一部女性陣「きゃぁぁあぁああああ!!!」
慧「え!?なにごt」
調「慧くん!!」
慧「ぬぐお!?いきなりだきついて一体なにw」
真っ黒い何かが入ってくる(カサカサ
慧「あーなるほd」
切「だ、誰かどうにかしてくださいデース!!」
慧「あー、仕方ない。ここは俺が一つ活躍を」
弦「何やら悲鳴が聞こえたが何があった!?」ぷちっ
一同「あ」
弦「む?みんなどうしたんだ?」
マ「――――」ばたんきゅー
慧「ま、マリアぁぁああ!!?」
調切「―――」チーン
弦「ぬお!?調君と切歌君がこれまでにないほどの絶唱顔で気絶しているだとォ!?」
慧「全部あんたのせいだよ・・・」
弦「俺が一体何をしたっていうんだ・・・」
龍「ようお前ら一体何してんだ?」
慧「あ、どうも龍我さん今日は気分悪いんで帰ります」三人ずるずるひきずって
龍「ん?おう・・・?」
慧「あ、あとあらすじ紹介お願いします」
龍「お、おう・・・?と、とりあえず天才物理学者の桐生戦兎と風鳴翼及びライダーと装者一向は錬金術師キャロルとデイブレイク社との最後の結成に向かっていた。その一方で響は自分の親父と会っていたのでした」
弦「さて、響君の方は一体どうなることやら・・・」
龍「そんなわけでシンフォギア・ビルドGX第二十一話をどうぞ!」
一「なんか切歌たちが慧介にひきずられてたが一体何gうぉぉ潰れたゴキブリ!?」
龍「は!?マジかよ!?」
弦「一体誰が潰したんだ・・・ん?」
―――人型兵器の一撃が、本部に直撃する。
その時の衝撃で、天井の証明の鉄板が剥がれ落ち、落下―――友里の真上に―――
「ッ!」
それにいち早く気付いたウルフだが、思った以上に揺れが激しく、上手く動けない。
しかし、同時にもう一人気付いた者が―――
「危ない!」
その一方で、爆発の瞬間、本部のブリッジ部分が分離、直後、船体が爆発し、海の藻屑となる。
だが、次の瞬間、人型の叩きつけられた右腕が斬り飛ばされる。
その衝撃に、人型はよろけ、そして、巻きあがる黒煙の中、飛び出す銀色の閃光があった。
――――仮面ライダークライムだ。
クライムはそのまま左腕を駆けあがり、その人型の顔面前まで飛ぶと、刀を構え、そして―――
『ウルフテックフィニッシュッ!!!』
無数の斬撃が、人型に叩き込まれ、爆散する。
それによって起きた波がブリッジに叩きつけられ、大きく揺れる。
その上に、クライムは着地する。
そして、雷切を背中の鞘に納め、一人ごちる。
「本部の大部分を損失・・・そして、こちらを排除する姿勢・・・いつでもやれたことを今になってやってきたという事は、俺たちはもう用済みという事か・・・」
そう、クライムは呟いた。
そして、ブリッジ内、発令所にて。
「う、ウルフに頼んで、シンさんにビルドドライバーとクライムウルフを返しておいてよかった・・・」
セレナが未だ揺れる視界の中でそう呟く。
独断でこっそりと電子ロックであるシンの独房の自作マスターキーをウルフに渡し、さらにウルフに内蔵した格納部位にビルドドライバーとクライムウルフ、そしてウルフフルボトルを忍び込ませ、いざって時にシンを出撃させるように仕組んでおいたのが功を奏したようだ。
しかし、
「エルフナイン、エルフナイン・・・!」
エルフナインの名を何度も呼ぶ、電子音声が聞こえてきた。
「ウルフ・・・!?」
それにセレナは伏せていた体を起こし、その声がする方を見れば、そこには、友里に覆いかぶさるエルフナインに必死に呼びかけるウルフの姿があった。
「ウルフ、どうしたの・・・!?」
すぐさまセレナが駆けつける。
「エルフナインが負傷した!」
「そんな!」
見れば、エルフナインの脇腹の衣服が赤く染まっているのが見えた。
それを見たセレナが急いでエルフナインの体を抱き起こし、そっと横たわらせる。
「エルフナインさん、エルフナインさん!しっかりしてください!」
「うぅ・・・!エルフナインちゃん!?」
そこで友里も起きる。
「ボクは・・・誰にあやつられたんじゃなく・・・」
そこで、エルフナインは気絶する。
そのエルフナインの脇腹あたりの衣服の赤がさらに広がっていく。
「エルフナイン!く、ウルフ、救命道具!」
「了解だ」
ウルフはその場に伏せて、胴体部分、その一部が開き、そこから救急箱が出てくる。
メディカルルームは、先ほど破壊された潜水区画にしかない。
この分離されたブリッジでは、まともな治療も出来ない。であるならば、せめて応急処置だけでもしなければならない。
「しっかりして、貴方は、ここで死ぬべき人じゃない・・・!」
セレナは、逸る心臓の鼓動を必死に抑え込みながら、エルフナインの手当てにあたった。
――――病院から、それほど離れていないレストランにて。
立花響は、父洸と対峙していた。
その父の前には、食事に使われた食器の数々。
「ふぅ・・・悪いな、腹減ってたんだ」
「うん・・・・」
そう言う洸に響は、小さく相槌を打つ。
そんな中で、響は自分の手の中にある携帯。そのメールに書かれた文字を見る。
『へいき、へっちゃら』
響の口癖。どんな辛い時でも、なんとかなってしまうかもしれないと思える、魔法の言葉。
未来から送られてきたメールには、そう書かれていた。
それを見て、それを心の中で唱えて、響は、意を決して父に言う。
「あのね、お父さん」
「どうした?」
「・・・・本当に、お母さんとやり直すつもり?」
「ほんとだとも」
洸は、即答した。その身を乗り出して。
「お前が口添えしてくれたらきっとお母さんも―――」
「だったら!」
そんな中で、洸の言葉を遮って、響は頼む。
「・・・始めの一歩は、お父さんが踏み出して」
それが、娘の父親に対する『お願い』だった。
「逃げだしたのはお父さんなんだよ。帰ってくるのも、お父さんからじゃないと・・・」
その言葉に、洸は、しばし沈黙して。
「・・・そいつは嫌だなぁ」
そう、拒絶した。
「だって、怖いだろ」
そして、話す。
「何より俺にも、男のプライドがある」
響にとって、信じられない言葉を。
「・・・私、もう一度やり直したくて・・・勇気を出して会いに来たんだよ」
その結果が、これだ。
「・・・・響」
「だからお父さんも、勇気を出してよ!」
「だけど、やっぱり、俺一人では・・・」
これが、昔、本当にあのカッコよかった父親なのか。
これが、自分が大好きだったあの父親なのか。
やはり―――
「・・・もうお父さんは、お父さんじゃない・・・」
こんな現実に向き合えない。これ以上、父の変わり果てた姿を見たくない。
「一度壊れた家族は、元に戻らない・・・」
だから、響は―――諦めの言葉を呟いた。
それに、洸は何も言えなくなる。
何かを言おうと思っても言葉は見つからず、娘の信頼を得る為の言葉は、今の彼には不可能だった。
そんな洸が、窓の外を見れば、そこには母親と手を繋いで歩く子供が転んで、その手の風船が丁度、空へと飛んでいく様子が目に入った。
その風船は、どこまでも飛んで行って、そして―――
どこかのビルの屋上、そこでリカルドは両手を広げて叫ぶ。
「さあ、世界の終わりの始まりだ!」
―――空が、砕けた。
「な・・・!?」
まるで窓ガラスが割れるように、空にひびが入り、砕け散ったのだ。
そして、それによって空いた穴から、何かが降りてくる。
「なんなんだ!?」
「空が・・・割れる・・・!?」
それに気付いた響も空を見上げる。
そこから現れたのは―――巨大な浮遊する城だった。
浮遊する城―――『チフォージュ・シャトー』玉座兼制御室にて。
「ワールド・デストラクターシステムをセットアップ・・・シャトーの全機能をオートドライブモードに固定・・・」
ウェルが、ネフィリムの腕をもって、チフォージュ・シャトーを、いわゆるオートパイロット状態にする。
そして、それを完了すると同時に、左腕を引き抜き、そして、薄気味悪く声を挙げる。
「うっひっひ・・・どうだ!僕の左腕は、トリガーパーツなど必要としない!僕と繋がった聖遺物は、全て意のままに動くのだ!」
それが、ウェルのネフィリムの恐ろしさ。
その気になればシンフォギアすらも牛耳ることの出来る力。故に、ウェルは隔離されたのだ。
「オートスコアラーによって、呪われた旋律は全て揃った・・・」
キャロルが、不敵に笑う。
「これで世界はバラバラに噛み砕かれる・・・!」
「あぁん?」
しかし、そこでウェルはキャロルの発言に疑問を抱く。
「世界を噛み砕くぅ?」
それにキャロルは頷く。
「父親に託された命題だ・・・」
呼び起こされるのは、父親の末路。
その、最後の言葉は―――
『キャロル、生きて、もっと世界を知るんだ』
「―――分かってるって!」
次の瞬間、キャロルの言動が一種の恐怖を掻き立てられるほどの無邪気な口調に変わる。
「だから世界をバラバラにするの!解剖して分析すれば、万象の全てを理解できるは!」
確かに、物の構造を確かめる為にはその中身を切り開かねばならない。
機械も、植物も、動物も、そして人間も。全ての生き物は、その中身を切り開くことでその構造を理解してきた。
「つまりは至高の叡智。ならばレディは、その知をもって何を求めるぅ?」
「―――何もしない」
ウェルの言葉に、キャロルは口調を戻し、答える。
「あぁん?」
「父親に託された命題とは、世界を解き明かすこと。それ以上も以下もない」
「OH、レディに夢はないのかぁ?英雄とは飽くなき夢を見!誰かに夢を見せる者!託されたものなんかで満足してたら、底も天辺も高が知れる!」
「―――『なんか』、と言ったか?」
―――ウェルは、正論ながらもキャロルの地雷を踏み抜いた。
響の携帯に、誰かが連絡を繋ぐ。
「はい」
『響ちゃん?』
出た先で聞こえたのは友里の声だった。
『通信、回復しました』
『手短に伝えるぞ』
響は洸を伴い、すぐに外に出る。
『周到に仕込まれていたキャロルの計画が、最後の段階に入ったようだ』
「え!?」
その言葉に、響は驚きを隠せない。
『敵の攻撃でエルフナイン君が負傷。応急処置を施したが、危険な状態だ』
『・・・ボクは平気です・・・だから、ここにいさせてください・・・!』
スピーカーから聞こえる、弱々しくも必死なエルフナインの声。
「エルフナインちゃん・・・?」
『俺たちは現在、東京に急行中。装者、ライダーが合流次第。迎撃任務にあたってもらう。それまでは・・・』
「はい、避難誘導にあたり、被害の拡大を抑えます」
そこで通信を終え、すぐさま後ろにいる洸に声をかける。
「お父さん、皆の避難を・・・」
「こういう映像って、どうやってテレビ局に売ればいいんだっけ?」
が、目を向けてみれば、そこにはシャトーの映像をとる父親の姿があった。
「お父さん・・・」
その様子は、あまりにも酷かった。
シャトー内にて。
「父親から託されたものを、『なんか』と言って切って捨てたか!?」
キャロルの逆鱗に触れたウェルだが、
「犯したともさ!」
全く悪びれる様子がない。正論は正論でも、それを言うのがクズであるならばそれはクズの理論にしかならない。
「ハッ!レディがそんなこんなでは、その命題とやらも解き明かせるのか疑わしいものだ!」
「何?」
「至高の叡智を手にするなど、天荒を破れるのは英雄だけぇ!英雄の器が小学生サイズのレディには、荷が固すぎるぅ!」
「くっ」
「やはり英雄は僕一人ぼっち・・・!二人と並ぶ者はなァい!」
そう喚き散らすウェルだが、
「やはり僕だ!僕が英雄となって・・・」
「どうするつもりだ?」
「無論!人類の為!善悪を超越した僕がぁ!チフォージュ・シャトーを制御してぇ―――」
次の瞬間、ウェルの腹に、一本の剣が突き立てられる。
「えぇ・・・いや~ん・・・」
「ねえ、知ってる?」
ウェルの背後、白髪の男が、そのにやけ面をさらしてウェルに言う。
「大抵の英雄はね―――最後には破滅するんだよ?」
剣が引き抜かれる。
そしてその直後―――ジャード・ニルフラムの蹴りがウェルを蹴り飛ばす。
「ぐぅえ!?」
「いやーごめんねぇキャロルちゃん、ちょっと偉い人に、ここの防衛を任されちゃってさぁ」
そうジャードが謝るキャロルの手には、魔琴・ダウルダブラが握られていた。
「ふん・・・まあ、下衆の血で汚れる事は避けられたから良しとするか」
「へえ、いいんだ。じゃあ、この粗大ごみは俺が処理しておくね」
そう言って、ジャードはウェルに歩み寄る。
「あ・・・ぅう・・・」
「よかったねぇ、英雄らしく死ねるよ」
「は・・・ハハ・・・言ってくれるねェ・・・」
「シャトーは起動して、世界を分解するための機能は自立制御されてるから、世界が終わるのももうすぐだね」
剣の切っ先がウェルに向けられる。
「君は英雄として語り継がれると思うよ―――世界を破滅させた、俺たちデイブレイク社の英雄として、ね」
「ふざけ・・・」
「バイバイ」
剣が降りぬかれる。
だが、ウェルはその前に自ら背後の手摺から身を乗り出し、そのまま一気に下へ落下していく。
「あーあ、切り刻みたかったのに」
手摺に肘をついて頬杖をするジャードの後ろ姿を、キャロルは見つめる。
(ご苦労だったな、ドクターウェル。世界の腑分けはオレが一人で執刀しよう)
そう、笑って時だった。
「ぐっ・・・!?」
また、拒絶反応がキャロルを襲う。
よろめき、どうにか傍らのダウルダブラを杖代わりにして膝をつくのを耐えるが、やはり、この拒絶反応は耐えるのがきつい。
「・・・立ち止まれるものか」
歯を食いしばり、キャロルは拒絶反応を抑え込む。
「計画の障害は・・・例外なく、排除するのだ・・・!」
そうしてキャロルは、千里眼のようにある光景を目の前の空間に投影する。
そこに映っているのは、一人の男女。その片方、少女の方は―――
「やっぱまずいよな」
洸は、そうせせら笑って携帯をポケットに仕舞う。
その父親のいい加減な態度に、響も我慢できずに声を荒げる。
「いい加減にしてよお父さん!」
「―――ほう、そいつがお前の父親か」
突如として、その場に聞こえた、響にとっては聞き覚えのある声。
「響、空から人が・・・!」
そう声を挙げる洸の見るほうを見れば、そこには巨大な魔琴を携えた一人の三つ編みの少女の姿があった。
無論、キャロルだ。
「キャロルちゃん・・・!?」
だが、響はキャロルが生きている事を知らない。だから、驚くのも無理はない。
「終焉の手始めに、お前の悲鳴が聞きたいと、馴染まぬ体が急かすのでな」
だが、響ももはや歴戦を潜り抜けてきた戦士、キャロルが生きていたとしても、大きくは動揺しない。
「・・・あれはやっぱり、キャロルちゃんの?」
「キュイーン!」
「うわ!?なんだこれ!?」
響の懐から、ガングニールフェニックス―――ニクスが飛び出し、キャロルを威嚇するように鳴く。
その響の問いかけにキャロルは肯定する。
「いかにも。オレの城『チフォージュ・シャトー』。アルカノイズを発展応用した、世界をバラバラにする解剖器官でもある」
「世界を・・・あの時もそういってたよね?」
それは、響とキャロルが初めて出会った、あの火事の日の事だ。
「あの時、お前は『戦えない』と寝言を繰り返していたが、今もそうなのか?」
嘲るようなキャロルの言葉。
その言葉に、響は一瞬目を見開くも、すぐに意を決した表情になって、ニクスをその手に掴もうとするが―――
「ッ!」
次の瞬間、キャロルが突風を巻き起こしてニクスを吹っ飛ばす。
「キュイーン!?」
「ニクス!?」
その吹っ飛んでいく最中で、ニクスが鎖で雁字搦めにされる。
これによって、ニクスは声を挙げる事も飛ぶことも出来ず落ちていく。
「そんな!?」
「ッ!?」
その落ちていく様を、洸は見つめる。
「もはや」
だが、キャロルの言葉で視線を戻す。
「ギアを纏わせるつもりは毛ほどもないのでなぁ!」
振り上げられた右手には、先ほどの突風と同じ方陣。しかし、そのサイズは、ただニクスを吹き飛ばすだけの方陣とはサイズが違った。
「ッ!」
それに対して、響はギアなしでの格闘戦を選択。
先のキャロルの言葉から、ギアを拾いに行けば、そっこくあの方陣で狙い撃たれるのが関の山だ。
「オレは、父親から託された命題を胸に世界へと立ちはだかる!」
「お父さんから、託された・・・」
その言葉が、再び響の胸に突き刺さる。
「誰にだってあるはずだ」
その言葉の刃が、響の胸に突き刺さった棘を、更に深く突き刺す。
「私は何も・・・!」
―――受け継いでいない。
「・・・託されていない・・・」
「何もなければ耐えられまいて!」
すかさずキャロルの風の咆哮が響を襲う。だが、響は棒立ちのまま。このままではその風に巻かれて吹き飛ばされる。
しかし、そこで
風の一撃は空振り、タイルの地面を砕く。
それによって巻き散らされる瓦礫。
煙が晴れた先にいるのは、
「響!おい、響!」
「う・・・」
すかさずキャロルが追撃の術式を展開する。
「世界の前に分解してくれる」
それを見た洸は、すぐさま立ち上がって
「うわぁあああ!!」
「お父さん・・・!?」
逃げる洸。
「た、助けてくれぇ!」
だが、
「こんなのどうかしていやがる!」
「あ・・・」
その背中は、あまりにも情けなくて、響はかつてのあの背中を思い出す。
あの、家から出ていく、父親の背中を―――
それを思い出すと、響の目に涙が滲む。
「フハハ!逃げたぞ!娘を放り出して、身軽な男が駆けていきよる!」
キャロルの攻撃が洸を襲う。
まるで嬲るような攻撃。しかし、その最中で洸は転び、
そんな洸に、キャロルがにじり寄る。
そのキャロルに、洸は恐れおののくように尻もちをついたまま下がる。
その時手に当たった石を引っ掴んで、キャロルに投げる。そしてそのまま再び駆け出す。
「来るな!来るなぁ!」
再び立ち上がってはキャロルから逃げるように走る。
「大した男だなぁお前の父親は」
そんな父の姿から、響は思わず目をそらす。
―――その行動全てから。
「オレの父親は、最後まで逃げなかった!」
レーザーのような砲撃が、洸に襲い掛かる。
そして、それから逃げる洸は、響に向かって叫ぶ。
「響!
砲撃がなおも襲い掛かる。
「
その時、キャロルの砲撃が、洸の至近距離で炸裂。その衝撃を諸に喰らった洸が、大きく吹っ飛ぶ。
「お父さん!・・・え」
その時、響は、見た。
洸を守るようにして、ほんの一瞬だけ出現した、炎の鳥を―――
だが、洸は確かに衝撃の直撃を喰らった。
その体はボロボロで、傷ついていた。
そして、その状態で地面に仰向けに倒れている。
「お父さん・・・?お父さぁん!」
必死に、倒れ伏したまま叫ぶ響。
「く・・ぅぅ・・・」
傷ついて、どうにか起き上がる洸は、響に
「これくらい・・・
「・・・あ」
それを聞いた瞬間、響の脳裏に、とある光景がフラッシュバックする。
それは、まだ自分がとても幼い時に、洸がジャガイモの皮をむいていた時の事だ。
「っ・・・」
間違えて、手を包丁の刃で切ってしまい、その親指から血が流れ出ていた。
「おとうさん、だいじょうぶ?」
その父親を、幼い響は心配する。
「へいき、へっちゃらだ」
だけど洸は、響の頭に手を置いて、笑ってそういって見せる。
その笑顔で、それを聞くと、自然と響も笑っていた―――
(そっか・・・『
いつも、何かある度に、笑顔で言っていた、どんな辛い時でもどうにかなってしまいそうな気持ちになれる、魔法の言葉にして、思い出。
「逃げたのではなかったか?」
キャロルの言葉に、洸は言ってみせる。
「逃げたさ・・・だけど・・・!」
傷ついた体で、洸は立ち上がる。
「どこまで逃げても、
「お父さん・・・」
ひ弱で、戦う力のない筈の父親。家から逃げた筈の父親。情けなかった父親。
「俺は
足元に落ちていた瓦礫を拾っては、キャロルに投げ、洸は叫ぶ。
「勇気を出して向き合ってくれた!」
その姿が、その言葉が、響の胸に、温かい何かを溢れさせてくれる。
「だから俺も、なけなしの勇気を振り絞ると決めたんだ!」
―――立ち上がる為の力をくれる。
「響!受け取れぇ!」
洸の背中に隠れて投げられたのは、リンク・アニマル。
鎖で雁字搦めにされた、ガングニールフェニックス。
それを受け取り、響は、歌う。
『STANDBY』
喪失までのカウントダウン―――否、
「―――
させぬ、とキャロルの光弾が放たれる。
それが、響に炸裂する―――
「響ぃ!」
直撃すれば命はない一撃、それが、響に炸裂した。
その状況に、洸は思わず、膝をつく。
だが、巻き起こった煙の中から、現れたのは―――炎の不死鳥に包まれた、愛娘の姿。
「――――へいき、へっちゃら」
―――あの時、走り出したのは、手元から離れてしまったニクスを探す為。
「響・・・」
洸が、立ち上がる。
―――あの時、あんなことを言ったのは、ニクスを探すのを悟られない為。
炎が形を成し、鎧となって、響に纏われる不死鳥。
―――あの時、転んだのは、落ちていたニクスを拾うため。
何もなかった響の手。だけどその何もない手に、誰かと繋ぐ為の力を与える、無双の一振り。
―――あの時 叫んだのは、娘の身を案じていたから。
全て、全てが意味のある行動だった。自分の愚かさを清算する、なんてこと、考えている訳がない。
だって、私は、彼の娘なのだから。
どこか頼りなくて、だけど結局は頼りになって、カッコよかった、あの父親の娘なのだから。
―――あの時、キャロルに向かって石を投げたのは、最後に投げるニクスを、確実に響に届ける為。
ひ弱で、戦う力のない筈の父親。家から逃げた筈の父親。情けなかった父親。
そんなもの全てが、霞んでしまうぐらい、今の父親は、眩しかった。
「私、お父さんから大切なものを受け取ったよ。受け取っていたよ」
リハビリの時も、学校の机に落書きされていた時も、どんなに辛い時でも、洸がくれたこの言葉が、支えとなって、今日までの自分に繋いでくれた。
「お父さんは、いつだってくじけそうになった私を支えてくれていた・・・」
なんで、こんな大切な事を忘れていたのだろう。
確かに、ああ、確かに、自分は、最高の父親から、この言葉を貰っていた。
「ずっと、守ってくれていたんだ!」
「響・・・」
響の言葉に、洸はきょとんとし、そして響の視界にある文字列が並ぶ。
『モウ怖イモノハナニモナイ。ソノ拳ヲ信ジテ進メ』
その言葉にうなずいて、響は、歌う!
「―――奇跡が宿った機械仕掛けの このアームには意味がある」
希望の為の歌が、小さな奇跡の歌が紡がれる。
ばら撒かれるアルカノイズ。
その中を突っ切って、響は拳を握り締めて殴り飛ばす。
「―――普通の日常なんでもない日々 そんな夢の為だと」
腰のジェットを蒸かし、高速回転を駆け、一気にフライトノイズの上空をとる。
そして、右腕のギアを変形させ、巨大なジェットナックルへと変形。落下の勢いともに、何体ものフライトノイズを叩き落していく。
「温もりを伝える 言葉じゃなくたって」
地面への落下と共に、アルカノイズがまとめて吹き飛ぶ。
そしてアルカノイズの集団から抜けると、すぐさま踵を返して再び突撃する。
「―――この拳の答え 武器を持たぬ答え」
響が次々とアルカノイズを倒していく。
その様子を、洸は黙ってみていた。そして、あの日、街のテレビで見た少女の事を思い出す。
(・・・じゃあやっぱり、あの時の女の子は、響だったのか・・)
「―――『一撃必愛』ぶっ込めラブソング」
逃げてばかりの自分と違い―――
「―――正義を信じ 握り締めよう」
彼女は何があったも踏み止まって、ずっと頑張ってきたのだ。
それを思うと、自分が情けなくなってくる。
「―――やり直せばいい 壊れたって もう―――うあッ!?」
その時、歌が途切れる。
見れば響がキャロルの放つ突風によって壁に叩きつけられていた。
「響ぃ!」
思わず叫ぶ洸。
「く・・・ぅ・・・ぁ・・・」
壁から剥がれ、落ちていく。
力が、入らない。
だけど―――
「負けるなぁぁぁあ!!」
大好きな、父親が応援してくれるなら、
「響、負けるなぁぁああ!!」
その叫びが、力になる。
「もうへいき、へっちゃらぁぁあ!!!」
『Links Arms!〔Phoenix Bleze〕!!』
想いの炎が迸る。不死鳥の形を成すその炎を身に纏い、響は一気にキャロルに突っ込む。
「ハッァート響きかせ合いッ!!」
右腕のアームドギアをジェットナックルへと変形、そこに、フェニックスブレイズの火力をプラスし、その威力は跳ね上がる。
「なけなしの勇気だって『勇気』ィィィイイィィイイッ!!!」
絶叫するような歌。
渾身の拳が、キャロルの腹に突き刺さる。
「泣けるほどギュッと、愛にぃぃぃなっるっゥウ!!」
着地、すかさず追撃。ジェットナックルのジェットを蒸かし、響は再び飛翔する。
それに対して、キャロルは三重の防御術式を起動。
「ヘルメス・トリスメギストス!!」
それは、錬金術師の祖と呼ばれる神代の錬金術師。
だが、響はそれを知る訳がない。
「知ィるゥもォんかァァァアアアッ!!」
激突―――そして、爆裂。
『―――キィアァァアァアアァアアアアッ!!!』
不死鳥が咆哮し、三重に張られた防御結界はいとも容易く粉砕される。
そして、その拳は、キャロルの顔面を打ち据え、遠くへとぶっ飛ばす。
遠場に落下し、激しい土煙を立てる。
だが、その直後に、洸の足元から大量のアルカノイズが出現する。
おそらく、なんらかのタイミングでアルカノイズをばら撒いたのだ。
「お父さん!」
響はすぐさま洸の元へ向かう。だが、あまりにも離れすぎた。
巻き込まない為に距離をとったのが仇になる。
「お前も父親を力と変えるなら・・・」
地面に叩きつけられ、よろよろと立ちあがるキャロルが、召喚したアルカノイズに命令を下す。
「まずはそこからひいてくれる!」
アルカノイズが、洸に迫る。
「ひぃぃいい!?」
「お父さん!」
間に合わない。そう思った時だった。
どこからか、大量の驟雨が降り注ぎ、洸の周囲にいたアルカノイズを纏めて消し飛ばす。
(これは・・・!)
『来タ』
ニクスが伝える。―――仲間の到来を。
キャロルの目の前に、巨大な剣が落ちる。それが壁となり、その上にたたずむのは、蒼穹の鎧を纏う少女。
そして、その壁を背にキャロルの前に立つのは、赤と青の装甲を身に纏った、仮面の戦士。
「チッ!・・・!」
そして、横を見てみれば、建物の上にたたずむ、十の影。
見間違えようもない。その色とりどりの装甲を纏う戦士たち。
鏖鋸・シュルシャガナ/月読調
獄鎌・イガリマ/暁切歌
銀腕・アガートラーム/マリア・カデンツァヴナ・イヴ
魔弓・イチイバル/雪音クリス
歪鏡・
絶刀・天羽々斬/風鳴翼
仮面ライダータスク/涼月慧介
仮面ライダークライム/シン・トルスタヤ
仮面ライダーローグ/氷室幻徳
仮面ライダーグリス/猿渡一海
仮面ライダークローズ/万丈龍我
仮面ライダービルド/桐生戦兎
そして―――撃槍・ガングニール/立花響
祝え。
今ここに、全ての血の流れる歌を紡ぐシンフォギア装者と、世界を超えて再び立ち上がった仮面ライダーが集結した瞬間である。
洸は緒川によって救出され、戦場から出ていく。
そしてキャロルは、チフォージュ・シャトーの前で、装者たちと対峙する。
「ここまでだ。キャロル!」
「もうやめよう!キャロルちゃん!」
「本懐を遂げようとしているのだ。今更やめられるものか!思い出も、何もかもを償却してでも!!」
響の制止も無視して、キャロルはその手の魔琴を爪弾く。
魔琴から伸びる弦がキャロルの体を縛り上げ、体を変化、そのまま成長させ、その身にシンフォギアとは別系統の力・ファウストローブを身に纏う。
『滅琴・ダウルダブラ』再び降臨。
「ダウルダブラのファウストローブ・・・その輝きは、シンフォギアを思わせるが・・・」
マリアの言葉を、キャロルは鼻で笑って見せる。
「ふっ、輝きだけではないと、覚えてもらおうか!」
そして、キャロルは―――
「―――嗚呼、終焉への
「なに!?」
「これは・・・!?」
光が、網膜を焼く――――
港に止められた本部ブリッジにて。
「交戦地点のエネルギー圧、急上昇!」
「照合完了!この波形パターンは・・・」
「フォニックゲイン・・・だとぉ!?」
歌によって発せられるエネルギー波フォニックゲイン。
そのエネルギーは、現代科学に転用できない代わりに、太古の異端技術を呼び起こす力を持っている。
「これは・・・キャロルの・・・!」
腹から血を流し、エルフナインは戦慄する。
そう、それこそは、
「呪われた旋律・・・!!」
広げられるダウルダブラの魔弦。
それが激しく鳴動し、けたたましいくらいの音を掻き立てる。
そして、それに応えるように、黄金の風が彼らを襲う。
それを躱す装者、ライダーたち。
しかし、その黄金の竜巻は、着弾した地面を一気に砕き飛ばす。
「マジかよ!?」
「なんて威力だ!?」
「この威力、まるで・・・」
「すっとぼけが効くものか・・・」
「これは、絶唱・・・!?」
そう、絶唱だ。そのエネルギーが、災害の如く襲い掛かってきているのだ。
否、災害なのではない。災害とは意思無き力の奔流。
もし、災害に意志があるというのなら、それは、どうしようもない程の―――化け物だ。
「絶唱って確か、歌えば装者の体をぼろぼろにするっていう、あれか!?」
「その絶唱を負荷もなく口にする・・・」
「錬金術ってのは、なんでもありデスか!?」
キャロルの力、それに戦慄する一同。
だが、それをビルドは否定する。
「違う・・・絶唱によるバックファイアは適合係数に反比例して小さくなる。それをなんの負荷もなく歌っているってことは、アイツとダウルダブラの相性は、いわゆる適合係数百パーセント近く・・・つまり、絶唱を唄っても、なんの問題もなくその力を行使できるんだ!」
「だったらS2CAで・・・!」
フォニックゲインを束ねて、強力な一撃を叩き込む一人では成せない響の必殺技。
だが―――
「よせ!」
翼が響の肩を掴んで止める。
「あの威力、立花の体が持たない!」
「でも・・・!」
「それだけじゃない!」
ビルドが見上げる先、そこにあるチフォージュ・シャトー。
再びキャロルからの突風が巻き起こり、それに彼らは耐える。
「見てみろ・・・!」
「っ!?」
見上げれば、そこには、何故か心臓の鼓動のように鳴動するチフォージュ・シャトーの姿があった。
「鳴律・・・鼓動・・・共振・・・!?」
「まるで城塞全体が音叉のように、キャロルの歌に共振、エネルギーを増幅してるんだ!」
即ち、キャロルの放つ絶唱のエネルギーが、チフォージュ・シャトー内で増幅されているのだ。
そのエネルギーは、もはや絶唱すら可愛く見えるほどすさまじいものとなる。
その時、チフォージュ・シャトー下部から、光が迸り、地面に突き刺さり、四方に飛んでいく。
それが世界中に広がり、また無数のラインを地球上に展開する。
放射線状に放たれたエネルギー派は地表を沿って拡散・収斂する。
その軌道が描くもの、それは―――フォトスフィアと同じ軌道。
そのままエネルギー派は開析地へと収束、屹立する。
それによって、ありとあらゆるもの、生物も機械も関係なく、飲み込んでいき、分解していく。
「これが世界の分解だ!」
キャロルが、シャトーを背にそう叫ぶ。
「そんなことぉ!!」
響が飛び上がってキャロルに拳を叩きつけようとする。
だが、キャロルの周囲に展開された魔弦が、響の拳を阻む。
体中に絡みつくことでエネルギーを分散、相殺したのだ。
「ふっ、お前にアームドギアがあれば届いたかもなぁ」
そう嘲笑うキャロルを他所に、マリアが飛び上がる。
「マリア!?」
「私はあの巨大装置を止める!」
マリアが先行していく。その後を、調、切歌、タスク、クライムが追う。
調が禁月輪で切歌を運び、その最中で追いついたマリアの手を取る。
「!」
「LiNKER頼りの私たちだけど」
「その絆は、時限式じゃないのデス!」
「ま、俺たち仮面ライダーなら、その心配はないから、便りにしてくれよ!」
調と切歌の言葉に、そう頷き、ふとマリアは、反対側を飛ぶクライムを見る。
「シン・・・」
「・・・今はあの時の事を気にしている余裕はない」
クライムは、マリアの顔を見ないで、そう言う。
そして、調の禁月輪がシャトーの下にあるビルの壁に当たり、そのまま駆け上がり、クライムはその走力を使って壁を駆けあがる。
「うっわぁあ!?」
響が弦によって弾き飛ばされる。
「それでも、シャトーの守りは超えられまい。俺を止めるなど能わない!」
そのキャロルの背後から、翼が強襲。しかし空中で移動できるキャロルは躱して背後をとるも、そこへクリスとローグ、グリスの銃撃が襲い掛かる。
それに対してキャロルは黄金の風を巻き起こして反撃、それをローグとグリスがクリスの前に出て止める。
「ぐ―――ぅぁああ!?」
「ぬ―――ぐあぁあ!?」
「うわぁぁあ!?」
しかし耐え切れず吹き飛ばされる。
「野郎!」
「うぉぉおお!!」
そして、そこへビートクローザーを構えたクローズ・通常形態と、ドリルクラッシャーを構えたビルド・ラビットタンクフォームが斬りかかる。
しかし、キャロルが放った魔弦の一撃で二人は吹き飛ばされる。
「「ぐあぁあ!?」」
そのままビルドとクローズは落下する。
そして、倒れる彼らに、キャロルは言う。
「―――世界を壊す、歌がある!」
そこへ轟く、一発の銃声。
「貴様・・・!?」
放たれた一撃はキャロルの頬を掠めていた。
それを放ったのは、ラビットフルボトルを装填したドリルクラッシャー・ガンモードを向けるビルドだった。
そして、そのビルドがキャロルに向かって言い放つ。
「―――それに抗う、
本部ブリッジ、その外にて。
「では、これをシンさんに届けてください」
「分かった」
ウルフの格納スペースに、ある物を入れ、セレナはウルフを出発させる。
「・・・間に合って」
そう、セレナは切実な思いを口にした。
次回!愛和創造シンフォギア・ビルドは!?
チフォージュ・シャトーに侵入することに成功したクライム一向。
「なんだこいつら!?」
その中にいたのは、何人ものサイボーグたちであった。
「ナス、ターシャ・・・?」
その最中で出会う、死んだ筈の恩人。
「聞かせてあげるよ」
そして、繰り出されるのは、あまりにも卑劣な手段であり―――
「君たちのミームはここで消える」
断罪ともとれる刃が、振り下ろされる、その瞬間――――
「・・・礼を言わせてくれ」
シンの中の、『狂気』が目覚める―――
次回『アサルトするジャック・ザ・リッパー』
『砕くゥ!暴れるゥ!!狂い出すゥッ!!!』
それはもう、誰にも止められない。
オリジナル章はやったほうがいいか
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バーサーカーソウル!(いいぞもっとやれ
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そんなことはどうでもいい!(どちらでも
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嘘を吐くな!(やるな