響「しかしその世界は、特異災害『ノイズ』によって脅かされている世界で、戦兎先生は再開した龍我さんと、その世界で出会った私たち立花響及び、風鳴翼さん、雪音クリスちゃんと、F.I.Sなどのシンフォギア装者と共に、ノイズの殲滅に成功するのでした」
龍「喜んだのも束の間、今度現れたのは錬金術師とか言う奴を名乗るキャロルっていう奴と」
ク「デイブレイク社っていうろくでもない奴らが新たな脅威として現れた」
翼「そして、特異災害対策本部二課改めS.O.N.G.は、そのキャロルたちに対抗すべく、新たに加わった二人のライダーやF.I.Sの装者と仮面ライダーと共に、ついに最終決戦へと突入した」
シ「世界を分解する『チフォージュ・シャトー』の破壊に成功し、残すはデイブレイク社の幹部であるリカルドとグラントのみ」
慧「だが、その圧倒的な力にエクスドライブやソングボトルを使っても俺たちは押される・・・」
マ「だけど、そこで起死回生の一手が予想外の人物によってもたらされる」
切「それによって、ついに逆転!と思いきや、またもやどんでん返しでリカルドがとんでもないことをしたのです!」
調「だけど、それでも響さんたちは諦めなかった・・・・」
未「そして成し遂げたのが、ビルドの新たな姿『ビルド・アッセンブルフォーム』!」
戦「と、いうわけで、ついに最終決戦だ!『Glorious Break』でも聞きながら見ろ!シンフォギア・ビルド第二十六話をどうぞ!」
ビルド・アッセンブルフォーム。
七つのシンフォギアをラビットラビットやタンクタンクと同じように鎧として身に纏わせることで成し得る、真なる仮面ライダーとシンフォギアの力が融合した姿。
そして、その姿に、リカルドは、戦々恐々していた。
「なんだそれは・・・」
あまりにも、神々しいその姿は、リカルドが目をそらしたくなるほどの輝きを放っている。
何故なら、その光は、あまりにも―――美しかったのだから。
「・・・ん?」
その最中で、ビルドは自分の身に装着させられている鎧に気付く。
「・・・なんだこれはぁぁぁあ!?」
そして絶叫。
「え!?なんだこれ!?俺いつの間にこんなもん作ったっけ!?」
「んなわけないでしょこのおバカ!」
「こういう時に変なボケかまさないで欲しいデス!!」
一人驚くビルドにマリアと切歌が一斉にツッコみを入れる。
それも無理もないことだがオーバーフロウ状態では意識は遮断され、完全な戦闘マシーンへとなってしまうために記憶には残らないのだ。
「私たちのアームドギアを鎧として纏わせました!それで、ハザードトリガーの影響をどうにか出来ると思います!」
「え?ああ、なるほど・・・」
それを聞いて納得するビルド。
「ふざけるな・・・」
その時、リカルドの方から声が上がる。
「貴様のような、穢れた人間如きが―――そんな美しい姿をしていい筈がないぃぃぃいい!!」
「うぉぁぁぁああ!?」
ビルドに向かって、無数の光弾が叩きつけられる。巻き起こった煙が光弾に撃たれるビルドを隠していく。
「戦兎!?」
思わず声を挙げる翼。だが、煙が晴れた先で、ビルドは両腕を掲げた状態で無傷で立っていた。
「・・・・あれ?」
そして、ビルドは何事もなかったかのようにそこに立っていた。
「ば、馬鹿な・・・!?」
そしてリカルドは、こちらの攻撃が効かなかったことに動揺していた。
その一方、ビルドの鎧には一切の傷すらも入っていなかった。
それを実感して、ビルドは拳を握り締める。
「そうか・・・」
そして、ビルドは後ろにいる仲間たちの方を向く。
「これは、お前たちが繋いでくれた希望なんだな・・・」
その言葉に、彼女たちは頷く。
それを受けて、ビルドは再び敵を見据える。
「―――さあ、
ビルドが飛び上がる。
そのまま一気に獅子の鎧を纏う竜に突撃する。
それに対し、落書きのように細い腕がビルドを迎撃しようと襲い掛かる。
だが、高速で動くビルドを、捉えることが出来ない。
七人分のエクスドライブの力をそのままに、鎧として装着されたビルドの力は、極限以上に高められている。
ビルドを近づけさせまいと、今度は無数の光弾がビルドに襲い掛かる。
それをビルドは飛翔することで躱していく。だが、弾幕の厚さに思わず距離をとらざるを得ない。
「堕ちろ、堕ちろ堕ちろ堕ちろ堕ちろ堕ちろ堕ちろ堕ちろ堕ちろ堕ちろ堕ちろ堕ちろ堕ちろ堕ちろ堕ちろ堕ちろぉぉぉおおおおおぉおおぉお!!!」
もはや滅茶苦茶にやりだすリカルドの猛攻。
「くっ!」
その攻撃の嵐に流石のビルドも苦悶の声を挙げる。
「何やってんだ!!」
「ッ!?」
その時、クリスの声が頭の中で響く。
すると、ビルドの両腕が無意識のうちに動き、広げられたその両腕から真っ赤なサブマシンガンが出現する。
そして、その引き金を、襲い掛かる光弾に向かって放つ。それと同時に、ビルドの背中から無数のミサイルが放たれる。
それらが光弾と正面衝突し、激しい光を巻き散らして爆散する。
その光の中を、ビルドは突っ切り一気に竜へと迫る。
再び竜から無数の光弾やらくがきのような手が迫る。
それをビルドはさらに変形させ、ビームライフル状にした両手の銃をもって迎撃。襲い掛かる光弾を躱し迎え撃ち薙ぎ払い、一気に近付いていく。
その最中で、竜の背中と融合しているリカルドが剣を振りかぶる。
「堕ちろぉぉぉおおぉおお!!」
そして放たれるのはデビルソード。漆黒の斬撃がビルドに迫る。
「戦兎ッ!!」
「ッ!」
それがビルドに直撃した瞬間、斬撃は真っ二つに割れ、それぞれ別々の方向へ飛び、背後の建物を切断する。
見ればビルドは掲げた大剣をもって斬撃を逆に切断したのだ。
反動で止まってしまい、再び突撃を始めるビルド。
そして、剣を掲げ、それを一気に背中にいるリカルドに振り下ろす。
それをリカルドは横薙ぎをもって迎え撃つ。
剣の衝突、激しい衝撃が迸り―――全ての窓が粉々に砕け散る。
その衝撃から、無防備な装者たちをライダーたちは守る。
「くっそ、なんて衝撃だよ」
「これは現実で起きている事なのか・・・まるで・・・」
鍔迫り合いを繰り広げるビルドとリカルド。そのビルドの死角かららくがきのような手や、竜の体表から現れた泥の手が、ビルドを捉えようと襲い掛かる。
それを、ビルドは腰部の機構を開き、そこから淡い紫色の光を放つ球体を拡散させ、さらに襟から伸びる黒い帯、アームの先に取り付けられた回転鋸が、それらを迎撃する。
球体は光の光線となって撃ち抜き、帯は叩き落し、鋸は鏖殺する。
やがて、防ぎきれないと判断したビルドが自ら下がり躱し、そして、すかさず左腕のガントレットが変形、巨大な砲門となってリカルドを撃ち抜かんと砲撃する。
それをリカルドは竜の体表から謎の泥を壁のように展開し防ぎ、今度はそれが津波となってビルドに襲い掛かる。
それをビルドは飛んで躱す。すかさずその波から黒い手が伸びてきて、それを光の球体で迎撃する。
それだけで、無数の爆発が引き起こされ、次の瞬間、らくがきの腕の拳の一撃がビルドに突き刺さり、巨大ミサイルの一撃が竜を吹き飛ばす。
ビルドが遥か彼方まで、山に激突し、竜は背後のビルと共に落ちていく。
「・・・・神の戦争かなんかじゃないのか・・・」
クライムは、柄にもなくそう呟く。
「・・・・」
山に叩きつけられ沈黙するビルド。
そのビルドに、落ちかけていた竜が立て直し、ビルドに向かって、再び無数の光弾を降り注がせる。
それらが、ビルドに殺到し、再び山を焼け野原にする。
だが、その焼け野原は一瞬で鎮火され、その中からビルドが立ち上がり、肉眼では捉えきれない速さで一気に竜へと接近する。
それを竜は迎撃しようとするが、その前に突如として竜の皮膚が大きく凹みだす。
ビルドが、飛びながらライフルで撃ち抜いたのだ。
そして、その凹んだ所に向かって右拳『ガングニールガントレット』の一撃を叩き込む。
黄金の拳の一撃の衝撃が、竜の体に浸透する。
しかし、その皮膚から鱗だらけの手が現れビルドの右腕を掴み、拘束する。
そしてすぐさま上下左右から光弾や泥の手が襲い掛かってくる。
それを、ビルドは左手を手刀の形にして腕を切断、離れて光弾を回避。
躱されたことで正面衝突した光弾は竜の皮表面で炸裂する。
しかし、その光の中から、緑の鱗と翼をもった一つ目の化け物が無数に現れる。
それをビルドは刀をその手にもって迎撃。迫りくる化け物『ドラゴトルーパー』を全て一刀両断していく。
そこで竜が動き、その巨大な腕を振り上げ、それを一気にビルドに向かって振り下ろす。
それをビルドは躱そうとするが、それを切断された筈のドラゴトルーパーたちが捉える。
そして、途端に石化し、ビルドの動きを封じ、そして拳を叩きつけた。
拳を叩きつけられたビルドは長い道路に落ち、そのまま何回かゴムボールのように飛び跳ね、建物をいくつも突き破っていく。
やがて沈黙する衝撃。立ち込める煙の中、ビルドはのんきに本部へと連絡を入れる。
「おい風鳴さん・・・」
『どうした!?』
「悪い・・・街壊すわ」
『は?』
本来であれば絶対に言いそうにない言葉。しかし、もはやなりふり構ってる状況ではない。
「どうした?もう終わりか」
リカルドが、嘲笑うかのようにそう言う。
しかし、次の瞬間、建物が吹っ飛び、放たれた虹色の光が竜を打ち据え、吹き飛ばす。
「ぐああぁぁああああぁあああぁああああ!?」
それは―――S2CA。
響十八番の、絶唱を束ね究極の一撃と化す大技。
それを、ビルドは体の中を巡るフォニックゲインを利用して放ったのだ。
いや、正確には違う―――
S.O.N.G本部にて。
「シンフォギアで構成した鎧を通して、装者の意識と同調・・・それによって戦闘能力を向上させているのか・・・!!」
信じられない、というように声を震わせて、そう呟く藤尭。
「だが、装者七人分の意識となれば、脳に凄まじいまでの負荷がかかる・・・常人であれば、そんなもに耐えられる筈がない・・・!!」
弦十郎の言う通り、七人分の意識と同調させるという事は、それほど自身の意識に負荷をかけるという事、最悪意識の混濁によって心神喪失状態になる可能性だってある。
だけど――――
「きっと、大丈夫です」
セレナが、自信ありげに言う。
「だって、あの人は―――自意識過剰で、ナルシストで、天才物理学者で、正義のヒーローなんですから!」
それを信じて、彼女たちも戦う。
「もう一発―――」
「――――行きます、S2CA―――ビルディングエディション!!」
響の動きに、ビルドが合わせる。それは簡単に言えば呼吸。武道における、精神統一を促す呼吸法だ。
それをもって、体内を循環するフォニックゲインを束ね、そして―――撃ち放つ。
ゲインタイプ・ガングニール/Gブロウ
「雷を、握りつぶすように―――打つべぇぇえええぇええっしぃぃいい!!!」
二度目の拳。それが、今度こそ竜を撃ち落とす。
再びの飛翔、地面すれすれを滑空し、堕ち行く竜の下をとると、今度は左拳を真上へ掲げる。
「セレナ、マリアァッ!!!」
「はい!」
「分かっている!!」
ゲインタイプ・アガートラーム/ツインチャージパーティクルキャノン
放たれる、純銀の輝き。それが、真下から竜を打ち据え、上空へと持ち上げる。
滞空時間が、伸びる―――
大きく腰を落とす。するとどうだ?緑の足から鎌が飛び出し、桃色の足からは鋸が飛び出す。
それをもって上空へ飛び出し、右足の鋸を竜の皮膚に叩きつける。
血しぶきが舞い、ビルドは竜の皮表面を一気に駆け抜け、真上に出る。そして、今度は左足を振り上げ、その踵に出現させた鎌の刃を、高速回転と落下の威力と共に、竜へ叩きつける。
切断には至らない、だが、刃は食い込む。
「鏖殺してあげる!」
「切り刻むデス!」
「なます切りだ」
ゲインタイプ・シュルシャガナ/インフィニティ・ソー
ゲインタイプ・イガリマ/ジャッジメント・ギロチン
右足を踏みしめ、巨大な鋸で竜の皮膚を滅多切りにしていく。泥のような手も、ドラゴトルーパーも、光弾すらも何もかも。
さらに足裏からも鋸を出して体内すらも傷だらけにしていく。
そして、それで固定した右足を軸に、イガリマの鎌をその手に持ったビルドは大きくその鎌を振りかぶる。
その鎌は、見るからに大きく、一撃で竜を叩き斬るつもりなのが見え見えな程に大きかった。
そして、鎌に備えられたジェット機構が火を吐き、直後の爆発と共に加速。爆速の斬撃が竜の体表を大きく切り上げる。
竜が、悲鳴を上げて暴れる。
らくがきのような手が襲い掛かり、それをビルドは躱す。
その躱した先、リカルドのデビルソードが炸裂し吹っ飛び、ビルに叩きつけられ、そこへ今度は竜と獅子の砲撃が襲い掛かる。
しかし、それは突如として現れた鏡によって阻まれる。三重に阻まれた、三つの鏡。
それが、光を防ぎ、押しとどめる。
「大切な願いを―――」
「―――思い、祈りを―――」
「「守るために」」
ゲインタイプ・神獣鏡/呪術砲
呪いから祈りへ。
光が、竜を吹き飛ばす。
明らかに、弱っているのが分かる。
チャンスは、今。ビルドは飛ぶ。
しかし、それでもリカルドの猛攻は止まらく。
放たれる、無数の光。
それに対して、ビルドはあえて突撃を選択。その手に先ほど使ったライフルを構え、飛翔したまま狙いを定める。
「狙い撃つ」
「二度と外さねえ・・・!!」
ゲインタイプ・イチイバル/ロックオンIストラトス
放たれる、弾丸三撃。
それが、背後のリカルド、竜の顔面、そして、獅子の兜を狙い撃つ。
その時、獅子の鎧にひびが入る。
それに、ビルドは一刀の刀を抜き、正眼に構える。
「行くぜ翼」
「承知―――参るッ!!」
ゲインタイプ・天羽々斬/天羽々斬・真打《月兎》
その斬撃は、三日月だった。
弧を描いた斬撃は、獅子の仮面を打ち、砕く。
それはまさしく、母兎が子兎を守るために見せる、天敵への一撃の如く。
そして、その獅子の鎧の中に、ダウルダブラの糸に雁字搦めされてとらわれた、キャロルの姿があった。
「キャロルちゃぁぁぁぁぁああん!!」
「キャロル!」
叫び、ビルドはすぐさま手を伸ばす。だが、その体を黒い腕に掴まれ、一気に引き離される。
「くっ、せめて―――!!」
その時、ビルドの額から、光が放たれ、それがキャロルの胸を打つ。
「渡しはしない。彼女は貴様らを殲滅するための生贄なのだからなぁぁああ!!!」
「ふっざけんなぁぁあああ!!!」
次の瞬間、リカルドのデビルソードがビルドに直撃する。
だが、巻き起こる煙の中、どうにかアガートラームのバリアで凌いだビルドが飛び出す。
「出力が足りていない・・・ならば!」
クライムは、自身のドライバーに装填されているクライムウルフから、アガートラームウルフソングボトルを抜き出す。
「慧介、お前もシュルシャガナタイガーを」
「分かった!」
クライムの言葉に従い、タスクもシュルシャガナタイガーソングボトルを取り出す。
「桐生戦兎!これをアームドギアに装填しろ!!」
そして、ビルドに向かって投げられる、二つのボトルを、ビルドは空中で掴み取る。
それをすぐさま、それに対応するアームドギアに装填する。
ガングニールガントレットにはガングニールフェニックスソングボトルを。
アガートラームガントレットにはアガートラームウルフソングボトルを。
イガリマレガースにはイガリマシャークソングボトルを。
シュルシャガナレガースにはシュルシャガナタイガーソングボトルを。
そして、BLD神獣鏡ヘッドには、神獣鏡ユニコーンを。
それぞれに対応するボトルを装填する。
それによって、各シンフォギアに搭載された力が解放され、ビルドの戦闘力をさらにブーストする。
「うぉぉぉおぉぉおおおぉおお!!!」
絶叫し、ビルドは再び竜に向かって突撃する。
その最中で、キャロルは目を覚ます。
「う・・・うう・・・」
そして、何やらうるさい、と感じて、目の前を見てみれば、そこには無数の光が迸っていた。
「これ・・・は・・・」
一体、何故こうなっているのか分からない。
そもそも、
だが、一つだけ分かるのは、自分は何か、取り返しのつかない事をしてしまったという事。
それに、自分の名前も思い出せないキャロルは、目の前に輝く光の中で、一際強い光を見た。
「キャロルゥゥゥゥゥゥウウ!!」
『キャロルちゃぁぁぁぁあん!!』
二人分の声が、重なって聞こえた気がした。
『キャロル!!』
知らない、だけど知っている声が聞こえた。
『キャロル―――生きて、世界を知るんだ』
忘れてしまった筈の、大切な人の声が聞こえた気がした。
自分に向かって伸ばされた手。
『いつか人と人が分かり合うことこそ、僕たちに与えられた命題なんだ』
知らない、大切な人の言葉が、胸に染みる。
『賢いキャロルには、分かるよね?そしてその為にはどうすればいいのかを』
その手に、キャロルは手を伸ばし―――突如としてその光が見えなくなった。
「あ・・・!?」
その光を、見失ってしまう―――だが、次の瞬間、再び光が迸り、何かが暗闇を打ち砕いて中に入ってくる。
その光に、忘れてしまった人の面影を重ねて――――
「―――パパぁぁぁああぁぁあああああ!!」
―――誰かの手が、自分の手を掴んだ。
抗うかのように、暴れるかのように、竜が光を巻き散らす。
その光が街をどんどん破壊していく。
もはや災害だ。
そして、その災害に立ち向かう、それに等しい力をもった存在が、その災害に突っ込んでいた。
「もう一度行くぞォ!!」
「はい!!」
その手には―――修復済みのグリスブリザードナックル。
それに、ビルドは右腕のガングニールガントレットを接続、そのままガングニールガントレットとグリスブリザードナックルを接続する。
何故、グリスブリザードナックルをもっているのか。
単純な話が念のために用意していたもの。だが、戦いのあまりの激しさに渡す余裕がなかったのと、今の今まで忘れていたことが原因であった。
だが、今それが手元にあることに、ビルドは心底安心している。
ブリザードナックルが、黄金に染まる。
『ボトルキーン!!』
そして、そのままロボティックイグナイターを押し込み、エネルギーを溜める。
ゲインタイプ・ガングニール/―――
もう一度、救うための手を――――
『イグナイテッドナックルゥッ!!シャリィィン!!』
黄金色の輝きに、竜はありとあらゆる手を尽くして滅しようとする。
光弾、泥、らくがきの手、竜の鱗、ドラゴトルーパー――――何もかもをもって防ごうとした。
だが、それらは
その一撃が通り、ビルドは今度こそキャロルの元へ飛ぶ。
すぐさまブリザードナックルを収納してその右手を伸ばす。
そして、キャロルの方からも伸ばされた手を、ビルドは掴む。
「うぉぉぉぉぉおおぉおお!!」
ビルドが絶叫し、キャロルを無数に絡まった魔弦から引き千切るように引っ張り出し、そのまま外に出る。その際、キャロルの長い三つ編みのおさげ髪が千切れ飛ぶ。
「ぬぐあぁぁあぁぁあああ!?」
それによって、リカルドが絶叫する。
ビルドはそれを無視して、すぐさま響たちの元へ飛ぶ。
「頼んだ!」
「はい!」
そして、キャロルを響たちに託し、再び竜と対峙するために飛ぶ。
「ぐ・・・ぅう・・・」
その最中で、リカルドは呻き声をあげ、顔を抑えていた。
「許さない・・・許さない許さない許さない許さないィィイ!!!」
リカルドが、醜く喚き散らす。
「美しき世界を拒みィ!!汚れた世界を望む異端者どもがァ!!我らが
「神の使者にでもなったつもりか」
ビルドがリカルドに向かってそう言う。
「どれだけ自分を特別視しても、所詮お前も目立ちたがり屋の一人の人間に過ぎねえんだよ」
「黙れ、黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れェ!!!その醜い姿を私に見せびらかすなァァァァアア!!!」
次の瞬間、突如として竜の体に光が出来る。
「これは・・・!?」
何かを錬成して、力へと変えているのはわかる。だが、それが一体何なのかまでが分からない。
「我が存在、我が精神、我が血肉、我が時間、我が歴史、我が概念、そして命!!その全てを錬成し、力へと変え、貴様を排除する礎としてくれるッ!!」
エネルギーが拡大、収束していく。
その威力はおそらく、この街どころか都市一つ吹き飛ばすほどの威力となるだろう。
その出力は、おそらくビルドの力を超えている。
―――だとしても。
「まだ終わっちゃいない!!」
ビルドがボルテックレバーを回す。
すると、ビルドドライバーからパイプ―――スナップライドビルダーが伸び、それが突如として何かを形成しだす。
ビルドドライバーに装填されたものだけじゃない。全身のアームドギアに装填されたソングボトルの成分すらも使って、それを形作ろうとしているのだ。
無限に伸びるスナップライドビルダー。それらが枝分かれし、形を成し、作り上げていく。
―――それは、巨大な拳。
響が叩き付け損ね、そしてリカルドによって振り払われた、七つのアームドギアを束ねた巨大な拳。
それを、今、ビルドは
『Ready Go!!』
そして、ビルドは飛翔する。限界まで加速して、そのままその拳の後ろから、渾身のライダーキックを叩きつけ、一気にリカルドにその拳ごと突撃する。
『ハザァードフィニィッシュッ!!!』
それに対抗するが如く、竜の口から、闇色の咆哮が放たれる。
七色の拳と闇の咆哮。
その双方が、真正面から激突する。
「うぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉおおおぉぉぉおおお!!!!」
「ハァァアァァァアァァァァアアアァァァァアアア!!!!」
激突する二つの力の奔流。
だが、押し負けているのはまさかのビルドだった。
「ぐ・・・くぅ・・・!?」
リカルドが錬成しているのは、何も自身の存在だけではない。
流石にダウルダブラには手を出せなかったが、それでもグラントの竜の体に加え、自らが身に纏うファウストアーマー『ルシファー』すらも錬成してエネルギーを錬成。さらには空気中の酸素やら水素やら窒素すらも原子の性質すら無視してエネルギーに錬成。それをそのまま竜の咆哮として放っているのだ。
このままでは、ビルドは三十秒とて持たない。
だが、それを黙ってみているほど、彼の仲間は人が出来ていない。
「今度こそ、戦兎に力を!!天羽々斬ィ―――!!」
「イチイバァァァアル!!!」
「アガァートラァァァァァム!!」
『お願い、アガートラーム!!』
「イガリマァァァァァァア!!!」
「シュルシャガナァァァアア!!!」
「神獣鏡――――ッ!!」
装者たちが、自らに残ったエネルギーをビルドに収束させる。
それと同時に、アトーンメントからアサルトへと変身したクライム、タスク、グリス、ローグ、そしてクローズが、必殺技のエネルギーをそのままビルドに収束させる。
「全ての明日をォ―――!!」
「勝ち取った奇跡で―――ッ!!」
「ぶちかませぇぇええ!!」
「いけ!桐生戦兎ォ!!」
「いっけぇぇえええ!!」
そして、最後の一人が、その力を、最後の希望を託す。
「ガァングニィィィィィィィィイィィイイルッ!!!」
絶叫。そして、全ての願いを込めて――――
―――絶望の未来を打ち砕き、最高の未来を
その栄光を打ち砕く一撃が、加速する。
「ガァァァアアァァァアアァアアア!!!」
だが、七人の装者と六人の仮面ライダーの力を収束させてやっと互角。
しかもエネルギー消費はビルドたちの方が早く尽きる。
このままでは、いずれエネルギー不足で吹き飛ばされる。
――――であるならば!!
「イグナイトモジュール―――」
―――彼女が届けてくれた『
黒の呪いが、ビルドを包み込む。
その絶叫と共に、ハザードトリガーのメーターを振り切り、敵の血を吸うまで止まらない魔剣の呪いをもって、力をブーストする。
思惑は違えど、キャロルが託し、エルフナインが届けた、最後の希望――――『イグナイトモジュール』。
それによって、ついに拳が竜の咆哮を押しのける。
呪いは―――祈りへ。
「なっ――――」
そのまま、拳は竜に炸裂、凄まじい衝撃を巻き散らし、獅子の鎧を砕き散らす。
「ぬ・・・ぐあぁぁぁあああ!?」
最後の最後で、逆転―――かに思われた、その時、突如として竜の体が膨張し、光を巻き散らす。
「ぐ・・・く・・・せめて、打ち倒せないのであれば・・・このまま貴様らを道連れにしてくれるぅぅぅうう!!」
叫び散らすリカルド。
「行き場を失ったエネルギーが、暴走を始めています!」
「被害予測、開始します!!」
眩い光が、竜から発せられる。その光景が、S.O.N.Gの発令所のモニターからも見えていた。
「エネルギー臨界到達まで、あと六十秒!!」
「このままでは、半径二十四キロが爆心地となり、六キロ以内の建造物が深刻な被害に見舞われます!!」
「ぬぅ・・・」
その報告、弦十郎は歯噛みし、緒川は冷や汗を流す。
「まるで、小型の太陽・・・」
その時だった。
溢れ出るエネルギーが、突如として一点に集まりだす。
「これは・・・!?」
「何が起きている!?」
「く・・・ッ!?これは、まさか・・・!!」
藤尭が、その正体を知る。
「び、ビルドです!ビルドが、暴走したエネルギーをかき集めて、抑え込んでいます!!」
「なんだとォ!?」
その言葉に弦十郎は驚き、
「戦兎先生、まさか・・・!」
そのビルドの行動に、セレナは、願わずにはいられなかった。
「な―――ッ!?」
例え一纏めにしたとしても、その身に宿るシンフォニックマッチの力は健在。
力を纏め上げて自らの力に出来る、ガングニールフェニックスと天羽々斬兎の『ツヴァイウィングフォーム』の力によって、臨界状態になったエネルギーを一気に纏め上げ、爆発を抑え込もうとしているのだ。
溢れ出る光が、リカルドの目の前に立つビルドに収束する。その胸に、今にも爆発しそうなほどに輝く真っ白な光があった。
それを目の前にして、リカルドは、最後に喚く。
「――――たかが歌如きに、世界を救えるものかァ!!」
腕を振り払い、そしてその指を突き付け、言葉の刃を突き付ける。
「貴様の力も、所詮は破壊の為の力!!!そんな力で救えるものか!誰も救えるものかァ!!」
真実を、最後のあがきとばかりに叩きつける。
「貴様のその足で、どれほどの人間を踏み潰してきた!そしてお前は、これからもその足で、誰かを踏み潰していくんだろう!!そんなお前が、誰かを救えると己惚れるなァ―――」
「それでも」
光を収束し、臨界点にまで貯め込んだエネルギーを抱えたまま、ビルドは言う。
「それでも救ってみせるッ!!」
その言葉に、リカルドは茫然とする。
「それが―――『仮面ライダー』だ!!」
そう叫び、ビルドは自身の右手を、右側の複眼のアンテナに滑らせて、決め台詞を決める。
「―――勝利の法則は決まった」
そして、ビルドは飛び上がる。
収束したエネルギーを抱えながら、ビルドは、一気に竜に向かって右足を突き出す。
「響の拳が繋がる手であるのなら、俺のこの足は伸ばす先に向かって進むための一歩だッ!!!」
そして、流星の如き勢いで竜に突撃し―――
「想いは、永遠だぁぁぁあああぁああぁぁああぁああああ!!!!」
―――絶叫と共に竜へと突撃し、そして――――臨界に達したエネルギーが、全てを吹き飛ばした――――
次回!愛和創造シンフォギア・ビルドは!?
あの戦いから三日―――
「・・・桐生戦兎の捜索が打ち切られた」
行方不明となった戦兎。
「・・・来てくれて嬉しいです」
風前の灯のエルフナイン。
「・・・ごめん」
その事実は、どうしようもなく彼らの心に突き刺さる。
「世界を守れるなら、消えてもいいって思ってた・・・」
そして、運命は―――
次回GX編最終回
『正義を信じて、握り締めて』
「―――ボクは」
オリジナル章はやったほうがいいか
-
バーサーカーソウル!(いいぞもっとやれ
-
そんなことはどうでもいい!(どちらでも
-
嘘を吐くな!(やるな