愛和創造シンフォギア・ビルド   作:幻在

79 / 99
戦「天才物理学者の桐生戦兎は、宿敵エボルトを倒し新世界を創造した。そしてその世界で蔓延っていたノイズを殲滅し、名実ともにヒーローに・・・」
響「ちょっと戦兎先生!今はそれどころじゃないですよ!今最終決戦ですよ!?」
戦「そんなこと分かってるようるさいな。だからこうしてここだけでもハイテンションでいきたいじゃないか」
響「そんな滅茶苦茶な・・・」
翼「そうだぞ戦兎。最近あらすじ紹介での出番が少ないからって印象付けるためにわざとベクトルの違う方向のテンションでやるなど愚の骨頂だ」
戦「しょうがないでしょ!?どれもこれも作者の匙加減なんだからよ!?」
ク「これもネタ切れしてきた作者の匙の一つなんだけどな」
龍「そんなことはどうでもいいけどよ、なんか今回、このご時世で出しちゃやべー奴があるみたいだが・・・」
戦「ああそれおm」
響「ああーっと!ここで時間が押してきましたー!というわけでシンフォギア・ビルドGX第二四話をどうぞ!」


最終決戦オーバードライブ

ビルドが、膝をつく。

「がはっ・・・」

仮面の中で、血を吐いて、倒れ込む。

「ッ!桐生!」

「大丈夫ですか!?」

空からその様子を見下ろす装者たち。

現状、ライダーたちの姿は、見るも無残な様子だった。

ダメージを受け過ぎた影響で、ボロボロの鎧が粒子となって消失、変身を強制解除され、その中にいた肉体は、ボロボロで血だらけだった。

「慧くん・・!」

「酷い・・・」

あんなにボロボロになってまで、自分たちがエクスドライブを発動するまでデイブレイク社の攻撃から守ってくれたのだ。

それに応えずして、何が『必然』か。

彼女たちの前に、敵三人が立つ。

リカルドは、背中の羽を広げて、グラントはどういうわけか蝙蝠のような翼を生やして飛んでいた。

「三騎対六騎・・・」

「錬金術師であるなら、彼我の戦力差を指折る必要もないであろう・・・!」

「止めにオマケのエクスドライブ!これ以上はもう仕舞いだ!」

そう粋がる彼女らに、リカルドは鼻で嘲笑う。

「たかだかエクスドライブ如きで何を粋がっているのか」

「なんですって!?」

「あまり舐めてると痛い目を見るデスよ!」

「ふむ―――こんなあっさりと後ろを取られるのに?」

「「「ッッ!?」」」

突如として背後から声が聞こえ、振り向けばそこにはいつの間にかリカルドがいた。

視線を戻してみれば、そこにはすでにリカルドの姿はない。

「これが現実」

背後にいた筈のリカルドが、元の位置に戻る。

「いくらエクスドライブと言えども、所詮は欠片から創った玩具。ましてやフィーネなどという穢れた亡霊風情の作ったものなどに、我々が負ける道理などない」

「なんだとォ・・・!!」

それを聞いたクリスの頭に血が昇る。

「櫻井女史が、穢れているだと・・・その言葉、今すぐ取り消せッ!!」

「何故だ?そもそも世界にバラルの呪詛をもたらしたのは彼女ではないか。塔を創り、神の領域に踏み込もうとした結果が今の相互不理解の世界だ。それを解く為に何百年と時間を浪費し、多くの血に塗れた亡霊を、穢れていると言わずしてなんと呼ぶ?」

「もういい・・・」

響から、凄まじく低い声が響いた。

それに、装者たちの視線が彼女に集まる。

「もういい・・・それ以上、何も言わなくていい・・・」

その拳を血の滲むぐらい握り締めて、響は、怒りに歪んだ視線をリカルドを睨みつけた。

「だから、貴方だけは何がなんでもぶん殴る・・・・ッ!!!」

誰かの想いを踏み躙るこの男を、何があっても赦しはしない。

 

立花響は、人生で初めて、怒りで本気でぶん殴る相手を見つけた瞬間であった。

 

「ひ・・・びき・・・」

だが、その最中で、誰かの声が響の―――空に舞う彼女たちの耳に届いた。

「戦兎先生・・・?」

「怒りに飲まれて、目的見失ってんじゃねえぞ・・・」

その手に、蒼く変化した『天羽々斬兎ソングボトル』と夕焼け色に変化した『ガングニールフェニックスソングボトル』を握り締めて、彼女たちに、見るべき相手を指し示す。

「泣いてるぞ」

「!」

それを聞いて、響は、キャロルの方を見る。

そこには、悪魔に塗り潰されながらも、涙を流すキャロルの姿があった。

「キャロルちゃん・・・泣いて・・・」

 

天羽々斬兎(アメノハバキリウサギ)!』『ガングニールフェニックス!』

 

シンフォニックマッチ!!』

 

「ッ!!」

そのような音が聞こえ、目を再び向けてみれば、そこには、ビルドドライバーにソングボトルを装填する戦兎の姿があった。

「戦兎先生!?」

「よせ!もう戦わなくていい!」

あれだけボロボロになって、まだ戦おうというのか。

 

 

絶唱ゥ!!!』

 

クロォーズイチイバルヘルトラヴァースッ!!』

 

「龍我さんまで・・・!?」

「龍我!もういい!そこまでして戦う必要なんてないだろ!?」

 

 

AwakeningATONEMENT CRIME

 

 

「シン、お願い、もうやめて!」

 

 

ライダーたちが、次々に立ち上がっては、己のドライバーに、それぞれのボトルを装填していく。

 

 

 

ロボォットジュエリィーッ!!』

 

Danger!』クロコダイル!!』

 

タイガァージュエリィーッ!!』

 

 

「もういいデス!」

「幻徳さん、無理は・・・!」

「お願い、やめて慧くん!!」

 

装者が必死に止めるのも無視して、彼らは構える。

「お前らだけじゃ不安だからな・・・・」

 

『Are You Ready?』

 

ステージライドビルダーZW、アトーンメントビルダーCM、トラヴァースビルダーCRZ、ケミカライドビルダー。

それぞれのビルダーを展開し、彼らは、空を仰ぐ。

空にたたずむ、彼女らを。

そして、彼らは叫ぶ。

 

 

「「「「「「変身ッ!!」」」」」」

 

 

その身に、彼女たちが引き起こした『必然』を身に纏う。

 

ビルドツヴァイウィングッ!!!』

 

クロォーズイチイバルヘルトラヴァァァアス!!』

 

Stand Up ATONEMENT CRIME

 

ロボット・イン・グリィスゥッ!!』

 

クロコダイル・イン・ロォーグ…ッ!!!』

 

タイガァー・イン・タァスクゥッ!!』

 

蒼と夕焼け色のビルド・ツヴァイウィングフォーム。

 

赤の装甲に黄金のラインの走るクローズイチイバルヘルトラヴァース。

 

白銀の装甲に身を包むアトーンメントクライム。

 

黄金の半透明のアーマーを纏うグリス。

 

紫とひび割れた装甲を持つローグ。

 

オレンジ色の半透明のアーマーを身に纏うタスク。

 

再変身による負荷を度外視した、ライダーシステムの運用。

しかし、彼らは気にした様子もなくビルド、クローズ、クライムの三人はすぐさま彼女たちの元へ飛ぶ。

「戦兎先生・・・」

「ったく、無茶してくれる・・・」

「本当に、桐生たちは・・・」

そんな中で、ふとビルドは響に向かって軽くチョップをかます。

「あだ!?」

意外に痛い。

「い、いきなり何を・・・」

「怒りにとらわれて目的を見失わないように。これ、経験者からのアドバイス」

「怒り・・・」

響は、もう一度キャロルの方を見る。

やはり、キャロルは、塗り潰されてもなお、涙を流していた。

(ああ・・・そうだ・・・)

拳で解決できることは、とても簡単だ。だけど、涙を止めるというのは、とても大変だ。

『響!』

「っ!その声、お父さん・・・!?」

何故、父の声が無線から聞こえてくるのか。

『響!泣いている子が、ここにいる!』

それは、一体誰なのか。否、考えるまでもないだろう。

「泣いている子には、手を差し伸べなくちゃね」

「合格だ!」

ビルドが奏の槍を構える。

「ふん、所詮は汚れた人間同士、考えている事も実に汚れた人間らしい」

リカルドは、嘲笑う。

「ならば、その穢れた思想を叩き潰してやるのが、せめてもの情けよ」

グラントは鼻で笑う。

「グ・・・ガァァアアアァァァアアアア!!!」

キャロルが、その手から結晶を投げる。

空中に散布されたそれは、たちまち、巨大な内臓型ノイズをよびだし、あまりにも大量なアルカノイズを呼び出す。

その数は、悠に一万を超えているだろう。

どうやら、世界を分解することだけならば、十分な戦力はあるということだ。

だが、もはやそんなことは関係ない。

「俺たちが今やるべきことは、キャロルとエルフナインの涙を止める事。こんな悲しい事をやめさせることだ!」

「ふん、ならば俺はその邪魔が入らないように動くだけだな」

「はっ、なんだ、簡単な事じゃねえか!」

「それ本気で言ってんのか?まあ、スクリューボールに付き合うのは慣れているからな」

「その為にも散開して、アルカノイズの各個撃破を―――」

「それは俺たちに任せろ!」

ふと、下から声が聞こえた。見れば、グリスたちが既にアルカノイズたちの殲滅に当たっていた。

「俺たちがアルカノイズを殲滅する!」

「だから皆は、今の内にキャロルを!」

「慧介・・・皆・・・」

「ああっもう、仕方がない」

ふと、遠場のビルから、聞き覚えのある声がする。

目を向けてみれば、そこにいるのは、紅蓮のドレスのような戦装束を身に纏ったエリザと、手袋をはめ直しているアルフォンスがいた。

「流石にここまでのことは見過ごしておけないっての」

「上からも許可下りたし、僕たちも暴れさせてもらうよ~」

次の瞬間、アルが手を合わせた後に、足元のビルにその両手を当てると、突如としてビルの壁から巨大な拳の形をしたコンクリートが飛び出し、その前を通っていたアルカノイズを纏めて叩き落とす。

さらに、別の場所ではどこからともなく飛んできた砲撃が、フライトアルカノイズを打ち落としているのが見えた。

見れば、そこには猿渡ファームのハザードスマッシュたちがいた。

「カシラー!来ちゃいましたー!」

「何やってんだお前ら!?ちゃんと留守番してろって言っただろうが!?」

「だって、こんな世界の危機に何もしないなんて、なんか仲間外れみたいでいやじゃないですかー!」

思わぬ援軍が来てくれた。

これほど頼もしい事はないだろう。

「最っ高だ!」

それにビルドは仮面の奥でくしゃっとなる。

そして、よし、とうなずくと、

「調、切歌、クリスはあいつらと一緒にアルカノイズの殲滅、残りはあいつらの撃破及びキャロルの救出!異論は!?」

「「「ないッ!!」」」

「よし、始めようか!!」

 

―――シンフォギア装者と仮面ライダーが、暴れる。

 

戦場に轟く歌。飛び散る火花。戦いの音。

迫る命を狙う刃、抗う力、だけどそれでも―――

 

(あの子も、アタシたちと同じだったんデスね)

切歌と調が、お互いのアームドギアで作った円盤型の巨大兵器で地面に蔓延るアルカノイズたちをクワガタよろしく叩き斬っていく。

(踏み躙られて、翻弄されて、だけど、なんとかしたいともがき続けて)

周囲を走る円盤をもって、側面から近付くノイズすらも叩き斬る。

(違っていたのは、一人ぼっちだったこと、ただそれだけッ!!)

空を飛ぶグラントに対して、マリアは長剣を鞭のように伸ばし、それに等間隔に装着された短剣をもって、グラントに斬撃を叩き込む。

(一人ぼっちで、ずっと抗い続けて、そして、寂しさを押し込めてきた)

キャロルに向かって、自身の武器である特殊性の無数の光線を曲折させてキャロルを狙い撃とうとする未来。

(救ってあげなきゃな・・・何せアタシも救われた身だ)

その身にある広範囲高射程大火力をもって、空を飛ぶノイズたちを母艦ごと破壊するクリス。

(その為であれば、奇跡を纏い、何度だって立ち上がってみせる!!)

超高速で空中を高速で駆けるリカルドを、ビルドともに空を飛翔して、翼は激しく火花を散らす。

(その為に私たちは、この戦いの空に、歌を唄うッ!!!)

その手の拳を握り締めて、クライムと未来が切り開いてくれた道に突っ込み、キャロルに拳を叩き込む。

(そうだよな。父親が死んで、辛くない訳がない。その苦しみを、ずっと抱えて生きてきたんだな)

シュルシャガナタイガーソングボトルをスクラッシュドライバーに装填し、アクティベイトレンチを叩き下ろし、それによって解放されたエネルギーを足に充填、飛び上がって、その足裏からラッシュと共に虎型の光弾を放ち、ノイズを消し飛ばしていく。

(親父がどーの娘がどーの。正直、そういうのは分からねーけど、だけど、あいつが父親をどんだけ大切に思ってんのかは分かる)

ツインブレイカーに射撃関連のフルボトルを装填し、一気にぶちまけ、周囲に群がるノイズを一気に殲滅していく。

(父親から託されたもの。それを背負い続けてきた奴は、文字通り身を削る思いでここまで来たのだろう。そんな子を、このまま見過ごすことなど俺にはできん!)

アクティベイトレンチを叩き下ろし、そのままデスロールの勢いをもってノイズたちを薙ぎ払っていく。

(俺に父親はいない・・・いるのは、三人の母親だけだ。だけど、一歩間違えれば、俺もキャロルと同じような道を歩んでいたのかもしれない・・・だからこそ、俺はこれ以上その道にいかせないように、それを止めてやる)

キャロルの放つ錬金術を、斬撃で叩き斬り、そのまま展開前の術式すらも破壊してみせるクライム。

(俺は親のことなんてほとんど覚えてねえ。だけど、託されたものってのは何だかわかる。それを、破壊のためになんて絶対に使わせねぇ!!)

手から伸びる爪『エクスティンクションクロー』をもって、グラントと激しく鬩ぎ合うクローズ。

(その為に、俺たちはこの科学の光を戦場に届かせるッ!!)

槍を振るい、ビルドはリカルドにその槍を叩きつける。

 

戦場に、光が轟く。

 

キャッスルのカタプルタキャノンの砲撃がノイズたちを撃ち抜く。

オウルが飛翔し、その翼でノイズを叩き落す。

スタッグのラプチャーシザースの斬撃がノイズを屠る。

猿渡ファーム三羽ガラスの見事な連携プレーが装者やライダーたちには劣るものの、確実にアルカノイズたちを殲滅していっていた。

「「「イェーイ!!」」」

一方、エリザたちの方は、

エリザはその身から溢れ出た血を形で成し、それを振るう。まるで鞭のようにしなり、水のように形を変え、鉄のように固い血の刃が、ノイズたちを瞬く間に殲滅していく。

「既にアルカノイズ対策は出来てんのよ!」

そのまますさまじい勢いでアルカノイズを殲滅していく。

「おー、今日はいつになく激しいねえ。まあ、それは私も同じっか!」

手を合わせ、地面に手を置けば、アスファルトが変形、周囲に群がっていたノイズを打ち上げ、そのまま両側のビルから飛び出した変形したコンクリートがその無数のノイズを押しつぶす。

「ま、位相差障壁がなければこんなもんでしょ」

そのまま次々に地面やらビルやらを変形させ、ノイズたちを潰していく。

 

思わぬ援軍と、エクスドライブとソングボトルによる超火力の光が、戦場に輝く。

 

その甲斐あって、アルカノイズはその数を一気に減らしていく。

「よし、このまま―――」

「ぐあぁぁあぁあ!?」

「うわぁぁぁああ!?」

安堵しかけたタスクの元に、いきなりクローズとマリアが落ちてくる。

「マリア!?龍我さん!?」

「あ・・つぅ・・・」

「ここまでやって・・・まだ通用しないというの・・・!?」

見上げれば、そこには未だ余裕そうな表情でそこに佇んでいるのはグラントだった。

「エクスドライブとヘルトラヴァースでも通用しないっていうのか・・・!?」

その事実にタスクは戦慄するほかなかった。

 

 

 

 

空中で激しくぶつかり合うリカルドとビルド、翼。

リカルドの速さはすさまじく、翼の機動性をもってしても中々追いつけなかった。

「くっ、せめて奴の動きを封じることさえできれば・・・!」

翼が歯噛みする。

「ふふ、無駄に足掻くといい。最も、どちらにしろ無駄だと思うがね」

「だったら―――」

ビルドは、一本のボトルを取り出す。

「こいつならどうだ?」

取り出したのは、()()に色に変化したフルボトル。

ビルドは天羽々斬兎ソングボトルを抜き、代わりにそのフルボトルを装填する。

 

神獣鏡(シェンショウジン)ユニコーン!』

 

その角には、ありとあらゆる病を癒し、毒を浄化するという逸話をもつ、幻獣の名を冠したボトル。

同じ、幻獣。炎の化身と大地を駆ける神馬、そして、おそらく最も相性の良いボトルの組み合わせ。

 

シンフォニックマッチ!!』

 

 

ボルテックレバーを回し、新たなビルダー『ステージスナップライドビルダーPRMS』を展開。紫と夕焼け色の装甲が作り上げらる。

 

『Are You Ready?』

 

「ビルドアップ!!」

次の瞬間、二つの装甲がビルドを横から挟み込む。

 

永愛プロミス!』

ビルドサンシャイン!!!』

イェーイフケェーイ!!』

 

紫と夕焼けのアンバランスな色合い。幻獣同士の組み合わせ。

ありとあらゆる力を浄化する『神獣鏡』と何をもおも貫き通す『ガングニール』のシンフォニックマッチ。

それが、『ビルド・サンシャインフォーム』。

『おひさま』と『ひだまり』の力が組み合わさって力である。

「たかだか力を組み合わせた程度で!」

リカルドがビルドに斬りかかる。

その、肉眼では捉えられないほど速く振るわれる斬撃に対して、ビルドは『神獣鏡ユニコーンハーフアーマー』の背中から伸びる二本の帯をもって対応。その先端がまるで龍の頭部のような形をして、寸分違わず撃ち漏らしなく、リカルドの剣を迎撃する。

「なに!?」

「おぉぉおお!!」

ナックル状に変形したアームドギアを纏った拳で、ビルドはリカルドをぶん殴る。

「ぐぅっ!?」

寸での所で盾で防いだリカルド。しかし、その背後から翼が斬りかかる。

「ハァァアッ!!」

しかし、その斬撃を回るように躱して翼の背後をとって、そのまま背中を蹴り飛ばす。

そこへ光が炸裂。リカルドはそれを寸での所で躱すが、光線はリカルドをしつこく追い回す。

見れば、ビルドがその光を放っていた。

「チィッ!!」

舌打ちをして、リカルドはその光から逃げ回る。

「翼、合わせろ!」

「ああ!」

左拳を響のジェットナックルへと変形させると同時にボルテックレバーを全力で回す。そのまま機構を回転させ、熱量を跳ね上げさせる。

それと同時に翼が剣を巨大化、その剣にエネルギーを充填する。

光はリカルドを追い回し、リカルドは斬撃を飛ばして迎撃するが、数はそれほど減らない。

そのまま逃げ回って、気付けば、ビルドと翼の目の前まで誘導されていて、

 

『Ready Go!』

 

そのままジェットナックルの一撃と大剣の斬撃がリカルドに炸裂する。

 

 

シンフォニックフィニッシュ!!!』

 

 

双星ノ鉄槌(-DIASTER BLAST-)・破』

 

 

渾身の合体技がリカルドに炸裂、そのまま一気に地面に叩きつけられ、なおもアスファルト砕きながら地面を転がる。

「よしっ」

思わずガッツポーズをとってしまうが、しかし戦いはなおも続いている。

立ち込める煙。

その中から、リカルドがどうにか立ち上がろうとしていた。

「ぬ・・・ぐぅ・・・・」

その装甲は、流石に二人の渾身の一撃を喰らったからかひび割れていた。

片膝をついて、顔を上げようとする、その最中、『ルシファー』の仮面が割れ、破片が落ちる。

それを見て、ビルドと翼は―――ゾっとした。

 

その仮面の下は―――人のものではなかったからだ。

 

「お前・・・それは・・・!?」

中にあったのは―――人の形をした何かだった。

「ん?ああ・・・見たのか」

ククク、とリカルドは笑う。

「美しいだろう?人間という醜い外面を捨て、穢れなき存在へと昇華することに成功した我が肉体を。だけど悲しいかな。人は理解できないものを醜いと認識してしまう・・・」

ぎょろりと動く()()()()。一つの眼球に瞳孔が二つあるかのような目に、赤く焼け爛れた肌が、その割れた仮面から見えた。

「そう、世界は醜いのだよ。だから一度破壊し、零からやり直さなければならない。自らを汚れていないと言い張り、醜い姿を、心を晒し続ける愚かで醜い人類が蔓延るこの世界は、リセットしなければならないのだ」

狂っている。のかどうか分からない。

変身前のあの姿は、ある意味仮初だとして、その仮面の下に隠れた本性は、あまりにも醜かった。

「知っているかい?天使ルシファーは、神に反逆したことで、その身を堕天させ、自ら悪魔になったという事を・・・・」

黒い煙のようなものがリカルドから漏れ出す。

それが、欠けた鎧を修復していき、そして修復されたその姿は―――あまりにも悪魔そのものだった。

「今こそ、制裁の時だ!」

 

―――『セラフィック・ルシファー』。それが、リカルドの真の姿であった。

 

次の瞬間、ビルドは翼と共に遥か彼方へ吹き飛ばされていた。

「ッ!?せん―――」

寸での所で、リカルドが動くのが見え、途端に翼を庇い、リカルドの剣を受けたのだ。

だが、先ほどとは常軌を逸した機動力が、吹っ飛ぶビルドと彼に抱えられた翼に追いつき、再び別方向に斬り飛ばす。それはまるでビルドが空中でゴムボールの如く跳ねまわっているようにしか見えなかった。

今のリカルドの動きは、本当に常識外れだった。

「ぐあぁぁあああ!?」

地面に叩き落とされ、アスファルトが砕け散る。

「うう・・・戦兎・・・大丈夫か?戦兎!!」

翼がビルドの腕の中で必死に呼びかける。ビルドはうめき声を上げるのみ。すぐに動ける様子ではない。

そこへ空中から彼らを見下すリカルドは、途端に背中の翼を大きく広げる。

「これが私の裁きの力だ―――」

次の瞬間、その広げられた翼から、いくつもの光弾が、ビルドと翼に向かって雨の如く降り注ぐ。

無数の光の矢。それが、ビルドたちのいる地面を広範囲にわたって破壊する。

それに気付いた響は、思わずキャロルへの攻撃を中断してしまう。

「戦兎先生!?翼さん!?」

光矢の雨が止まり、立ち込める煙。その煙が晴れた先にいたのは、所々が砕かれボロボロの大剣を掲げるボロボロな翼と、未だ倒れ伏すビルドだった。

大剣が砕け散り、翼が膝をつき、四つん這いとなる。

「はあ・・・はあ・・・はあ・・・」

「翼さん!」

「響、危ない!!」

「ッ!?」

キャロルの錬金術が響を襲い、響の行く手を阻む。

「アァァアアァアア!!」

「キャロルちゃん・・・」

キャロルの事は放っておけない。だが、このままでは彼らが殺られてしまう。

(どうすれば・・・)

その時、すぐ隣の建物が赤色しだし、液体化して―――否、()()()()爆ぜる。

「え!?」

「ぐあぁぁぁああ!?」

「あぁぁぁあぁあ!?」

「うわぁぁあああ!?」

そこから吹っ飛んできたのは、クローズ、マリア、タスクの三人だった。

「龍我さん!?」

「マリア!?」

「慧介君!?」

すぐさま三人を受け止める響、クライム、未来。

「一体何が・・・」

「あぁ・・・くっそ、強すぎんだろ・・・」

見れば、そこからやってきていたのは、全身のほとんどを真っ黒な鱗で覆った、おおよそ人とは呼べぬ巨躯へと変化したグラントだった。

「嘘、エクスドライブとソングボトルでも敵わないなんて・・・」

「世界を壊すだけなら、力は十分ということか・・・!」

その驚異的な力に、彼らは驚くほかなかった。

 

 

 

 

 

S.O.N.G本部にて―――

「ビルド、天羽々斬、クローズ、アガートラーム、タスクのバイタル大幅に低下!」

「嘘・・・だって、エクスドライブとソングボトルでの変身なんだよ・・・!?」

それでも勝てない存在とは、

「用が済んでいれば、いつでもこちらを排除出来たということか・・・!」

デイブレイク社のリカルドとグラント。この二人の力は、あまりにも凄まじい。

「どうしようもないのか・・・!」

藤尭が歯噛みする。しかし、その時、友里の画面に、どこからともなくメッセージが入る。

「え!?」

それに驚く友里。

「し、司令!」

「どうした!?」

「ど、どこからかデータが・・・!」

「なんだとォ!?」

「差出人は・・・ッ!?」

それを見て、友里は絶句した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リカルドが、歩いてくる。

「さあ、これで最後だ」

剣を振り払い、こちらにゆっくりと歩いてくる。

「くっ」

「君たちを排除した後に、この戦場にいる我々に敵対する勢力全てを排除し、新たな方法を模索しなければならないな」

「そんなこと・・・ぐっ!?」

立ち上がろうとしていた翼が、痛みに耐え切れず膝をつく。

向こうでは、未だに凄まじい爆発音が聞こえてきているというのに。

 

 

 

「龍我!」

ほとんどのアルカノイズを殲滅し、他を三羽ガラスやストレイ社の者たちに任せ、クリスが飛んでくる。

「クリスちゃん!」

「龍我、大丈夫か!?」

響からクローズを受け取り、クリスは呼びかける。

「ぐ・・・ぁ、ああ・・・」

「龍我でも敵わないのか・・・!」

目の前にたたずむ、炎を纏った怪物。

エクスドライブとソングボトルの力をもってしても勝てない存在。

「どうすれば・・・」

その時だった。

 

突如として、視界に何かの文字列が現れた。

 

「え!?」

それに驚く一同。だが、直後に弦十郎の声が無線から聞こえてきた。

『聞こえるか!?皆!』

「師匠!?」

『今お前たちに送ったのは、この状況を打開できるかもしれない可能性だ!今はそれにかけるしかない!』

それを軽く読み上げるクライムは、感嘆を漏らす。

「これは・・・一体誰が考えたんだ」

そのクライムの疑問に、弦十郎が答える。

『差出人の名前は―――葛城忍』

その名前に、一同は驚く。

「それって、戦兎先生のお父さん・・・!?」

「どうしてそんな人が・・・!?」

 

 

 

 

 

ビルドが、仮面の奥で笑う。

「そっか・・・そうだった・・・」

それを思うと、自然と体の痛みが消えていくような気がした。

ほんの少し、体が軽くなった気がする。

「父さんも、思い出していたんだった・・・」

それを思うと、嬉しさがこみ上げてくる。

 

父親が示してくれた、この状況を打開する為の策。それに託された思いを理解せずして、何が息子か。

 

「やるぞ翼!」

「ああ。戦兎の父上が託してくれた『希望』、無駄にするわけにはいかない!」

活力を取り戻したビルドと翼が構える。

「まだ抗うのか、力の差は、理解しただろうに」

嘲笑うリカルドが、再び彼らに切り込む。

(これをやるには、どうにかしてリカルドを足止めしなくちゃいけない・・・!)

(だが、今ここにある戦力では・・・!?)

そう思考している間にも、リカルドは彼らが反応できない速度で迫ってくる。

それに、二人は歯噛みすることしかできない。

だが――――

「でっぇい!!」

突如としてリカルドの道を阻むかのように巨大な丸い何かが落ちる。

それは、調の丸鋸。

「何ッ!?」

「やぁぁああ!!」

そこへ切歌の鎌の一撃。

「翼さんは今のうちに!」

「ここはアタシらに任せるデスよ!」

「すまない!」

「翼ァ!!」

ビルドが、翼に向かって何かを投げる。

それは、フルフルラビットタンクボトル。

「頼んだぞ!」

「ああ、頼まれた!」

翼が、リカルドから背を向けて離れていく。

「何をするのか知りませんが、隙にさせるとお思いですか・・・!?」

突如として、リカルドの隙をついて、リカルドの体に鎖と棘のある蔓が巻き付く。

「これは・・・!?」

「こっちこそ、お前の隙にさせると思ったら大間違いだぜ?」

そこにいるのは、グリスとローグだった。

「そう簡単に好きにさせるかよ!」

「無駄なあがきを・・・」

次の瞬間、いとも容易く鎖と蔓が引き千切られ、神速で動くリカルドの斬撃の嵐をグリスとローグは浴びる。

「「ぐあぁぁあぁああああ!?」」

リカルドの斬撃はすさまじく、ローグのダイラタンアーマーをもってしても防ぎ切ることは出来ない。

「カズミン!?」

「幻徳さん!?」

「君たちも同じだ」

「「ッ!?」」

いつの間にかリカルドに背後を取られ、同じように斬撃の嵐をその身に受ける。

「「きゃぁぁあぁあああ!?」」

「ハハ、フハハハハ!!」

一方的な蹂躙に、リカルドは優越感に浸りながら、剣をもって蹂躙する。

だが、その背後からビルドが殴りかかる。

「無駄だよ」

「ッ!?」

いとも容易く背後を取られ、ビルドは再び蹴り飛ばされ、ビルの壁に叩きつけられる。

煙が舞い、ビルドがその中に隠れる。

「さて、そろそろ逃げた彼女を追いかけるとしようか・・・・ん?」

ふと、足が引っ張られ、見てみると、そこには、桃色の光のストリングが巻き付いており、その先を追ってみれば、倒れ伏す調の手からそれは伸びており、その調を切歌が支えていた。

「いかせない・・・!!」

そして、その言葉だけをどうにか絞り出した。

 

 

 

 

キャロルとグラントの猛攻。

それを、彼らは全力で凌いでいた。

「凌ぐんだ。雪音クリスと風鳴翼が、あれを完成させるまで、時間を稼ぐぞ!!」

「分かってんだよそんなことォ!!!」

キャロルはともかく、注意しなければならないのは、グラントの攻撃。

一撃一撃が山を吹き飛ばしかねないパワーを誇る以上、まともに受ければ敗北は必至。

とにかく、時間を稼ぎつつ、そして、クローズを倒されないように立ち回らなければならない。

元より、仮面ライダーに関してはダメージがまだ深く残っている。

このままいけば、いずれ、ダメージを誤魔化しきれずやられてしまう可能性がある。

だからこそ、彼らは耐えるのだ。

 

二人の戦姫が、『希望』を繋いでくれることを願って。

 

 

 

 

「ここまでくれば・・・」

遥か彼方の上空。そこにクリスはいた。

なるべく早く、邪魔の入らない場所へ移動し、そして、送られてきたデータの通りに、それを実行する。

「雪音ー!」

そこへ、翼もやってくる。

「先輩!」

「雪音、やるぞ!」

翼の言葉に、クリスは頷き、そして、クローズとビルドから託されたものを取り出す。

 

それは、ドラゴンマグマフルボトル。

 

そして、フルフルラビットタンクボトル。

 

これらを―――エクスドライブの『絶唱』によって変化させる。

七十億の絶唱によるフォニックゲインがあれば可能なのではないか、とは思うが、フルボトルがソングボトルに変化する為の条件は、シンフォギアと同じ、特定波形の周波数が必要なのだ。

それを、エクスドライブ並みのフォニックゲインを、その者の波形として変換したものでしか成すことは出来ない。

ラビットフルボトルは、翼の歌で変化した。であるならば、同じ成分が二倍に充填されたフルフルラビットタンクフルボトルのラビット側の成分も、翼の歌で変化する筈。

そして、ドラゴンマグマフルボトルも、龍我の力によって象られたボトルだ。元はドラゴンフルボトルと同じ成分のドラゴンスクラッシュゼリーから生まれたボトルだ。龍我の体内のエボルトの遺伝子を活性化させ、さらにドラゴンフルボトルを変化させることの出来るクリスの歌であれば、おそらく、可能な筈だ。

 

それが、葛城忍が導き出した、可能性。

 

翼とクリスにしかできない、未来を繋ぎとめる為の希望だ。

 

だから、二人は、歌う――――

 

 

「「―――Gatrandis babel ziggurat edenal―――」」

 

 

ストリングを掴まれ、切歌もろとも何度も地面に叩きつけられる調。

 

 

「「―――Emustolronzen fine el baral zizzl―――」」

 

 

クローズに迫ったブレスを『イノセントフィニッシュ』で叩き斬るも、熱を被ってしまうクライム。

 

 

「「―――Gatrandis babel ziggurat edenal―――」」

 

 

ストリングから手を離したリカルドに向かって、ツヴァイウィングへとフォームチェンジしたビルドが槍を振るい、そして逆に斬撃を受けてしまう。

 

 

「「―――Emustolronzen fine el zizzl―――」」

 

 

クローズがブラストブレードでグラントに仕掛けるも、キャロルに妨害され、そしてグラントの拳を受け、ブラストブレードを砕かれながら殴り飛ばされる―――

 

 

 

 

「がぁぁああ!?」

地面を転がり、とうとう変身解除されてしまう戦兎。

「ぐあぁああ!?」

同時に、壁を何枚もぶち抜いて落ちた先で、変身解除させられる龍我。

「が・・・ぁあ・・・」

「ぐ・・・ぅう・・・」

激痛に倒れ伏す戦兎と龍我。

「戦兎ォ!」

「龍我さん!」

グリスとタスクが思わず叫ぶ。

「これで彼は終わり・・・さて、また立ち上がられても困る。ここで息の根を―――」

「誰がさせるかゴラぁぁああ!!!」

「うぉぉおおぉお!!」

グリスとローグが殴りかかる。

「無駄だ」

だが、間髪入れずにリカルドの斬撃が迸り、それにグリスとローグが倒れ伏す。

「が・・・ぁあ・・・」

「くそが・・・!!」

斬撃を受けて、立ち上がられないグリスとローグ。

「さあ、次は誰がやられたい?」

グラントが圧倒的威圧感で、彼らを威嚇する。

「くっ・・・」

「こんな奴相手にどうすればいいの・・・!?」

圧倒的な強さ。エクスドライブでも敵わない強敵。

そんな相手に、どうすればいいのか。

「例え万策尽きたとしても・・・一万と一つ目の手立てはきっとある・・・!!」

震える拳を握り締めて、響は言う。

「だから、まだ、諦める時じゃない・・・!!!」

グラントの放つ威圧感に、すぐにでも崩れそうになる。

だが、その恐怖を押しのけてでも、やられねばならない事がある。

 

キャロルを救う。ただ、それだけの為に。

 

「そうだ・・・まだ、終わってない・・・!!」

戦兎が、立ち上がる為に地面に手を付く。

「こんな所で・・・終わって、たまるかってんだ・・・!!」

龍我も、どうにか上体を起き上がらせる。

「愛と平和の為に・・・命を削ってでも・・・!!」

「あいつを・・・救ってやんなきゃいけねえんだよォ・・・!!」

それに、リカルドは理解できないとでも言う様に首を振る。

「何故そこまでして他人の為に命をかけられる。やはり汚れているが故なのかね?」

「穢れてると言って他人を見下すことしかできない奴に、どうこう言われる筋合いなんてない・・・!!」

「なんだと・・・?」

ボロボロの体を立ち上がらせて、戦兎はリカルドに言う。

「人間には心がある・・・」

戦兎が、手をかざす。そこへ落ちてくる、一本のアイテム。

「―――魂がある。誰かを守るために、全てを投げ打つ覚悟がある!」

見上げれば、そこには、空中でこちらを見下ろす翼の姿があった。

「それが分からないお前に―――」

同時に、龍我の元にも、一本のボトルが落ちてきた。それもまた、クリスが投げたものだった。

「―――俺たちは負けない!!うぉぉぉおおおぉぉおおお!!!!」

 

『マックスハザードオンッ!!』

 

戦兎が、絶叫と共にハザードトリガーを起動、それをビルドドライバーに装填した後に、そのフルフルラビットタンクフルボトルを振る。

 

 

―――ジャキンジャキンジャキン―――

 

 

まるで金属同士が擦れ合うかのような音が鳴り響く。

何回か降った所で戦兎はボトルのセレクティングキャップを捻り、蒼く変化したラビットの側を向ける。

 

 

ブレイドラビット!!』

 

 

そのまま両側を引っ張りビルドアップコネクターを接続、それをビルドドライバーに装填する。

 

 

ラビット(アンド)ラビット・ブルー!!』

 

 

 

装填した途端、突如として戦兎の周りに竜巻が巻き起こる。

 

『ザンテンキン!ザーンテンキン!ザンテンキン!ザーンテンキン!』

 

「ぐ・・・ぅ・・・ぁあぁああ!?」

そして、突如として戦兎の身体中に何かに斬りつけられたかのような傷がいくつも出来あがり、血が舞い上がる。

「戦兎!?」

それに、翼は思わず声を挙げる。

 

 

それと同時に、龍我もクリスから受け取ったボトル―――『ドラゴンコロナフルボトル』をマグマナックルに装填していた。

 

『ボトルハイバァーンッ!!』

 

それをそのままビルドドライバーに装填する。

 

クロォーズコロナァ!!』

 

その直後、突如として龍我の足元が熔解したかのように溶け出し、龍我を足元からいきなり焼き上げる。

「ぐ、ぅあぁぁぁぁぁあああ!?」

それは、龍我の足元からマグマが溢れ出しているからだった。

「龍我!?」

それに、クリスは思わず悲鳴のように声を挙げる。

 

 

 

 

 

竜巻に巻かれ、鎌鼬に切り刻まれているかのように傷ついていく戦兎。

 

足元の溶岩とその熱気に全身を焼かれる龍我。

 

 

その光景に、彼らは血の気が引くような感覚を覚える。

 

「ぐ・・・ぅぅうう――――!!」

「う・・・ぉぉおお――――!!」

 

だが、それでも戦兎と龍我は耐えながら、その雄叫びと共にボルテックレバーを回していく。

 

『ジャキジャキジャッキンズッパンズパン!ジャキジャキジャッキンズッパンズパン!』

 

展開される、ハザードビルダーとマグマライドビルダー。

だが、マグマライドビルダーの中に内包されているものは、明らかに別ものだった。

 

 

『Are You Ready?』

 

 

覚悟は良いか、と問いかけてくる。

何十回と聞いたその言葉は、彼らに『彼女を救う覚悟』と『奴らを打ち倒す覚悟』を問いかけてくる。

その問いかけに、変身する前からすでに満身創痍である彼らは、それでも迷いなく叫ぶ。

 

「「変身ッ!!」」

 

ハザードビルダーが戦兎を挟み込む。それと同時に巻き起こっていた竜巻の中から、一匹の青い兎が現れる。

その兎の耳は刃のような刃があり、よく見れば全身に刃という刃がついていた。

そして、ハザードビルダーの中から現れたビルドは、()()()の複眼を光らせ、そこに立っていた。

 

マグマライドビルダーから溢れ出た、直視することも出来ない程輝く液体を浴びる龍我。その溢れ出た輝く液体が地面に広がり、そこから巨大な龍が姿を現す。しかしその輝きが失われ、その液体が冷えて固まった時、背後のビルダーが、それを砕く―――

 

 

『オーバーフロウッ!!!』

 

蒼穹(そうきゅう)のスカイウィンガーッ!!!

 

ラビットラビット・ブルー!!!

 

『ヤベェーイッ!!!キレェールッ!!!

 

 

 

日輪筋肉ゥッ!!クロォーズコロナァッ!!!』

 

ギラギラギラギラギラギラァァァンッ!!!』

 

 

 

五つの鎧に別れた青い兎を、黒いビルドは装着していく。

そして、そこから現れたのは、ラビットラビットを青くしたような装甲を纏った戦士。

その名も『仮面ライダービルド/ラビットラビット・ブルーフォーム』。

天羽々斬の力を存分に身に纏った、ビルドの新たな力。

そして、クローズも固まった液体を砕かれ、そしてそこから現れたのは、眩い光を発する凄まじい熱を発する戦士。

その名も『仮面ライダークローズコロナ』。

クリスの歌によって、その身をマグマからコロナへと昇華させた瞬間だった。

 

「よしっ!」

変身が成功したことに翼は思わずそう声を漏らす。

「やっちまえ!龍我!先公!」

そしてクリスが、拳を振り上げて、そう叫ぶ。

「それが、君の全力と言うわけか」

リカルドが盾を構える。

「どうやら、少々警戒した方がよさそうだ」

そうリカルドが呟いた瞬間、

「・・・行くぞ」

 

―――ビルドの姿が消える。

 

「なっ!?」

そして次の瞬間、背後から後頭部をぶん殴られて地面に沈んだ。

あまりの威力に地面を跳ね、すかさずそこへ四方八方から連続して斬撃がリカルドに襲い掛かる。

そして最後に、()()()()()を喰らって吹っ飛ばされる。

「―――っァ!?」

その速さは、次元を超えていた。

(こ、の速さはキツい!?)

その一方、ビルドはそのあまりの速さに、目が追いつかないでいた。

それが証拠に、何発か空振った。

「これが、ラビットラビット・ブルーの力か・・・!」

「ぬ・・・ぐぅ・・・!」

吹っ飛んだ先の撃ち抜いた壁からリカルドが這い出てくる。

「あまり調子に乗らないことだ」

「・・・そうかよ」

リカルドの言葉にそう答えると、ビルドは腰を下ろす。

そして次の瞬間、神速の戦いが幕を開ける。

 

 

 

その一方で、

「あっちは始めたか」

グラントがその様子を見ていた。あまりの速さに姿は見えず、気付けばビルは両断され、地面は斬り裂かれ、もはや斬撃の暴風雨である。

「さて、それでお前はどうする?この『竜』に立ち向かうのだ。それ相応の力は備えてきたのだろう。まあどちらにしろ、お前たちが全滅するという未来に変わりはない」

そう、見下すようにいうグラントに、クローズはすっと腰を下ろす。

「俺たちの未来を――――」

そして次の瞬間、クローズが背中の翼を燃え上がらせて、飛ぶ。

それに対して、グラントは軽く薙ぐつもりで拳を引き、そして、同じく振り被ったクローズの拳と正面衝突させる。

 

――――マグマは、それを構成する物質によって温度が変わるが、最大で1200℃に達する。

 

だが、太陽の表面より下層であるコロナの温度は―――実に100万℃に達する。

 

故に―――

「ぐぅあ!?」

溶岩で水浴びする程度の竜の鱗など、簡単に溶かせる。

 

『竜』でも『神』と例えられる『太陽』には敵わない。

 

そして、クローズは叫ぶ。

 

「―――お前が決めるなぁぁぁぁぁあああ!!!」

 

そして、二度目の拳を、グラントの頬に叩きつけ、殴り飛ばす。

グラントがビルをいくつも貫いていくのを見届けず、クローズは後ろを見る。

「あいつらは俺と戦兎でどうにかする!この間にお前らはキャロルを頼む!」

「分かりました!」

響がそう答え、クローズはすぐさまグラントの方へ飛んでいく。

そして、響は、キャロルと向き合う。

「ゥウ・・・アァァアア!!」

苦しそうに呻くキャロル。

「キャロルちゃん・・・・今、助けてあげるからね」

響はそう呟き、そして、背後にいる仲間たちと共に、キャロルを止める為に再び突撃する―――




次回!愛和創造シンフォギア・ビルドは!?

戦場に炸裂するビルドとクローズの力。

「俺のコロナが迸るッ!!」

そこで現れるキャロルの最後の奥の手。

「碧の獅子機・・・!?」

追い詰められるリカルド。

「もう終わりだ」

だが、そこでリカルドが、最悪の手に出る。

「清き世界の為に、その命を捧げなさい」

「やめろぉぉぉぉぉぉおおおぉおおおお!!!」


次回『堕天使の啓示』


「―――やぁっと余裕がなくなった」

オリジナル章はやったほうがいいか

  • バーサーカーソウル!(いいぞもっとやれ
  • そんなことはどうでもいい!(どちらでも
  • 嘘を吐くな!(やるな
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。