い出を吸収する。だったら頭さえ残ってりゃたぶん・・・ほらな」
目が回り、瞳が現れる。
「・・・いつか、しょぼいだなんて言って、ごめんなさい・・・剣ちゃんの歌。素晴らしかったわ」
ファラがそんなことを呟く傍らで、戦兎は考える。
(そういや、ガリィの時も笑っていたよな。ミカの時も、やられる直前で何か、勝利を確信したかのような・・・)
やけにライダーを遠ざけ、なおかつ、装者に撃たれることを望んでいるかのような。
「私の・・・歌・・・?」
突如として、ファラは高笑いをあげる。
「アハハハハ!まるで体がばっさり二つになるくらい、素晴らしく呪われた旋律だったわ!」
それに、彼らは顔を見合わせる。
「呪われた旋律・・・確か以前に、キャロルも言っていた・・・」
戦兎は、考える。
(キャロルの言葉、これまでのオートスコアラーとデイブレイク社の動き・・・ライダーだけを遠ざけて、装者をオートスコアラーと対峙させる―――破壊の時の、笑い・・・)
様々なピース、組み立てられる様々な推測、それらから、敵の狙いを想定―――答えを導き出す。
エルフナイン―――ダインスレイフ―――呪い―――歌―――旋律―――攻撃―――
戦闘時、破壊される瞬間、勝ち誇ったが如き笑い。
イグナイトの起動を待つかのような行動。
シンフォギアにはあって、ライダーにはないもの――――
「・・・まさか!?」
その答えに行きついた戦兎は、驚愕に目を見開く。
竜宮の深淵にて。
「どこまで行けばいいデスか!?」
「いい加減、追いついてもいいのに・・・」
視界に表示される、地図を見れば、まるでこちらの動きが分かっているかのように動く赤い点。
「まるで、こちらの動きが分かってるみてぇな動きだな・・・」
『まさか・・・ハッキング!?』
セレナが無線で驚きに震える声でそう声を挙げる。
『知らず、毒を仕込まれていたのか・・・!?』
驚愕に震える弦十郎の声。
「マジかよ・・・」
「そんなのありデスか!?」
だがしかし、キャロルはともかくデイブレイク社は錬金術、科学問わずにありとあらゆる技術力を扱う組織。そういう事も造作もないのかもしれない。
響が検査入院している病院にて―――
「ごめんね。任務の途中なのに・・・色々考えてたら眠れなくなっちゃって」
『いいよ。私も付き添えなくてごめんね』
「ありがとう・・・未来が聞いてくれたおかげで、もう一度、お父さんと話をしてみる決心がついた」
『うん・・・』
今、深夜を過ぎるまでにかかり続けた、父からの連絡。
その全てを拒否してきたが、流石に鬱陶しく、そして逃れられないという事を悟った響は、未来に連絡を入れてきたのだ。
「・・・だけどね」
それでも、響の不安は拭われない。
「ほんとはまだ少し怖い・・・どうなるのか不安でしょうがないよ・・・」
『響、へいき、へっちゃら』
「え?」
突然、未来からそのような言葉を言われ、戸惑う響。
『響の口癖だよ?』
「アハハ、いつから口癖になったのか忘れたけど、どんな辛い事があってもなんとかなりそうに思える魔法の言葉なんだ」
果たして、それは一体誰の言葉だったか。
『ほんと単純なんだから』
「前向きだと言ってくれたまえよ」
その二人の間に、笑いが零れる。
「おっかしーの」
『元気でたね。魔法の言葉に感謝しないと』
「うん、そだね」
響は、窓の外の寝静まった街を見つめた――――
次回!愛和創造シンフォギア・ビルドは!?
「全部お前らの差し金ってことか!」
明かされる、キャロルたちの目論見。
『いいや、お前だ。エルフナイン』
明かされる内通者の正体。
「「「変身っ!!」」」
そして激突する両者、その戦いの行方は―――
次回『雪と龍のバーニングソウル』
「「今の
オリジナル章はやったほうがいいか
-
バーサーカーソウル!(いいぞもっとやれ
-
そんなことはどうでもいい!(どちらでも
-
嘘を吐くな!(やるな